劇場公開日 2019年5月31日

長いお別れのレビュー・感想・評価

3.8106
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4.5中野監督はまたも家族映画の傑作を我々に届けてくれた

2019年5月31日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

認知症を患った父との7年間の日々、と書くと、介護日記のようなものと思われるかもしれない。私の印象も最初はそうだった。しかしいざ幕が上がると、そこにはむしろ「私たちの物語」が映し出されていたように思う。描かれるのは7年間だが、ある意味、昭和、平成を超えて新たな時代へと向かおうとする私たちの誰しもに通底するクロニクルが、そこには刻まれていたのではないか。

過ぎ行く季節の中で、忘れてしまうこと、俄かに思い出されること、手では掴めずとも残り香のようになって留まり続けるものもあるかもしれない。私たちはその全てを抱きしめながら、この時を歩んでいく。

鑑賞中、あらゆるシーンと登場人物が愛おしてたまらなくなった。生きること、生きていてくれることが尊く思えるようになった。おそらく俳優陣のとびきりの笑顔と、決して光を失わない明るさがそう思わせるのだろう。中野監督はまたも家族映画の傑作を私達に届けてくれた。

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ぐうたら

5.0回転木馬のシーンは忘れえぬ名場面

AuVisさん
2019年5月31日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

幸せ

中島京子がアルツハイマーの父を“見送った”実体験をもとにした小説が原作というだけあり、認知症の家族を持った人にとってはあるあるエピソードが満載。実際に介護をしている時には、悲しい、やるせない、振り回されることへの怒り、明日は我が身かとの不安など、さまざまな感情が入り混じって余裕がなくなる。でもお別れの後から振り返ると、なんだか笑えるような状況でもあったなあと。そんなことを思い出させてくれる、あたたかくて愛すべき珠玉作。

「湯を沸かすほどの熱い愛」は中野量太監督のオリジナル脚本で、本作は原作ものだが、一家の大黒柱的存在が緩慢な死を迎える過程と、それに寄り添い自らも変わる家族たち、という要素は驚くほど似ている。これも映画の神様がもたらす奇縁だろうか。俳優陣それぞれが素晴らしいが、認知症の進行をリアルに再現しつつ、じわりとしみるチャーミングさを失わない山崎努の演技力には改めて感服した。

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AuVis

4.0くりまらず、ゆーっと

近大さん
2019年12月7日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

幸せ

インディーズ作『チチを撮りに』、商業デビュー作『湯を沸かすほどの熱い愛』が個人的に連続ヒット。
初めて小説の映画化に挑んだ中野量太監督の新作は、これまた良作!

タイトルの“長いお別れ”とは、少しずつ記憶を失っていく認知症の事。
認知症を患った父と、支える家族の7年間。
『湯を沸かすほどの熱い愛』もそうだが、難病を題材にし、各々が抱える問題は深刻。
認知症の父。家族の事も忘れ、症状はどんどん悪くなっていく。
老々介護の妻。自身も眼の病気を患う。
アメリカで暮らす長女。夫婦関係や育児に悩む。
料理が得意な次女。恋も人生も上手く行かず…。
重く暗くなりがちな話を、クスッと笑えるユーモアを交え、ベタなお涙頂戴にはならず、ハートフルな作品に仕上げた中野監督の手腕はもはや安定モノ。
常に家族を描き、家族映画の新たな旗手。

中野監督が描く家族の姿は、普遍的。ありふれた展開や設定も多い。
認知症で記憶を失いながらも父の心の奥底に残る家族への愛、優しく愛情深い母、長女も次女も家族と接する中で人生を見詰め直していく…。
こういうのは何度描かれた事か。
それでも共感たっぷりに描かれるのは、我々自身やその家族と何処か重ね通じる点を、“普遍的”に巧みに描かれているからだろう。
本当に劇的な事件や特別な事は起きない。ありふれた家族の物語。
広く大きな視野では平凡だけど、我々一人一人、家族一つ一つで見れば、かけがえのない特別で大事な家族の物語なのである。

