「本事故で唯一美談化できる部分の作品」Fukushima 50 とこなさんの映画レビュー(感想・評価)
本事故で唯一美談化できる部分の作品
レビュータイトル通りです。
事故発生当時、死を覚悟して作業にあたった方々は本当に素晴らしい。
然しながら、最後の方であった「自然を支配したつもりでいた人類の傲慢であった」というメッセージがありすが、自然ではなく原発の支配の間違いではないでしょうか?全ての原因は天災のせいだと言っているようにしか聞こえませんでした。2020年公開ですが、現在進行中の、デブリ取り出し作業や汚染水の海洋放出の問題、後の調査で分かった事など触れられておらず、原発問題に興味が無く日常生活に特に影響のない若い国民が見たら、深刻な事故が収束したかのような印象を与えかねませんし、原子力に興味を持つ方も少ないでしょう。現時点で発するこの映画のメッセージは、いくらなんでも酷いのではないでしょうか?
ここから書く事は映画レビューではないので、読みとばしてもらっても結構です。私は専門家ではありませんし、得た知識も原発事故関連の書籍や専門家の動画など、ネット上で得た知識ですので、間違いがあるかもしれません、ご了承下さい。よかったらご指摘等下さい。色々話が分散し、長文になってしまいました^^;
私個人は、原発は日本では必要だと思います。エネルギー資源の少ない日本では、過去それが原因で第二次世界大戦を起こす引き金になった経緯もあります。なので、原発稼働に伴う放射性廃棄物の処理方法などの研究にもっと注力するべきであると思います。もしくはヒトが放射能性物質に耐えられる抗薬の発明など、、急性被爆のようなDNA自体を破壊する中性子などの対策は無理だとおもいますが。
原発は核分裂反応を利用していますが、核分裂の根幹である特殊相対性理論を提唱したアインシュタインは、ナチスドイツのユダヤ人へのホロコーストが本格化する前に米国へ亡命し、ヒトラーがいずれこの核分裂を利用した兵器を考え作成し使用するのではないかと危惧し、原爆兵器の作成を早期に米国が行なうような内容を、直接的にではないでしょうが含むようなニュアンスで、時の米国大統領に進言し、その結末は皮肉にも広島と長崎に投下される結果に繋がったと聞いています。相対性理論及びそれに含まれる、わずかな質量が莫大なエネルギーに変換できる発見は、人類史最大の発明だと思いますが、問題は原発のような平和利用に用いられるか、核兵器のような軍事目的の利用に用いられるかであり、要は後述の選択に利用される事は明確です。
地球滅亡が、温暖化か核兵器使用か巨大隕石の衝突か、もっと他の要因か判りませんが、そう長く後の話だとは思いませし、ある分野の科学的発展は倫理的な問題で控えられていると表向きにはなっていますが、科学者の知的探求への欲求は、まず贖う事は不可能なのだと思います。人間の倫理的な問題が、もっと悪くならない事を願うばかりです。