「殺陣が格好良い」居眠り磐音 あらP★さんの映画レビュー(感想・評価)
殺陣が格好良い
殺陣が格好良い。ピンと張り詰めた空気、ヒリヒリする緊張感とキレのある剣さばき。血飛沫の扱いも派手過ぎず、渋味を感じる見事な演出だった。もっと観ていたいが、剣戟シーンはあっという間でボリューム不足。もっともこの位の分量が腹八分目で丁度良いのかも。
肝心の居眠り剣法は意外に出番が少ない。溜めも少なく、相手や周りが見下し嘲る下りも無いので、タイトルになってる割に出番は少ない。
ストーリーは、半沢直樹みたいな経済サスペンスとラブストーリーを絡めた内容。当時の金銀相場は知らないが、小判一枚(一両)と粒銀八枚が等価というのは見ていて違和感があった。序盤の藩でのトラブルの原因となった裁定も解決しなかったのはスッキリしない。
最後、相変わらずの貧乏長屋で定職も無く、千二百両を貯めて身受けするのは無理だろう…と思ったのだが、成敗された両替屋の主人が吐いた呪いの言葉「この先、何人も何十人も殺すことになる」と、それを受けて元よりそのつもりと返したシーンを思い出して、全てが符合した。原作を知らないのだが、そういうシリーズの導入譚なのだなと。
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