キャスト陣のアンサンブルがもう絶品!
等身大の主人公の次女・蒼井優が抑えたさすがの巧さ。
長女・竹内結子も普段の明るさの影に複雑な悩みを、こちらも巧演。
さらりと共演している二人だが、よくよく考えてみれば、人気も実力もある2大女優の豪華初共演である。
両親役の両ベテランがとにかく魅力的!
認知症の夫を支える老々介護の妻という描き方によっては見てるだけで鬱気分になる役を、松原智恵子が明るく、コミカルに、チャーミングに。優しく愛情深く、何て素敵な母/奥さん…。
そして、山﨑努。元校長先生で威厳たっぷりだが、認知症を患ってからは子供のようで、惚けた雰囲気が何だか可愛らしい。症状が徐々に進行し衰えていく様と家族の中心に居る愛すべき存在を、さすがの名演で魅せる。

サブキャラでは、長女の息子。
母に反抗的で家族の事よりガールフレンドの事ばかり考えているが、祖父は嫌いじゃない。
メインエピソードではなくサブのサブのエピソードだが、この祖父と孫の関係、片手を上げる挨拶。中盤のあるシーンやラストシーンでニヤリとさせられる。

父がよく口にする、「帰る」。
開幕のメリーゴーランドや父が得意な漢字や趣味の読書、次女が作る料理、祝い事があると必ず被るパーティー帽子…。
これらの要素は巧みな伏線とまでは行かなくとも、所々作品を活かしてくれる。
物語は2007年からの7年間。その間、国内で起きた事件や出来事が背景として。我々と同じ目線で同じ時を生きている事をより感じさせてくれる。

『湯を沸かすほどの熱い愛』のラストで衝撃の展開が賛否となったが、本作もちょっと気になる描写が。
認知症の父は万引きをしてしまう。認知症患者はよく万引きをする…という誤解を与えそうな描かれ方。
寝たきりの父の身体を雑に動かしたり、震災後過剰に帽子やマスクを着けての外出…。(福島県民故、どうしてもちょっと気になってしまった)
それから、認知症介護の大変さや苛酷さがそれほど描かれず、理想的でもある。

本作が認知症介護問題を真っ正面から描く作品であったら、指摘されて然るべきだろう。
だけど本作はあくまで、家族愛の物語。
クスッと笑って、温かく感動して。
家族って、いいなぁ…と、平凡だがしみじみと思わせる。

そう、
くりまらず、ゆーっと。

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近大

4.0昨日鑑賞。二本立て一本目。 この手の作品は見るのが辛い。母が今そう...

2019年11月10日
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鑑賞方法:映画館

昨日鑑賞。二本立て一本目。

この手の作品は見るのが辛い。母が今そう、そしてそう遠くない将来、私も必ず。「最近、なんだか、いろんなことが遠いんです」

メインの出演陣がいい。山﨑努、本当に病気になってるんじゃ?のレベル、すごい。そしてそれを支える女優トリオの確かな演技力。
遊園地の場面はグッと来ました。後は竹内結子の「お父さんとお母さんみたいに…」の場面かな。

でもねー、これいる?の配役、場面も多い。そしてそっちに目がいってしまう。極めつけはラストかな。題名につながる重要なシーンかもしれないのだが、私的には不要。成長した崇がどうにも…
じゃがいもを手に笑顔の蒼井優で充分。
メインストーリーだけを描いていたら超弩級の感動作になっていたかも(笑)

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はむひろみ

4.0家族の相互理解は深い

2019年9月27日
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movie mamma

3.5☆☆☆★★★ 原作読了済み。 映画のオープニングは原作と同じく遊園...

