長いお別れのレビュー・感想・評価
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良い時に良い作品に出会ったなと思った。これから近い将来自分に起こり...
良い時に良い作品に出会ったなと思った。これから近い将来自分に起こりうる出来事について、1つの答えをもらったよう。
くりまらずゆーっとすることの難しさ
子供の頃の私はずっと手のかかる子だったように思います
寝小便はいい歳までしていたしいたずらばかりしていましたからきっと赤子の頃も親は大変だったのではないでしょうか
よく叱られたことを覚えています。
今じゃそいつが人の親なのだから笑ってしまうわけですが
そんなことをいつまで覚えていられるのか
もしかしたら忘れずにそんなヤツにまた近づいていくのかも知れませんね
そんな時私のことを見ていてくれるのはもう親ではないでしょう
はたして誰なのだろう、そもそもそんなヤツのめんどうなど誰が見るのやら
忘れる事が出来るから人は生きて行けると何かで見聞きした気がします
食事も喉を通らないほどの悲しさやどうしたって眠れないほどの苦しみや、そんな事を忘れられるから笑ったりする事が出来るのだと
最後に残るのはなのなのでしょうか
その時が来てそれを悟った時にはもう仏のような微笑みでいるのでしょうか
生まれた時には自分は泣いているのにまわりは笑っている
そして死の時にはまわりは泣いているけど自分は笑っていたいとそう思うばかりです。
出来ればロンググッドバイではなくね
「くりまるな」とか「ゆ~っとするんだな」
映画「長いお別れ」(中野量太監督)から。
書籍「長いお別れ」(中島京子著・文藝春秋刊・263頁)を読んでから、
もう1年半以上が過ぎたが、案外、ストーリーを覚えていた。
当時「お父さん、つながらないって切ないね」を取り上げ、
今回も「この頃ね、いろんなことが遠いいんだよ」「遠いって?」
「いろんなことがね、あんたたちやなんかもさ」
「遠いのはやっぱり寂しいよね」の会話が気になったけれど、
もっと面白いシーンにぶつかった。
もし仮に、認知症で徘徊したり、行方不明になっても、
携帯電話の「GPS」機能を利用して、居場所がわかる、というシーン。
その「GPS機能」を説明する娘2人と、母親との会話。
「ジー・ピー・エス?」「そう、GPS付きの携帯を持たせとけば、
もし不意に出て行っても、いつでもどこにいるかがわかるの」と、
認知症の父親に携帯(GPS機能付き)を持たせようとするが、
母親は「うん…」とあまり気乗りがしない。
そして、私を笑わせてくれた一言。「でもお父さんだって男よ、
今どこにいるか、知られたくない時だってあるんじゃないかしら」
真剣な顔つきで、反論した姿がとても楽しかった。
それに対して、バッサリと「ないと思う」と即答した娘との対比。
夫婦と親子の差なのかもしれないが、メモ帖を騒がせた。
「まぁ、そう、くりまるな」とか「それはな、うん、ゆ~っとするんだな」と
感覚が言葉になってきた時、意味はわからないが、
「ゆ~っと?」と訊ねたら、「ゆ~っとだ!」と自信げに答える会話で、
なんだか、ほっとしたのを覚えている。
あれっ、原作にもあったかな、こんな場面と、会話。
仕方ない、もう一度、読み直しだな。
家族の絆が感じられたが…
ずっと気になっていたのですがレンタルで自宅で観ました。
認知症の父の介護とひたむきに寄り添い、それを支える家族…とても良かったです。
ただ娘2人の背景はちょっと微妙かなと思いました。
後半で嘆いた、お父さんお母さんのような家族になりたいと泣いた時にジーンと来ましたが、それまで苦労ばかりで辛かったです。
