グリーンブックのレビュー・感想・評価
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対比する二人の調和
超ガサツなイタリア人、トニーがピアニストのドンの運転手となり対称的な2人が互いに影響され人種の垣根を超えた友情を描くロードムービー。
ガサツなトニーと紳士的でお堅いドン。
完全に相反する2人という映画的定番のいわゆる凸凹コンビ。
雇う側のドンだが、トニーは雇用条件をこれでもかと叩きつける蛮行、ドンの紳士的食事の作法の破壊、腕っぷしでの問題解決などガサツさを振り切ってドンの心情に影響を与える。
しかしドンも持ち前の紳士的振る舞いで、トニーにも影響を与え、決して2人のどちらかを受け身に回さない対等さを保つことがこの映画の魅力的な部分といえる。
個人的には手紙のくだりがお気に入りだ。(笑)
フード描写が多岐にわたり使用され、トニーのガサツさや、後にドンとの信頼関係を物語る演出は実に微笑ましい重要な要素といえるだろう。
1961年という時代背景における人種差別問題にもスポットが当てられ、格差、差別という胸糞悪い行為もトニーが観客を代弁するかの様に破壊しカタルシスを与えてくれる。
いつまでもこの二人をみたいたい
この多幸感が溢れでる映画を是非ご覧あれ
シンプルでわかりやすい作品
感想、感情、物語の受け止め方は、人それぞれですが、シンプルでわかりやすく、鑑賞後には、穏やかな心地よさが残りました。
ただ、
良く言えば、心温まる話。
悪く言えば、よくありがちな話。
劇場で鑑賞するほどでもないし、作品賞を取るほどでもないのかな....
作品としてはボヘミアンラプソディの方が上だったかな....というのが、私の超個人的な感想です。
自分の眼鏡で世界をみることの大切さを教えてくれた
LGBTや黒人差別など、様々な社会課題にも触れていることも話題となっていましたが、課題を俯瞰ではなく、主人公、それぞれの視点から描いていたことは、とっても印象的でした。
主演の2人の掛け合いからは、「自分の中での正しさ」を持つことの重要さ、また悩んだりしながら、前を向き続ける人生の味わい深さを学びました。
観終わった後、何ともいい難い多幸感に包まれていて、生きる喜びを噛み締めて劇場を後にできる素敵な映画です。
良作だが、アカデミー作品賞には違和感
字幕版を鑑賞。2018 年度アカデミー作品賞受賞作である。どんなに映画を見ない人でも、作品賞を取ったほどの映画は無条件で見る価値があると昔から思って来たのだが、時々首を傾げたくなるような受賞作に出くわすことがある。
例えば、1999 年の受賞作「アメリカン・ビューティー」よりは、「グリーン・マイル」の方が上だったと思うし、2012 年の「アルゴ」よりは「レ・ミゼラブル」、昨年の「シェイプ・オブ・ウォーター」よりは「ゲット・アウト」の方が相応しいのではないかというのが個人的な意見である。この作品も、決して悪いわけではないが、映画としての出来は「ボヘミアン・ラプソディ」の方が上だと思った。
本作は、1960 年初頭の時代の黒人差別を題材にしており、細かなところまで非常に神経が行き届いていて、描き方も非常に丁寧なのだが、個人的にはアカデミー作品賞のレベルには達していないと思う。今年の監督賞はメキシコ人のキュアロン監督で、昨年の監督賞と作品賞もメキシコ人のデル・トロ監督、今年の作品賞は黒人差別が題材と、まるで反トランプ大統領という政治色の表明のためにアカデミー賞が使われてしまったような気がしてならないのである。
そう言えば、1989 年の作品賞に輝いた「ドライビング Miss デイジー」と本作は、運転手と雇い主の人種関係が逆転しているのが興味深い。「デイジー」の方は、白人の老婦人とその黒人運転手との 25 年間にも亘る関係を描いた傑作であった。本作の方はわずか2ヶ月間の話である。
人種差別を正当化する科学的根拠はない。最初に生まれた現代型の人類が黒人であったことは考古学上間違いないとされていおり、黒人以外は突然変異で後から発生したと考えられている。スポーツ分野において、陸上競技の各種の記録などを見れば、記録保持者やオリンピックの金メダル獲得者や、更にバスケット・ボールの超一流選手などには圧倒的に黒人が多いので、黒人が白人を見下すなら分からないでもないが、白人の方が優れているという証拠を挙げろと言われても特に思いつくものはないのに、現実的に差別する側になっているのは白人の側である。
