岬の兄妹のレビュー・感想・評価
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西原理恵子の絵柄の方が
安っぽい映画かと思いきや、ベッドシーンであんな演出するなんて、片山監督流石です。
自分は妹いないんですけど、兄の複雑な気持ち(特に性的な部分)はよーく理解できる気がします。のめり込んで観ちゃいました。
ちょっと不必要な比較でしょうけど、物語の舞台が似ている西原理恵子の「ぼくんち」みたく、あのくだけた絵柄で表現した方が逆に染みるのかなと。実写のままだとハードすぎるのをマイルドにしてくれるから、自分は漫画やアニメが好きなんでしょうね。
リアルがゆえのグロさ
グロい。この言葉が適切かどうかわからないが、私は終始グロいと思いながら観ていた。
この兄弟の道のりは、どんな選択をしたって苦しくて行き詰まって
それは有識者の正しいアドバイスなんかが届くものではなくて、
人生の蓄積、経験則、思い込み、いや、そのどれもが現実味を帯びた今この瞬間のしんどさに繋がっていて、もうその方法しか見えない、とれない。
そこに愛があるからこそ、切っても切れない縁だからこそ。
どんどん繋がっていく家族の輪も。分かっていないようで、分かっているような妹も、確実に女になり、母となり、そのささやかな感情を願ってあげたい兄がいて。
でも、それが届かない。
感情があるからこそややこしい。行き詰まる。どうしてこうなったのか、もうその原因すら見えない。
最後のシーン、岬に立つ妹に、中学生の言った「潮の香り」を思い出した。母なる大地の海。
しかし、電話がなった瞬間、女の顔になった妹に。
鎖に繋がれ家に閉じ込められていた妹を思い出し、もう何も、先のことなんて考えられなかった。
辛い映画
自分は足が不自由、妹は自閉症。生きていくには大変です。妹に売春をさせる兄、確かに良くないことだけど、実際仕事を解雇され、ティッシュの内職だけで生活できるわけはない。友達に「お前は足が悪いんじゃない、頭が悪いんだ」と怒られていたが、確かに、行政の助けを借りるなり、家で出来る仕事も今の時代あるだろう。でも、そういうことを助言してあげる誰かが周りにいなかったことも悲劇なのか。
チェンジを要求されたり、中学生とのやりとりやら笑えるところもあったりしたけど、重ーいテーマを抱えた辛い内容でした。
体が悪いのぢゃない。只運が悪いのだ。
内容は、板野家の生き残りチンバの兄シゲオとハクチの妹マリコが岬近くの借家での筆舌に尽くし難い生活を映像化した昭和の色彩を感じる事の出来る胸詰まる苦しさが見応えのある作品。印象に残った言葉は『逃げないで』産婦人科で堕胎手術を受ける時にDr.が呟く言葉。生きたいと云う気持ちと生きたくないと云う気持ちが映像と台詞でテーマとして伝わってくる。印象的な場面では、クローズダウンで浜辺を低いカメラで3人を押さえながら引いて写すシーンが非常に冷たくて人の内面を表す様な表現は素晴らしい。世間は冷たくも温かくも無く感じる人次第だとは思いますが、その世の中で家族の複雑さと温かさを感じる人間の矛盾が表現されている所は脱帽です。売春を斡旋する兄も妹を性的に見て居た過去を隠しながらも面倒見ようとする呪いにかけられ、売春で出逢う同じ障害者同士の内集団との関係は絶妙で、役者さんの兄と妹役の表現力の凄さには驚きます。岬と云う生死の狭間で生きようとする人々には目を見張るものがあります。物語の最後妹が岬に立ち振り返る時の表情と電話をとる兄の表情には幸せとは言えない刹那的な絶望が胸を打ちました。短い尺の映画ですが非常に人間の矛盾を的確に描いた面白い映画だと思います。でも見た後は元気でないなぁ。
腹にズシンと残る作品
とにかく最初から強烈、頭の30分でかなり疲れます。
妹役の道原真理子が最初からすごい芝居を見せつけて、ギュッと掴まれたようになりました。
決して正しくはない。が、兄妹は必死に生きているんです。
絶望的な負の連鎖ではなく、ゆっくりと二人を締め付けるかのようなのがまたキツい。
逃げ出したいけど逃げ出せ無い兄の葛藤も凄く、叫び声が良くそれを表していました。
ふと思い付いた「結婚」という逃げ方も、そんな心を簡単に見透かされてしまう。
そうしてこの岬からも、妹からも離れる事が出来ず、ただ日々は続いていく。
ハンディキャップに貧困層。少し韓国的なテーマだとは思いますが、どこの国でもこうしてセーフティネットから溢れている人はいるのでしょうね。
腹にズシンと残る作品でした。
役者がいい。
皆さん熱演ですごい映画。
妙なリアリティと生々しさがすごい。
中学生っぽいのとの絡みでいやな方向に行くと「ここまでやるか!」と思ってただろうけど、なんていうかぎりぎりあっち側にはいかせない感じがよかった。
右足の不自由な兄と知的障害のある妹が社会の底辺で懸命に暮らす。 そ...
