「KFCが食べたくなった」グリーンブック nemonさんの映画レビュー(感想・評価)
KFCが食べたくなった
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上品な黒人、野蛮な白人のチグハグコンビのロードムービー。
ドクターのピアノが上手くて、ピアニストを俳優に起用したのかと思ったけど調べたら特訓の成果だそうでびっくりした。何回も出てくる演奏シーンにとっても満足な気分にさせてくれるレベルだった。
ドクターが堰を切ったように叫んだ「黒人でもなくて家族がいなくて男でもない私は誰なんだよ」のところに心揺さぶられた。自分をアイデンティファイするものを迫害されることの苦しさを、私は知らないし、もういまの時代ではめったに味わうこともないだろう。でもこの映画を見たことで、あの感情の発露を目の当たりにしたことで、少しは理解できただろうか。
名前、言語、言葉遣い、盗み癖、聞く音楽、食べ物、運転の仕方、服装、手紙で綴る文章等、アイデンティティを象徴する要素として多数盛り込まれていた。でも最後らへんの「自分がどれほどすごいやつなのか誰なのかいってやれよ」「言わないで、聴かせてよ」とジャズの即興演奏へもちこむシーンすごい良かった。彼を彼たらしめるの一番の要素はピアノの演奏なんだと、楽しくイキイキする様子が語っていた。
難しかったところ 考察しなきゃ
・なぜ差別の激しい南部へのツアーをすることにしたのか
・なぜトリオの3人車一台でいかないのか
・トリオはなぜロシア語で話すのか
・ツアー最終日、9回裏まで来ていたところをなぜ今までのように我慢しなかったのか
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