グリーンブックのレビュー・感想・評価
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異なる価値観を持つ2人が、新しい自分を得る物語
黒人で有名ピアニストのドクター・シャーリー、かたや口先三寸で世間をわたるナイトクラブ勤めの貧しいイタリア人トニー。「いたしかたない」事情から、トニーがシャーリーのドライバーとなりツアーをめぐります。
ゆく先々で待ち受ける、2人の生活スタイルや倫理観の異なりから生まれる不協和音、そして「黒人だから」こそ」避けられないトラブル。2人がどのようにお互いを受け入れ、理解しようとし、お互いを同志として認めてゆくかの過程がきめ細やかに描かれていて素晴らしい。
足りない所を補いあって成長してゆく2人の姿が、いつまでも心に残る作品です。
【実話】人種差別から学んでいく友情物語
人種差別が色濃く残る時代に黒人ジャズピアニストとイタリア系白人運転手が出先で様々な問題にぶつかりながらも少しずつ友情を築いていく物語。
高級クラブで用心棒として雇われていたトニー・リップはクラブ改装を機にしばらく無職になり、黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手兼用心棒として雇われることになる。
出自も性格も全く異なる二人は、当初は衝突を繰り返すものの、出先で繰り返されるドクター・シャーリーに対する人種差別にトニーは自分事と考えるようになる。
揉め事を起こしたくないドクター・シャーリーは常に品よく振る舞おうとするが、トニーは人種差別を目の当たりにする度にいつしか彼を守ろうとする。
ラストはトニーの妻ドロレスがドクター・シャーリーを温かく迎えてくれたのがすごく嬉しかった。出先でトニーが書いたラブレターは彼の品の良さから来たものだと伝わり、人種差別を越えた深い繋がりを感じられた映画でした。
品格と人間性
暴力は敗北で、品格を保つことが完全な勝利と考える
世界的なピアニストでありながら黒人で、ゲイという二重のマイノリティを持つ主人公と、全てのことを100%で生きる、知識は浅く、教養も無い、イタリア出身の用心棒とのヒューマンドラマ
アメリカ南部を周るツアーにでて体験するのは、白人上流階級の教養人の完璧な品格と、差別的な人間性。対して用心棒は、教養の無い、お世辞にも品もないちょっと野蛮なイタリア人。
その狭間で思う、人となりの考え方。
世の中は、何をみて、何を思うか。これが全てであると思わされる。
米国の歴史がよくわかる
人種差別に過剰に気を使うと感じることがこれまでもあった人(自分もだが)その理由を痛感できる映画。
勝利は暴力ではなく品位によってのみ得られる。
心を動かすには才能だけでなく勇気も必要。
ドクの言葉が重く響く。
自分は品位を持ち続けられるか。
そう問う人が増えるといいなぁ。中高生のヤンキーにこそ見て欲しい映画。
なんで作品賞?