右足の不自由な兄と知的障害のある妹が社会の底辺で懸命に暮らす。
そんな健気な姿を期待していたのだが、妹の体を売って生計を立てるというのは観るに堪えなかった。
障害者年金や生活保護の受給は考えなかったのか。
まあ、あの兄貴にはそんな知識はなかったのかもしれないが、警察官の友人はなぜ社会的救済制度を教えてあげなかったのか、理解に苦しむ。
想像の中の極限
予告を見て「エグい作品なんだろうな」と思っていたけど想像してた一番イヤ残酷さよりも少しだけユルくて助かった。
貧困は思考を奪うという事を上手く伝えていると思う。生活保護を受ければいいのにと思うけど、申請してから受理されるまでの時間が待てないくらい切羽詰まっている状況や、兄が頼れるのは友人の警察官ただ一人だけの状況からプライドが高くて赤の他人に助けを求める事が出来ないのではないかとも想像できる。また、友人の警察官も腐れ縁程度で本気で兄妹に向き合ってはいないのも厄介事に巻き込まれたくないというのが現れててリアルに感じた。
多分だけど、映画じゃない現実でもっと酷い事は無数にあると思う。その中のひとつをエンターテイメント化した作品だと思う。
本編と関係ないけど、マリコを買った未成年の子が行為を録画されていじめのネタにされるのかと構えていたのでそういう胸糞が無くてよかった。ナイス糞
役者の演技素晴らしかった。
兄がプライド高くてキレやすいところとか、妹の自閉症の演技、道で寝転がって泣き叫ぶところとかすごい。近年もてはやされてる美男美女のキラキラ映画では絶対に見れないので人間を観たという感じでほんと良かった。
評価は賛否で別れてるみたいだけどそれはただの好みだと思う。
赤貧の描写に浮かぶ「ユーモアと抒情」
2年半前に観た時は嫌悪感と貧乏描写に辟易して、
やっとお終いまでなんとか見届けた・・・
そんな感じでした。
最近、片山慎三監督の「さがす」を観て、なんとなく
「岬の兄妹」をもう一度観たくなりました。
片山慎三監督はボン・ジュノ作品の助監督を務め、
この「岬の兄妹」は自分で資金を集めてた自主制作映画です。
監督・製作・プロデューサー・編集・脚本を自ら務めて
劇場公開に漕ぎつけて注目を集めました。
作風はボン・ジュノ監督作品の影響か、実際に起こった事件を題材にすることが多い。
《ストーリー》
右足に重い障害を持つ兄の良太が仕事を解雇されて、
生活に困窮する。
兄は思い立って知的障害のある妹の真理子に
売春をさせて生計を立てるようになる。
真理子は時々、行方不明になるけれど、明るい性格で、
売春も「お仕事」と呼び半ば楽しんでいた。
そんな生活を続けていた矢先、真理子が妊娠をする。
常連の小人症の客に「真理子と結婚してくれませんか?」と頼む兄の良太。
小人症の客は、「俺が小さい男だから、釣り合うと思ったんだろう」
と怒って、拒否される。
ユーモアとペーソス漂うシーンです。
すぐに行方不明になる真理子をロープで繋いで、扉に鍵をかけて
閉じ込めたり、売春をさせる酷い兄だけど、
そこまで切羽詰まったギリギリの生活苦を見せて、
お金がないことの辛さをとことんに描写する。
そして真理子は、どうにかこうにか中絶手術を受けることが出来た。
真理子は退院後、ひとり徒歩で岬に向かう。
岬の突端で考え深そうに海に見入る真理子。
その真理子の胸に、もしかしたら、母性が芽生えていて、
育ちつつあった胎児が真理子になんの承諾もなく、
勝手にただ流されてしまった。
そんな悲しみに暮れる賢い女の子・・・
真理子が美しく、そして聖なる母、母になれなかった聖女・・・
そんな寂しい背中が切ない。
そんなラストで、
知恵遅れに生まれた女の哀しみ。
突然、思い至って、私は激しく胸打たれたのでした。
主演2人の演技力に惹きつけられながらも ここまで堕ちていかなければ...
