「こういう青春映画もっと増えて!」ホットギミック ガールミーツボーイ 大豆粉さんの映画レビュー(感想・評価)
こういう青春映画もっと増えて!
初恋の映画だったんですね(笑)。
「テンプレな"かわいい女の子"が自己を獲得するお話」だと思って見ていました。
少女漫画にありがち(偏見)な「内気でドジでナイーブなヒロイン」を、内側から骨と血肉を付け足したような主人公は新鮮でした。
主人公・初(はつみ)は、内気で流動的な女子高生。いわゆる「かよわい」女の子で、乃木坂46のメンバー堀未央奈さんにぴったりの役どころだなぁと思いました。
近年注目されている「強い女」とは対極の、"可憐で無知でかわいい少女"。このような主人公が、綺麗とも言ってられない現実を目の前にして何を考えるか、どんな行動を取るかに私はとても注目していました。
最初は周囲に流されがちで、自分の意志も自分で分からない有様だったのですが、最終的にはちゃんと自分から相手を選びとるまでに心が成長しました。そこはとても感動しましたね
。
初に恋をした男性陣たちにも、自分の恋心にまっすぐ向き合うまでの葛藤が描かれていてよかったですね〜。最初はどいつにも「うわーきもちわりー」なんて感じてたのに(笑)
特に、亮輝(りょうき)はよかったですね〜清水くんはああいう影がある男の子を演じさせたら右に出るものはいないですね!!!
少女漫画が原作になっているためか、登場人物のキャラクター設定自体はありふれているんですよね。内気美少女、おませな妹、シスコン兄貴、超秀才の俺様幼なじみ、遊び人なモデル……。でも、そのようなテンプレっぽいキャラクターにしっかり命を与えているところがとても私好みでした。ああいう、テンプレキャラクターの人間らしさを見せられると弱いです(笑)。
ただ、設定がほんと自分と無縁な場所のお話で共感できるところほぼなかったんで、終始おとぎ話を読んでいるような感覚でしたけど(笑)。自分は恋愛にキョーミ無しな人間なので、あの手の話は「内輪でやってろ!!」なんて考えがどうしても浮かんでしまって……(笑)。
それでも、登場人物それぞれが心を大きく動かされる出来事を経験し自己を獲得していく過程を見るのが青春映画の醍醐味というもの。また、青春キラキラフィルターが多用されることなく、登場人物の痛み苦しみを演出併せて描き切っている点はどんどん注目されてほしいなと思います。キラふわなイチャイチャだけが青春じゃねぇんだよと(僻み)。
全体的にあんまりハマりませんでしたが、「こういう描かれ方もっと増えて!」と叫びたくなりました〜。