人種問題を背景に二人の男の友情を描こうとしたのだろうけど、色々残念。
冒頭で黒人が飲んだグラスを捨てるほど差別意識が強かったトニーがどう変化したのか。シャーリーがどういう人なのか、結局伝わらない。
差別に直面するシーンもどうも白人の妄想のような感じで現実の厳しさには程遠い。
何より残念なのは、シャーリーのピアノが(個人的に)鳥肌が立つほどハートタッチングなものではないことだ。
スパイクリーのブラッククランズマンの方がよっぽどいいのに、こっちが作品賞を取るってことはやっぱりアカデミー賞は白人手動なのかな、
じわじわと心温まる
画用紙に水彩絵の具を垂らしたようにジワジワ幸福感が広がっていく映画。
教養ある黒人とがさつなイタリアの白人という組み合わせが面白い。
シャーリーはどこまで黒人が受け入れられる世界になったかを確かめるため、また、芸術の担い手は肌の色に関係ないと証明するように、南部を旅する。
黒人のピアニストの音楽を聴きにくるのに、その音楽家にはレストランもトイレもまともな楽屋も使わせない。個人的には差別していないと嘘をつき、地域の慣習だからと言い逃れする白人オーナーたちに、憤りを感じていくトニー。
最後の白人警官のくだりは権力者が登場するなかでも唯一ホッとする場面だが、結局、誰でも人を色眼鏡で観てしまう危険性があることを示唆している。
観客のほとんどは「またシャーリーが差別される!」と身構えたのではないだろうか。「人を見た目で判断してはいけない」というシャーリーの台詞を思い出し、思わず身がつまされる。
とはいえ、この映画は【それでも夜は明ける】のように差別を重苦しいトーンで描くものではなく、あくまでシャーリーとトニーの心温まるロードムービー。
ケンタッキーフライドチキンを初めて食べ、黒人専用バーで笑顔を見せるシャーリー。
黒人の才能を妬まず素直に誉め、ゲイへの理解を示すトニー。
放埒だけど根はいい彼と接することで、孤独なシャーリーの「城」が崩されていく様子が微笑ましい。
互いに理解できないことを無理して理解する必要もなければ、それを押し付ける必要もないんですよね。そういう対等であることの難しさと大切さを、この二人は教えてくれます。
トニーが戻すと見せかけてくすねたのか、シャーリーがわざわざ買い戻したのかわからない翡翠の石。
それを握りしめながら「寂しくなったら自分から動くんだ」というトニーの言葉を実行したシャーリーと、奥さんの最後の台詞に温かな涙が流れた。
それにしても、ヴィゴ・モーテンセンがもう60歳なことに驚いた。
【ロード・オブ・ザ・リング】のアラゴルンが未だ鮮烈に記憶に残っているので、この映画のおでぶっぷりは強烈(笑)役作りだろうけど。
今まで割とハードボイルドな役が多かった印象だが、ケンタッキーではしゃぐシーンなどコミカルな演技もイケますね。煙草を吸う仕草もかっこいい。
マハーシャラ・アリはドラマ「4400」を観ていたとき、その個性的な顔立ちから記憶に残る俳優でした。最近の活躍ぶりに感慨深いものがあります。
一粒で何度もおいしい映画
何度もクスっと笑えて最後はウルっとくる大変な良作
と同時に、1960年代米国における人種差別の在り方を肌で感じ考えさせられる実話でもある
鑑賞後に特に思いを馳せたのは、ドン・シャーリーの孤独がいかなるものだったかということ
ヨーロッパ系アメリカ人富裕層を相手に商売しているにも関わらず、決して同じ人間とは認められずいたる所で差別にあう
一方で、同じ立場であるはずのアフリカ系アメリカ人からも好奇と嫉妬の入り混じった目で見られる始末
人種差別意識が色濃く残る当時の米国において、ある程度の地位を得たアフリカ系アメリカ人が感じるであろう本当の意味での孤独に胸が苦しくなる
だからこそ、性格や気質が正反対であるトニー・リップとの掛け合いの可笑しさや旅を通し友情が深まっていく様子に心を救われ温かい気持ちにさせられる
素敵で微笑ましい凹凸コンビ
最後のシーンとエンドロールで涙がこぼれそうになるくらい(こぼれてはいない)にはのめり込んで観ていた
お薦めです
観たばかりだけどもう一度観たい
この映画に出てくるバディは、バディムービー史上かつてないほど凸凹の差が大きいコンビで、しかしそれを補いつつ、リスペクトしつつ関係を築いていく様子が、素直に良かった。
タイトルのわりに、この作品の中ではグリーンブックについて深く掘り下げたりしないが、そのようなガイドが存在し、必要だった、というだけで、充分ショッキングであった。
それと、ドクターの発した、「教養人ぶるために黒人の演奏を聴きにくる白人というセリフが、手厳しいけど、すごく良く分かりすぎてツラかった。
誰も本当に自分の演奏を聴きたくて聴きに来てるわけじゃない、そういうテイが欲しいだけ、というツラさにも共感したし、昨今のLGBTとかパラアスリートを取り巻く状況にも通じる所があって、ツラいです、、。
たとえ理解ある“フリ”だとしても、しないよりはマシなのか?
