「コロナ禍の今こそ観るべき作品」Fukushima 50 みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
コロナ禍の今こそ観るべき作品
コロナ禍の今こそ観るべき作品である。本作は、東日本大震災時の福島第一原発事故の顛末を描いてはいるが、話しを敢えて大きくせず、原発事故の最前線にいた福島第一原発の技術者達の行動にフォーカスしている。その分、様々な困難に立ち向かっていく技術者たちの壮絶な姿が浮き彫りになり、心に強く刻み込まれる作品になっている。
2011年3月11日。巨大地震が発生し、福島第一原発は大津波に襲われて、電力を喪失し原子炉冷却ができずメルトダウン(炉心溶融)の危機が迫っていた。所長の吉田昌朗(渡辺謙)は陣頭指揮を取り、伊崎(佐藤浩市)とともに、放射能汚染という危機に立ち向かっていくが、そこには想像を遥かに超える苦難が待ち受けていた・・・。
政府と東電・東京本社の意向に翻弄され、最前線で苦闘している吉田たちの想いはなかなか伝わらない。それでもなお、彼らは、諦めず、粘り強く、果敢に危機に挑んでいく。何故か。彼らは、我が子のような愛情を降り注いで、自らの手で育てた原発を守りたいという強い意志を持っているからである。どんな苦難があっても彼らは挫けない。原発とともにあろうとする。我が子を守る親のように。そんな彼らの行動には、技術者魂という言葉が相応しい。
また、科学技術の進歩とともに、最近、様々な手法が導入され、ものづくりもスマートになってきた。泥臭くやらなくても済むようになった。しかし、本作のように電力喪失になれば、殆どの文明の利器は使えなくなる。五体と五感を総動員して、人間が自ら考え、自ら行動するしかない。伊崎たちにはそれができた。彼らには、自分たちが創り上げてきた、自分たちの分身のような原発を加害者にしたくないという、強い意志があった。強い意志が彼らを突き動かした。
本作は、福島第一原発事故での技術者たちの姿を通して、極限状況における意志の力の大切さを強く主張している。コロナ禍という極限状況にある今こそ大事にしたい主張である。
コメントありがとうございました😊
あまりに大きなテーマに私自身が色々不足で、レビューに手が出せない状態で。
なるほど、みかずきさんのお仕事柄、
現場で働く方々の我が子とも言える愛着
ぶりがさらに理解できました。
火力は地球温暖化に悪影響が有るという事はニュースでも見聞きしています。比率は知りませんが、日本は、火力と原発が主だと思いますが、実際原発はどうなのでしょうか。
と聞きたかったですが、本来の主旨とは大きく逸れて来ますので断念します。
また3月頃に放送あったらしっかり記憶に留めてレビューしたいと思います。
リカさん
みかずきです
コメントありがとうございます。
私、エンジニアなので、本作の主人公たちの気持ちはよく分かります。
自分が開発・設計・製造した製品には愛着が沸きます。
自分の子供の様に感じます。
酷評されるのは嫌ですし、
人に危害を加えるような事があれば罪悪感を感じます。
なお、火力発電所に対する世界の風当たりが強いのは、地球環境を悪化させるからです。
では、また共感作で。
ー以上ー
‥‥自分たちの分身のような原発を加害者にしたくなかった。‥‥
凄い言葉ですね。
あまり知識無いですが、よく原発反対運動では
稼働時での被爆(職員の方?)と有事の際の被爆が取り沙汰されますよね。
しかし、火力発電は欧州から文句が出、他のは効果少なく、それで原発が多く出来ているのでしょうか。
その一つに仰るように愛情(?)を注いで来た50人。その純粋な気持ちと行動がよく表されていたと感じました。
視聴しているのですが、あまりに心かどこかに響きすぎたのか、二回目観かけてやめました。
みかずきさんのレビューを拝見してまた観ようと思いましたよ。
みかずきさんコメントありがとうございます。
なんかこれを書いた頃を思い出しました。もうコロナ禍が始まっていたのですね。政治的な話しはしたくなかったんで、馬鹿なレビューになりました。
福島にご縁があるのですね。確かに今だからこそです。ウクライナのチェルノブイリも対岸の火事じゃないです。有難うございます
みかづきさん、こちらこそコメント頂き有難うございます!東北にご夫婦共に縁があるとのことで、尚更感じ方が違ったと思います。コロナ禍だけに今見る映画、正にその通りだと思います。未曾有の危機に瀕しているときに、現場で人は何ができるか。政府への批判は簡単なのですが、小さなことでも自分や家族として何ができるか、そんな風に考えさせられました。今後とも宜しくお願いします!
今晩は
コメント、ありがとうございます。
敢えて、今作のレビューに対しコメントさせて頂きます。
今作を鑑賞したのは、調度2年前になりますが、(コロナ禍の直前でした。)このような状況になるとは思わず、東北に縁があるモノとしては”何が東京オリンピックだ!東北、特に福島は復興半ばだぞ!”と思いながら鑑賞した作品でした。オリンピック担当大臣が無能な輩であっと言う間に桜散り、その後、”復興五輪”等という言葉も無くなりました。
けれど、まさかこのような事態になろうとは・・。みかずきさんがお書きになったとおり”コロナ禍の今こそ観るべき作品である”と思いましたよ。
では、又。
こんにちは。LaLaさん。
みかずきです。
早々のコメントありがとうございます。
映画には、東日本大震災のような出来事を映像化して後世に伝えていくという役割があると思います。
あの日のことを忘れない為に、今のコロナ禍を乗り切る為に
何回も観続けたい作品です。
因みに、私のカミさんの実家は福島です。私も仙台の大学出身なので、
内陸部ですが、震災後、被災地には何度も行ってます。
東日本大震災には強い思いがあります。
-以上-
みかずきさん、こんにちは
私も、鑑賞しました。
>政府と東電・東京本社の意向に翻弄され、
最前線で苦闘している
吉田たちの想いはなかなか伝わらない。
現場にいる者にとって
命がけなのに
なかなか、GOサインを出せない
政府と東電・・の場面
実際、そうだったんでしょうね。
誰もが観るべき作品ですね。