華氏119のレビュー・感想・評価
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この「熱」を何処に向ければいいのだろう?
久々のマイケル・ムーア。やっぱ熱くなる。
単なるトランプ批判に終わらず、病んだアメリカという国家を重層的に分析する。そしてトランプが大統領に選ばれたという現実、彼の人種差別主義などに同調する人が多数いるという現実を提示する。
ナチス・ドイツとの対比も強烈で、観たあと気分が悪くなった方、落ち込んだ方も多いのではないだろうか。
敵は手強い。本当に厳しい。まさに「崖っぷちの民事主義」にエールを送るが如きムーア渾身の力作だ。
果たして今回の中間選挙でどこへ向かうのだろうか?
そして私の中に蓄積された「熱」を何処に向けて放てばいいのだろうか?
こんな監督日本にも欲しい
トランプ大統領の悪いところをバッサバッサと切っていくのではありませんでした。
トランプで視聴率をかせいだテレビ局、民主党時代から戦争し続けていること、空洞化した内陸、、そして希望を持ち続けてきたムーア監督自身にたいして、考え直す視点でした。
日本人は知らないような監督の出身地の水の汚染問題や、トランプ大統領がなぜそもそも大統領になろうとしたのかなど、全く知らなかった具体的エピソードが見られます。
また、銃規制抗議をする高校生たちが大活躍しますが、ほんとに力強くて頭が下がりました。
ちなみに映画の中で立候補したところだったムスリムの女性候補がちょうどこのあいだの中間選挙で勝利したので、タイムリーでとてもびっくりしました。
マイケル・ムーア初鑑賞。 事実だとしたらオバマ大統領のパフォーマン...
思っていたよりも…
信じられるものが欲しい
政治家は、弱い立場の人の視点に立って、その意見を尊重し、後押し、夢を持てる社会を目指すのが仕事のはず。特に民主主義先進国とされるアメリカは自由と平等を変わらない理念の中ではぶれるはずもない。
しかし、マイケル・ムーアが映し出した現実はひどいものだった。右も左も、民主党も共和党も、議会も知事も大統領もみな嘘ばかり。選挙に勝つための行動が全てを優先している。
それでも民衆のデモが制度を変えた事例に触れると、少し羨ましくなった。特にみんなの団結こそが社会を変える唯一の方法に思えた。
それにしても銃規制の重要さを訴えた高校生の言葉には涙が溢れた。この映画、とても説得力が高く、日本に住む僕でも忘れてはいけない映画だと感じた。
今のアメリカと、昔の歴史を学べる。
昔、華氏911 見て、戦争の裏側に衝撃を受けました。
今回の話は、トランプ政権が生まれる前にさかのぼり、
どうして、あのような方が大統領になったのかのか、
いろいろな角度で、民主主義の崩壊と、独裁政治の
歴史を紐解いてくれます。良くも悪くも偏っていますが、
ニュースでやらないことを、色々知ることができます。
個人的に利益優先で進めたことで、起こったフリントの
水道問題は衝撃的でした。アメリカって、こういうのを
許さない正義の国と思ってたんですがね。やっぱ、お金
が絡むと、どんな人間も駄目なんすかね。政治家って、
責任から逃げる仕事なのかな👿
他人事じゃない
一つのテーマを順序だててゆっくりと進めるのではなく、いくつかの事柄をあまり整理せず流していく感じ。現在の混沌が表れているようで良かった。
夜中の街中でいきなり軍がっていうの本当なのか。イカれた国にしても、さすがにこれはすごい。そして事件自体とは別に、この事が世間に知られていないというのがさらに恐ろしい。米国国内で広く報じられていないのだから遠い他国の私達の耳に入ってくるのは難しい。報道の重要さを痛感する。
そして水問題。これはまさに今現在の日本にある危機。普通にある物がそうではなくなり、多くの国民が苦しい状態に陥る。日本もそういう国になっていく。
ものすごく大きな事だと思うが世間の大事にはなっていない。これも問題自体以上に怖い。
政府が好き勝手やっても多くが無関心の日本。報道が弱く、国民が年齢関係なく個人個人、口を開いて動き、大きなうねりになっていくという事がないこの国のほうが他国よりも未来は暗いのではないでしょうか。
今、最も見るべき一本
ドナルド・トランプが米大統領に就任した2016年。
一時的に衝撃を受けたものの、いつの間にか数々の暴言にも慣れてしまい、聞き流しがちになっていた。
しかし、その間にもアメリカは、民主主義崩壊へ歩を進めていた。その姿は明日の日本にも重なる。
映画の中では、汚染水を飲まされ続ける市民や銃の乱射の被害者たちが訴える。特に同世代である高校生らの気概には圧倒された。しがらみがない今だからこそできることもあるかもしれないと考えさせられた。
また、トランプ政権は何度もナチス政権と重ねられており、憲法に頼って安心していては当時の二の舞になってしまう。
今なら間に合う、とマイケルムーアは言う。
全て奪われてから後悔しても遅い。
民主主義崩壊を目の前にした今、最も見るべき一本!