2019年9月9日
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松井の天井直撃ホームラン

4.0山崎さんは作品そのものを感じさせてくれる役者さん

ららさん
2019年9月8日
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鑑賞方法:映画館

認知症になった父を中心に長い年月を丁寧に辿って
行く話
娘二人は竹内結子と蒼井優
妻は松原智恵子
登場人物の全員が善人で優しい映画です

それでもうまくいかないことがたっくさんあって

見せ場である
メリーゴーランドのシーン美しいシーンだと思います

松原智恵子さんが良かったのよ
かわいいそして愛情深い妻であり母をうまくやってらした
作品にはまってるなと思いました

みんなで一つのものを作るということ
作品がどうであるかということが大切で
誰かが出すぎてもバランス崩れるから

次女役の蒼井優が突出してるもんがあるから
そこらへんがどうなのかなと思いながら
見てました

余談ですが気になっている
中村倫也さんがこの映画にも出ていて
蒼井優さんとかかわりあう役なんだけど
これがまた上手い

このひとほんとすごいと思う

一番好きな俳優さんの山崎努さん
彼の作品をあと何本見れるのだろうと
一つ一つ大事に見てます

厚労省とか文科省とかの教材になりそうな
良作でした

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らら

2.0映画ってこんなシンプルになっちゃったのか。

JUNさん
2019年8月29日
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鑑賞方法:映画館

ちょっと期待しすぎたかもしれない。
というのは、自身が近年父を、そして現在母を介護しているせいからかも。
脳梗塞のリハビリの中、亡くなった父を母は献身的に介護していた。
そして、一人になってから、その喪失感からか、母はぼんやりとした日々を過ごすことが増え、
やがて認知症の症状がでるようになった。私は近居している息子だったので、父の時同様定期的に
行き、サポートし続けている。その中で、両親のたくさんのシーンを見てきたし、今も日々刻々と進行する母の心と記憶の移ろいを、一人の人生の収め方のひとつとして受け止めている。

この映画は、認知症になった父をめぐる家族の再生&確認の物語なのだろう。しかし、それにしてもあまりにリアリティを感じさせないファンタジーさが気になる。私が是枝監督のような映画が好きな人間だからかもしれない。個人の内面にあまり踏み込むことなく、かつての家族像によりどころを求め、それぞれの不安定な現在と未来はあえて描かない。わかりやすいステレオタイプの母の設定は共感が得やすい。現在日本の至ることろで無数の同じような状況が起きている中、この物語は今苦闘する家族に何を伝えたいのか。古いタイプの映画好きには、やはりもう少しシリアスな何かを表現してほしかった。

それにしても、男たちはここでもただ仕事にまい進し、老いて世話をしてもらう存在として描かれる。女たちは「家族愛」によってそれを支え、包み込んでいく。おそらく昭和の世代にはなんなく受け入れられる設定なんだろうが、果たして次女はこの先一人残された母を抱え、どのような未来を生きていくのだろうか。本当に優しいキャラクターだっただけに、心配になる。認知症の介護は極めて社会性の高いテーマなので、やはりファンタジーだけで終わらせてほしくはなかった。やはり期待しすぎたのかな。

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JUN

5.0くりまるな! ゆーっと! ね♪

2019年8月16日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

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野々原 ポコタ

3.0深刻に成りすぎず見やすい

2019年8月9日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

自分の家に居るのに、「家に帰る」って言われるの、辛いんだよなぁ。

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レイ零号機

4.0身につまされる

2019年7月24日
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超高齢化社会なんて、6文字で表せないぐらい、世の中は高齢者であふれている。

家族が最後まで認知症の高齢者を看ることに、社会はこれほど不寛容なのか?と思い知らされる。

上映後、期せずして監督のトークショーに参加することができた。
父が「はい!」と答える演技をした山崎努さんについて、監督は「子どものように」と形容してたけど、ちょっと違うと思った。
山崎さんの演技は素晴らしい。
認知症の高齢者をとても研究されていると感じた。
「はい!」の意味は、人それぞれ違うのではないか。主人公は教師だったから。
父もまったく同じテンションで「はい!」を繰り返したけれど、これが認知症の状態像なのだと。

