「観るべき映画!あの時を忘れないように!」Fukushima 50 ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
観るべき映画!あの時を忘れないように!
もう14年、まだ14年・・・
人によって感じ方は違うと思いますが、忘れてはいけない出来事には変わりない。未だにYoutubeなどで目にする津波の映像等、当時から衝撃的でした。
そして、この「Fukushima50」。
初見時を含め、今回見直しても涙が止まりません。興奮冷めやらぬ、心底熱くなる映画で大好きです。
但し、話の内容は、かなり嘘があったようで・・・ 知るべき歴史とは、ちょっと違うみたいです。 でも、ドキュメンタリーじゃないんだから、多少の脚色は仕方ないですよね。映画として面白ければいいんです。自分的には、その辺で大満足の一本でした。
エンタメ・パニック映画の一言で納めてしまうには、忍びないリアル感を感じます。無駄な場面も少なく、時折挟まれる時間表示が、また緊迫感を盛り上げてくれたんじゃないでしょうか。
そして、佐藤さん、渡辺さんを筆頭に、役者陣が熱い!不謹慎な言い方ですが、核より熱いんじゃないかってくらい魅せてくれました。
吉岡さん、火野さん、平田さん等の現場組も鬼気迫るものがありました。
佐野さんの怪演による総理も見応えありあり。見事な憎まれ役、見せてもらいました。 勿論、会社の上司たちも理不尽さ満載で、現場の苦労を引き立たせてくれたんじゃないでしょうか。
ホンッと、熱い男たちのストーリーはヘタなパニックものより充分に楽しませてもらいました。
それから家族の描写も良かったですね。特に無事に帰ってこれたときの場面は感動的でした。
いや〜、ホンッと面白かった!
でも、この作品って微妙ですよね。 【ちょっとネタバレになるかも】
ラストの方で佐藤さんが謝るシーンがあるんだけど切なくなりました。 原発は、確かに危険性はあるけど、大いに人に役立っていることは確かだし、その原発で働いている人に罪はない。それどころか、被害を最小限に抑えるために、死と隣り合わせの努力をしてくれていたのも事実だと思っています。
でも、人々の怒りはそっちへ向かってしまう。やるせない怒りの矛先だから仕方ない。
そして、その家族にさえも冷たい視線を向ける非道さが人にはある。避難先の体育館で、原発の印がついたジャンパーを脱がせるシーンは衝撃でした。
ホンッと、細かい一つ一つのシーンでも、なにか意味ありげで目を離せないってのは、まさにこの事です。
勿論、CGの進歩による震災シーンも大迫力です。時折、挟まれる実際の映像も、また当時を思い起こしました。
忘れてはいけないことだけど、自然災害であって、人に非があったとは、一言で片付けられない。
何を責める事ができない非道に、人の怒りはやるせなさしかない。
実際、自分はその場にいたわけではなく、身近で被害にあった人もいない。この作品のなかで、自らの死をかけて、仕事を全うした人達がいたことは、ヒーロー的な目線でしか見ることができない。
本当にそれでいいんだろうか。何か、何か・・・