ただ何故か心に響かなかったなぁと…なぜだろうか。
中野さんの作品は全部面白い。
次の妻夫木のも楽しみだ。長いお別れ。なるほど。自分の親がもし認知症になったら。もしくは夫が。自分が。この家族のようにどこか気が抜けるような、笑えるような雰囲気でいたい。キャストが抜群なんだよなぁ。こんなチャーミングな夫婦いるだろうか。何よりもこの家族が愛おしい。全部愛おしい。孫とのお別れでは泣いた。
山崎努と蒼井優がすごい
映画館で観たかった
まだ高田馬場でやっている
都内や東京の近くに住んでいて長いお別れを観ていない人は是非劇場で観よう
丁寧につくっている
監督も脚本家も有能
ほのぼのとしたハートフルホームコメディー
上の娘は嫁に行き下の娘は独立しているが家族として繋がっている
優しい映画だ
2時間を超える作品だが飽きることは全くなくあっという間に終わってしまった
なぜ長く感じなかったか
それは役者の演技そして味
おっとりとした妻役の松原智恵子
夫と息子とアメリカ生活も英語が全く喋られない長女役竹内結子
飄々として論理的思考の塊でアメリカの研究室で働き英語が喋られる夫役の北村有起哉
彼らも良かったが山崎努と蒼井優が凄かった
山崎努はこれが1番の当たり役だ
元学校の先生で認知症の高齢男性を見事に演じている
『花いちもんめ』の千秋実も凄かったが山崎努もすごい
蒼井優は芸が細かい
細かい演技をしている
特にカレー屋のアルバイトの女の子と一緒に車に乗っている時の蒼井優の表情が細かすぎてすごい
医者は認知症と言うが家族は言わない
普通ならボケただの痴呆症だと言うのが普通だが言っちゃうとお節介な人たちが抗議して来るので言葉を濁す
そういう人たちへの反発を監督に感じる
認知症と名前を変えても症状が変わるわけではない
最後は長女の息子ではなく次女で終わらせて欲しかった
あくまで好みだけど
くりまらず、ゆーっと
インディーズ作『チチを撮りに』、商業デビュー作『湯を沸かすほどの熱い愛』が個人的に連続ヒット。
初めて小説の映画化に挑んだ中野量太監督の新作は、これまた良作!
タイトルの“長いお別れ”とは、少しずつ記憶を失っていく認知症の事。
認知症を患った父と、支える家族の7年間。
『湯を沸かすほどの熱い愛』もそうだが、難病を題材にし、各々が抱える問題は深刻。
認知症の父。家族の事も忘れ、症状はどんどん悪くなっていく。
老々介護の妻。自身も眼の病気を患う。
アメリカで暮らす長女。夫婦関係や育児に悩む。
料理が得意な次女。恋も人生も上手く行かず…。
重く暗くなりがちな話を、クスッと笑えるユーモアを交え、ベタなお涙頂戴にはならず、ハートフルな作品に仕上げた中野監督の手腕はもはや安定モノ。
常に家族を描き、家族映画の新たな旗手。
中野監督が描く家族の姿は、普遍的。ありふれた展開や設定も多い。
認知症で記憶を失いながらも父の心の奥底に残る家族への愛、優しく愛情深い母、長女も次女も家族と接する中で人生を見詰め直していく…。
こういうのは何度描かれた事か。
それでも共感たっぷりに描かれるのは、我々自身やその家族と何処か重ね通じる点を、“普遍的”に巧みに描かれているからだろう。
本当に劇的な事件や特別な事は起きない。ありふれた家族の物語。
広く大きな視野では平凡だけど、我々一人一人、家族一つ一つで見れば、かけがえのない特別で大事な家族の物語なのである。
キャスト陣のアンサンブルがもう絶品!
等身大の主人公の次女・蒼井優が抑えたさすがの巧さ。
長女・竹内結子も普段の明るさの影に複雑な悩みを、こちらも巧演。
さらりと共演している二人だが、よくよく考えてみれば、人気も実力もある2大女優の豪華初共演である。
両親役の両ベテランがとにかく魅力的!
