「こんな白々しい姿勢であれば、物語を楽しむことは無理である。」Fukushima 50 とんびさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな白々しい姿勢であれば、物語を楽しむことは無理である。
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政治的なことから「中立」で、
現場の人たちの苦闘を、エンターテイメントとして映像化した、
そう装おうとしていると感じる
現場の方々が頑張ってくれたのを称賛するのは良いだろう。
だが「自分たちは何を間違ったのか」としながら、
その答えが「自然を甘く見たことだ」などと語らせる。
そんな反省で現場の人たちは納得しているのか。
そんなわけないだろうと思う。
「甘く見た」のはなぜなのか。誰のせいなのか。
2号機の圧力容器の圧力がなぜ下がったのか、
つまり東日本壊滅がなぜ避けられたのか、
それは今でも謎のままであるという。
だが、なぜこの惨事が起こったかは、謎でもなんでもないのである。
なのにそれにはふれない。
そして物語の終盤では、自衛隊員たちは命をかけて「国を守る」し、
さらに米軍は「ともだち」として危険をおかして日本を助けてくれる。
エンディング前に2020オリンピックが「復興五輪」だと告げられ、
ロールで、協力「復興庁」と表示される。
あからさまに政府が支援した映画であるとしれる。
現場の人々の努力を、悪政と企業の強欲の免罪符などにするな。
見ていてこれほど不愉快になった映画ははじめてである。
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