グリーンブックのレビュー・感想・評価
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文句なし、素晴らしい傑作
声高に差別や偏見について批判するのではなく、ユーモアを交えつつ普通の物語の中に本質のメッセージが自然と伝わる見事な作品
ヴィゴ・モーテンセンの演技が最高!
本作の主人公そのもの
その体型、容姿、素振り、話し方
何もかも説得力がある
本当にイタリア系にみえる
体型は撮影の為に20キロも増量したとか
正統的なロードムービーでもあり旅によって二人のマインドセットが変わるテーマは普遍的なもの
長く愛される映画になるのではないだろうか
良い映画を観た幸せを得た
余韻を楽しめる
人種差別とは
2019-21
この映画をもっと楽しみ、理解するためだけにアメリカ人になりたいとさえ思った。
爽やかに心が温まり、久々に軽やかな気持ちで劇場を後にしました。
ただやはり多民族国家ではなく、白人と黒人の差別の歴史を習ったことがないので、これをアメリカ人が観た時に感じられる感覚の強さが羨ましくなりました。
観終わったあと、そう思うくらいハッピーな気持ちになれたからです。
笑えるシーンも散りばめられていたので、とてもバランスよく楽しめました。
アラゴルン以降のヴィゴ・モーテンセンをあまり見てこなかったのですが、正統派イケメン役じゃない役がこんなに似合うとは。
でもやっぱ太ってても、下ネタ言っても全然やらしくない爽やかさは天性のもの。
クールな秀才気質のマハーシャラとの凸凹コンビのやり取りが心地いい。
そして、マハーシャラがやっと笑ってくれたとき、自然に笑みがこぼれることでしょう。
すごい嫌なことがあったときや悲しいことがあったとき、というよりは、
なんでこんな小さなことに振り回されんだろうって自分が嫌になった時とかにオススメします。
ケンタッキー投げちゃえ。
こころ温まる作品
心があたたかくなるストーリー
とても良かった、感動作品。
そこまでの
グリーンブックだから車もエメラルドグリーン?
人は互いに認め合える
本多勝一の「アメリカ合州国」で深南部の人種差別の現状が明らかにされたのは1960年代の終わり頃である。クリスチャンの黒人運動家キング牧師が暗殺されたのが1968年、イスラム教徒のマルコムXが暗殺されたのが1965年だ。本作品の舞台は1963年だから、二人の指導者による黒人公民権運動が盛んな頃だと思われる。運動が盛んであれば、それに反発するほうも盛んになる。多くの黒人は理不尽な差別に耐えていた。
本作品を観て解ったことは、個々の白人はそれほど黒人に対して差別感情を持っていないということである。差別を作り出すのは共同体の一部の人間だ。歴史的には主に綿花栽培の労働者としてアフリカから「輸入」された黒人たちは、奴隷売買という市場の商品として、人間的な扱いをされないできた。最初はアフリカの言葉しか話せなかった黒人たちも、英語を理解するようになると、次は英語で自分たちの権利を主張するようになる。しかしそれが気に入らない人間たちがいた。
人間の自尊感情は何らかの基準で自分よりも下の人間が存在することで担保される。本来は他人と比べることなく自尊感情を持てるようにしなければならない。なぜなら、この世界は自分が五感で感じているから存在するのであって、自分が存在しなければ世界も存在しないのだ。自分が死んだらどうなるかなどと考えるからいけない。自分が死んだら世界は終わる。人は自分だけの生を生き、自分だけの死を死ぬのだ。ゴータマ・ブッダが生まれてすぐに天上天下唯我独尊と言ったのは、そういう意味である。
しかし多くの人々はゴータマが説いた孤独な自尊感情を持てず、他人の評価によって承認欲求を満たす。その裏返しが差別である。権利を主張し始めた黒人を弾圧し、差別を固定化することで自分たちのレーゾンデートルを求める。差別は多くの場合、虚構によって作られる。嘘八百を並べて黒人たちを差別する理由にするのだ。そうやって作られた差別の虚構が蔓延して、あたかも本当であるかのような錯覚をさせてしまう。それが差別の実態だ。そして差別主義がその時代のパラダイムになっていく。自分で物事を考えない人はパラダイムに流される。それに、差別に加わらないと次は自分が差別されるという恐怖心もある。教室でのいじめと構造は同じなのだ。共同体に蔓延する差別という空気を一掃しない限り、民主的な社会は得られない。それには長い年月がかかる。人々の頭の中に充満した差別の感情は、簡単に取り払うことができない。場合によっては親から子供へ差別感情が受け継がれる。人類から差別がなくなる日は永遠に来ないかもしれない。
マハーシャラ・アリは、数日前に観た「アリータ バトルエンジェル」での肝の据わった悪役を演じた俳優と同一人物とは思えないほど、本作のドクター・シャーリーはストイックで落ち着き払った知識人であり芸術家であった。「暴力は敗北だ」という哲学が、彼の努力を支えてきた。
主人公を演じたビゴ・モーテンセンは微妙な表情を使い分けることのできる達者な役者である。ガサツで無教養だが、嘘はつかず、悪に染まらず、意外と実直で頑固なトニーを好演した。ケネディの言葉を自分に都合よく間違えて憶えているところは、陽気なイタリア人らしくて笑える。
人間が他人と完全に解り合えることはありえないが、互いの考え方を認め、性格を認め、存在を認め合うことはできる。そして同じ時間を過ごし、同じ星を眺めて美しいと言うこともできる。それは多分、しあわせなことである。
アレサ・フランクリンも知らないのか?ブルース・ブラザース見てみ
ロード・ムービーとかバディ・ムービーとか言われてオスカーも獲ったけど、完全に“音楽映画”とジャンル分けしたくなる作品でした。とにかく、人種差別が根強く残るアメリカ南部への演奏旅行に出た理由は?と、興味津々でストーリーに引き込まれてしまう。“Deer”じゃなくて“Dear”だ!と、中学生のための英語講座まで用意してくれてるし、辛辣な差別問題の裏で笑いどころも満載だった。
極端なレイシストもいるし、「規則だから」と黒人を入れないホテルやレストランもある。ドク・シャーリーはニューヨークを中心に演奏活動していれば優雅に暮らせているはずなのに、敢えて南部へのコンサートツアーへと向かう。カーネギーホールの上層階で成金趣味のごとく装飾された部屋には驚きだったが、既に成功しているピアニストなのだ。一方の雇われたトニー・リップも若干の差別主義者だったのだが、ドクの音楽に触れるうちに心を許すように変化していく。ガサツで大食いというトニーの性格も見ていて飽きないし、金持ち相手にお高くとまっているドクにしてもステージを降りると孤独を抱えている男なのだ。
昨年亡くなったアレサ・フランクリンを話題にする車の中。音楽魂に火がついたかのごとく、クラシックをモチーフにしたジャズ演奏に何かやってくれる気がした。冷静な顔をするドクにもロックンロール、ブルース、ほらメラメラと燃え上がってきた。それがいつ爆発するのかと、それだけが楽しみになってきます。スタインウェイにもこだわりを見せていたのに、場末のバーではオンボロピアノに向かってクラシック。そこでバンドのメンバーが・・・ここで涙腺決壊!
手紙、翡翠、銃、警察等々、伏線という伏線が全て生きてくる。二人の心が近づいてゆく過程も面白い映画ですし、ロバート・ケネディやナット・キング・コールなど見終わってからググりたくなること必至のウンチク満載映画でした。
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