劇場公開日 2019年2月22日

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「色んなエピソード詰め込み過ぎて、マラソン中止!?」サムライマラソン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0色んなエピソード詰め込み過ぎて、マラソン中止!?

2019年8月14日
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鑑賞方法:DVD/BD

単純

寝られる

幕末の1855年、安中藩(現・群馬県)で開催された日本に於けるマラソンの発祥とされる“安政遠足(あんせいとおあし)”。
佐藤健、小松菜奈、森山未來、染谷将太、豊川悦司、長谷川博己、竹中直人ら豪華キャスト。
監督にバーナード・ローズ、音楽にフィリップ・グラスら名のある海外スタッフ。プロデュースにジェレミー・トーマス、衣装にワダエミらオスカー受賞スタッフも。
題材は興味惹かれ、スタッフ/キャストも超一流。
が、必ずしもそれが名作にはならない、典型的な凡作例。

そもそもは、藩主が藩士を鍛える目的で企画。
優勝者には何でも願いが聞き入られ、様々な事情を抱える出場者が殺到。
かくして遠足が始まり…と、これだけにすればユーモアや人情のエンタメ作になったのに、欲張って散漫状態に。
開幕はペリー来航、隠密の主人公、遠足に藩主の命を狙う刺客が放たれ…と、異色の組み合わせのスポーツ×時代劇が、結局戦モノに。
遠足は間違いなく史実だが、その他のエピソードは明らかに創作。変に脚色する必要、あったのかなぁ…。

それでも、それが面白味があれば別にいいのだが、残念ながら…。
もう本当に、エンタメ作に徹して欲しかった。
全体的に真面目でお堅くて、メリハリや盛り上がりに欠けた。
ユーモアは全く弾けない。CG熊にはドン引き。
登場人物は誰も魅力ナシ。
って言うか、“マラソン映画”としての醍醐味が全くナシ!
おそらく海外監督が、この題材云々より、せっかく日本で時代劇を撮れるんだから、やりたい事色々詰め込んで…で、結局、何をしたかったのか描きたかったのか、消化不良。

マラソンに掛けて言うならば、
意気込み充分で臨んだのに、ロースタート、そのままペースが上がらず、ダラダラとスタミナ切れ。

“安政遠足”という日本初のマラソンの事を知れただけでも…。

調べてみたら、1956年にも森一生監督&勝新太郎主演で『まらそん侍』として安政遠足を題材にした作品が作られていた。
こっちの方が見てみたいかも。

近大