それは誠実じゃないから悪なのか?
じゃあ、そうと分かってそれに乗っかっている本人は…?
…いつの時代も答えの出ない問いです。
ヴィゴ・モーテンセンが、誰これ??レベルのキャラチェンを果たしていて、そのレンジの広さに猛烈にファンになった。オスカー獲って欲しかった。(けど相手がボラプのラミ・マレックならどうしようもない…)
コメディー的な間も素晴らしく、編集の良さもあるとは思うが、ケンタッキー州でのくだりは最高だった。🍗
ヴィゴの今後は追っていくことに決定。
人種問題を扱った映画としては、笑いがふんだんに盛り込まれていて軽く見えたり、2人がうまく行きすぎのようにも見えるかも知れないが、実話なのだからしょうがない。
気づきもあり、考えさせられもするが、幸せな気持ちになれる作品だった。
残念に思った点としては、音楽が時々スタートが早すぎて、直後の展開が読め読めになってしまう所があった。ベタを狙っての手法としてはあるのかも知れないが、おかげで時々興ざめしてしまった。
後から知ったけどピーター・ファレリー監督は『メリーに首ったけ』の監督だった。あの作品では死ぬほど笑わせてもらった。
とはいえ、『グリーンブック』という人種問題を扱った作品を作るのに、ピーター・ファレリー監督が最適だったのか私にはよく分からない。もっと良く作れた監督もいたかも知れないし、いなかったかも知れない。
でも他の監督であれば、このように軽妙でキャッチーなものにはなってなかっただろうと思う。好みの分かれるところかも知れない。
余談だけど、グリーンブックを作った人(グリーンさん)の物語もきっと様々な山あり谷ありだったことが想像できるので、映画になったら良いのではないかと思った。
さらにどうでもいい余談だが、訳が戸田奈津子さんだったのだけど、油断したころにお約束の「〜なので?」が出てきて噴きそうになった。そんな戸田さんが好きです。
アラゴルンがステキな役者だった
扱ってる題材は重いのにとても観やすい映画だった。ここを見てくれぇーーー!的な演出が多い昨今。過剰な演出がなく役者の演技が光った。
アラゴルン大好きだった私ですが、ヴィゴモーテンセンの映画はあまり観たことなく、すごく良かった。トニーにしかみえない。
ピアノ弾いてるのでこういう作品には甘めですが単純に好きです。教養のないトニーが演奏を聴いて素直に感動するのも、心がある、て力説するのも。人間てハートなんだよな、て。
どうしようもない心の葛藤を吐き出した時に、かける言葉が見つからなくて何も言えないのは、リアルで良かった。お涙頂戴は冷める。
最後の公演最高だったと思う。ラストも涙と笑顔が出た。
6勤の最後の土曜日に見ても良かったと思える映画でした📽
最後だけ感動
途中はずっと普通でつまらなかったが、最後だけ感動して泣けた
最後の方の ⚪⚪が運転するところ、警察官が⚪⚪する行動、 家に⚪⚪が訪ねてくるところは想像できてしまった
すべてが完成された作品
物語は実話を基にしたもの。
まだ黒人差別が色濃く残る1960年代に、黒人の天才ピアニストとイタリア系白人の運転手が、アメリカ南部を旅しながら演奏していくという話。
最初は黒人を毛嫌いしていた運転手が、彼の才能と人柄に考え方を変え、ピアニストも自分にはない魅力を運転手から得て、心を通わせていく。
物語はシンプルだが、家族愛、ロードムービー、音楽など、エンターテイメント要素が多くあり、まったく飽きずに引き込まれる。脚本も秀逸で伏線も気持ち良く回収していってくれる。暴力を得意とする運転手に、どんな時でも暴力を振るうことは負けなんだと説くピアニスト、心に残るシーンやセリフがたくさんあり、鑑賞後の余韻が気持ち良い。
黒人だけが集うバーで、初めて楽しそうに弾くピアニストの演奏には心が震えて涙が出た。アカデミー賞作品賞は文句なしだと思います。
ほんの50年ほど前なのに
人種差別を題材にした問題作という前評判をちらほら聞いていたので,観ようかどうか迷っていましたが,観てよかった作品でした.
