運び屋のレビュー・感想・評価
全496件中、201~220件目を表示
人生の在り方
いい意味で退屈な映画だった
映画の満足度ってシナリオも重要だけどそれを誰が演じるのかって事にも左右されるんだなあと改めて感じた
勿論、無名な役者の方が功を奏する場合もあるけど、この映画だったらクリントイーストウッドじゃないとダメだ
自由に自分の思うまま生きてきた男が最終的に家族と向き合わざるを得ない現実に誘導される
その時に妻が、一緒にいてくれた方が嬉しいと言っていたが、失われた時間の本来の在り方は失われたからこそ願望としてこうあるべきと美化されるのでは?
夫は社交的にふるまうのが好きで、見栄をはってお金を調達する手段として年老いた身で運び屋という仕事に偶然だけどありついた
これは社会悪に加担した老人を批判的にみる映画ではない
この老人は紛れも無い悪人であり、観客が思う典型的な悪人と温度差があるとしたらクリントイーストウッドが演じているからだと思うし、映画本編で憎めない役柄を設定してしまったから一見矛盾を感じる
埋め合わせをどこかでするのだろうか?という期待はあったかもしれないがそうじゃない
悪に加担した者は法によって裁かれるというアンサーを結末で明確に示したからもうそれでいいのです
ドラッグが蔓延しているのは「純然たる現実」で、その一幕がこの映画だったというだけ
なので手を替え品を替えというやつだが実は運び屋とかホントは関係ない
実話を元にとしているが完全に脚色されてるし、人生の在り方を振り返るってやつをクリントイーストウッドがやってみせただけだ
だけどそれがいい
そういうオヤクソクがあっていいし、これは"そういうジャンル"の映画だと思うからです
それとは別に映画として、登場人物らの会話も味わい深かった
特に個人的にツボだったのは、イーストウッドがマフィアのパーティで「お前の事なんか屁とも思っちゃいない」とアドバイスをした時「当時何にも無かった俺を拾ってくれたんだぞ!」と言い返されて退散するシーン
そりゃ信奉させて手駒にするなら有能でスペックの高い人材なんかじゃなくてその真逆の人材を選ぶよね
だってそういう人間には選択肢がない
この映画の老人にも当てはまる
違いは残された時間と可能性だけだがそこは伝わらない
クリント・イーストウッドたる魅力あふれる映画で、私の感想は、、
クリント・イーストウッドの数年ぶりの監督さらに出演作品であり、
そして何より、90歳の麻薬運び人という題材すごく興味深い!
日本では高齢者の運転免許証の自主返納が推進されている中、
海の向こうの国では、90歳のご老体が麻薬運び人として暗躍しているのか!?
しかも、マフィアのボスにまで気に入られて、その女を侍らして(しかも二人も相手に!)一夜をともにする、というそっちのほうでもまだま現役のスーパーおじいちゃん!
ただ、役としての彼特有の人当たりのよさ(マフィア仲間に「タタ」という愛称(?)で慕われ、自分の差別的な発言に対しても「ごめんごめん」でとばしてしまえたり、自分を追ってきた捜査官に対しても同情と親しみを感じさせてしまうところ)と、
役者としての渋みと貫禄で、
この老人の、女好きのだらしなさや、お金や家族にたいしてルーズなところが決して下品には見えてこない。
それどころか、哀愁と格好良ささえ感じるところがすごく魅力的だった。
(最後の、窓から差し込む光に顔が照らされる場面が印象的)
ただし、一歩引いた目でみれば、そう見せることがこの物語を語るうえで最適だったのか。
つまり、もっとダメな老人で、これまで仕事一途で家族を顧みず老いを迎えた成れの果て、
そして、麻薬運び人としての(そこから抜け出せない苦悩というよりかは)自業自得、
という捉え方をすれば、この老人は見栄えが良すぎる。
(私には少なからずそういう風に見えた)
かといって、更にもう一度裏を返せば、
あくまでこの物語は、最後のエンドロールで流れた通り、"ニュースから着想を得た" ドラマ(創作物)であることから、
実年齢に近い老人役として、いまの彼がもっとも魅力的な作品であることは間違いない!