伝えたいことは伝わる
もっと斬り込んで欲しかった
正直、少し期待はずれかな。
いまだにマイケルムーアの最高傑作は『ボーリングフォーコロンバイン』だと思う。銃規制への斬り込みは凄かった。チャールストンヘストンへの直談判は観ててハラハラ。
今作はそういう意味では消化不良。留守中に門外から放水したってドッチラケだし、その後日談さえ無い。トランプにしたってね、遠巻きに言い放ってるだけ。パワー無くなったなあ。まだ『華氏911』のブッシュ攻撃の方が説得力あったし見応えあった。トランプやトランプファミリーにもっと焦点当てて、ガンガンやって欲しかった。スキャンダルとかね。
まあ、オバマ終焉から現在にかけてのアメリカで起こってる事で、知らなかった事もいくつかあってそれは勉強になったし、オバマやヒラリーさえも駄目だとしてるのはなかなかだったが。
トランプをヒトラー呼ばわりは、少し行き過ぎかと思った。
正義の声を上げる者の眼は、強く清らかだった
怒れ憤れ!
「華氏119」
政治問題に笑いを含ませて分かりやすく見せるTVバラエティで出て来たマイケル・ムーアの新作は、アメリカの中間選挙の前に誰に投票するべきか語りかける。
大統領選挙で図らずもトランプに負けたリベラル。何故負けたのか、その後に何が起きたのか、これからどうするのかをマイケル・ムーアが教えてくれる。
民主主義国家に生きていると思っているけれど、それは簡単に覆される可能性があることが示される。
それは日本の政治とも遠くない話。
企業は利益を上げているのに税金を優遇され、足りない予算は消費税で補おうとしていて、国家の危機を煽り国防予算はうなぎ上り、ついでに上がりまくったオリンピック予算はいくらになるか分からず、祖父の代から引き継いだ盤石の地盤で友達に忖度しまくる首相に、生活保護受給者を叩いた政治家は自分の政治資金の会計に嘘を書いても説明しなくてもやり過ごされそうな気配。
第二次大戦中のフランスのレジスタンス戦士ステファン・エセルは遺言と称して「怒れ憤れ!」と書いたが死んでる場合じゃない。
映画的に言えば、テレビや投稿映像などを切り貼りしていく手法は他の作品と比べてまとまっていず見にくく、マイケル・ムーアの焦りと老いを感じた。
けれどマイケル・ムーアの映画は見て考えることが大切だ。
いま、何が私達にできるのか!
