mid90s ミッドナインティーズのレビュー・感想・評価
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"サンバーン"
とにかくスティーヴィーが可愛くて堪らない「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」のムーニー以来の癒されキャラ。
仲間に入りたくて四人の話を又聞きしながら笑ったり、技が出来て発狂して喜んだり、初体験をニヤニヤしながら話したり、演じるサニー・スリッチはヨルゴス・ランティモス"聖なる鹿殺し"の目隠しライフル銃ルーレットの子供だったってビックリ!!
ジョナ・ヒルは映画を観て起用した訳じゃなく、純粋にスケーターとして彼を見付けたナイスな話。
スティーヴィーの鼻筋と笑顔が"ジェフ・スピコーリ"を演じたショーン・ペンにソックリと個人的に思ったり。
女性のような顔立ちが印象的なファックシットに面倒見が良いレイ、この二人がトニー・アルヴァとジェイ・アダムズを思い起こさせるキャラでもあり、90'sと言えども70'sで80'sな感覚が嬉しい。
レイの影響がなかったらバカ正直に非行の道へ急降下な人生を歩んだスティーヴィーって気が、持つべきものは良い兄貴分、実際の兄ではなく。
色々な作品での脇役感が素晴らしいルーカス・ヘッジズ演じる兄の深い闇、兄弟関係の異常な暴力描写、スティーヴィーの反逆で号泣、見舞いにジュースをあげる姿など良好な関係になれたカナ?二人の父親って多分、違うヨネ?ってな想像。
70年代のロックンロールや初期PUNK、80'sハードコア・パンクからスケートに入っているからか、90'sのカルチャーに思い入れが薄くヒップホップはまるで聴かないけれど、ウェンディ・レネをサンプリング?したのとか良かったし、Bad BrainsやThe Misfitsが流れたりピクシーズやモリッシー、トレント・レズナーが音楽だったり、極め付けは"Omega"ってハンガリーのサイケな、ジョナ・ヒルのセンスに脱帽。
ラリー・クラークの「KIDS/キッズ」と女性スケーターをメインにした「スケート・キッチン」はニューヨークって土地柄の共通部分も、本作はラティーノ系PUNKなスケーター「ワサップ!」の印象が近い?
怒鳴り込み母親の図は「This is England」でもホボ同じようなシーンが、90'sのスケーターとスキンヘッドって違い過ぎるが物語は似ている。
グレタ・ガーウィグよりジョナ・ヒルが監督として頭角を現して来る、そんな予感!?
2020/10/01 新宿ピカデリーにて。
二度目の鑑賞。
大人びて見えるしっかりしたレイだが、表情はまだ子供、幼さは残るし彼の弟への思いからのスティーヴィーに対する面倒見、親友としてのファックシットとの間にある蟠り、、、二人の家庭環境の違い、将来への夢に向かう態度などレイを中心に観てしまう、一度目とは違う鑑賞の仕方ができる、三度目は、、ファックシット!?
表面的カッコよさからその先へ
社会のルールにとらわれない、やりたい様にやってる事に憧れを抱くスティーヴィー、そんな主人公に過去の自分を感じむず痒くなる。
表面的なカッコよさばかりで軽はずみだったよなって。
動機は不純で空っぽでも、突き詰めて先に繋がる入り口になれば良いと今だから思うけど、まあ恥ずかしい通過点だ。
絶対に忘れられない、あの時期の上に今がある訳だし。
強がって競い合い連むそんな繋がりでも、彼らの付かず離れずの距離感は良いけっこう良い。
特にリーダー的存在のレイは冷静で、その大人で仲間を思う態度こそ本物のカッコよさだった。
決してスケボーの映画ではない
アメリカインディーズの独壇場だな、ほんとこういうのは。特に音楽にセンスを割ける分。10年代は80年もの青春映画の傑作が多かったけど、これから90年代ものが結構出てくるんだろうな、と思わせる2020年。
90年代カルチャーの中心を兄世代にしてるのがいい。そしてそれらを手の届かない(金銭的にも)カルチャーとして見上げる少年の視線が冒頭から素晴らしい。グッと掴まれる。「あの頃ペニーレインと」が好きな人にはおすすめ。
この映画の内容を文章にすれば2~3行で足りるだろう。でもこれは「映...
