ヒューマン・フロー 大地漂流

劇場公開日:

ヒューマン・フロー 大地漂流

解説

2008年北京オリンピックのメインスタジアム「鳥の巣」の設計にも参加した中国の現代美術家アイ・ウェイウェイが監督を務め、難民問題を追ったドキュメンタリー。貧困・戦争・環境問題など、さまざまな理由により世界各地で増え続ける難民たち。本作撮影当時の2016年には6500万人を数えた難民たちは年々増え続け、事態の深刻化はとどまることを知らない。しかし、現実には彼ら難民の受け入れを拒否する国が広がっていく。23カ国を超える40カ所の難民キャンプと国境地帯を訪れ、この世界的な問題となっている難民危機のリアルな現実をとらえていく。

2017年製作/140分/G/ドイツ
原題または英題:Human Flow
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2019年1月12日

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(C)2017 Human Flow UG. All Rights Reserved.

映画レビュー

3.0見ろ、人が蟻のようだ。

2024年2月23日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

怖い

単純

難しい

不謹慎だなあと自分ツッコミを入れながらも、こう言いたくなる映画。
尤も、ムスカのように笑いながらは言えないけどね。

予告でも絶賛されているように、映像がきれい。
目を見張る自然の風景の中で蠢く人・人・人。
無機質な難民キャンプの部屋すら、一つの芸術作品のように撮っている。

UNHCR WILL2LIVE 映画祭2019にて鑑賞。
 他に上映された映画が、ドキュメンタリー・フィクションの違いはあれど、”ある”人々にフォーカスされていたから、この映画に出ていらっしゃる方々が、名もないたんなる”人”としての存在にしか感じられなくなる。

 映画の途中でパスポートを交換する場面があるが、このような状況では、出身とか、名前とか、これまで生きてきた成育史とか、すべて意味を失くし、はぎ取られ、ただの”人”になってしまうということか。そうすると、途端に、〇〇の誰それという記憶の仕方でなく、他に代替えの利くたんなる”人”、もっと言えば”風景”になってしまう。なんて恐ろしいことだ。

 ”難民問題”を知ろうとして映画を見るならば、もっと感情移入できるものや、状況を理解できる作品、未来を感じられる作品が他にある。
 この映画だけを見ていると、きれいな風景、粗悪な環境、映し出される人々の喜怒哀楽はあれど、映像として流れて行ってしまう。

けれど、
監督ご自身が、時の政府によって強制移住させられ、一個人としては至極まともな言動によって政府に目を付けられ、逃亡生活を送っていると聞く。
 自分の権利・生活を保障してくれるはずの国が、自分の権利・生き方を制限する。財産のあるなし・人脈のあるなしや、監督は表現活動にご自身のアイデンティティを根ざしているが、そういうアイデンティティを維持できているか、いないかという違いはあれど、監督とここに映し出される人々は同じなのだ。
 そう考えると、監督はこの映画で、自身のルーツと未来を探っているようにも見えた。そして、それは”世界”のルーツでもあり、未来でもある。

”難民問題”を考えるときに、ぶち当たる壁。
よりよく生きようとすることとはどういうことなのか。
彼らの場合。私の場合。
ぶつかり合う利害。奪い合うパイ。
 個人レベルで。世界レベルで。

”難民”≒”ヒューマン・フロー”
それは、
”彷徨えるアイデンティティ”であり、”彷徨える未来”でもある。

受け身で観ると退屈な映画。
でも、一度は鑑賞してみてほしい。
圧倒される。

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とみいじょん

1.5厳しく言わせて頂ければ

2019年7月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

2016年頃から世界各地で起きた数十万〜数百万人の難民を追いかけたドキュメンタリー。

【以下個人的な意見がかなり含まれます。不快に思う方もいるかも知れませんがご了承ください。】

船や歩きで裕福な国へ移動してくる難民がメインだが、これ全て「難民」と定義して良いのだろうか?

国籍も剥奪され、戦争や紛争などで故郷を無理やり追われたロヒンギャ族や、八方塞がりで隔離されたカザ地区の様な人々ならまだ「難民」と呼べる。
自国の為に、または自立の為に踏み留まっている。
人々がまだまだ諦めて無いからだ。

しかし、この映画に描かれているシリア、イラクからヨーロッパへ富や自由な暮らしを求めて国境を渡ってくる移動難民の方々には賛同出来ない。個人的戦いもせず自国の地を捨て、自分の身を守る為にやってくる方々だ。

裕福な国でも自国の地にて過去数世紀色々と苦しみ抜いた末に勝ち取った今がある。一部ヨーロッパの国々が難民を受け入れない理由も共感出来る。
「ヨーロッパは民主主義と自由の国だ」だと語る青年難民が居た。何故君らがヨーロッパにたどり着けばそれを直ぐに勝ち取れると思えるのだろうか?

1951年の移動難民話もあったが、その当時は生死を掛けた「命がけ」の国境越えであり、昨今の人達の国境越えは「命がけ」に見えない所もある。
タバコも吸うくらいの余裕である。

このドキュメンタリー映画は難民寄りだ。
同情を誘うシーンが多い。しかし、自分自信と戦っているシーンや、自分が故郷で何を頑張って来たのか語るシーンが少ない。
また、覚悟の無い難民が映し出されており、その方々のコメントは「未来への愚痴」にしか聞こえなかった。
「裕福な国が何とかしてくれるっしょ?」が目立つのである。子供の映像は多いが同情はしない。
(なので映画評価は私は低い。)

「日本の様な平和ボケ人種だから、鈍感なコメントしか書けないのでは?」と言われそうだが、そう思われても結構。

今回、個人的思想が入り申し訳ない。
本当に「自立」を目指す難民の方々には力を貸してやりたい。

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巫女雷男

5.02019年ベストムービー!

2019年3月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

ことばが見つからない…この現実に。

今年もっとも観るべき1本であり、

あえて言えば、

他の映画は観なくても良い(笑)…

…と言いたくなりました。

*背中を向け壁越しに、嗚咽し嘔吐しながら窮状を語る女性に、本当に胸が締め付けられる…。肩に手を置く監督が優しい。

*テアトル梅田で観たが、上映回数1回/日…って少な!もう今週で終わってしまいますね…(>_<)
*『この世界の片隅で』なんて1年近くロングランしてた記憶が…あっ、ちなみにこの映画、私、キライなんです(笑)
大人の事情かも知れませんが、こういう映画こそ、ロングランしてほしい…(>_<)

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stoneage

4.0日本のマスコミに乗らない世界が満載!

2019年2月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知ったからと言って問題が解決するわけではないけど、知らないと何も始まらないと言ったところか。
まずは、今起きている難民問題の解決が大事。元を断つにも発生事象に対するにも、トレランス(寛容)が第一。
とはいえ、人類の流動化はますますの激化間違いなかろう。より安全、より快適、より満足出来る所へ行きたいというのはまさに人間の性だろうから。
日本ももちろん例外でいられるはずがない。さあどうする、日本人!?

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こばりん

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