認知症の夫を支える老々介護の妻という描き方によっては見てるだけで鬱気分になる役を、松原智恵子が明るく、コミカルに、チャーミングに。優しく愛情深く、何て素敵な母/奥さん…。
そして、山﨑努。元校長先生で威厳たっぷりだが、認知症を患ってからは子供のようで、惚けた雰囲気が何だか可愛らしい。症状が徐々に進行し衰えていく様と家族の中心に居る愛すべき存在を、さすがの名演で魅せる。
サブキャラでは、長女の息子。
母に反抗的で家族の事よりガールフレンドの事ばかり考えているが、祖父は嫌いじゃない。
メインエピソードではなくサブのサブのエピソードだが、この祖父と孫の関係、片手を上げる挨拶。中盤のあるシーンやラストシーンでニヤリとさせられる。
父がよく口にする、「帰る」。
開幕のメリーゴーランドや父が得意な漢字や趣味の読書、次女が作る料理、祝い事があると必ず被るパーティー帽子…。
これらの要素は巧みな伏線とまでは行かなくとも、所々作品を活かしてくれる。
物語は2007年からの7年間。その間、国内で起きた事件や出来事が背景として。我々と同じ目線で同じ時を生きている事をより感じさせてくれる。
『湯を沸かすほどの熱い愛』のラストで衝撃の展開が賛否となったが、本作もちょっと気になる描写が。
認知症の父は万引きをしてしまう。認知症患者はよく万引きをする…という誤解を与えそうな描かれ方。
寝たきりの父の身体を雑に動かしたり、震災後過剰に帽子やマスクを着けての外出…。(福島県民故、どうしてもちょっと気になってしまった)
それから、認知症介護の大変さや苛酷さがそれほど描かれず、理想的でもある。
本作が認知症介護問題を真っ正面から描く作品であったら、指摘されて然るべきだろう。
だけど本作はあくまで、家族愛の物語。
クスッと笑って、温かく感動して。
家族って、いいなぁ…と、平凡だがしみじみと思わせる。
そう、
くりまらず、ゆーっと。
昨日鑑賞。二本立て一本目。 この手の作品は見るのが辛い。母が今そう...
昨日鑑賞。二本立て一本目。
この手の作品は見るのが辛い。母が今そう、そしてそう遠くない将来、私も必ず。「最近、なんだか、いろんなことが遠いんです」
メインの出演陣がいい。山﨑努、本当に病気になってるんじゃ?のレベル、すごい。そしてそれを支える女優トリオの確かな演技力。
遊園地の場面はグッと来ました。後は竹内結子の「お父さんとお母さんみたいに…」の場面かな。
でもねー、これいる?の配役、場面も多い。そしてそっちに目がいってしまう。極めつけはラストかな。題名につながる重要なシーンかもしれないのだが、私的には不要。成長した崇がどうにも…
じゃがいもを手に笑顔の蒼井優で充分。
メインストーリーだけを描いていたら超弩級の感動作になっていたかも(笑)
家族の相互理解は深い
機内でうっかり見てしまい、静かに大泣きしました。
校長先生まで勤めたしっかりしたおとうさんが認知症発症。丸ごと受け入れられるおかあさんがとても素敵。
7年間にわたる家族の理解が描かれています。
最初は父親の変化に少しショックを受けつつ温かく接する次女のふみと、海外駐在に家族帯同中で自身も余裕のない長女のまり。
国内にいるから何かとお世話する役割を担ってしまう、蒼井優演じるふみなのだが、自身の夢や恋愛はもがきながらで順調とは言えず何かと打ち砕かれていて、、でも、認知症ながらも、娘が前を向ける言葉がけが自然に出来るおとうさん。
アメリカ暮らしにいまいち馴染めず、息子も思春期に差し掛かり育児が思うようにいかず、夫は無口で、孤独を噛み殺して暮らしている、竹内結子演じるまり。おとうさんの認知症がきっかけでたまに国内に帰省するが、孫との信頼関係を自然に築いたり、テレビ電話を通して、娘の弱音を聞くおとうさん。
認知症の進行によっておとうさん自身の言動の変化も大きく、家族はかつてのおとうさんからの変化に戸惑いながらも理解が求められる状況なのだが、それと同じくらい、7年間移りゆく家族の生活や心境の変化に、認知症のおとうさんが無意識に深く関わり、良い影響を与えて支えている。
この構図がとても素敵で、おとうさんとおかあさんの揺るがない仲の良さが、もういい大人だが悩み多き姉妹のメンタルを支えている。どこまで正気かわからない状態なのに、数十年前の結婚を申し込むやり取りを再びおかあさんにするおとうさん。
認知症介護というと理性ある行動を取れなくなった存在の面倒を見る面ばかりが浮かぶが、実際は、緩やかな進行の間に、家族での様々な思い出が詰まっていて、ぼけてしまっても親という存在は最後まで親なんだなと。
おとうさんからの読書好き、おかあさんからの料理好き、季節の葉を読書中の本の栞にするなど、言動や嗜好面でも家族の繋がりを感じる。
月日が過ぎ、地理的に離れても、家族は繋がっている、血も繋がっていると感じさせる作品。
☆☆☆★★★ 原作読了済み。 映画のオープニングは原作と同じく遊園...
