劇場公開日 2022年7月1日

「ファンはもちろん、一見さんでも楽しめる社会人5人のアウトドア系ガールズ物語。地方経済を考え上でも意義深い。」映画 ゆるキャン△ 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ファンはもちろん、一見さんでも楽しめる社会人5人のアウトドア系ガールズ物語。地方経済を考え上でも意義深い。

2022年7月1日
PCから投稿

女子高校生たちが社会人となってからのシリーズ初の映画化。
東京のアウトドア用品店で働く「なでしこ」、名古屋の出版社でタウン誌の編集者として働く「リン」、山梨の観光推進機構で働く「千明」、山梨の小学校で働く「あおい」、横浜のペットサロンで働く「恵那」の5人が日々の仕事をこなしながらもアウトドアの楽しさを忘れずに連絡を取り合っています。
そんな物理的な距離が離れていたり、仕事に追われたりしながらも、根底にある想いは一緒ということで、あるプロジェクトを進めます。
その四苦八苦する様子なども含めて、地方経済の今後の在り方などを考える上でも非常に意義のある試みだと思いました。
何より彼女らが楽しそうなのが伝わり、見ていて微笑ましいのです。
本作では、まず冒頭に配給・松竹のマークが出ますが、その画面の直後から「ゆるキャン△」っぽさが発揮されています。
そして、5人はスマホで連絡を取り合っています。
通常は2人の場合でも上手く画面構成ができず、読みにくかったり分かりにくくなってしまう面があります。
ところが本作では、全く混乱せず、非常にスムーズに彼女らのやり取りが分かるように構成されていたのです!
また「飯テロ」といった言葉がありますが、アウトドアで食べるご飯がとても美味しそうに描かれています。
このように本作ならではのセンスも上手く発揮されていて、「見るアウトドア映画」というジャンルを切り開いています。
これまでのファンはもちろんのこと、予備知識がなくても「体感できる作品」になっていました。

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細野真宏