この映画の内容を文章にすれば2~3行で足りるだろう。でもこれは「映画」なのである。90年代を背景にした少年の成長物語とも言いたくない。ある時代のある少年たちのある日々を切り取った映像による詩。
時代も趣味も違うけどなんか共感しちゃう
近所のスケボー上手なお兄さんたちと仲良くなりながら、スケボーにハマっていく少年を描いた青春映画。
兄貴の持っている服や音楽に憧れ、外の仲間とつるむようになって、悪いことも覚えて、大人になっていく。主人公が精一杯背伸びしてる感じはすごく伝わってきた。
年代が違うし、こんな経験もしてないけど、妙に懐かしくて共感してしまう。これっていう大きな出来事は起きないし、何か結論が待ち受けているわけでもなかったけど、とってもよかった。青春映画ってそういうもんだよな。
流れてくる音楽(あのトレント・レズナーが担当!)に加えて、画面の粗さやサイズも時代を演出するいい小道具となっていた。
彼らはこの先別々の道を歩むし、つらい未来が待っているやつもいるかもしれない。でもこんな仲間がいたっていうことが支えになったならいいなと思った。
仲間って良いな! って感じの作品。
自分的にはサッカーの応援しているJリーグのチームで年齢や男女も問わない仲間がいて、そんな所に共感する内容が良かった。
本作はこれに加え人種も問わない仲間達の日々のありふれたストーリー。
映像や音楽も自分好み。
何となく終わってしまう展開に加え、せっかく撮った映像(ビデオ)がラストで効果的では無かったのは残念。
Tシャツのセンスは良いです( ´∀`)
青春の入り口
90年代のロサンゼルスでシングルマザーのママと5歳ぐらい年上の兄貴と暮らす13歳の主人公が少し広い世界をみる話。
ストⅡTシャツを着て兄貴の趣味に興味津々なお子ちゃまが、町でスケボーをする4人のにいちゃん達をみてso cool!となり、スケボーを始めて彼らと友達になっていくストーリー。
元々の友人は出て来ず、背伸びをしながら4人との関係と、主人公自身の変化や成長をみせて行く展開で、この4人の性格や関係性が絶妙。
何てことない数ヶ月の物語だけど、「必死にくだらないことをやる」姿は、可愛らしく、懐かしく、爽やかで、共感出来るところも多くてとても面白かった。
ドストライクな作品
自分も90年代中頃に高校生だったためどハマりした作品。KIDSの影響を感じさせる作風。編集と演出の巧さが際立ってとても初監督とは思えない。16mmフィルムが90年代感を更に演出してます。冒頭サニースリッチが着てるTシャツで、当時の時代感を醸成させつつ年上のイケてる先輩役のオーランプレナット、ナケルスミスがマジかっこいい。二人ともプロのスケーターながら演技もいけてる。サニーもしかりだがカリスマ性がびんびん!今後の活躍が期待される
ジョナヒル監督の西海岸オルタナヒップホップ愛を感じまくる選曲が最高。
ファーサイドのパッシングバイをラストにもってくるキレの良さで完全にノックアウト。
トレントレズナー&アッティカロスのスコアも素晴らしい。ソーシャルネットワークに通じるものがあり思春期の成長と危さが表現されている。
ただの思春期ものじゃなく当時の時代感。10代にして夢とか希望がない、無気力で、家庭に問題がある。まさに90年代ノスタルジー。
パンフレットがかなり充実しており絶対買うべき!
