蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
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キレイな映画!
ピアノを習ってもいなかったし、クラシックにもあまり興味が無いので観ることは無いだろうなあと思っていた。松坂桃李を最近インパクトの強い出演作で観ることが多かったので、この映画は「私の観たい松坂桃李ではない」などと勝手に判断して観ていなかった。
撮り溜めた映画が少なくなってきた為、話題の映画だったし、観てみよっかな、てことで観たら、、、良かった。すごく良かった!優しい会話と(マサルの友達は少しキツかったが)音楽と、美しい映像。亜夜の幻想で雨がよく描かれていたけれど、とても綺麗に感じた。幼い頃の回想で亡くなったお母さんとの楽しそうな連弾も、月を眺めて塵と連弾するシーンも、とても穏やかな優しい気分にしてくれる。
私の観たい松坂桃李ではなかったけれど、こんなに普通の柔らかい人も演じられる松坂桃李、新たに加わった、「私の観たい松坂桃李」です。
コンクールの結果は最後に表示されるだけ、結果は重要ではない、それぞれが自分を乗り越える、この映画の表したいことですね。
原作も、私の好みのジャンルではないので読んでいない。でも読んでみたくなった。浜辺で5人の経緯もわかるのかな?映画では蜜蜂が塵の練習用の木のピアノに貼られていた絵でしか出てこないけど、読めば「蜜蜂と遠雷」の所以がわかるのかな?やはり読むべきですね!
よくぞ作り上げたものだ
ピアノコンクールに参加する4人にスポットライトを当て、予選から本選までを4人の人生をなぞりながら描いていく。
主人公(松岡茉優)は天才少女としてもてはやされたが、演奏会をすっぽかし、姿を消していた。
ピアノ演奏シーンなどの出来は素晴らしく、日本映画もここまでできるんだ、とうれしかった。
天才同士の激闘に足を踏み込む覚悟はあるか⁈
この作品が、文学から出ていることに驚嘆しました。
音で語る
原作を読んで、すぐに映画が見たくなり鑑賞。文字で表された音楽の世界がどう映像化されているのかとても気になってほぼ衝動的。
原作と比較して、、というのは無しにして単純にもっと彼ら天才が鳴らす音を聞きたかったな。
そして彼らのセリフや心情、描写を表す言葉の少なさに驚いた。これで一般の観客に伝わるのって、でも彼らはやはり演奏家。音で語る。逆に言葉を使わずに音楽であそこまで表現できるのは凄いと思った。
雨の音。海の音。風の音。大地の音。世界に溢れている音を鳴らして音楽として届ける、世界的故ピアニストが送り込んだそんな少年風間塵によって、自分たちの音を鳴らしていく彼らの演奏には鳥肌が立ちました!
とくに、栄田あやと風間塵がアトリエの隣の薄暗い部屋で月明かりだけに照らされて連弾しているシーンは個人的に印象的。ドビュッシーの月の光から始まりアレンジを加えて変わっていく彼らの連弾はまるでこのまま月まで登っていってしまうかのような連弾だった。
そしてら最後の栄田あやのコンチェルトは最高。かつての雨のギャロップから、草原をかけるギャロップになったかのような軽快さから、迫力のあるピッチとオケとの掛け合いがとんでもないなぁと。是非映画館で見たかった。ほんとはもっといろんな曲やって欲しかったなという欲。
世界は音楽に溢れている。それを鳴らすの。
芸術の技術と表現とは
いつも通り、原作は未読です。
ピアニストの物語という以外どういう作品なのか予備知識ゼロで鑑賞しましたが、中々興味深く観れました。
それは本作を観る少し前に、知人で絵描きの方がSNSで芸術の技術と表現についてつぶやいていたのが頭の隅にあり、それが本作の内容と重なり色々と考えさせられたのでより面白く鑑賞出来ました。
私は基本的に“芸術”って言葉は“愛”とか“神”という言葉と同様に、目に見えない実体のない人それぞれに異なる概念を持つ意味不明の言葉だと思っているので答えは持ち合わせていませんが、それら全て不思議と人間を惹きつけ虜にする大きな力がある言葉だとも思っています。
芸術って色々あり、絵とか彫刻とか小説とかは基本的に一人の創作・表現となりますが、音楽ってまず作曲家がいて演奏者がいて創作と表現と分担作業になる芸術であり、クラシック音楽となると何百年前の創作者と現在の表現者という事になってしまい、創作と表現と二つの芸術を考えなければならないので余計に難しく感じてしまいます。
少し前にクラシック音楽というジャンルの演奏について(特に独奏ではなく合奏に於いての話だと思う)は、楽譜が全てであり「楽譜を如何に忠実に演奏するか」だけが重要であり、(楽譜を完璧に再現できる技術があれば良いのであって)自己表現は無用の世界だと言うのを聞いて成程と思っていました。しかし、創作・表現には必ず個性が出てしまうので、それを消し去るってことも至難の業の様にも思えるのだが、絵画で言うと贋作の技術に近いのかも知れないな。
本作ではクラシック音楽の天才的に技術が秀でた演奏者の場合、技術以外の自己表現の広がりがあると言ってるように思えました。この辺り原作ではどうなのか非常に気になるところです。
努力型の天才と天性の天才
世界は音楽で満ち溢れている
音楽であり、詩であり、小説であり、絵画であり、演劇であり、映画である。
この作品には芸術の全てが詰まっていたように感じます。
