■恋愛、就職とナカナカ思いどおりにいかない日常から抜け出し故郷に戻ってきたヘウォン(キム・テリ)。
旧友のジェハ(リュ・ジュンヨル)と女友だちウンスク(チン・ギジュ)に再会したヘウォンは、2人と共に自ら育てた農作物で春夏秋冬、一食一食を作っては食べる中で、徐々に元気になって行くのであった。
◆感想<Caution!あんまり、内容に触れていません!>
・基本的な構成は、当たり前だが同じ原作漫画を底本にしているため、邦画の橋本愛さん主演の「リトル・フォレスト」シリーズと同様であるが、矢張り魅力は韓国の春夏秋冬料理である。
・ちょっと、驚いたのは春にヘウォンが”春キャベツは生!”と言ったり(その通りだと思う。)、冬に干し柿を作るシーンだな。
日本と同じじゃない!やっぱり、韓国の冬は超寒いから、干し柿づくりに向いているんだね。
■今作を観ると、食を扱った映画で近年ヒットした、水上勉さんのエッセー「土を喰う日々ーわが精進十二カ月ー」を底本とした沢田研二さん主演の「土を喰らう十二カ月」を思い出すが、今作では社会人になりたての若者3人の交流や会社での不満や出来事もサラリと描かれつつ、あくまで主題は韓国の郊外の母が出て行った実家に住むヘウォンが料理をするシーンが良いんだな。
私も、週末の夕食くらいは子供達が小さなころから作って来たので、自然と料理好きになり、食エッセイも100冊はある。
檀一夫とか、邱永漢とか、玉村豊男とか、一番参考にしたのは西川治さんかな。あ、高山なおみさんの一連のエッセイ集や、平松洋子さんのエッセーは全部持ってるな。
でも、一番好きなのはヤッパリ、武田百合子さんの「富士日記」かな。
料理って、伊丹十三さんのエッセーにも書いてあったけど、数学なんだよね。どういう手順で、どういう段取りで美味しく作るか、作り乍らどう片付けるか。
で、出来上がった時には台所もピカピカっていうのが理想だけど、難しいんだな、これが。でもこれを考えてると、ストレス発散に結果的になってるみたいだし、作った料理を家族が美味しそうに食べている姿を、酒を呑みながら見るのが好きだったな。
だから、家族で外食をした事が余り無いんだなあ。良かったのか、分からないけれどね。
<大分、脱線してしまったけれども、どんなに元気がない時でも、キチンとした食事を作って食べる事って、大切だよね。今作のヘウォンも、ドンドン元気になって行くもんね。
あ、私が好きなのは家人が庭で作ってくれた野菜料理だな。石を投げないで下さいね。じゃーね!>
■今度は台湾バージョンが見たいなあ、藤井道人監督作でね。