風をつかまえた少年のレビュー・感想・評価
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どこの国も男ってやつは
俺について来い、と公言して満足を与えられる人はそういない。
結局、自己満足でしかないことに、いずれ気づくでしょう。
自分の食事を削っても、干からびた土地を耕すために体力を使っても、根本解決にならないことに、いつ気づくのだろう。
回り道をしても、解決に近づく方法を考える力は、やはり教育なのか?
大人とか、子どもとか、男とか女とかを超えて、「その人を信じる力」があれば。
信じさせる何かが、ウィリアムにはあったのでしょうね。
先進国では携帯が当たり前になっていた2005年頃、アフリカではまだ電気もない、飢えと闘う生活。
学ぶことの大切さを考えさせられる映画でした。
面白いが
ぜひ、中高生に見てほしい。
学が人生を変える
一家族を焦点としながらも一国を広角に捉えてある
こまかくみればツッコミどころ多いが、アフリカの大地が、そのような見方はそぐわないと言っている。発電を成功させる筋書き自体は実にシンプルである。そこだけを追ってしまうと木を見て森を見ずの類だ。ここには何もないと繰り返し語られる、アフリカのなかでもで貧しい国マラウイ。そのマラウイの一家族の貧しい暮らしを通じて、映し出されるのは、広大で悠久たる大自然、それと対峙する人々の暮らしである。この地の世界のすべて。だからここはアフリカ大陸をわたる風に吹かれているつもりで、骨太な解釈で臨みたい。
ひたすら耕すことで立ち向かう父親。人ひとりの無力さがよく描かれていた。大地の奴隷である。対して、ラストの風車の横でほほ笑む少年。「知識は奴隷にならない人間を生み出す」という名言を、この映画に添えてみたい。
ウイリアム少年の想像力と実行力には拍手だが、もうひとつ大きな力となったものがある。図書館だ。何もないという貧しい村だが、学校があり、学校には図書館が備わっていて、一通りの本が揃っていたということ。蓄えていた知識を活用できていなかったのは教師をはじめ大人たちの不面目だが、学校と図書館を護り継いできたことは殊勲ありだ。
一家族を焦点としながらも一国を広角に捉えてある。気候風土、生活、文化、風習、政治。人間社会の構成要素がほぼ原石の姿で互いとの係わりを描きあっている。
カムクワンバ一家の、ものわかりの悪い父親が、監督も兼ねているキウェテル・イジョフォー。やり場のない苦悩にまみれたやるせなさ、そういったどう演じたらよいのかを伝えようもない役どころを、うまく演じている。さすが監督兼任。さらに調べたら、2013年作のアカデミー作品賞「それでも夜は明ける」で奴隷を主演した俳優さんだった。
創造と工夫で世界は変わる。そこを啓発される。ウイリアム少年の貧しくてもつらくてもどこか豊かさ感じさせる表情もよかった。
題材は良いが前置きが長い
良い話だ。が。
必要は発明の母 を地で行く少年の成長物語
感動する前に悲しすぎる現実に愕然とする
アフリカン ドリーム
ちょっと違うかもしれないけれど、厳しいアフリカの自然に知恵と工夫で立ち向かう、サクセスストーリー。
村や家族という小さな単位での話なので、スケール感は小さいが、その分身近に感じられた。
21世紀になっても干ばつや洪水に苦しめられている、アフリカのある農家。農家といっても、土地を人間が鍬で耕す原始的な農法だ。父親は、貧しいながらも息子を学校に行かせるが、天候のせいで収穫が減り、学費が払えなくなってしまう。実際にあった話とのことなので、こうした事実がつい20年前に存在していることを、改めて認識させられる。
映画ではそれほど悲惨なシーンは無いが、飢饉が起こり、餓死者が出てしまうほどの惨状は、酷い状態だったのだろうと想像できる。人心は荒み出し、一家も窮地に追い込まれる。
現在の状況は、改善されているでしょうか。少し気になりますね。
学習礼賛 若さが世界を変える
異なる文化圏の話は、前半がついつい眠くなってしまう。しかし、風車を作る終盤は軽快で気持ちよかった。
自転車のダイナモ(発電機)ひとつで、ポンプ動かすことができるんだね〜。ダイナモなんて、文明に毎日浸っている我々にとっては、その中のたったひとつの小さなパーツに過ぎない物なのだが。
我々は、かえってひとつひとつのパーツの凄さというか、「力」を忘れてしまっていたり、過小評価していたりするのだろうなぁ。…なんと言っても、実話なので。
印象的だったのは、冒頭と最後に描かれる、この地方の葬式。森の精霊たちが、陽気に踊りながら、死者を迎えに来る姿は、なんだか正しいような気がする。