55年ほど前のアメリカの物語で,その時代の米国の様子がわかって面白かったです.南に進むにつれて差別が激しくなって,北へ戻るとましになってくるという様子が描かれていました.旅中で,黒人であるゆえのトラブルが多く起こるのだけど,それぞれ,耐えたり,抵抗したり,回避したりとその解決策が色々で楽しめた.これこそが,バディムービーの王道なのかな.黒人やヨーロッパからの貧しい移民に対する人種差別を訴えることがこの映画の一つテーマであろうけれど,鑑賞後,心の中に優しさと温かさが残りニンマリとさせてくれる不思議な映画でした.
ドライビング・最強のふたり
祝!本年度アカデミー賞作品賞受賞!
…でなくとも見たいと思っていた。
『ヘルプ』『ドリーム』など、人種問題をユーモアとハートフルで包んだ作品が大好きだから。
当初地元の映画館では上映の予定は無かったが、アカデミー賞を受賞した事で急遽上映が決定、先日見た『ROMA ローマ』と共にこの春見れて嬉しい一本。
とにかくドストレートに、実話ベースながら王道とでも言うべきストーリーと、主演二人の好演が心地よい。
トニー・“リップ”・バレロンガ。
イタリア系の白人。
ゴミ収集、大食い競争、クラブやギャングの用心棒…稼ぎの為なら何でもやる。
妻子あり。
家族思いで陽気な大食漢だが、ガサツで時に荒々しく、口も悪い。手が出る事もしばしば…いや、しょっちゅう。
食って、飲んで、タバコを吹かして、びっくりのブヨブヨ体型ながら、ヴィゴ・モーテンセンにまた一つ、名演と代表作が。
ある日トニーに、運転手の仕事が舞い込む。
その雇い主が、ドクター・ドン・シャーリー。
ドクターと言っても、医者ではない。天才的な黒人ピアニスト。
その演奏は、ピアノとは無縁のトニーすら魅了するほど。
品行方正で、気位が高く、知性にも溢れている。
まるでお城の一室のような家は、高級装飾品や王様が座るような椅子、何処ぞの部族長が着るような服などでいっぱい。
麻薬のディーラーからカリスマ性たっぷりの天才ピアニストまで、マハーシャラ・アリは紛れもなく今随一の黒人スターだ。
吹替ナシのピアノ演奏シーンは、圧巻!
本当に人徳と魅力に溢れている。
何もかも正反対の二人。
白人と黒人。
非リッチとリッチ。
無教養と教養。
陽気と堅物。
粗野と真面目。
当然、最初は全くソリが合わない。
トニーはドンのいちいち細かい指摘が面倒臭い。
ドンはトニーのいい加減さが気に障る。
しかし次第に、お互い補っていく。
ドンはトニーに、自分とは違うものの見方、考えを教える。手紙の件はユーモラスであった。
トニーはドンに、もっと人生を楽しく生きる事を教える。ケンタッキー・フライドチキンが美味しそうであった。
ぎこちなくて、ぎくしゃくして、徐々に歩み寄って、時に衝突して、喧嘩して、やがて芽生え、育まれていく。
この旅の中で。
ドンのコンサート・ツアー。
ただのツアーではない。
この時代、訪れる地域が問題。
1960年代の米南部と言えば…。
言うまでもなく、ドンには差別が襲い掛かる。
チクッと刺さり、じわじわボディーブローのように効いてくるような偏見から、あからさまな差別、実際に受けた暴力まで。
苦境、苦難の連続。
この南部ツアーの3倍の契約金の北部ツアーの話もあった。
でも、それを断って、南部ツアーへ。
何故?…などと愚問。
信念と勇気。
トニーも当初は人種差別意識があった。
序盤、黒人工が使ったコップを捨てる。
その時の事を、ドンの面接時に、“もてなした”と平気でデタラメを言う。
この仕事を引き受けたのも、単に報酬が良かったから。
運転手兼用心棒ならまだしも、黒人の雑用その他諸々の召し使いみたいな真似なんてやってらんねぇ!