最後の母の覚悟も素晴らしかった。
欲をいえば、こんなハッピー家族、夫婦、姉妹、いるかな?
現実は両親のどちらかが倒れる、亡くなると相続だの、愛憎劇になるのが現実じゃない?
毒も盛り込んでほしかったかも。

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ミツバチば~や

3.0老いも、忘却も、全てが日常

ao-kさん
2019年7月23日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

高齢化社会と呼ばれる今日、高齢者の認知症患者数は460万人とも言われている。家族であっても介護は楽なことはないし、自分の家族の記憶が徐々に消えてくることは言葉では言い表せない悲しみがあることだろう。私の祖母も認知症を患い、10年以上も介護施設に入所したまま人生の幕を下ろしている。晩年は面会に行っても私が誰か分からないままだった。

しかし、この作品はそんな介護の辛さや悲しさをあまり表に見せない。むしろ、父親の認知症を機に家族の絆が深まっていく様を描いていく。「長いお別れ」というタイトルは実にピッタリだ。記憶が次第に失われていく中で、ポツリ、ポツリと父親の中での記憶が蘇るも、また消えていく。それは現在の父の記憶であったり、昔の父の記憶であったりと様々。特段、2度目のプロポーズシーンには笑いながらもホロリとさせられるし、時折見せる“父親”の顔も家族の励みとなっていく。その表情、その笑顔、山崎努の演技が実に見事だ。

もちろん、介護している側も疲労が蓄積する。辛いこと、大変なことが多いのが実際であるし、この作品のように明るく振る舞える家族はごく少数であろう。しかし、これは誰にでも起こり得る話だ。自分が介護する側になるかもしれないし、介護される側になるかもしれない。だからこそ、老いることも、記憶がなくなっていくことも、ごくごく日常的なことで、悲観する必要はないのだよと本作は言っているように思える。『ペコロスの母に会いに行く(13)』もそうだったが、そういった介護の中でつながる絆の存在を伝えていくことがこれからの社会には必要なのかもしれない。ただ、ラストをあの形で締めくくるのであれば、もっと孫の存在を大きく描いて欲しかった。

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ao-k

4.5それぞれ

Shige12さん
2019年7月21日
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鑑賞方法:映画館

この作品をどの視点で観るかで、だいぶちゃう感じになるなー
親子の視点、家族の視点、夫婦の視点、介護の視点…それぞれで響くポイントが変わってくる。
私的には、山崎努と蒼井優との縁側のシーンが一番響きました…
もちろん、メリーゴーランド、再プロポーズ、誕生日会などなど、響くシーンはいっぱいあります。それも人それぞれ…

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Shige12

4.0誰もが自分ごととして考えられるテーマ

2019年7月14日
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しっかり者の父が認知症になった。その事実と、やがて訪れるお別れにゆっくり向き合っていく様を丁寧に描き、自分だったらと恐らく誰もが考える作品だと思います。
決してお涙頂戴的な演出にはなっていません。でも、涙が何度も何度も溢れました。認知症の父の近くに住み生き方に悩む次女、遠くに住み自身の家族にも悩みを持つ長女、献身的に認知症の夫を支える妻。それぞれの立場からが描かれる心情がどれも胸を打ちます。
特に、温厚で優しくどこか心もとない母が唯一声を荒げ「バカにしないで」と娘2人に話すシーンが印象に残っています。
まだ親の介護が身近にない若い世代にこそ、観て欲しい作品です。

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まだまだぼのぼの

4.5#48 なんでもっと早く観なかったんだろう?