アニミズム(原始宗教)などと呼ばれるものだが、これが人間の本来の感覚なのではないか。自然とつかず離れずの関係。
一方で、自然の脅威を克服するための科学技術が、村に入ってくる瞬間。本作ではそれが、主人公によって、風力発電による「ポンプでの水の汲み上げ」が稼働する瞬間。
本作の主題は、若さと学びによって、「大人=従来の人たちが、一生懸命やっても克服できない飢饉という大問題」の解決を果たすという、学習礼賛。
その中での葬式の描写は、自然を克服することによって、一体化するよさから少しずつ離れていくことを暗に意識させる象徴だろうか。
理不尽な状況が長い
学校の図書室で一冊の本に出会った少年が、風力発電でポンプを動かし、井戸から水を汲み上げるシステムを作り、干ばつによる飢饉から村を救った2001年の実話を基にした、ベストセラーを映画化。
少年の活躍は最後の15分くらいで、それまでは延々と「いかにこの国は文明程度が低く、貧しいのか」と「この国の政府は堕落して国民を救わない」という描写が続く。
ストレスからの解放が、快感に繋がるとはいえ、約1時間半の理不尽な否定と状況がつらかったな。
しかしわずか18年前に、アフリカの最貧民国は、農業は天候頼みで祈りで雨乞いをするレベルだったのかと思うと、我々はいかに恵まれているかと実感させられる。
この物語が2001年だという事実に驚いた。 むかしむかし、みたいな...
けたたましいシャッター音から国の情勢を知る
題名で既に結果が判ってしまう作品である。よった、重要なのは、その結果に至る道程、話の流れが、大きなポイントになる。邦題の「風をつかまえた」という言葉もいまひとつ。個人として「風を味方にした」も今一つだが。「ウィリアムの生き様」は、エンドロール直前で明かされる。勉学に勤しむ空間も与えられずに、蔵書のほとんど少ない貧相な図書館で、大学まで行くことが出来たのは、凄いことではある。アフリカ大陸の中の一つの国の現実にある社会情勢を知り得たことは、私には考えさせられた。政府があまりにも秩序がなく基盤が弱く信用の置けないものと捉えており、食糧の途絶えた穀物用の備蓄倉庫に隠れ果せた主人公が聞く、けたたましいシャッター音に耐える場面は、国の情勢が良くわかる場面であった。母国で勉学に一心に取り組んだ彼の努力というのは、どれほど立派であったか、作品から彼が厳しい環境下に置かれていたのは十分に伝わった。母国においてどれくらいの知識を得たのだろうか。入学した学校の担任が「理科??」担当であったことも幸いであったし、彼のその後の人生に少なからず影響していたのであろうか。作品の展開は、至って容易であった。しかし、彼が(ジャーナリストの池上彰氏の言う)物理の「ファラデーの法則」をどのように知り得たのか。応用できたのかが、描かれていないのは、作品としてマイナスである。姉の「駆け落ち」後の展開が、早すぎ。ラジカセが直せたからと言って風車を利用して「風力」を着想できるだろうか。「旱魃」の季節の穀物の栽培が一段階解決出来たとはいえ、「雨季」の季節は、どのように逃れたのか。と、ツッコミを感じた入れたくなるが、後進国における人間でも「創造」というものは出来るという。監督の訴えは、ガンガン伝わっていると思う。観せて頂いて感謝と言える作品。個人的には、愛犬ガンボ(名前失念)の飢えによる死は、とっって~も悲しい。もう少し早くウィリアムの父が自転車を息子に譲ってやれば。でも、あの国での移動手段は、徒歩か自転車しかない。非常に残念である。時代の進歩は、つねに遅い。世界を感動で包んだかどうかはしらんが、色々と考えさせられる作品である。
上映館少なすぎ
本作。「感動した」とか「良かった」とかでは語れない作品。
でも自分的には観賞して正解だったと判断です。
2001年にアフリカであった実話だそう。つい最近の話だった事に驚き。
電気も無いし水は雨か井戸水のみ。
洪水と干ばつの負のスパイラルにより穀物が出来ず略奪や紛争が起こる村のストーリー。
2001年と言えば、米国の同時多発テロがあった年。ラジオから流れるニュースもこの村人たちは生きる為には関係ない話。
主役の14才ウィリアムが授業料も払えず退学。
落ち込むばかりのストーリーに多少のストレス発生。
ラストの10分で救われた印象でしたが、
この様な現実が今もどこかであると思うと自分が恵まれた環境に感謝しかありません。
上映館が少な目だけどもっと広まって欲しい作品。
本がどれだけ大事なのか。
本がどれだけ人を救うのか。
本は読まないとダメですよね( ´∀`)
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