「思春期のナィーブな心情を繊細に掬い取った傑作」殺さない彼と死なない彼女 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
思春期のナィーブな心情を繊細に掬い取った傑作
題名以外の前知識は何も無かった。
なので正直言って後半の展開に衝撃を受けました。
まさか?
思ってもみなかった。
前半は「死ね!」「殺すぞ!」「ブス!」の言葉が多用され、
小坂れい(間宮祥太朗)の鹿野なな(桜井日奈子)への言葉は殆どがその3言。
それが、優しい余韻なのね。
だから反対の意味合いなんだろうと想像はついた。
間宮祥太朗が美しい。
白シャツが美しさを引き立てる。
見惚れてました。
杉浦日奈子は孵化前の芋虫みたいで、正直鈍臭い。
その鈍臭い日奈子が、リストカットして「死ぬ」を連発する。
相当に苦しんでるし屈折しています。
10代中から後半ってこうやって鬱屈を晴らしているのだろうか?
そんな心情を掬い取るのが小林啓一監督は、
天才的に上手い。
他に強い友情で結ばれるきゃぴ子(堀田真由)と地味子(恒松祐里)
毎日「好き」と八千代(ゆうたろう)に告白する撫子(箭内夢菜)。
ある意味で撫子は自信がある人だと思う。
受け入れてくれない八千代に、10数回もトライするのは、
勇気のある証拠。
後半で小坂に起こることは不条理で私なら受け入れられないし、
挫ける。
鹿野が予想外の強さを発揮して乗り越える姿は意外だった。
「涙の数だけ強くなれるの・・・だろうか、」
それにしても切ない。
小坂のように鹿野を見守ってくれる異性なんて、
一生現れないかも知れないんだよ。
でも鹿野ななは小坂れいがいつまでも、そしていつでも
見守ってくれると信じて
前を向いて歩いて行く。
成長した姿が凛々しい。
よろしくお願いします。
鹿野は小坂に寄り添われ見守ってもらう事で成長する事が出来ました。
今度は自分が誰かにそれをする事で、小坂がこの世に生きた証を残したかったのかもしれません。
琥珀糖さん、コメントありがとうございました。私もあんな展開とは知らなかったので衝撃でした。私は人が理不尽に死んでいく話が苦手で、殺人鬼とかヤクザ物はほとんど観ないです。戦争物も気持ちが沈むのであまり観ない方です。
本作はそれでも観て良かったなと思っています。
「7th code」に共感コメントありがとうございます。
自分で今気づいたのですが、属7の和音と書いておきながら、和音じゃなくcodeでした・・・かといって見直す気にもなれず、困ってしまいました。
この映画は面白かったですね~まぁ、殺すという言葉を連発してたので、最初は引いてしまいましたが・・・
琥珀糖さん、お邪魔します。
あの場面に「衝撃」を受けた方のレビューに
自分だけじゃなかった と一安心しています。 ほっ。
自分のレビューにコメント追記したように
原作(漫画)を先に読んでいると、また違った感想になった
かもしれない。
そんな作品でした。