しかし、この目で、自ら差別に立ち向かっていく者の姿を見て…。
幾らぶっきらぼうでも、心境や意識が変わらない訳がない。
監督がピーター・ファレリーだとは驚かされる。
勿論彼らしく笑いもあるが、おバカ/お下品ではなく、ついニヤリ、クスリと顔が綻ぶ。
笑いと、人種問題と、感動のドラマを織り交ぜた新境地は、お見事!
実話ベース故、トニーもドンも実在の人物。ちょいと調べたら、トニーが役者もしていたのは驚きだが、脚本に、トニーの息子が携わっているのもこれまた驚き!
なるほど、だからか。父と深い友情で結ばれた友の話を、こんなにも温かく、優しく描けたのは。
地位や住まいは恵まれたドン。
しかし、この旅で我が身で知った現実、そして本当は孤独な胸の内…。
「黒人でも白人でも人間でもない私は何者なんだ?」…悲痛な叫び。
そんな彼に、ぶっきらぼうながらも、好アドバイスするトニー。
「あんたにしか弾けない演奏がある」
ドンがクライマックス、ある場所で弾いた“自分の”演奏は、まるで解き放たれたかのような素晴らしさ!
視野の狭かったトニーに視野を広く受け入れる事、暴力では何も解決しない事を清く正しく教えたドンだが、実は彼の方こそが、人生に於いてもっと大事なもの、欠けがえのないものを影響受けた。
人種問題や人の尊厳が本作のテーマだが、本作がこれほど多くの人から支持される理由は、身近で普遍的な人の有り様が描かれているから。
一部では白人目線の理想、お綺麗事と批判されてるようだが、
ラストのアットホームでウェルカムなメリー・クリスマス、二人の旅路~終着点まで、心満たされた。
よく知ること。
観終わった後、優しい気持ちになる映画。だけど観客に、差別と偏見について考えさせてくれる映画だった。
とても丁寧に作られていて、印象に残るシーン、胸に残る言葉がいくつもある。主人公は、家族を大切にして、ずる賢いけれど、子供のようなところもあって、とても魅力的。二人が助け合い、本音で言い合ってお互いの心を知る過程に、羨ましくなる。
この映画を観ると、どうして人は差別をするんだろう、と考える。バーでお酒を飲んでいるだけで暴力を受け、夜に外出するだけで逮捕されることが、不合理なのは明らかなのに。ドクに会うまで偏見を持っていた主人公が、偏見をなくすこの物語の中の過程こそ、その問いに対する答えの一つだと思う。
差別は過去のものではなく、まだ世の中に存在する。この映画は、それに対しても声を上げているように思った。
流石のアカデミー作品賞
流石のクオリティ。人種差別を扱ったテーマ性といい、対照的な2人の旅路といい、つまらない筈がない。特に、最後のコンサートのキャンセルの後の流れは心地良い。実直な警察官がパンクを指摘して道路整理をしてくれたり、疲れ果てたトニーリップを家族とのクリスマスパーティーに送り届けるためにドクターが運転手を代わる場面、刺々しい南部の描写の後だったから、じんときたなぁ。
俺は嘘は言わない。デタラメを言うだけ
トニーにとっては嘘は騙すこと、デタラメは騙すわけではないらしい。
確かにトニーは誰も傷つけたりしない。暴力はたまにあるけど
一番好きなのは、『俺も知ってる、世の中は複雑だ』
黒人に対する差別、白人への逆差別、黒人の黒人に対する嫉妬などを、簡単な言葉で言ってのける。
愛するトニーの性格に、シャーリーも心を開いていく。
助け合ってツアーを乗り切る。
ツアー中、腹立たしいことがたくさんあるが、2人の友情は深まっていく。
途中、辞めないで欲しいと言えなくて、お金でトニーを引き止めようとするシャーリーの表情が子供のようで可愛らしい。
何故あそこまで肌の色で差別するのか、知識不足の私には理解できないが、きっとこの映画で馬鹿らしいと感じてくれる人がいると信じたい。
3月9日
『最強のふたり』も好きやし
この映画も好き!
