「The deep south. ケンタッキー食べたい」グリーンブック アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
The deep south. ケンタッキー食べたい
ケンタッキー・フライド・チキンが食べたくなる。ケンタッキー州の本場で。いや、現実問題ケンタッキー州に行くとかは無理なんですが・・・でも、いつか行ってみたいなぁ。
言わずと知れた2019年度アカデミー賞受賞作品。確かにアカデミー会員が好きそうな優等生な物語なのですが、いやいや、純粋に面白かったです。あまり重くなりすぎない所がまた良かった。だって重いストーリーって観てて心が苦しくなるじゃないですか?もう重く苦しいのは日頃の生活だけで十分なんです!本作は差別はしっかり描いていましたが、観た後には爽快になるいい話でした。
なんと言ってもトニーのキャラクターがいい!粗野でも情に熱い男。ヴィゴ・モーテンセンってずっと「ロード・オブ・ザ・リングス」のアルゴルンのイメージだったのですが、もう本作ではいかにもトニーって感じでしたね。この役の為に20kg太ったとか。役者魂を感じます。そして、今が旬のマハーシャラ・アリ!アカデミー賞取った時は「またポリコレなんじゃないの~?」なんて疑ってごめんなさい!繊細さを兼ね備えた天才ピアニストを見事に演じていました。や~、双方良かったですわ。
ラストでドクがトニーの家にやって来て、一瞬静まるけどすぐにわーって受け入れちゃうイタリア人気質っていいですよね。暖かな気持ちになれます。
結局差別って良く知らないから起こる事だと思うんですよね。差別する側には根拠なんてなくって、ただ違いを認められない心の狭い話なんですよ。日本人にはこれまで人種差別ってちょっと縁遠い感じだったんですが、これからはどうなるかわかりませんしね。ますますダイバーシティが進む世の中で、自分は「日本人だから偉い」とか勘違いした人間にならないようにしたいと改めて思います。例え差別が無くならない人間の業だとしても、できるだけ少なくする事は可能。そんな可能性を信じさせてくれる作品でした。