劇場公開日 2020年9月4日

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「映画を観ているようで自分の幼少期を観ている」mid90s ミッドナインティーズ DEPO LABOさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映画を観ているようで自分の幼少期を観ている

2020年10月12日
iPhoneアプリから投稿

家族の呪縛から解放される年上のお友達との交流のなかで、無茶しちゃう男の子のお話。

▼いま30代ぐらいの人は、がっつり自分の幼少期を追体験して主人公に感情移入できちゃう

▽スーファミ、プレステ世代泣かせ
(最初に主人公がやってたスーファミのゲーム、エフゼロだよねたぶん)

▽日常を淡々と映す映画をぼんやり眺めつつ、心の中では自分の幼少期を見ている自分がいる

▼年上の友達に気を遣われる事のいたたまれなさだったり、一目置かれたいがために無茶して痛々しい感じ、すごいわかるなぁ。

▽男コミュニティあるあるの連続。

▼国も環境も違うのに、こんな共感できるのはなんでだろう。

▽家族からの呪縛から解放される瞬間、縦社会にいきなりブッ込まれる感、自分でコントロールできない些細な人間関係の対立、はじめて身近で感じた死、なんだかんだ家族に有難みを感じる瞬間。

▽そういう幼少期の記憶は、万国共通んl普遍的なものなのかも。

▼油断したらすぐエモいって言っちゃいそうな、フィルムライクな絵、4:3の画角だったり、今の時代からみると、レトロな視覚表現がすごく魅力的に映る。

▽でも、そういう表面的な魅力以外の、本質の屋台骨がすごいしっかりしてるから、単なるお洒落エモ映画には収まらない、不思議な威力がある。

▼出演者が誰一人知らない人だったのも良かった。

▽黒人の年長パイセン頼りになるーぅ!!
▽カメラマンくんのニキビ感リアルー!!

▽リアルに生きている人を、ただ目撃している感覚になる。作り物感が全然ない。

▽そして、自分が子供だった頃を追体験できる。

▽映画というより、体験装置。本当にタイムマシン的にかっさらわれる。あっちゅうまの90分だった。もっと浸っていたい感。

▼文句なしのベストエンディング大賞。

▽タイトルのよさにじわる。

(以下ネタバレ気味)

▼一見だらだらしたシナリオにみえるけど、綺麗な三幕構成になってると思う

①スラムのお友達とつるんで家族の呪縛から解き放たれて大興奮の主人公

②スラムのお友達とつるむには、すべきことが多いし身体的にもヘビーで疲弊していく

③主人公にとっての家族の見え方がちょびっと変わる&お友達との家族的な関係が成熟する

DEPO LABO