Yuko Kudoさん
2019年7月6日
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ただの痴呆症の親を巡る映画かと思ってたら「家」がテーマだった。
家とは物理的な器じゃなくて、自分が心地良かった場所なんだろうな。
私も家に帰りたいな。

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Yuko Kudo

3.5カメラ視点の変化

keithKHさん
2019年7月5日
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楽しい

認知症の親と介護する家族・子供を描いた作品ですが、このジャンルでは『花いちもんめ。』(1985年)という先達する佳作があります。「おじいちゃんが壊れていく、家族の戦争が始まる」という宣伝用キャッチフレースのように、呆けが進行する社会的地位のある父親と家族との間の壮絶に泥濘化するドラマでした。
高度経済成長ピークのバブル期に、未来に先駆けた警鐘のように描出されたこの社会問題は、「アルツハイマー病」という言葉にまだ新鮮な響きがあり、センセーショナルではあっても、当時はまだそれほど深刻には受け留められなかったように感じます。

30有余年を経て、この問題が広く遍く人口に膾炙するだけでなく、高齢化が加速し実際に身の回りに多く散見さるようになった今、却って直接正面から在るがままに描くのは、露出症的な嫌いとなり、あまりに身につまされるために映画としては憚られるのでしょう。
本作は、発症から最期を迎える7年間の本人と家族を描いたドラマですが、エッセイ風に淡々と事実を綴った叙事詩であり、いわば日記のような客観的記録といえます。
本人の可笑しな所作・言動の滑稽さや大仰さは抑えられ、家族が狼狽える様も限定的に留められています。寧ろ、この7年間の妻と二人の娘の、認知症の夫・父を抱えた制約のある生活日誌という構成であり、そこにはドラマティックな筋立ては殆どありません。
寄せのカットが殆ど無いことも、被写対象を突き放してクールな目で捉えている現れです。本人・妻・娘たちの、多分抱いたであろう苦悩、悲憤、瞋恚、憎悪、困窮、絶望等の剥き出しの感情の奥底の起伏を深くは掘り下げず、即ち情緒的には一切捉えず感情を抑えて決して善悪や正邪を判断しない、やや物足りない気もする訥々とした語り口でした。

このスタンスは、脚本の重心の推移にも顕著です。
前半は全体の関係性の説明のために第三者の客観的視線であり、中盤は家族の介護の中心となり本作の主役といえる蒼井優扮する次女の視点、そして後半は妻・娘二人の各々の視点で、夫・父と己との関係性とそれによる生活の波紋を描いています。ラストは、竹内結子演じる長女の息子という、家族の中で最も遠い縁者の目線で終えており、将に家族にとって静かで穏やかな終焉でした。

それにしても、殆ど台詞がなく、動作も少なく、表情に変化もないにも関らず、フレームに入るだけで画面全部をそのオーラが覆い尽くしてしまう、呆けた夫・父役の山崎努の圧倒的存在感は印象的であり、本作の基調となっていたと思います。

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keithKH

3.0ファンタジー

うじさん
2019年7月5日
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うじ

3.0なんだろこの違和感…

チギタさん
2019年7月5日
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全体としてはよい映画だったが、観てから2週間以上経ってしまって、ほとんど忘れてるw
忘れちゃうような映画 だったかも

いいなぁと思って観てると
時々妙に芝居がかっててキモチワルイ感じになる
あれはなんだろ?残念だ

湯を沸かすほどの熱い愛も、号泣はしたんだけどなんか違和感がある映画だった

なんか綺麗事って言うか、正しさのごり押しというか…

蒼井優ちゃんと山崎努と松原智恵子はすごくよかった
あーあと北村有起哉のダメな日本の旦那さん感はリアル
竹内結子の演技が嘘くさいのかな〜?

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チギタ

3.5映画に求めるものはいろいろ

dongさん
2019年7月2日
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見るべき価値のある普通に良い映画でした。私は荒唐無稽なものがだめなので、じっくり見られる心温まるハッピーエンドを探すのですが、この作品も良かったです。次回はメッセージ性の強い作品を期待します。

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dong

3.5観るのに力の要る映画?でした

2019年6月28日
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知的

難しい

じっくりよそ見しないで、一生懸命見てました。感動というか、ちょっと疲れました。しっかりした、けど娯楽映画ではないですね(当たり前か?!)

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マイシティ
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