愛しさと切なさと心強さと
115本目。
始まりに懐かしさだったり、甘さだったりを感じる。
でも後半になるにつれ危なっかしくて、若さ故とは言え、刹那主義な生き方に自分はどうだったかなと、ふと思ったりもする。
4:3で撮ってたのは最後に納得したけど、あそこで息子と合わすのか?とは思ってしまう。
でもそうじゃなきゃ、成立しなからなぁ。
ちょっと複雑。
あなたが夢中になれるものは正しい
全てが痛くて苦しい10代の頃、そこから救い出してくれて、夢中になれるものは間違いなく正しいんだよという青春映画。ただ、登場人物たちが犯す失敗の1つ、マッチョであることがクールという価値観でのゲイ差別の描写が間違って伝わらないかと、少し気になったな。
タイトルなし
《唐突》テープの時代、Tシャツの似合う街を舞台に、音楽愛を持ってして描かれるノスタルジー満載の青春成長"カミング・オブ・エイジ"モノ(にしても自堕落早熟すぎ)。スティーヴィー"サンバーン"は不死身で、ジェイミー・フォックスにしか見えなくなる上に面倒見のいいレイは本当に憧れてしまいそうなほど格好良い。ファックシットは…分かるだろ?マジかクソ。そして主人公の暴力的な兄役にはすっかり《A24にこの人あり》なルーカス・ヘッジズ。今回も坊主頭にマスキュリン。冒頭から大きな音に驚かされるが、本作内には全編にわたってそのような展開・シーンが何度もあり、思わず背筋が伸びた。去年からずっと楽しみにしていたけど、実際裏切られない90年代というボクの一番好きな思い入れ強い時代を、スケボーカルチャーを中心にボクの好きな波長・雰囲気で描いてくれるという気持ちよさ = まさしくタイトル通り。空気感がズルい、作品を形作る要素が反則。ただ最初に述べたような突然性は、もちろん狙ったものも多分にあるけど、脚本の点など気になる部分もあった。けどやっぱりそんなことも引っくるめての良作感、よくやったジョナヒル!最後は『スラッカー』状態?あの画角いいなぁ
A
FOURTH GRADE
FILM
今年映画館鑑賞49本目たぶん
【”カート・コヴァーンの気怠い歌が流れる中、ボクは初めてキスをした・・。”閉塞感溢れる90年代半ばのロサンゼルスで、一人の少年が青年期へ移行する姿を”危うさ、脆さ”を絶妙に絡ませつつ描き出した作品。】
ー 自分自身の90年代の経験と、スティービーが感じたのではないかと思われる心象をミックスさせてレビューを書いてみた・・。-
・ボクはスティービー。未だ13歳で身長も低いから、兄貴(ルーカス・ヘッジズ)にはしょっちゅう苛められるけれど、敵わないんだ。
・ある日、街中でスケボで遊んでいる、ルーベンや”スケボが超絶上手い”レイや、ちょっと危ない感じのファックシット(どんな、綽名なんだ!)やあんまりしゃべらないフォース・グレードと出会って、ボクはちょっとずつ、色んな経験をしたんだ。
そして、ボクはみんなから”サンバーン”って呼ばれるようになったんだ。
・ルーベンから40ドル(どこからお金を用意したかは内緒・・。)で譲って貰ったスケボ。一生懸命練習したけど、なかなか上手くならないんだ。
・だけど、屋根の上で建物の隙間をスケボで飛び越える遊びをしていた時に、隙間に落ちちゃって頭に怪我をしたんだけど、みんなとても心配してくれたんだ。嬉しかった。
だけど、なぜかルーベンはボクとは話さなくなっちゃった・・。
お母さん(キャサリン・ウォーターストン)は凄い心配して、怒ったけれどね。
・知らない女の人たちがいるパーティにみんなと一緒に行って、二人だけの部屋で、初めて会った女の人とキスをしたんだ・・。
二人で服を脱いだ時はドキドキしたけれど、みんなからお祝いされて、嬉しかったな・・。
・あと、兄貴がファックシットと口論になったんだけど、兄貴は・・。ボクには、暴力を振るうのに・・。
で、ある時、兄貴と喧嘩したってわけさ。今までより、怖くなかったよ。
兄貴は友達がいなくて、少し可哀そうでもあるんだと気づいたしね。
そういえば、兄貴が”お母さんも、昔はイロイロあったんだ・・。”と言って、ボクの知らないお母さんの事を話してくれたっけ・・。
兄貴が、いつも一人なのはそれと関係があるのかな・・。
■ある日、一番頼りになるレイがこんなことを言っていたんだ・・。
”ルーベンは母親が酷くって、妹と一緒に良く殴られるんだ。家に帰りたくなくなるよな・・。”
”フォース・グレードの家は貧乏なんだ。靴下が買えないんだぜ!、靴下だよ・・!”
