ディリリとパリの時間旅行のレビュー・感想・評価
全47件中、1~20件目を表示
パリの美しさと醜さ
本作の舞台はベル・エポックの時代のパリだ。ベル・エポックは良き時代という意味だが、その名の通り産業革命が進み、消費文化が栄え、多くの芸術が花開き、パリが最も華やかな時代と言われる。ミシェル・オスロ監督はそんな時代の光と影を描き出した。背景はオスロ監督の撮った写真をコラージュして作られているそうだが、その美しく華やかなパリの姿に魅了される一方、パリの中心街では見世物小屋で混血の少女が働かされている。そして、「男性支配団」による少女誘拐事件が勃発、彼らは地下に少女を幽閉し、教育と称して洗脳しようとしている。華やかな時代も一皮むけば醜いものが潜んでいるという痛烈な皮肉だ。
しかし、主人公の少女の天真爛漫さと勇気に救われる。遠い異国からやってきた彼女が、様々な有名人の助けを借りて誘拐された少女たちを救い出す過程を痛快に描いている。パリの美しさと醜さも含めて、オスロ監督の街への愛が伝わる素晴らしい作品だ。
京都シネマ上映中の「古の王子と3つの花」」見にいくか決めるために有料¥400払って鑑賞
素晴らしいパリを描く美しいアニメ
ベルエポックの綺羅星のごとき偉人たち
面白くて、とても美しい映画でした。あの頃のパリにいた素晴らしい人たちが物語に絡んでくるのがとても楽しい。ロートレック、プルースト、サティ、ピカソあたりの文化人が出てくるのはまあありがちですが、マリ・キュリーやルイ・パストゥール、ギュスターブ・エッフェル、フェルディナント・フォン・ツェッペリンなんかの科学者・技術者が出てくるのがとても面白い趣向でした。
エマ・カルヴェの歌を当てている歌手はただものではない美声だと思ったら、ナタリー・デセイなんだってね。道理ですごいはずだ。
邦題はいただけないねえ。1890年ころの設定(エッフェル塔が1889完成、パスツールが1895没。サティのグノシェンヌは1890年の作曲だとさ。きちんと作られてるね)の話であって「時間旅行」ではないぞ凸。
スクリーンをずっと観ていたい
予告編を観て、奥行きのある美しい映像にくぎづけになった。
『この映画は、観なければ!』と。
プレゼンテーションで作るスライドのバックグラウンドのような、ビビッドな色彩に包まれていて、絵が綺麗だった。エキゾチックでモダンでお洒落。
むかし、学校でみた影絵みたい。
『映画は一コマ一コマ、どのコマを観ても全て美しい美術作品になるように作られるべきだ。それが映画なんだ』という話を聞いたことがあるが、そんな感じ。
そして、一枚一枚の描画,細かい仕事,人々の服装や表情、街並みなどすみずみまで観てみたい。もちろん、そこここに登場してくる歴史上の豪華キャスト達も。
日本でも、やじさんきたさんなどで、幕末などで作ればいいのに。
ラスト近くの夜のシーンが美しかった。
上品でセンスよく,エキゾチックでネオレトロで,でもどこか懐かしく,色が,特に青がきれいな不思議なアニメーションだった.
ディリリの心の強さ、そして芸術の街の美しさ。
ミシェルオスロ監督の作品はどれも大好きで、
この作品も彼独特の空気感とテンポを纏っている。
今作はCGを駆使したモーショングラフィックが非常に美しく
キャラクターたち、ひいてはラストのスタッフロールで見られるダンスシーンまでも
細かく表現されている。
特に豪華な馬車から降りてくるサラ・ベルナールの姿は秀逸。
サラが当時のパリにおいて特別な女神(ミューズ)であったことを
わずかな時間で表現しきっている。
ストーリーは時にゾッとするようなおぞましさを感じるシーンもあるが
天真爛漫なディリリと、勇気ある味方たちの行動が心強いので安心して鑑賞できる。
「アズールとアスマール」の素晴らしさに比べると少し派手さに欠けたかな。と思うので星4。
それでも非常に美しい映画です。
ディリリとパリの時間旅行をしてるのは私。
パリの街並みの写真を背景に切り絵が動いているようなアニメーション
昼間の色とりどりの街並みと対照的な夜の描写
ラスト近く夜のエッフェル塔と気球船のなんと美しいことか
ニューカレドニアとフランスのハーフのディリリ
礼儀正しくて、好奇心旺盛で行動的。強い魅力的な女の子。肌の色が違うことも受け入れている。正義感が強い。
そんな彼女の成長の物語でもあった。
悪を制したり色んな人物と出会ったり ぎゅっと抱きしめられること 抱きしめることを覚えたり。
彼女がロートレックの横で書いた ムーランルージュの踊り子の絵が素晴らしかった!
