「俳優陣がどんどんげっそりしていく」Fukushima 50 a0さんの映画レビュー(感想・評価)
俳優陣がどんどんげっそりしていく
「あ、この人をこんなちょい役で使うの?」と色んなところで思うくらい豪華な俳優陣。「映画作品」として考えると、色んな人が登場しすぎて混乱する。
防護マスクをかぶっており、専門用語なので(さらに上映設備特有の状況も加わり)ききとれない言葉が多かったので、字幕等で補完があればより助かった。
メルトダウンしたら「チェルノブイリの○倍」などスケール感で本当に緊迫していたことがよく伝わった。3年後の春、開花を待って撮影された場面。それまでとの対比で、色がとても美しい。
映画作品として笑わせどころ(息抜きどころ)を散りばめてありそれはそれで良いとは思うが、私はそういうのなしがよかったかな…
舞台挨拶に佐藤浩市さん、吉岡秀隆さん、若松監督が登壇し、全てのエピソードを真剣に、言葉をひとつひとつ選んでしゃべっていたのが印象的。また俳優さんがどんどんゲッソリしていくのがすごい。
以下(作品を通して)当時の状況を知って持った感想。
もう9年も経つのか。日本の物語(=歴史のようなもの)として、風化させずに、知っている人が、みた人が語り継いでいかなければと思った。自然は思う以上の力を持っている。
第一線で原子炉を冷却し続けてくれた人。「帰るわけにはいかない」と協力を申し出てくれる人。その帰りを待つ人。故郷を離れなければならなかった人。寄り添って物資を提供してくれる人。外野として「あれをしろこれをしろ」指示する人。「上からの指示だから頼むよきいてくれ」という人。
この映画で取り上げられた以外にも心身すり減らして頑張ってくれた方々、協力してくれた国には心から感謝。私にできることは小さなことだけど小さなことをいつまでもやっていきたい。
こうやって再度考えさせる機会ができたので、観てよかった。