”ファックシットは昔はもっとちゃんとしてたんだけれど、今は酒や薬に手を出してふらふらしてしまっている。”
”俺の弟はある日、車に轢かれて、死んでしまったんだ。それまで、一緒にいたのに突然いなくなってしまった・・。”
それを聞いて、”ボクは、みんなに比べたら、幸せなのかな・・。” とちょっとだけ、思ったんだ・・。
ー ファックシットが酔っ払っているのに、車にみんなを乗せ、運転している時に起こった事。
ボクは記憶にないんだけれど、みんなが心配して病院のソファーで、一晩中、待っててくれたらしいんだ。その光景を見て、お母さんもみんなを見直したみたい・・。
あと、目を覚ましたら兄貴が滅多に見せない優しい顔で、ボクのベッドのそばの椅子に座っていて、ポケットからジュースを二個取り出して、一つをボクに差し出してくれたんだ・・。-
<身体の小さなスティービー(サニー・スリッチ)が、スケボの悪友たちと色んな経験をしながら、徐々に心の成長を遂げていく過程を16ミリフィルムで撮影した作品。
今作は、90年代半ばの閉塞感漂うロサンゼルスを舞台に、多くの少年たちが抱えていた様々な問題や日々過ごす姿を、当時の曲を効果的に使って描き出した作品でもある。>
五人組+母と兄と
兄がどうしてあんなに弟(サンバーン)を殴るのか分からなくて、はじめは義父なのかと思ってしまいました。
サンバーンは13歳には見えなくて、小学生が女の子と寝室へ? ヤバイでしょ、とひとりで座席の上で手に汗をかいたりして。
兄にもきっと何かあるのよね、友達いないみたいだし。
ひとり寡黙に映画を撮ってるフォースグレード、金髪のかつら?でラリッてるファックシット、丸刈りのルーベン、そして座長みたいなレイ。サンバーンは年少ながら、まさに主役の顔、という感じ。
彼らのスケートボードのシーンが秀逸。
脚本も良かったです。
映像も、音楽も。
久しぶりに映画館に行きましたが、この作品はなかなかのおすすめです。
時代は違えど楽しめた
90年代のアメリカを舞台にした作品。僕の場合90年代最後を振り返ってもスティーブよりは年齢が下のためこの時代のアメリカの背景も全く記憶にはない。
ただ生きた時代は違えどスティーブの心情に没入し、心の寂しさや大人になる事への憧れ、友情作品として十分楽しむ事はできた。
恥ずかしながらなにを確固たるものとしてこの作品を描いてるかは十分に理解できた自信はないが、スティーブになりきった視線で見ると自分がスティーブくらいの年頃の時の心情と被せたりして懐古心を擽られる。
僕自身も当時は大人になる事への憧れが強く、スティーブ達同様、他の同級生とは少し違った事や道を外すことが大人になった気であったり、クールになった気分であった。
これらの経験やこの作品で描かれているいわゆる世間的には悪いツレと絡むことが今振り返ると自分の人生において、どういう影響があったか全くわからないが(正直強い影響はないと思うが)これも一つのマイヒストリーとなり、それらの記憶をなにか擽られた作品となった。
この作品の詳細を調べると90年代の曲の選曲なども秀逸らしい。この辺りは生きた時代が違うため残念ながら僕自身は楽しむことはできなかったが、その時代を生きた人もそうでない人もそれなりに楽しめる作品に思えた。
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