1960 年代のアメリカは、人種差別が現在より色濃く残っており、特に南部の州では、黒人の利用を認めていないレストランやホテルも多く、黒人利用可能な施設を紹介したガイドブックが「グリーン・ブック」と呼ばれる小冊子である。この映画は実話に基づくもので、登場人物の名前も実話通りである。
アメリカで名の通ったジャズ系のピアノ・トリオが、2週間の南部を中心にした演奏ツアーを計画し、その運転手として、腕っぷしは強いがガサツでクセのあるイタリア系アメリカ人のトニーを採用するところから話は始まる。雇用主のドクは、黒人ながら超一流のピアニストで、ロシア留学の経験を持ち、カーネギー・ホールの上の階に居住していて、ホワイト・ハウスにも時々招かれて演奏しているという大物で、気品と教養に溢れた人物である。
この2人がツアーを一緒に進めるうちに様々な差別に遭遇する訳だが、気になるのは、いつも窮地に追い込まれるのが黒人のドクで、それを救うのがいつもトニーや大物政治家など白人ばかりである点である。アカデミー賞の中継を見ていたら、この映画のスタッフは、監督をはじめ、多くが白人であったのが印象的であった。もう一つ気になったのは、全てが過去の話であって、現代に繋がる問題点を何一つ提示していないということである。
とは言え、非常に心温まる物語であるし、決して出来が悪いわけではないのだが、アカデミー作品賞はやり過ぎではないかというのが個人的な意見である。演出は、もっと泣かせる作り方もあったと思うのだが、かなり淡々とした作りであった。そんな中にあっても、ドクが一度だけドビュッシーを弾くところは素晴らしかった。また、トニーが妻に宛てて書く手紙の文章にドクが手を入れるところも素晴らしいと思った。
(映像5+脚本4+役者4+音楽3+演出4)×4= 80 点。
一期一会
この映画を一言で言えば、「一期一会」だと思う。
亡くなった父が好きだった言葉、一期一会。「人と人は会った時が真剣勝負だ。その時にできる限りのことをしろ。」主人公のイタリアンの旦那は、まさにそれを体現していた。最初はニガー嫌いだった旦那は、本音をぶつけ合った「旅」を経て、お互い悩みを持った一人の人間として彼を受け入れることで、自分自身の品格も高めた。そして喧嘩っ早い彼を一人の人間として愛してくれる最愛の妻ドロレスは、最初からどんな人も均等に受け入れる品格の高い誠実な人だった。
人の品格というのは、貧富や外見ではなく、その人が培ってきた心に宿るものであること、それをこの映画は教えてくれた。
バディものの系譜
黒人×白人、貧乏人×金持ち…と。キャラクターが良くて面白かったけど、新鮮さには欠ける。アカデミー作品と言われればそこに意見が割れるのはわかる。アカデミー賞が出来レースと言われても仕方ない。
素敵な妻
主人公二人の掛け合いやピアノ演奏シーンもよかったけど、奥様ドロレスが一番良識のある素敵な人でした。当初から黒人差別の欠片もなく、このがさつな主人公にしてはよくできた奥さんでした。手紙を読むところなど可愛かったですね。最後の抱擁シーンはうるっときました。
あらゆる人におすすめできる傑作
なるほど、アカデミー作品賞をとるだけあるな、とは思った。
ストーリーのテンポよし、
役者よし、
音楽よし。
感動的なテーマを扱うわりにコメディ色も強く、
映像(風景)も綺麗。
よっぽど捻くれてない限りそこそこ以上に楽しめそう。
粗忽者で荒々しいけど人情味あふれるトニー、
才能溢れるが孤独でちょっと偏屈なドク。
両キャラクターと演技が良かった。
あんまり映画みない人にもおすすめしやすい作品。
感動巨編ではない
かなり評価が高かったので視聴。
泣けるシーンばかりだと思っていたが、
そうでもなく肩透かし。
つまらないわけではなく、
ハートウォーミング過ぎない。
日本人がこれを見て、
果たして本当の意味で共感や理解ができるのか謎。
きっといつかこの作品の真意が解る気がする
アカデミー作品賞を受賞してから観たので、どうしても期待してしまうから、観終えて、あれ、想像通りと思っても、きっとあとからジワジワくるのだろうなと思う。
あまりに完成度が高過ぎた。
作品に隙がない。
だから、文句の付け所もない代わりに、
賞賛ポイントもない。