古き良きアメリカ
多面的に楽しめる素敵な作品でした
ツボをわきまえたカッコイイ映画
実話をベースにした脚本らしいが、魅力的なユニークなジジイ像を示すエピソードがテンポ良く語られ、それが映画文法を踏まえて且つおしゃれで、全体的に実にかっこいい映画の印象。
ちやほやされるのも若い美女も大好きで、運びによる大金取得でどんどん調子こいていく様の描写が実にうまく、二グロと人種的偏見言葉使いながら困ってるカップル助けるエピソードがさリげなく秀逸。そして、組織の人間達がだんだんとイーストウッド・ジジイが好きになっていくことに実に説得力が有るのが、演技力と演出力のなせる技か。
ブラッドリー・クーパー捜査官との一対一のやりとり、組織のボスが手下に殺されてからの大きな展開、そして命かけた妻の看取りは実に映画的で、シンプルながら心を打つ。そう幾つになっても人間は学びやり直し、更に成長できる!その普遍的なメッセージが観る人間に力を与えてくれる。クリント・イーストウッド監督の知性とパワー、さらにその匠の技の更なる向上を実感させられて、とても嬉しく思えた。
いくつになってもカッコいい。
クリントイーストウッドカッコ良すぎます。
私の祖父に近い年齢なので、重ねてみてしまい大号泣。滲み出る貫禄というか風格?圧倒されました。
主人公アールは、結果家族のことを想って仕事頑張ったのに、空回りしてた。
運び屋が題材になってたけど、誰にでも言えること。
映画観ながら、自分自身も家族のことを考えた。
人生を知り尽くしたクリントイーストウッドの自らの想いも感じられた映画でした。
こんなイーストウッド初めて観た(笑)
90歳の実在した麻薬の運び屋の話!
それだけでも十分面白そうなのに、流石にクリント・イーストウッド!
惚れ惚れするようなちょいワル爺いっぷりがたまりません。
予告編ではハラハラドキドキの犯罪ものっぽく編集されてますが
これは、見事なコメディー(笑)であり、
人生で一番大事なものは?アメリカらしい家族の物語。
カッコいい爺さん、婆さんを目指す人は是非観ておいて下さい!
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
冒頭に書きましたが、クリント爺さんのカッコいいこと!
カッコいいと言っても「グラン・トリノ」や「人生の特等席」の様な
頑固オヤジじゃなくて、
小太り気味の中婆さん軍団にむかって
「やあ、お嬢さん方、美人コンテストは上の階だぜ〜」
(そんな様なニュアンスのセリフ)を、ニヤニヤしながら
いけしゃあしゃあと言い放つC調爺いっぷり!
その軽さと同時に、結構きわどい人種ギャグを口にしながら
黒人家族のパンクの修理を手伝ってあげたり、
白人がほとんどの店にメキシコ系の仲間を連れて行って
「周りは白ばっかりだがここの料理は旨いから食ってみな」
みたいに気楽に肌の色を無視して付き合うあたり
なんと軽やかでユーモアに溢れた人であるのか〜唸ってしまう。
一番大事なのは家族と仲間〜〜
こんな爺さんなら刑務所で良い仲間ができそうだな〜〜
孤独な年寄りになりたいくない!そう思うなら必見だと思う。
@もう一度観るなら?
「クリント・イーストウッド御大が主演してるんだぞ!!