☆☆☆★★★
原作読了済み。
映画のオープニングは原作と同じく遊園地の場面から。
原作自体が。認知症の父親と、その家族との絆を描く連作短編集の為か。ところどころで(掲載ページ数の関係か?)中途半端気味になっているのは、読んでいて少し気になったところでした。
例えば映画で、次女が昔の同級生に会う場面。
原作とほぼ同じ設定ではあるものの。原作ではただそれだけで、映画ではその後の場面をオリジナルとして追加している。
原作にて描かれていない(寧ろページの関係で描ききれなかったのか?)長女の家庭内での、冷え切った夫婦仲や息子の引きこもりに至るまでの過程。
それらの、原作で詳しく描けなかったところを映画では捕捉していて。「帰りたい!」と言っては困らせる父親と、慣れないアメリカ暮らしに疲弊する長女が、幾度も帰省する場面を。原作以上に対象させて描いていた。
オープニングでの遊園地の場面も。原作では小さな姉妹と、メリーゴーランドにただ乗るだけなのに。映画では、過去の思い出とリンクさせる事で家族の絆を強調させている。
ちなみに、原作では長女の旦那はほとんど描かれず。次女は雑誌やテレビで引く手あまたなフードコーディネーター。
父親役の山崎務のボケっぷりは流石の域だが。母親役の松原智恵子は原作以上とも言える。
原作では母親が中心に居て、その奮闘振りが凄いのだけど。クレジットの最初に次女役の蒼井優が来る事から分かる様に、映画はこの次女を映画の中心として描く。
個人的には、映画が次女目線にシフトさせ過ぎた為か?痴呆症を抱えた家庭の右往左往とする様子は、原作と比べて少しばかり薄まっている様にも見受けられた。
映画は、原作には無いところで色々と工夫がなされていて。通夜の場面での「1本!」と叫ぶ辺りや、スーパーでの事件の後に「立ってなさい!」等と怒るところに、電車内でのプロポーズ等。原作には無い認知症ゆえに周りが翻弄される様子は、なかなか味わい深い演出だったと思う。
反面で「コレはちょっとやり過ぎでは?」…と感じたのが。河原での行列や、♬上を向いて歩こう♬の場面に於ける、引きの撮影にて殊更演出しているところを主張する場面のあざとさははちょっとだけ嫌だ(-.-;)
嗚呼!そう言えば。原作では、「いやだ!いやだ!」と周りを困らせる父親に対し、「先生!先生!」と自尊心を刺激する事で何かと解決する場面が有り。それがラストシーンへと繋がって来るだけに。その「先生!」の台詞が無かったのはちょっと残念。
…等と、グダグタ言いつつも。これは原作を越えて来た秀作だと思えました。
2019年6月2日 TOHOシネマズ府中/スクリーン8
山崎さんは作品そのものを感じさせてくれる役者さん
認知症になった父を中心に長い年月を丁寧に辿って
行く話
娘二人は竹内結子と蒼井優
妻は松原智恵子
登場人物の全員が善人で優しい映画です
それでもうまくいかないことがたっくさんあって
見せ場である
メリーゴーランドのシーン美しいシーンだと思います
松原智恵子さんが良かったのよ
かわいいそして愛情深い妻であり母をうまくやってらした
作品にはまってるなと思いました
みんなで一つのものを作るということ
作品がどうであるかということが大切で
誰かが出すぎてもバランス崩れるから
次女役の蒼井優が突出してるもんがあるから
そこらへんがどうなのかなと思いながら
見てました
余談ですが気になっている
中村倫也さんがこの映画にも出ていて
蒼井優さんとかかわりあう役なんだけど
これがまた上手い
このひとほんとすごいと思う
一番好きな俳優さんの山崎努さん
彼の作品をあと何本見れるのだろうと
一つ一つ大事に見てます
