「続編が観たいぞ。頼む松竹」居眠り磐音 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
続編が観たいぞ。頼む松竹
始まって30分くらいすごい早さの展開とクライマックス感で、この後一体どうすんだ?と思ったものだが、ここは磐音の過去編のようなもので本編はそのあと始まる。あらすじにもそう書いてあった。
それで内容は、時代劇版のヒーローものと言えるような、剣の腕が立ち、人がいい主人公が善人を助け悪を挫くシンプルな勧善懲悪。まあ水戸黄門とか遠山の金さんみたいなものだね。
男も女も子どもも大人も善人も悪人も、あらゆる意味で全方位に無双しまくる完璧超人磐音の活躍をお楽しみ下さいって感じだろうか。
そうなると磐音のキャラクターが重要になってくるのだが、おっとりした磐音、キリッとした磐音、その両方で違和感なくこなした松坂桃李はハマっていたと思う。
松坂桃李は好きだが時代劇のイメージないなと感じていたけれど、完全に杞憂でした。そんなに本格って雰囲気の時代劇ではないことが合っていた理由かなとも思う。
時代小説ファンというのは一定数いるようで、私などは全く知らない人気シリーズがあるそうだ。本作の原作も結構長いシリーズものらしい。磐音の過去にまつわるドラマチックなパートはやってしまったので、本当に水戸黄門のようなストーリーになりそうだけど続編作るなら観たいぞ。
いっそ、マーベルシネマティックユニバースみたいに時代劇のヒーローを量産して最後は大集合の七人の侍みたいにしちゃうのはどうだ?観たいぞ。松竹頑張れ。
それから、悪人ではない両替屋というのを初めて見たかもしれない。この違和感ってなかなかすごい。両替屋、越後屋、お代官というのは悪者と相場は決まっているとばかり思っていた自分は前時代的な人間なのだと痛感した。
本作が新時代的という意味では、女性キャラクターが自分の進む道を自分で決めるという今の価値観が少し反映されているあたりも新しい感じがしたね。
この辺が本格ではない理由でもあるけど、エンターテイメントヒーロー時代劇なんだからそれくらいでいい。