マイケル・ムーアの映画はいつも行動する事が大事だと繰り返す。
そして今回はもう一つ、投票しなかった普通の人々に責任があると言っている。
前回の大統領選の投票率は最低。
一億人が無投票だった…
そこから私達は考えなければいけない。
未来のより良い国を作るために、一番簡単に貢献できるのが投票ならば。
アメリカの中間選挙の結果が気になる。
観光バスに揺られて流れる景色…。
意識して見てないと見てる方を置いてけぼりにして勝手に突っ走るので、バスにいる時のように眠くなるw。
それでも眠い目をこすって垣間見えたのは、米国民の大多数は穏健な左派で得票数がいつも共和党を上回ってる、しかし民主党には政策がないし、何と上層部が裏切って共和党を利するように動く…、等々米国の政治事情の表と裏を見せてくれる作品。全体的には日本の事情と似ていた。トランプとその手下の安倍はファシストで、ヒトラーのやり方を真似てるってのがよくわかった。眠くなってる場合ではなかった。
彷徨うアメリカ
振り子は片方にだけ大きく振れるのではない。
アメリカの政治はずっと振り子のように振れ続けてきた。
しかし、国民皆保険を掲げたオバマへの期待値が高かった分、その反動は大きかった。
また、そのオバマでさえ、大きな振れの一部だった。アメリカは、911に続くアルカイダとの争いや、在りもしない化学兵器を理由にしたイラク戦争、そして、金融バブルの崩壊で自信を失い、疲れ切っていた。
そう、オバマは希望の星だった。しかし、オバマの時代にも格差は広がり、伝統の自動車産業にも破綻する企業が出てしまった。そして、ついには、トランプが登場する。
マイケル・ムーアは言う。「希望」はダメだと。何も起きない。受け身だと。希望は、作中の前半に何度も出てくる「譲歩や妥協」と同じ目線で語られているのだ。
そして、必要なのは「行動」なのだと。
中間選挙の前日、NHKクローズアップ現代が、共和党は、アメリカ有権者一億人のデータのうち、ピックアップトラック保有者に集中して、銃規制反対・トランプ支持のメッセージを送るのだというレポートを放送していた。ピックアップトラック保有者の多くは、狩りをする傾向が高く、銃を保有してるからというのがその大きな理由だ。
アメリカの高校生が、必死に大切さを訴える「人命」と、狩りが、ピックアップトラックを通じて、選挙活動では同列に語られる状況に寒気すら覚えた。
ただ、こうした断面のみから、政治全体を評価することに、僕には、やや抵抗がある。特定の視点から政治を評価することは容易いが、イデオロギーもその容易さを利用するからだ。
僕たちは、短絡的な怒りより、イデオロギー側の行動を分析する客観性を磨かなくてはならないと思う。
そういう意味で、この映画は意義深い。特定の問題に焦点を当てつつも、可能な限り多角的で客観的な視点を維持しようとしているからだ。
彷徨うアメリカの問題は、きっと僕たち日本の問題でもある。
政治は、僕たちを見ているか、未来を見ているか、一体何を見ているのか、じっくり観察しても良いかもしれない。
アメリカの今
一番見入った映像は個人のスマホ映像
未来への「警告」映画
トランプ大統領の誕生を予言したマイケル・ムーア監督による「警告」映画。
政治が「普通の人々」から離れ、一部の人間が牛耳るようになったときどうなるのか。散々歴史が繰り返してきたことを映画はなぞるように語り続ける。
トランプ大統領を糾弾する、というスタンスの映画では必ずしも、ない。まあトランプという人は滅茶苦茶だと思うしその立候補のきっかけはちょっと信じられない展開だったが。
マイケル・ムーアは何もかもを糾弾する。妥協する民主党を糾弾する。故郷フリントの水汚染問題とその政治を糾弾する。そして、アメリカという国の欺瞞と妥協を映し出す。それだけでなく、その欺瞞に対して立ち上がる人びとを映し出す。
「知らない」とは言わせない、「難しい」とは言わせない、とにかく動けとこの映画は語る。
突撃系のシーンは少なく、ある種淡々と声を、情報を集めて作った感じだが、最後はこちらにとにかく迫ってくる。
アメリカは振れ幅の大きい国だと感じたが、日本だってどうなのだろうか。まず色々なことを知らな過ぎるな、と感じた。観て満足してはいけない映画。
印象操作に偏り過ぎ。
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