靴ひものレビュー・感想・評価
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話は良いが背景描写が薄い
良い展開のお話でした。ラストもなかなかの着地。
ただ、ただですね・・・薄い。
父子の関係性の変遷がエピソード描写だけだから
「あれ?もうそんな関係なの?」
って感じ。
確かにね。そりゃぁそーだよね、そうなるよね。って感じなんだけど
どうにも唐突感があるんだよな。
一緒の時間が増えれば・・・って話じゃないと思うんだ。
だってこの父子には「過去」があるから。
父の過去はもちろん、なぜ一緒の時間を過ごすことで、
状況に変化が持たされていくのか?ってとこの描写が薄いから
息子のラスト近く、ラストの行動の動機がどうにも薄い。
彼が発する切なる叫びのセリフ=動機となってしまっていませんかね?
なぜそこまで想うことになったのか?・・・そここそ書き込まないと。って想うのです。
この映画は息子の成長物語でもあると思うのです。
ラストなんてその結果ですよ。
でも、前述の薄さが説得力の少なさを生んでいると思います。
残念。
色んな要素が見事なまでに絡み合って─
様々な社会的要素をうまい具合に絡み合わせて、楽しく悲しく感動的な物語が出来上がっていました。
個人的には・・・過去、身内に人工透析者がいて、治療のつらさや移植の複雑な問題、そして急変など、身近な出来事が琴線に触れる事柄であり、・・・ヤバかったです。
そこにはきっと身近な物語があり、何かしら心を動かされるものがある。主人公や設定、国等々、大きく違うところはたくさんあれど、自らとの一致点を見出してしまう。作品への思い入れや没入というのは、そんなところから始まるのだろう。
靴ひもというタイトルとそれが肝になっている作品ではあるけれど、ほかにも多くの事柄が詰まった映画なので、各々それを見つけてみては─。
1990的お掃除チャンピオン
母親が事故死し、住むところが決まるまでとソーシャルワーカーに諭された父親と、38歳の発達障害の息子が36年ぶりに暮らす話。
恐らく軽度の自閉症と思われる主人公が幼い頃に出て行った自動車整備工場を営む父のもと、洗車係とし働きながら親子関係を深めて行くストーリー。
疎ましがっている様に感じた序盤。
でも、気遣ってもいて、接し方がわからなかったのかな…息子をやはり施設に入れようとするも、運営の状態をみて思い直す根は優しいオヤジ。
そんな中、オヤジに腎臓の機能障害がみつかって展開して行く。
主人公の位置付け的にも、ストーリー的にも、絶妙な理解力とお拘りな二人が、心を通わせていくと伴に、そろって互いを気遣い、打ち解けて行く様は優しくて温かくて。
コテコテなストーリーだけど…突然の無感情からのラストは、空虚感と思いやりと成長を強く感じるし、それでいてコメディでつくられているので重過ぎずとてもよかった。
あらゆる"愛"を内包したイスラエル版『クレイマー、クレイマー』
発達障害の息子を重荷に感じて育児放棄し、離別して疎遠となっていた父が、親子愛と友情、そして女性の愛を得ていく。まさに贖罪の物語であり、形を変えた『クレイマー、クレイマー』。
多民族国家イスラエルならではの人種間描写もさりげなく盛り込む。2人を取り囲む人物たちもイイ人ばかりでハートフルな展開が続く分、ラストが切ない。
都合3回登場する、息子が靴ひもを結ぶシーン。それぞれが違った意味を持つ。
『アンコール!』然り、『私の小さなお葬式』然り、年齢を重ねるとこうした家族愛を描いた映画が観たくなってしまうのは、人の性か。
誰もが共に生きていくには
試写会で公開よりひと足先に見ることができました。
イスラエルで実際にあった、腎移植が必要な親へ、精神障害のため子どもがドナーとして認められず亡くなったケースを下敷きにしているそうです。また、主人公ガディのこだわりや仕草は監督自身のお子さんの行動がモデルになっているとのこと。
一口に「サポートを必要としている人」と言ってもその濃淡や個性は千差万別。その上で、誰もが共に生きていくという事について深く考えさせられました。
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