ケンタッキーフライドチキン食べるシーンと
クライマックスゆうか レストランからの…
バーで即興演奏、雪で車のパンク、自宅帰っての…
ラストまで、シンプルに好き!
今年 大学卒業の姪っ子と観て来ました。
感想聞いたら
「最初の方 眠たけど、最後まで観て 良かった」
やて
『卒業おめでとう』
ご機嫌なリズム
映画そのものが音楽となりリズムとテンポが心地よく奏でる多幸感溢れる作品。『バディ』モノとして完璧に近い関係性が出来上がっていく幾重の問題を上手く取り込みながら知恵を絞りクリアしていく様を痛快に鑑賞できた。
実話を元に描かれているとのことだが、正に差別問題を真っ向から取り組みながらもアメリカならではの多層な人種故の応酬の切り返しが或る意味羨ましくも感じる。
と、ここまでは手放しで今作品を楽しめたのだが、鑑賞後にネットで深掘りしていくと、どうも当事者であるアフロ‐アメリカンの人達はこの作品を快く思っていないらしい。というのも制作に主人公の子息が加わっていて、いわゆる白人目線での『なんちゃって差別撲滅』作品だという評価らしいからだ。こちら側から寄り添ったのだから有難く思え的発想なのだろうが、それ程屈折した捉え方をする程までこの問題は根深いと言うことなのだろう。只、少なくてもこの二人の友情には嘘は無いように感じるさせる作りである。それに、そもそもお互い移民なのだからその根っこは理解し合えるだろうし、だからこそ共通部分を認め合えば、心の深いところで結ばれることを証明できる作品であることは間違いない。例えばそれが人種差別だろうが、性的差別だろうがである。
そして今作の最大のオチは、妻の感謝の言葉であることは紛うことがない。妻は夫からの手紙の劇的な表現の進歩により、夫の成長を喜んだ筈だ。そしてその手助けをしてくれたアーティストに対しても最大の敬意と感謝を伝える。これ程迄の補完な関係を映画に落とし込めたスタッフ・キャストへの惜しみない賛辞を贈りたい。小ネタの全ては理解出来なかったが、細かいフリとオチもアメリカの小気味よいスタンドアップコメディを彷彿させるようで、改めてそのリズム感の真髄を体現できたことに感謝である。クリスマスショーを蹴っ飛ばして、黒人バーでのクラシック曲、そしてロックンロールへの流れは、自然と自分の体も共鳴してきて気が付くと体を揺らしていたことに我ながら驚いてしまった。堅いこと抜きで、人情話として大変愉しめる良作である。
文句なし。
テンポ、展開、テーマ、キャスト全部良かった。
トニーとドクの関係が絶妙でした。
ぶっきら棒で黒人に偏見のあるトニー
天才ピアニストだが黒人への差別に悩むドク
二人でコンサートツアーを回るに連れてトニーは偏見がなくなっていき、ドクはそんなトニーに救われたのだと思います。
偏見がある割に仕事はしっかりするし。
人間味があり、濃すぎない良い作品でした。
ドクは畑を耕す人達を見て何を思ったのでしょうか?
心に残ったのは
やっぱり、中年の友情っていいよね。ベタベタ過ぎず、遠過ぎず、だけど多くは語らずとも通じ合うみたいな。
見終わった後は、爽やかな余韻が残る、そんな映画だった。
心に残ったのは、トニーがシャーリーに放つ「寂しい時は自分から先に手を打たなくちゃ」という言葉。
誰かが構ってくれる、救ってくれるまで待つ悲劇のヒロインになるのではなく、自分からアプローチする。
正直、自分の胸に刺さる。
だけど、最後シャーリーがクリスマスパーティーに自ら赴き、自分の殻を破れたのを見て、勇気をもらった。
余談だけど、ヴィゴ・モーテンセンめちゃくちゃカッコよかったなあ。
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