でもきっといつか、この作品の真意が解る気がする…。
安心して観ていられた。
私自身が年齢を重ねる中で、それなりの立場でいろいろな人々と接する機会も増え、自分への注意喚起の意味でも「差別」をテーマにした映画はできるだけ観ておこうという意識(でもこれは決して義務感や使命感ではない)になり始めて数年。
最近はその刺激的な表現が前に出過ぎて、ただただ重たい気分にさせられる作品も多い。それはそれで意義ある体験だとは思うが、やはり観た後に前向きになれる映画が観たい。
そういう意味で、私にはピッタリの作品だった。
ド肝を抜くようなどんでん返しも、ハラハラドキドキのクライマックスも特には無い。それなりに予想された、その中でも極上のラストが待っている。
私の評価は★4つだが、★5つの方の気持ちもよく分かる。
ピアニストとして十分な地位を築いたドン・シャーリーが、あえて虐げられることを覚悟して南部へのツアーを決行したのはなぜか。
そして黒人差別に果敢に立ち向かう彼にも、他人には知られたくない秘密があった。
そう。
ヘイトされる側がすべてのヘイトに対してフラットな意識を持っている訳ではない。
そこはこの作品でドキッとさせられること。
トニーを演じたビゴ・モーテンセンはキュートで最高。
暖かく、優しく、清々しく、ジョークを交えて、それでも差別の現実をしっかり伝えてくれた。
音楽も素晴らしい。
当然帰りはケンタッキーフライドチキンを買って帰りました。
アレに込められた意味を噛み締めながら。
…といっても、日曜の朝イチだったが客席はガラガラ。日本人はもっと差別に対しての意識を高く持つべきだと思う。(これだけを取り上げて言う事でもないけど)
アカデミー賞について、日本のメディアは邦画・邦人が受賞するかしか注目しない。こんなにたくさんのノミネート作品が国内で近々に観られる年なんてめったにないのに。作品賞まで獲ったこの作品の扱いの軽いこと…
今年も差別を取り上げた作品が多かった中、せっかくアカデミー賞を獲ったんだから、是非多くの人に観てもらいたい。
黒人でも白人でもない自分は、何者なんだ?
裕福なインテリでロマンチストの黒人と、ガサツで無教養なイタリア系の白人の、正反対な二人が道連れのロードムービー。お決まりのように、次第にお互いを理解していき、かけがえのない友人となるラスト。ここまでは当然予想の範囲内。それが、どこか暖かいんだよね、観終わったときに。爽快感とかとは違う。結局世の中何も変わることはないのだから。だけど、ドクが、自分が何者であるか、少しは受け入れたんだろうなというラストがとても心地よい余韻だった。
ストーリー以外にも、車、音楽も良い
ストーリーは、ある程度想像していた通りで、エンディングもこれぞ
ザ・ハリウッド映画でした。60年代のアメ車が沢山でてくるので、車好きな方はそれも楽しめると思います。そして音楽も素晴らしい。
良い意味で、これぞアメリカ映画です。アメコミ映画だけじゃないんだぞ!というハリウッドの意地を見せられた。
二人の友情から心温まるストーリー
最初は、お互い真逆のような存在だった、ドクとトニーだったが、ツアーを経てお互いのことを理解し合い友情を深めていく過程に誰もが心温まるストーリーになっていると思います☺️
この2人のやり取りを見ていく中で、素直に話すこと、相手の名前を尊重することの大切さを感じましたね。
名前を何度も繰り返したりと意味があったんじゃないかな?
二人のような友情が何故あそこまで深められたかと思うと、当たり前のようなことだけどこういうことをしていたからだと思いました。
予想以上とまでは、いきませんでしたが観て良かったと思える作品でした。
震えた
終盤のあの演奏シーンとラスト、こみ上げる感動で震え、泣きました。
そして終わったらすぐKFCを食べに行きましたよ!
とてもいい映画です。人種差別ものは、日本人が敬遠しがちな印象です(「それでも夜は明ける」「ムーンライト」の上映回数の少なさよ)。
ぜひたくさんの人に見て欲しいです。
いい話だとは思うけど…
ありがちな普通の話。
黒人差別実話映画ならドリームの方が面白いし、黒人差別皮肉映画ならゲットアウトの方が面白い。
タバコのポイ捨てしまくるトニーリップが屑すぎて。
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