厚労省とか文科省とかの教材になりそうな
良作でした
映画ってこんなシンプルになっちゃったのか。
ちょっと期待しすぎたかもしれない。
というのは、自身が近年父を、そして現在母を介護しているせいからかも。
脳梗塞のリハビリの中、亡くなった父を母は献身的に介護していた。
そして、一人になってから、その喪失感からか、母はぼんやりとした日々を過ごすことが増え、
やがて認知症の症状がでるようになった。私は近居している息子だったので、父の時同様定期的に
行き、サポートし続けている。その中で、両親のたくさんのシーンを見てきたし、今も日々刻々と進行する母の心と記憶の移ろいを、一人の人生の収め方のひとつとして受け止めている。
この映画は、認知症になった父をめぐる家族の再生&確認の物語なのだろう。しかし、それにしてもあまりにリアリティを感じさせないファンタジーさが気になる。私が是枝監督のような映画が好きな人間だからかもしれない。個人の内面にあまり踏み込むことなく、かつての家族像によりどころを求め、それぞれの不安定な現在と未来はあえて描かない。わかりやすいステレオタイプの母の設定は共感が得やすい。現在日本の至ることろで無数の同じような状況が起きている中、この物語は今苦闘する家族に何を伝えたいのか。古いタイプの映画好きには、やはりもう少しシリアスな何かを表現してほしかった。
それにしても、男たちはここでもただ仕事にまい進し、老いて世話をしてもらう存在として描かれる。女たちは「家族愛」によってそれを支え、包み込んでいく。おそらく昭和の世代にはなんなく受け入れられる設定なんだろうが、果たして次女はこの先一人残された母を抱え、どのような未来を生きていくのだろうか。本当に優しいキャラクターだっただけに、心配になる。認知症の介護は極めて社会性の高いテーマなので、やはりファンタジーだけで終わらせてほしくはなかった。やはり期待しすぎたのかな。
くりまるな! ゆーっと! ね♪
認知症の…
徐々に記憶も、感情も、遠のいていく様を
『長いお別れ ~ A Long Goodbye ~』
という言葉に置き換えても…
それは、悲しいお別れの段階だけではなく
ヒトとして、こころを豊かにしてくれる
貴重な時間のことなんだ、とわたしは思いました。
記憶や感情を失っても
ヒトがヒトである以上
けして「こころ」だけは失うことはない…
…だから、メリーゴーランドのシーンは
劇中の家族にも、皆さん鑑賞者たちにも
そしてわたしにも…
胸に刻みこまれた「心象風景」として
こころに留まり続けることでしょう…
《 家族愛 》を題材に作品を撮り続ける
中野 量太 監督の傑作がまたひとつ生まれましたね!
姉・麻里の闊達なところはお母さんに
妹・扶美の本好きで数字に細かいところはお父さんに
それぞれ似たんだろうなぁ…
と思わせる手腕はさすが!
物語を彩る “ 小物使い ” が実に効果的かつ叙情的!
でも本作において「伏線、および回収」
なんて言葉は適さないと思いました。
なぜならば、それらは
家族が共に重ねてきた時間のなかで
家族だけが獲得し、知りえる〈合言葉〉の象徴なのだから…
実際、家族を介護してる方々にしか分からない苦労
辛さというものがありますし
今後、家族が要介護になりえる不安を抱えている世代
しいては社会全体が直面する問題を描いていて
わたし自身、観ていて正直しんどかったですが…
家族からもたらされる幸せというものは
家族しか得られないものだと…
改めて本作『長いお別れ』を鑑賞して思いました。
難役をこなす山崎 努さんの思慮深さと
経験則からなる確かな演技が光る!