あんなに単純な線だけでロートレックっぽさが出せるなんて凄い。
次々と登場する画家 科学者音楽家作家。。。
自分が知っている人物は興味津々でのめり込んだりニヤリとしたり。でも知らない人物で見逃してるシーンもたくさんあるのだろうなあ。。
ディリリと パリの時間旅行をしてるのは私なのね。
人種差別や女性差別
また 警察も悪だったり 現代に通じる社会の問題もしっかりと描かれていてさらに作品を深いものにしている。女性を四つ足で歩かせるって自立は許さないってこと?ひどいわあ。
できればフランス語を聞きながら観たかったな
吹き替えだと 声優さんのイメージがちらついて感動5割ダウン! 時間が合わなかったから仕方ないけど(涙)
もう一度色んなこと確認しながら字幕版で観たい大好きな作品。
古き良きベルエポック
日本のアニメとはかなり違うから最初は違和感を感じたけど、写真との融合が面白い。パリの街並みや観光地がアニメではなく、監督が撮り溜めた写真を使っている。まるでパリの市内観光をしている感覚を味わえた。
登場人物が豪華❗️ピカソの洗濯船ではルソーやマティス、ムーランルージュではロートレック、ドガ。池のほとりではモネとルノワール。街中にはサラを描いたミュシャのポスターが貼ってあり、英国の皇太子、キュリー夫人、ロダン、、、豪華キャストだぁ😍
警察のトップもグルであった男性支配団が女性や女の子を誘拐した理由が驚き!椅子にするためとは。なんとも突拍子もないアイデア。囚われたディリリが勇敢に逃げ、オレル達に助けられた場面は感動的。
クライマックスのエッフェル塔と飛行船の画面はとても綺麗。アニメ、写真、写真なのか絵なのかわからない箇所もあったり、(そういえば、フジテレビの紙うさぎロペもそんな感じたなぁ)全体的に綺麗な画面であり、ストーリーも心暖まる、いい映画だった😊
思っていた話と、180度違ったよ。
一言「フランス、すげー!」。
なんとなくwowow録画してあったのが放置状態。
で、ちょっと見たらアニメの人物が「のっぺり」って感じがして。
危うく消去するところでした。
人物は確かに塗り絵的なんですが、フランスの美しき街並みは「写真」の合成。
っていうのは後から知りました。これがうまく組み合わさってました。
「ベル・エポック」って言葉は知ってたけど(逢坂みえこさんの漫画ありましたね)。
意味は「美しき良き時代」。19世紀末〜第一次大戦前の25年ほど。
主人公ディリリの手助けをする大人たち。
え、ドビュッシー?キューリー夫人?パスツール?モネ・ロダンも、いましたねえ。メモっただけでも。
みんなこのベル・エポック期に、フランスにいたのね。
第一同じ時期っていうことすら、知らなかったし。
ま、そういう大人たちの話もありましたが。
主人公の少女・ディリリが、実に礼儀正しく。
またその小柄な身体を生かして、事件現場に潜入して大活躍。
もう愛おしいのなんの。
終盤ディリリの窮地を救おうと大人たちが頼った人は、パリの象徴的建物ゆかりの人。
え、あなたのその名前って!。びっくりしました(私が知らなかっただけ?)。
アニメといえども、肌の色や性別による差別も話もあって。見て良かったと思える1作でした。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「多様な人々が、互いに理解し助け合うことを願う」
いやー、夢中になった。だけど、
作品の作りについて感想を述べたい、
①【ジェンダー】
ジブリ社が「ディリリ」を“隠れパートナー”にして彼女に語らせたのは、やはり理由があるだろう。
ジブリはまだここまではストレートに男女差別や人種問題・環境問題にタッチ出来ずにいるから。
だからフランスのミシェル・オスロ監督と提携したのはジブリ側の“様子見”なのだと僕は見た。
恐らく“地雷”ともなるだろう新しい分野への手探りとして。
思い出したのは国民的人気アニメ「ちびまる子ちゃん」シリーズだ。白人の男の子とまる子たちのほのぼの交流&涙の別れというものがあったが、外タレもののアニメがヒットするためには、ゲストで登場する外人の子は日本語のあまり出来ない孤独で可哀想な存在である必要があった。
日本は今そこ。
もしも、
ジブリが国内版で、白人女性や帰国子女に人権・環境問題を語らせるアニメを作れば日本では総すかんな筈。
いつも思うのだが、何ゆえ日本人は白人女性に物を言われたり、年少者に非を指摘されたり、帰国子女や在日が発言している姿にあそこまで拒否反応を示すのだろう。
怖いのだろうか?
