カスリコのレビュー・感想・評価
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賭場の勝ち負けが人生の勝ち負けではない。
高知八幡の石段の画から始まる。昭和四十年代。まだ、博徒の世界にもルールが行き渡っていた頃の話。一般人も礼儀さえわきまえて居れば安心して遊べた時代。故に、昭和四十年の初頭の話なんだと気づいた。博徒の話ではなく、手本引きで普通の生活を失った男の復活劇。このゲーム(博奕)の面白さは読みの深さにある・・・今までのヤクザ映画で描かれた賭場のシーンがまるで子供騙しの紙芝居のようだ。人生を賭けている訳ではなく、ただ金を賭けているだけなのだ。心底、ゲームを愉しんでいる姿が映し出されているこの映画はたぐいまれないエンターテーメントだった。手本引きをやってみたくなった。そんな気持ちが正直なところだ。そして、過ぎてしまった多くの事柄に、自分なりに決着を付けて終われる人生ほど素敵なことはない。
大概の人は、ある日突然半ズボンを履いたピンクの像が表れて幕を引いてしまったりするもの。六十歳を超えた男はこの映画を是非とも見て欲しいと、切に思った。
恐ろしさ不足
PG12なのは賭博行為が問題って事?
任侠映画でチラッと映る賭場の「手本引き」をじっくりとみせるがヤクザ映画ではなく派手な喧嘩アクションも濡れ場もない。
そんな地味な内容で二時間弱も持つのかと思ったら全然飽きる事なく没入出来た。キャスト全てが活き活きしてるのと小規模公開の映画によくある安っぽさが皆無。
当時を知る地場の実業家が脚本を書き、当時を偲ばせる場所を高知で見つけて撮影。
メインキャストではないが高知出身の役者さんも出ているとか。
モノクロが昭和40年代の雰囲気を醸し出す。毛羽立った衣装の感じもいい。
大場由祐子の着物だけはカラーでなくて勿体無いけど。ラストシーンのカラーは蛇足、長いお勤めいうて3年で出てくるならシーンごと削除してもええくらい。
薩摩琵琶と尺八の劇伴もいいし
よさこいの民謡も良かった。
人生は博奕
究極のギャンブル 手本引き
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