「なんと……面白い!」居眠り磐音 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
なんと……面白い!
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ヒロインが芳根京子で、脇も演技がうまい役者で固めて、主演の松坂桃李は大丈夫なのか? って、心配半分、からかい気分半分で観に行ったのね。そしたら、面白かった。
どうも松坂桃李は《孤狼の血》あたりからうまくなってんの。
それに、この役は無口な主人公が人知れず苦しむって役だから、台詞より見た目の良さが重要なんだよね。そこに合ってた。
ただ、ラストの「生きてる方が地獄だ」ってところは、ちょっと演技が足りてなくて、そこだけ残念ではあったんだけど。
で、この作品は演出がうまかった。「こいつを用心棒に」って磐音を連れてくシーンは、歌舞伎っぽく大きな芝居でやんのね。それが時代劇に合ってて、むしろ自然に観えたりして面白いの。
殺陣のシーンも多いんだけど、役者さんたち殺陣なんてやったことなさそうな人ばっかりでね。でも、良かった。練習したんだろうなあってのと、殺陣を工夫してんなあってのと両方だったね。
波岡一喜もがんばってて、ちゃんと悪役の剣豪に見えたしね。
ストーリーでは「ヒロインの芳根京子を救ってやれよ!」と思うんだけど、そんな甘い話を書かないんだよ佐伯さんは。
「こら止むを得ないなあ」っていう事情があるとはいえ、磐音はヒロインから逃げてるんだよね。そんな男が簡単に女を救えるはずないってことなのかなって思った。
あと佐々木道場での「よう来たな」は泣きそうだった。号泣しそうな感じ。これは原作の良さだろうな。
時代劇にいまの役者が意外とはまると解ったし、シリーズ化して欲しいね。
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