劇場公開日 2019年3月1日

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「心温まるバディムービーに隠された負の歴史」グリーンブック オレさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5心温まるバディムービーに隠された負の歴史

2020年1月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

人種差別の風潮が色濃く残る1962年のアメリカを舞台に黒人の天才ピアニスト、ドクターシャーリーのドライバー兼用心棒として雇われたイタリア系の白人、トニーリップの2人がアメリカ南部への演奏ツアーへ繰り出す姿を描いたロードムービー。

第91回アカデミー賞において作品賞を含む3部門を受賞した今作。
粗暴でガサツだが腕っぷしが立ち、人望の厚い白人のトニーリップをヴィゴモーテンセンが演じ、上品だが口うるさい、凄腕の黒人ピアニストのドンシャーリーをマハーシャラアリが演じ、人種の壁を超えた友情を築いていく内容。

黒人に対して偏見まみれだったトニーがドンの素晴らしいピアノ演奏を受け、感銘を受けたことか始まり、中身も知らず黒人というだけで迫害をする世間に憤慨し、ドンを理解しようとする成長をみせたり、堅苦しい考えでトニーに再三の注意をしてきたドンが、トニーのチキンの食べ方や警官に対して賄賂を渡して場を収めるなどの行為に憤慨しつつも、次第に彼に影響され始め、柔軟な考えを示したり、トニーを友人として一緒にいて欲しいと感じ始めたりとお互いに尊重しあう仲に発展していく過程が微笑ましく、とても暖かく感じた。

とにかくトニーはよく食べるし、ドンは出番の端から端まで愛おしさで溢れてた笑。
チキン食って爆笑しながら車からポイ捨てする件大好き笑。
白人目線で黒人に寄り添う的な内容で典型的な「白人の救世主」という映画業界の歴史的な負の面があることも指摘されているが、とにかく良い作品だったと思う。
いつまでもこの旅、彼らの関係性が続いていくことを願いたいと思える作品だった。

オレ