映画を観ていながら、小説を読み、美術館で美しい詩と共にピアノの演奏を聴いているような、そんな不思議な感覚。
原作は未読
なのが恥ずかしい、勿体なかった。
必ず読もうと思います。
原作がベストセラーともあって、ストーリーが素晴らしい。
軽い気持ちで観始めましたが、集中しないとついていけないとわかる、意外にも難解かつ深いテーマでした。
明石も言っていたように、一般人には分からないプロの世界の話です。
それでも、人間的な葛藤や苦しみなどがとてもリアルで素晴らしい人間ドラマだと思いました。
最後の栄伝亜夜のピアノ演奏には自然と涙が出ました。
キャストも魅力的です。
演技力お化けの松岡茉優さん、松坂桃李さんを始め、非常に好演だった森崎ウィン、不思議な少年がぴったりだった鈴鹿央士さん、主要の4人以外の方々もそれぞれの役者にしかできない演技を見せてくれました。
特に、斉藤由貴さんの英語と鹿賀丈史さんの笑顔は忘れられません。
音楽と人間の結びつき、芸術とは何かを再確認させてくれる作品でした。
映像不可能と言われた恩田陸の名作
もう一歩潔い描き方であれば尚良し
無知ですみません
主人公達の描き分けが印象的です。
音楽の演奏を題材とした映画は、役割を演じる役者と演奏する音楽の整合性をどのようにとるのかという難題がありますが、本作はこの難題をみごとに克服しているように感じました。
ピアノにはほとんど初心者の耳にも、作品の中心人物である四人の音楽に対する思い、そしてその情念を演奏にどのように反映させているのかを理解できるほどでした。
もちろん場面のつなぎ方やカメラワークは演奏の邪魔をしないよう入念に計算されているし、楽譜の描き方といった映像ならではの演出も大いに貢献しています。これらの要素を結び付けて高い一貫性を持った映像を作り上げた手腕はとても素晴らしいと感動しました。
物語の本筋は、国際ピアノコンクールの予選から本戦までを描く、分かりやすい構成です。これに主人公、栄伝亜夜の回想が挿入されます。主要な登場人物である四人それぞれの人物がどのような背景を持っているのかも物語を語る上で重要な要素ですが、インタビューの形式をとった語りは、説明臭くならず、物語の流れも阻害しない手法で、これもまた良かったです。
松岡茉優さん扮する栄伝亜夜は、ある過去に囚われてピアニストとしての人生に踏ん切りが付けられないという、少し影のある人物設定です。しかし松岡さんの持って生まれた特性なのか、黙って佇んでいるとどこか近寄りがたい雰囲気があるのにも関わらず、振り向けば親しみやすい笑顔を見せるというギャップがあります。これがむしろ他の天才ピアニストとの交流という描写に強い説得力を持たせています。本当に素晴らしい役者さんだと改めて思いました。
物語の分かりやすさと引き換えなのは仕方ないと思うのですが、主演の四人以外の描写を思い切りよく削っているので、「国際コンクール」の規模が体感しづらかったのは少し残念でした。
分からん
原作は未読です。
「分からん」としたのは、ストーリーでは無いです。ストーリーそのものは難しいものでは無いんだが、2時間の枠におさめる為に、各キャラクターが抱えている心情が殆ど書かれていないので、何で「今、こういう事をしているのか」などが伝わってこない。
主人公であろう、松岡茉優の演じる元天才ピアニスト少女は7年間、表舞台から姿を消していた。切っ掛けが母の死であろう事は想像つくんだけど、母の死後のコンテストでピアノが弾けない、オーケストラのメンバーが敵意を持った目で彼女を見る(本人の錯覚・思い込みなんだろうけど)、そして何故、7年も姿を消して、その間何をしていたか、何故復帰したのか、等が一切分からないので、今の彼女に感情移入が出来ない。全編、全キャラに対して同様。役者はみんな上手い人を使っているのに残念。
レンタルで観たが、かなり演奏の時間が多いので、薄型テレビだけ、サウンドバーだけの環境では話も面白く無い、音も迫力無いで全くつまらないだろうな。自分はそれなりのシステムを使っているので、ストーリーは兎も角、演奏はそれなりに聴けたけども。
予想だにしなかった日本映画の良作!!
ヒットした本を映画化、くらいにしか思っていなかったし、お世辞にも良作を思わせるようなポスターでは無かったので、映画館には行かず最近DVDで鑑賞。
、、観終わった後、ひさびさにその素晴らしさに震えが来ました。
それぞれ個性が引き立つ役者陣。それでいて無駄のない台詞と、無駄を極限まで削り取った台詞のひとつひとつ。
そして秀逸なのがカメラワーク。時にワンショットで、時に寄り引きを巧みに使った演出で、作品の中にグイグイと引き込まれて行く。
全体の演出も、過剰過ぎず、足りな過ぎず、何というか、高級料亭のような絶妙な味加減の肉料理に、お吸い物に、みたいな感じ。
とにかく観終わった後の爽快感も大きく、久々に納得の行く!映画でした。
また本でヒットしたのは知っていましたが、これだけの音楽演奏シーンを、本ではどのように表現しているのか、原作も大変気になりました。
映画全体が素晴らしいハーモニーを奏でているような、まったく想像だにしなかった良作でした!
※唯一!ブルゾンちえみの海のシーンの台詞だけは三文芝居でしたがまぁ見なかった事にします。
久しぶりに必見!おススメの映画です!!
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