居眠り磐音のレビュー・感想・評価
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新しい時代劇ヒーロー?
本木克英監督の時代劇はいつも楽しく見ています。
リアル志向の多い近年の時代劇においては、時代劇の定石と現代性が程よくミックスされたエンターテインメント作になっていて、テンポも良く飽きずに観る事ができます。
主演の松坂桃李の演技もますます充実して、優しさと礼節の中に侍としての厳しさを持った主人公を自然体で見せてくれます。笑顔と泣き顔の美しい男優ですね。
さりげなく脇を固める俳優陣も何気に豪華オールスターで、中でも木村文乃のちゃきちゃき振りや、柄本明の銭ゲバ振りが印象的でした。
どちらかと言えば暗くなりがちな原作を、これだけのエンターテインメント時代劇に仕立てた本木監督の手腕も見事です。
ラストには春風を感じる様な作品でした。
居眠り?
想像より面白かった。
開始時間ちょい過ぎだったので、どうしようか迷ったのだけど、観て良かったと思います。
原作、テレビなど前知識無く観たので、どの辺が"居眠り"なのかよくわからなかったけど、ザ・時代劇という感じで見れつつ、現代の役者陣が活躍していて楽しめた。
大御所主演の安定感は無いかもしれないけれど、自然な雰囲気で良かったと思う。
主役磐音の松坂桃李くんは、そりゃまだまだという感じはするけど、真摯に役に取り組んでいる感じがして、好感持てた。年配の時代劇好きな層のおばさま達のファンが、一気に増えたのではなかろうか。木村文乃も下町の長屋の娘にしては上品な感じだったり、蓮根京子ちゃんに至っては花魁役にはまだ早い感じかな。といったところはいろいろあるものの、テレビドラマの映画版としては、綺麗にまとまっていて、良かったのではなかろうか。
続きもありそうだし、日本版のバットマンみたいなシリーズになってくれることを期待します。
「居眠り」はどこいった
「侍戦隊シンケンジャー」のレッドだった松坂桃李がついに本格時代劇に挑むのは、当時からのファンとしてはそれだけでとても胸熱です。
時代劇としては良くも悪くも非常に手堅い仕上がり。
基本は押さえていて、大きくハズれることのない安心感がある反面、地味で新鮮味がないのも事実です。
一番気になったのはタイトルにまでなっている「居眠り」が、最初の構え以外全く反映されていないこと。
あの構えや「居眠り」という名前から、避けに特化し一瞬の隙に一撃必殺を狙う剣法…と勝手に想像してましたが、実際は最初の構えが変わってる以外は全くもって普通の殺陣。拍子抜けしました。
昔ながらの時代劇を守るのもいいですが、ここくらいは冒険してもいいんじゃないかと思いました。
人が人を思う気持ちのありようは様々。
取り立てて観たいと意気込んではいなかった。
ただ「日本のいちばん長い日」以来気になっていた俳優の時代劇だから足を運んだ。
良かった。
原作が良いのか、映画が良かったのか。
それは分からない。原作者の小説もこの監督の映画も知らない。
起きてしまった事件の真相を知れば知る程に切なくなる様に書く。流行作家の常套パターン。映画もしかり。
しかし、この映画では最初からタネを明かすことで観ている者を安心させ、主人公を応援したい気持ちさせてしまう。この手法はAKB並みだ。
しかし、友達を殺め、愛する女を突き放し、それでも生きていくこと選んだ男の凄さが伝わってきた。
殺めた友を嘆くのは失礼なことなのだ。それよりも生きていくことに懸命になることが礼儀だろう。
で、思った。
あの時代に生まれなくてよかったと。
そして、愛する者と共にに暮らすことが幸せだと必ずしも言えないのだ。
初めての時代劇で5回泣けた
思いのほかハマり役
見事な、時代劇ラブストーリー
テレビサイズな映画
白河の清きに魚のすみかねてもとのにごりの田沼恋しき
白河(松平定信…寛政の改革)の清廉潔白で規制の多い窮屈な政治よりも濁り(賄賂政治と言われているが、実相については研究者によって分かれているそうです。いずれにせよ商業重視で、いわゆる守旧派の武士階級から逆恨みされたとの説も)のある田沼時代の水の方が住みやすい。
磐音も武士階級のはぐれ者になったことで世間のことが見えて商業感覚も備えることができたのですね。
蝦夷地開拓や印旛沼の干拓(洪水を抑えて、農地を拡げる)のようなインフラ整備に取り組むのは、登り詰めた老中の地位で胡座をかいているよりも大変な労力を必要とするわけで、田沼意次がやはり政治的実力と強い持続する意思を持っていたことは間違いないと思います。
朧げながらもそんな時代背景を想像すると、田沼意次失脚後の吉原は?そして奈緒は?と気になって仕方がありません。おこんさんの複雑な女心の行方ともどもこの先も期待してしまいます。
続編、作ってくれるのですよね⁈
優しい空気。
原作既読。TVシリーズは未見だが、松坂桃李は原作の磐音の印象にピタ...
原作既読。TVシリーズは未見だが、松坂桃李は原作の磐音の印象にピタリとはまっていた。
話の展開にやや疑問があるが(特典でもらった脚本からどうやらカットされてるらしい)それでも丁寧な展開で王道の時代劇になっているのは好ましい。キャストも適材適所。ぜひシリーズ化を期待したい。
日本の時代劇
原作は全部読破。ストーリーは、映画の尺があるのである程度の変更は仕方ないと思う。
最近の時代劇は、殺陣があまりにも酷かった。
形だけのチャンバラであったり、投げたり殴ったりのアクションだったりで不満だった。
この作品は違った。本格的な殺陣が見られた。それだけで満足。(本音はもう少し見たかったけど)
ただ、磐音と奈緒の話が軸になるので、そこの描き方が初見の人には納得出来ないかもしれない。奈緒を残して江戸へ戻った理由の説明がもう少しあれば、最後のシーンの磐音と奈緒の気持ちにもっと近づけたと思う。
今後の展開は、もっと切なくなり、磐音の剣も冴えてくる。原作を愛する者として、続編がこのキャストで見たい。
時代劇は、日本人が演じるものだと思う。
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