ヤフコメの炎上・叩きは本当に凄まじい
―「ディリリ」の名がもし「グルダ」なら?(笑)
そして彼女ディリリが可哀想な植民地出身の混血児ではなくて白人やSEALDsなら?そこに引き起こされる反応は想像に難くない。どうなってしまうことやら。
ジブリが“グルダ映画”を作れば・・(そんなチャレンジは時期尚早だろう)襲撃を受けてジブリ社は消えてしまうだろう。
だから様子見のオスロ監督頼みの試験興業だったのだと僕は見た。
女に説教されたり、女たちを四つん這いにさせて上に座る男をアニメで見て、顔をしかめこそすれ 笑える日本人男性はいないはずだ。
②【エンターテイメント性】
本作には著名な故人が大量に“友情出演”している。
それはそれで画面の隅々にまでアールヌーボーや当時のフランス文化に夢中にさせてもらえる演出。「ミッドナイトインパリ」以上に彼らが動き出してくれる脚本は、僕としては非常に面白かったが、台本が本人たちの許諾を得ていない以上出演者は別にヒットラーや東條英機でも勝手に使えるわけで。
ある意味反則だよね。
( ⇒ロダンは女弟子のカミーユ・クローデルの体と才能を食い物にしたきらいがあるので監督が“友情出演”させたロダンは「男性支配団」の先鋒そのものなんだがなぁ)。
そんなこんなで、
ディリリが希求するテーマ(=①女性の地位獲得や植民地問題)と娯楽映画としてのベルエポックの紹介と語らせ方=②は、この二大要素のドッキングがちょっとすり合わせが不自然で消化不良だ。
俯瞰すればわかる。
③【それでもやる意義】
でもそれでもなお
監督はフランスの子どもたち若者たちに読み聞かせる“絵本”のようにこの映画を作り、祖父のように道徳訓を教え諭して現代の自国の課題に答えようとしたのだろう。
批判やこじつけへの反感をおしてでも監督はお話の中に共生への願いを込めたに違いない。
・・そんな事をぼーっと考えながらディリリの冒険を眺めた。
(冒険者大坂なおみの優勝の日に鑑賞)
さまざまな要素を豪華につめこんだ総合芸術
さまざまな要素を豪華につめこんだ総合芸術のようだった。扇の要になっているのは、フランスの内面的文化に対する自信であり、それを次世代に伝えようとする強い意志だ。日本のアニメの主人公は、粗野な言葉を使い、乱暴に(ときに反社会的とも言える)振る舞うのに対し、本作の登場人物たちのフランス語のなんと美しいこと。発音も明瞭で美しく、言葉遣いもきちんとしていて、フランス語のリスニング教材に使えそう。それに、ディリリの礼儀正しいこと。主人公たちの乱暴な振る舞いと言えば、三輪車で階段を駆け下りるくらい。上品さと自由奔放さとのバランスはこれくらいという作り手の意志を感じる。
もうひとつの見どころは、芸術的遺産のリアルタイムを疑似体験できる点だ。「ジュラシックパーク」で、恐竜の研究者が、生きて動いている恐竜を見て、涙を流して感動するところがある。同じように、パブリックドメインとなった画家、彫刻家、作曲家たちが、創作し、会話するところを見られるなんて、感激だ。
また、アニメで初めて見るシーンも新鮮だった。ひとつは縄跳び。すごいスピードで動きながらしなやかさを失わない縄の動きも驚きだし、縄がディリリの体の前に来たり後ろに回ったりするのがすごい。もう一つは、主人公たちがエレベータから降りるシーン。格子の向こう側を主人公たちが上昇し、歩くようすが格子の隙間から見える。実写なら当たり前だが、アニメでこれを見せようとすると、なかなか手間がかかるのではないかと思う。
タイトルなし(ネタバレ)
絵本のように美しい映像と
微笑ましい少女の冒険譚。
フランス、ベル・エポックと呼ばれる時代の
著名人、芸術家が次々と登場し共演する豪華さ。
なんて楽しいファンタジーなのでしょう!
それを楽しんで観ていただけに、
悪役の悪行を象徴する光景として人間椅子が出てくるとは!
物語が絵本の世界から一気に江戸川乱歩の淫靡なイメージに
変わってしまいました。
何というギャップでしょう。
タイトルなし
最高
19世紀末のパリ
5点が最高だけれど、10点付けたい。
ずっと眺めていたくなるアートだった。
ホントに綺麗だった。飛行船の夜間飛行の画は最高。海外の絵本を眺めているような気分にしてくれます。
パリの美しさに心奪われ。登場人物の名前に胸ときめかせ。少年少女頑張れー!って言ってるうちに、話、終わってたでござる。
多様性の否定。マイノリティーへの偏見。女性軽視。後戻りさせてはなりませんよ、って言うだけにしては、贅沢な贅沢な贅沢な、お芸術的なアニメーションだった。
感動はさほど無いけれど、美しさに飽きる事はありませんでした。結構、満足度高かったです。
11/4 どうでも良い追記
映画観ながら思った。これ、実写でやったら、エマ・カルヴェ役はレベッカ・ファーガソンが良いな、っと。そんだけ。ホンマにどうでも良い話だけど。
全47件中、1~20件目を表示