主演2人の演技力に惹きつけられながらも
ここまで堕ちていかなければ生きていけない
事に疑問、、
そして唯一の友達の
『お前は脚が悪いんじゃなくて頭が悪いんだ』
障がい者支援や生活保護、知らないのかなぁとモヤモヤ
実際に風俗では軽い知的障がいの方は一定数いるそうで
どうせならお店のほうが妊娠リスクや悪い人からの危険も避けれるのに。。。
情報弱者でもあると言うことか。
寂れた漁港
美しくない、浜
削れた山
常に薄曇りの天気
ダンボールの貼られた窓
監督の美術面での細部へのこだわりなど好きです
評価が極めて難しい・・
様々な評価がなされ多くは高く好評である。この視点は日本映画ではあまり見ず、かなり生々しい。目をつぶってきた身近の現実である。現時点で僕はこの作品を評価できない・・。かなり重い内容だがご覧になる方は自己の判断でとしか言えない。
深く考えさせられるが、救いようが無い物語
人間生活の最低が分かる。ここまで人間は堕ちれると。これに比べると誰もが幸せな生活をしていると思える。この映画が、自分にとって何かの教訓になるんじゃないかとヒシヒシと感じるが、それが一体なんなのか分からない。救ってあげたいが、どうやって救えばいいんだろうか。
最後にかかってきた電話は、どうかハッピーエンドにつながる電話であってほしい。
暴論的自論
雰囲気は韓国映画の感じしました。
ポンジュノの助監の人ですよね。
ほぼ自主制作で、当時かなり話題になりました。
「カメラを止めるな!」みたいに
役者はほぼ知らない。
結構ガツンときました。
ガツンとき過ぎて、レビューが纏まらなかった。
極論言えば、母親が無責任過ぎるが、
出てこないから何も言えない。
ただ2人で生きていかなくちゃ。
ここから暴論😅
コレを観てるとAVを想起させる。
嘗てから思っていたが、
AVに出演する女子は2通りしかいなくて、
自分の容姿を武器に
稼げる時だけ稼いでさっさと辞める、か
容姿は良いけど周りの圧力で
女優になってしまった、パターン。
前者は、飯島愛とかマスカッツとか、
AV踏み台にTV出て有名になる!
という野心が見える。
後者は、グラビア出てたけどパッとせず、
いつの間にかAVに出てた、みたいな。
AV女優って、
後者の方が圧倒的に多いと思う。
グラビアからの転身はレアだが、
巷でかわいいからキレイだから、とか、
それだけの理由でなってしまうケース。
映画のマリコは、
分かり易く発達障害であり、
「オシゴト」と言えば性的サービス。
彼女ほど障害が顕著に見られるのは少なく、
発達障害てゼロイチではないので、
AV女優とか性風俗の方は、
マリコに近い人間なのではないだろうか。
それが良いとか悪いとかじゃなく、
発達障害だろうと下肢不随だろうと、
周りが手を差し伸べる社会を作りたいですね。
変な同調圧力は要らないけど。
こーゆー人にこそ、
生活保護は必要です。
高校生たちとの絡み。
嫌な予感しかしなかったけど、
あの反撃はサイテーでサイコー‼️👍
ただ、握手はサイテー🤣
環境の悪さ
生活保護を受ければいいと言ってる人がいるけど、多分教養も無く環境も悪い彼らは生活保護制度さえ知らないだろう。周りも自分の生活に必死で彼らに手を差し伸べる余裕も無いのかなと思った。
斬新な映画で面白かった。
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