重くなり過ぎがちなテーマを
明るく朗らかな役どころでもって
本作に彩りを与えてくれた松原智恵子さん
家族のなかで一番
喜怒哀楽がはっきりしていて
観ていて気持ち良かった!竹内結子さん
蒼井優さんの好演にありがとう!と言いたい!
そして実生活でもお幸せに!
身につまされる
超高齢化社会なんて、6文字で表せないぐらい、世の中は高齢者であふれている。
家族が最後まで認知症の高齢者を看ることに、社会はこれほど不寛容なのか?と思い知らされる。
上映後、期せずして監督のトークショーに参加することができた。
父が「はい!」と答える演技をした山崎努さんについて、監督は「子どものように」と形容してたけど、ちょっと違うと思った。
山崎さんの演技は素晴らしい。
認知症の高齢者をとても研究されていると感じた。
「はい!」の意味は、人それぞれ違うのではないか。主人公は教師だったから。
父もまったく同じテンションで「はい!」を繰り返したけれど、これが認知症の状態像なのだと。
最後の母の覚悟も素晴らしかった。
欲をいえば、こんなハッピー家族、夫婦、姉妹、いるかな?
現実は両親のどちらかが倒れる、亡くなると相続だの、愛憎劇になるのが現実じゃない?
毒も盛り込んでほしかったかも。
老いも、忘却も、全てが日常
高齢化社会と呼ばれる今日、高齢者の認知症患者数は460万人とも言われている。家族であっても介護は楽なことはないし、自分の家族の記憶が徐々に消えてくることは言葉では言い表せない悲しみがあることだろう。私の祖母も認知症を患い、10年以上も介護施設に入所したまま人生の幕を下ろしている。晩年は面会に行っても私が誰か分からないままだった。
しかし、この作品はそんな介護の辛さや悲しさをあまり表に見せない。むしろ、父親の認知症を機に家族の絆が深まっていく様を描いていく。「長いお別れ」というタイトルは実にピッタリだ。記憶が次第に失われていく中で、ポツリ、ポツリと父親の中での記憶が蘇るも、また消えていく。それは現在の父の記憶であったり、昔の父の記憶であったりと様々。特段、2度目のプロポーズシーンには笑いながらもホロリとさせられるし、時折見せる“父親”の顔も家族の励みとなっていく。その表情、その笑顔、山崎努の演技が実に見事だ。
もちろん、介護している側も疲労が蓄積する。辛いこと、大変なことが多いのが実際であるし、この作品のように明るく振る舞える家族はごく少数であろう。しかし、これは誰にでも起こり得る話だ。自分が介護する側になるかもしれないし、介護される側になるかもしれない。だからこそ、老いることも、記憶がなくなっていくことも、ごくごく日常的なことで、悲観する必要はないのだよと本作は言っているように思える。『ペコロスの母に会いに行く(13)』もそうだったが、そういった介護の中でつながる絆の存在を伝えていくことがこれからの社会には必要なのかもしれない。ただ、ラストをあの形で締めくくるのであれば、もっと孫の存在を大きく描いて欲しかった。
それぞれ
この作品をどの視点で観るかで、だいぶちゃう感じになるなー
親子の視点、家族の視点、夫婦の視点、介護の視点…それぞれで響くポイントが変わってくる。
私的には、山崎努と蒼井優との縁側のシーンが一番響きました…
もちろん、メリーゴーランド、再プロポーズ、誕生日会などなど、響くシーンはいっぱいあります。それも人それぞれ…
誰もが自分ごととして考えられるテーマ
しっかり者の父が認知症になった。その事実と、やがて訪れるお別れにゆっくり向き合っていく様を丁寧に描き、自分だったらと恐らく誰もが考える作品だと思います。
決してお涙頂戴的な演出にはなっていません。でも、涙が何度も何度も溢れました。認知症の父の近くに住み生き方に悩む次女、遠くに住み自身の家族にも悩みを持つ長女、献身的に認知症の夫を支える妻。それぞれの立場からが描かれる心情がどれも胸を打ちます。
特に、温厚で優しくどこか心もとない母が唯一声を荒げ「バカにしないで」と娘2人に話すシーンが印象に残っています。
まだ親の介護が身近にない若い世代にこそ、観て欲しい作品です。
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