記者たち 衝撃と畏怖の真実

劇場公開日:

記者たち 衝撃と畏怖の真実

解説

「スタンド・バイ・ミー」の名匠ロブ・ライナーが、イラク戦争の大義名分となった大量破壊兵器の存在に疑問を持ち、真実を追い続けた記者たちの奮闘を描いた実録ドラマ。2002年、ジョージ・W・ブッシュ大統領は、サダム・フセイン政権を倒壊させるため「大量破壊兵器の保持」を理由にイラク侵攻に踏み切ることを宣言。ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストといった大手新聞をはじめ、アメリカ中の記者たちが大統領の発言を信じて報道を続ける中、地方新聞社を傘下にもつナイト・リッダー社ワシントン支局の記者ジョナサン・ランデーとウォーレン・ストロベルは、大統領の発言に疑念を抱き、真実を報道するべく情報源をたどっていくが……。物語の中心となる記者役に「スリー・ビルボード」のウッディ・ハレルソン、「X-MEN」シリーズのジェームズ・マースデン。そのほかジェシカ・ビール、ミラ・ジョボビッチ、トミー・リー・ジョーンズが共演。

2017年製作/91分/G/アメリカ
原題または英題:Shock and Awe
配給:ツイン
劇場公開日:2019年3月29日

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(C)2017 SHOCK AND AWE PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

映画レビュー

4.0ジャーナリズムの危機を反映した2010年代“新聞社映画”の1本

2019年3月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

知的

「ナチュラル・ボーン・キラーズ」のウディ・ハレルソンに記者というインテリ役が似合わない…と感じたが、ロブ・ライナーとは「LBJ ケネディの意志を継いだ男」でも組んでいたし、監督のお気に入りなら仕方ないか。

「スポットライト」「ペンタゴン・ペーパーズ」そして本作と、絶対的な権力と戦う記者や新聞社幹部の奮闘を描く実録映画が続く2010年代のアメリカ。トランプ政権になる前からジャーナリズムの危機を予感し、メディアにかかわる人々を鼓舞するような企画が続々と立ち上がったのか。

ただし本作、先の2作に比べると劇映画としての盛り上がりや感動の点で弱い。ラストに本人たちの映像を流すのは実録物では常套手段とはいえ、ドラマを締めくくるべき位置で俳優たちにしっかりオチをつけてほしかった。ジェシカ・ビールとミラ・ジョボビッチが演じた恋人や妻のキャラクターの描写も紋切り型で、本筋との関わりが物足りない。

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高森 郁哉

3.0民主主義の実験に成功はあるか

2024年2月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

9.11をきっかけにイラク侵攻へと流されるアメリカの姿を、「真実はあるのか」と糾弾し続けたナイト・リッダー社の記者たちの目を通して描いた今作。

表面的な話の流れは、2001年の時点でイイ大人になっていた人達には既知の事実ばかりだ。
連日、テロの真犯人や大量破壊兵器の話題がニュースに流れ続け、「そんなバカな」と目を疑うようなニュースも沢山目にした事を思い出した。

だから、今回の表面的な内容については、特に斬新に感じるものはない。あの時、何が真実かわからない霧の中を、信じられるものだけを必死に掴み続け、発信し続けた記者たちの姿は素晴らしいが、映画としてはちょっと盛り上がりに欠ける。

この映画が本当に興味深い点は、とある歴史の真実を提示することで、今現在の「民主主義を担う市民」である私たちに深い内省を求めている事だと思う。
愛国心に駆られて入隊を決意した若者や、祖国が革命の末分裂した記者の妻を通して、政治的な意思決定がもたらす効果と犠牲を描くことで、考えもしなかった「市民生活への影響」を巧みに伝えている点は特に素晴らしい。

民主主義は多数決であり、多数が幸福になることで経済は動く。その影には少ないとはいえ、いつも損害を被る者がいる。
イラク派兵に限ったことではなく、不当に利益を得ようとする者たちによって「意図的に排除された情報」や「断定できない情報」にコントロールされる可能性は、常に日常に潜んでいる。
民主主義の長所が短所へと転落し、最も愚かな選択をする危険は、私たちが過ごす日々と無縁ではないのだ。

ちょっと味気ない教科書的な映画だが、手軽に大量の情報を手に入れられる今だからこそ観ておきたい映画なのかもしれない。

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つとみ

3.5「スタンド・バイ・ミー」の名匠ロブ・ライナーが、イラク戦争の大義名...

2023年8月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

「スタンド・バイ・ミー」の名匠ロブ・ライナーが、イラク戦争の大義名分となった大量破壊兵器の存在に疑問を持ち、真実を追い続けた記者たちの奮闘を描いた実録ドラマ。2002年、ジョージ・W・ブッシュ大統領は、サダム・フセイン政権を倒壊させるため「大量破壊兵器の保持」を理由にイラク侵攻に踏み切ることを宣言。ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストといった大手新聞をはじめ、アメリカ中の記者たちが大統領の発言を信じて報道を続ける中、地方新聞社を傘下にもつナイト・リッダー社ワシントン支局の記者ジョナサン・ランデーとウォーレン・ストロベルは、大統領の発言に疑念を抱き、真実を報道するべく情報源をたどっていくが……。物語の中心となる記者役に「スリー・ビルボード」のウッディ・ハレルソン、「X-MEN」シリーズのジェームズ・マースデン。そのほかジェシカ・ビール、ミラ・ジョボビッチ、トミー・リー・ジョーンズが共演。

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つよぽん

4.0面白かった

2022年10月9日
PCから投稿

映像のクオリティも高く、題材的に2.5時間くらいあってもいいはずなのに1.5時間という最速コンパクト設計でとても見やすかった。

イラク戦争という名前だけはしっている「嘘大量破壊兵器」について知れてよかった。そして、バイデン議員も関わっており、歴史はつながっているんだなと感じた。

真実は真実らしく聞こえるものは真実としてしちゃいがち。今のGoogle広告収益型のネット記事全盛の中でジャーナリズムは残るのだろうかと思いをはせた。

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asa89

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