ありがたく劇場で観とけ!」
クリントイーストウッドだから
良かった
実際にあった報道記事を参考にしているらしい。家族をないがしろにし、孤独になった老人が、麻薬の運び屋をする話。クリントイーストウッドって、こんなに爺ちゃんだったかな?って思った。ちょっと丸くなった背中が、老人らしさを現してた。オープニングの後、ヨボヨボ過ぎて心配したけど、運び屋を繰り返すうちに、自信を持ち始め、元気になっていく、その変化も良かった。やっぱり、彼は、仕事人間なんでしょうね。仕事をしている時は、輝いていたもん。とても良い作品だったと思う。でも、運び屋をしている老人には同調できないし、何が、どう面白かったのか、うまく伝えられないな…。
イーストウッドはいい
クリントイーストウッドが魅せました。
週末に、やっと時間が取れて映画を観てきました。
何処かで見た顔だと思ったら、共演は、アールを追い込んでいく麻薬捜査官役で「アメリカン・スナイパー」のブラッドリー・クーパーが・・・。
クリントイーストウッドが90歳の老人を等身大として演じています。
少し背筋が前に曲がり、皺も増えて、転落していく老人を淡々と演じています。
そこにはダーティハリーを演じた敏腕刑事ハリーキャラハンの面影はかけらもありません。
時の流れを感じます。
最後のシーンで自分のやった事にけじめをつける潔さが救われます。
現代社会の縮図を見る思いがしたのは私だけではなかったと思います。
いやあ、映画は心のビタミンですね。
立体的で奥行きのある作品
監督主演のイーストウッドの演技についてはもはや言うことがない。常に存在感がある演技だが、その存在感が場面によって異なる。本作品でも、最初の方の割と軽めのおじいさんから、徐々に人生の重圧や苦悩などが加わり、その存在感が重味を増していく。この辺の作り込みは見事である。
ブラッドリー・クーパーは「アメリカン・スナイパー」でも主演を務めたように、イーストウッド作品との相性のよさを感じる。とんでもなく歌が上手い人だから、音楽に造詣の深いイーストウッドと合うのだろう。本作品では官僚主義の圧力を受け、時間的にも予算的にも制約を受けながら捜査をするDEA捜査官を演じる。この人の存在が作品に緊迫感を与え、お気楽な老人のロードムービーとは一線を画している。
愛情の深い妻を演じたダイアン・ウィーストをはじめ、ギャング役の俳優たちも、演じているように見えないくらい上手な演技で、演出したイーストウッド監督の面目躍如である。
イーストウッドの作品はこれまで、スケールの大きな世界観と人間の機微を上手に描いているという印象であった。しかし本作品の主人公アール・ストーンの「家族が一番だ」という台詞から、一瞬、イーストウッドも狭量な家族第一主義に陥ってしまったのかと思ってしまった。だがイーストウッド作品はそんなに単純ではない。
本作品は、アメリカが抱えている様々な病巣を主人公アールに背負わせて、ひたすら自動車を運転させる物語だ。インターネットリテラシー、格差、戦争によるPTSD、仕事と家族サービスとの軋轢、麻薬汚染、人種差別など、どのシーンにもテーマがあり、ひとつのシーンに必ずしもひとつのテーマとは限らない。そういった複雑なシーンの数々にアメリカンジョークを絡め、さらにお得意の音楽を添える辺りは流石にイーストウッド、立体的で奥行きのある作品に仕上げきった。
the映画!
納得いかなかった
えっ、こんなハッピーエンドでいいのかよ。というのが見終わった直後の感想。完全なハッピーエンドではないが、もっと悲惨な状況になるのではないかと思っていた。
家族を放っておいて、好き勝手やって、犯罪に手を染めたけど、妻の死に目に会えたし、娘とも和解もできたし、よかったとのラストだったが、主人公のじいさんはもっと罰を受けるべきだと思った。
ただ、クリント・イーストウッドの演技はよかった。
あと、マフィア側の話。現場をしらず、何でも管理したがる上司はろくなことをしないと思った。現場に任せることが重要。
もうちょっと。
全496件中、201~220件目を表示