グリーンブックのレビュー・感想・評価
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◆音楽は差別すら超えていく
あらすじとしては、人種差別がまだまだ根強く残る1960年代に、ある黒人のピアニストとあるイタリア人の運転手兼用心棒が、アメリカ南部にコンサートツアーに出るというロードムービーです。
監督はピーター・ファレリー。そう、あの「メリーに首ったけ」を撮った監督さんです。正確にはファレリー兄弟だけど、ファレリーがこんな真面目な作品を撮るのは初めてなんじゃないかな。
「グリーンブック」は実話なんですよ。これがまた感動を呼ぶのですが、1960年のアメリカ合衆国の南部の時代背景については少し触れなければなりません。
この本を読んだことはありますでしょうか。
「私のように黒い夜」
人種問題の専門家である白人の著者が黒人社会を調査する為に、薬等で実際に黒人に為り、人種差別を体験するというルポルタージュなのですが、まさに命がけの旅行記です。
この本は歴史的にも価値がある書だと思いますし、あの時代に差別を受け、虐げられた人たちがいた歴史を黒人目線でつぶさに記してくれた著者に畏敬の念を禁じ得ません。あの当時、黒人がどれだけ虐げられた存在であったのか、本なのに、、視覚的にも(描写がリアルなので)理解できますので、映画とセットで!
映画として、ストーリーの面白さ、盛り上がりが加速度的に高まっていくので、そりゃ作品賞取るわなっていうのが率直な感想です。黒人に対して元々差別的な感情を持っていたイタリア人のトニーが、黒人ピアニストのドクターが奏でるピアノの心躍る旋律にはじめて触れて、「彼のピアノすげーだろ?」みたいなニュアンスで嬉しそうに語るシーンがあるのですが、そこから物語にグッと惹きこまれましたね。
ストーリーの本筋としては、アメリカ北部では既に有名で名声も勝ち得たピアニストであるドクター(NYCのカーネギーホールの上に住んでますから)が、ある使命を果たすために、差別が根強く残る南部で、文字通り命を賭けてのコンサートツアーに臨むというものです。
その旅の中で、トニーと何度もぶつかり合い、友情の絆を深めていったり、黒人に対する理不尽な差別を実際に受けながらもツアーメニューを完遂しようと頑張るのですが、、、、結果は劇場でご覧ください。最後のオチは感動でした!
総じて小気味好いロードムービー
ケンタッキー!のフライドチキーン!
涙と解放の、そして友情のブルース。
友情のロードムービー
エボニーアイボリー達の信念
正しく映画館で観る映画だった。
人との友情に肌の色は関係ない。
主人公のトニーはイタリア系アメリカ人
彼自身も黒人は好ましく思っていなく
彼らが使ったグラスを捨てる程だった。
そんな彼に舞い込んだ運転手の仕事。
黒人ピアニストシャーリーの運転手。
彼も差別的が強い中南部でツアーをするのは
ある種の戦いだった。
お互い最初こそ自分達の主義主張をぶつけ合う
だけだったが、トニーは黒人の、シャーリーは
自身の優等生的な考えに疑問を感じ始め
最後のレストランでのディナーショーでは
自分達の信念を貫き通し、ショーをしなかった。
人種差別を軽く触れたがそれを二人で乗り越える所は
黄色人種の自分としては感動的だった。
(黄色人種は更に差別されてるし)
アルの演技は本当に最高だったな。
アフリカ系の彼が演じるのは現在も続く差別的な
行為後へのオマージュか?
さらっと流してくれて良かった。
友情物語としては成功例だろう
黒人でも白人でもない
アメリカは良くなるも
良かれと思ってアメリカ南部を旅する黒人向けホテルやレストランを掲載...
お涙頂戴に流されないのが良い
普遍的というかありがちなプロットでも完成度の高さは賞賛されるべき
差別が色濃く残る六十年代のアメリカで著名な黒人のピアニストがイタリア系アメリカ人の運転手と共に、更に差別が酷い南部にツアーの旅に出る物語。
ロードムービー・ふたりの男の友情物語・差別問題など取り上げられているプロットは普遍的でありつつ、散々取り上げられたものですが、心に暖かいものが残る秀作。
それは主演のふたりとその妻の3人の好演はもちろんのこと、手堅い演出や脚本によるものではないでしょうか。
ストーリー展開を思い返すと、ダメパターンを次々と回避していることがわかる。
例えば‥
・ふたりがけんかしても長びかない
・主人公が旅の途中で他の仕事に誘われても、運転手を続けることを早々に決意
・トリオの他のメンバーが裏切るなんてことはしない
・留守中に妻が浮気するなんてしない
・強盗に襲われてどっちかが死ぬとか重体なんてことは無い(この話のオチは秀逸)
数え上げたらキリがないが、これらの話しの1つ1つがすんなりと入ってくるからストレス無く感情移入できる。
簡単なようでみんなができない。だからこのような作品が賞賛を受けるのでは。
偏見との戦い
理解することが人生を豊かにする
多くのレビューで類似作品として紹介されるフランス映画「最強のふたり」であるが、
構造こそにているが描いているものは全く違うものである。
本作「グリーンブック」と「最強のふたり」の類似点は、立場の違う黒人と白人が絆を深めていく構造である。
ただし、決定的に違うのは、「最強のふたり」は「不理解」がふたりの人生を豊かにしている事に対して、「グリーンブック」では「理解」が二人の人生を豊かにしているという点である。
「最強のふたり」の「不理解」というのは、「健常者」と「障害者」の不理解である。
主人公は首から下が神経麻痺により動かないが、周囲から障害者扱いされ気を使われることを疎ましく思っていた。
そこに、全く障害者であることに気をつかない男によって、人生の楽しさを取りもどしていく。
「グリーンブック」の「理解」とは、「黒人に対する差別」だ。
カーネギーホールに住む黒人の天才ピアニストであるシャーリーは、北米では白人と同等の扱いを受けていたが、差別が色濃く残る南部にイタリア系のトニーとともに公演ツアーを行う。
シャーリーが教養ある"白人"のような振る舞いであるのに対して、
粗暴でよりステレオタイプな"黒人"のようなトニーが黒人に対する差別と偏見の理解を深め、黒人/白人の立場を超えて友人としての絆を深めていく。
それぞれが立場を超えて絆を深める事で救われていくストーリーではあるが、「理解」と「不理解」と相反することが描かれていることが非常に興味深い。
おじさんが可愛い
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