華氏119のレビュー・感想・評価
全100件中、41~60件目を表示
怒れるジャーナリスト渾身のレポート
119という数字は、2016年11月9日に、アメリカ大統領選挙結果が出てドナルド トランプが勝利宣言をした日で、この数字に因んで、フイルムのタイトルがつけられている。つい先日、2018年11月6日に大統領予備選挙が行われたことも、記憶に新しい。
「華氏 911」と混同しやすいが、こちらは2004年の作品で、2001年9月11日の世界貿易センタービル崩壊後、イラクに大量破壊兵器があるとして開戦に踏み切ったジョージ W ブッシュ政権を批判した作品。ナインイレブンは2004年作品で、ノベンバーナインが今年最新作品だ。ナインイレブンの方は、アメリカで約1憶2千万ドル、全世界で2億2千万ドルの興行収入をあげ、ドキュメンタリーフイルムとしては過去最高の興行成績を記録した。未だにこの記録が破られていない。
マイケル ムアは怒れるジャーナリスト。熱い男だ。アポイントメントを取らずに突撃インタビューで取材して真相に迫る彼のスタイルは独特。偽政者の不正に怒り、一般市民の目で政府を告発し続けている。世界中の富が総人口の1割に満たない富裕層によって保持され、持てる者と持たざる者との格差が拡大する一方の物質社会。富の最たる武器製造産業が世界各地に戦争を創り出し、武器を売りつけては市民を殺し続けている。どの国の政府も、税制で優遇され肥えるばかりの大企業の言うままのパペットと化している。ありもしない社会福祉を夢見て、働きずめで搾取され続けてきた一般労働者は、税をむし取られ、貧しいものから順に戦争に駆り出されていく。それでも人々が怒り続けることを忘れてしまうのは、ちょっとだけ月に一度だけわずかな蓄えから贅沢な食事をして、数年に一度だけちょっと旅行などしたり、ブランド品を身に付けたりして、僅かな富裕層の夢を見ることができるからだ。真に豊かな富裕層と比べて余りに惨めな自分の生を、認めたくないばかりに格差社会の残酷性に自ら目をつぶってしまうからだ。怒ることは現実を見ることだ。マイケル ムアは怒り続ける。
彼はもともと民主党支持者だったし、ラルフ ネイダーの支持者だった。しかしこのドキュイメンタリーフイルムでは、共和党も民主党もきっちり批判している。2016年の大統領選挙で、識者やマスメデイアがトランプの当選などあり得ない、と笑い飛ばしていた時、彼は中西部のアメリカの製造業に関わっていた労働者の不満を綿密に取材していて、いち早くトランプが当選することを予想していた。
今回のフイルムは トランプが当選して勝利宣言を発するところから始まる。どうしてトランプが大統領選に出馬したかというと、歌手のグウェン ステファニーのギャラが自分がもっていた番組の出演料よりもずっと高いことを知らされて激高して決めたという。歌手のくせに、女のくせに、と怒り狂った末大統領、、、というエピソードは初めて知ったが、興味深い。
またトランプが口汚く中南米出身者をテロリスト、レイピストと根拠もなく決めつけ、アフリカンアメリカンを二ガーと最悪差別語で言い、女性を金の力で何でもさせることができるんだと自慢してみせ、身体に障害のあるジャーナリストのマネをして面白がる、、、およそ人間としての品格も最低限の教養も見られない、そういった素養を彼は猿に重ねて笑わせてくれる。猿の方が余程マトモだよね。
マイケル ムアの故郷ミシガン州、フリントの取材は秀逸だ。マイケル自身がこのアメリカ中西部のラストベルトといわれるど真ん中の出身で、彼の祖父も父親もGM(ジェネラルモーターズ)の工場労働者だった。ここではトランプ並みの富豪ビジネスマン出身の知事の独裁政治がまかり通っている。州の財政を倹約するために水道が民間化され、今まで水質の良い水道を使っていた市民が、高濃度に鉛で汚染された水道水で生活を余儀なくされた。鉛は飲めば、体から排泄されず脳に蓄積されて知能障害、多動児を生み、皮膚障害や流産、死産、未熟児出産の原因となる。汚染された湖から取水された水は、老朽化した水道パイプの内部で鉛が溶け出し、それを飲料水や料理や洗濯に使う市民から鉛中毒者が出る。怒った市民の抗議行動を見て、知事はGMの工場だけに今までと同じ良質な水道を提供する。しかしアフリカンアメリカンがマジョリテイーの市民には、汚染水のままだ。遂に、フリントの住民はワシントンに抗議行動に出る。
その返礼は、恐ろしいことに、何の予告もない、装甲車を先頭に繰り出した大規模な軍事演習だった。鉛中毒で人々が移住して空き地になった場所を、軍が爆撃訓練を称して砲撃する。突然の軍による攻撃に震えあがる市民たち。
そんな最中に、オバマが街にやってきた。もろ手を挙げて熱狂、歓迎する市民たち。フリントの公会堂でスピーチをしたオバマは、途中で咳をしてみせてコップに入った水を飲ませてくれ、と言う。興奮した市民、聴衆たちは大喝采をして、鉛で汚染された水道水のグラスに口をつけるオバマの一挙一動をかたずをのんで見守っている。知事は鉛は基準以下だと言っているが、化学者たちは鉛中毒の警告をしている。そんな危険で、毎日自分達が飲まされている鉛汚染水を、オバマが一緒に飲んでくれる。
市民集会でも、フリントの知事や議員たちとの懇談会でもオバマは、水道水を所望する。すばらしいパフォーマンスだ。しかし市民はしっかり見ている。オバマはグラスの口をつけてみせただけで決して飲まなかった。飲むつもりもないのに、わざわざ所望して公の場で飲むふりをする。ペテン師オバマは醜い。オバマはとても醜い。オバマは醜い。
オバマはかつて良心的弁護士で、民主党員だったが、共和党のブッシュよりもニクソンよりもたくさんの市民をアフガニスタンやイラクなどでドローン攻撃で殺害した。罪のない女子供を殺害した数が過去の大統領のなかで断トツに多い。オサマビン ラデインを法的手続きなしで殺させたのもオバマだった。犯罪者だったかどうかも未だにわかっていない被疑者を、違法に殺害するのは最も恥ずべき卑怯者のすることだ。
オバマを批判したマイケル ムアは、ヒラリー クリントンにもその矛先を向ける。大統領選挙で同じ民主党のサンダースの方が支持者が多かったにも拘らず、彼女は地区ごとに改作した偽りの報告を選挙委員会に出して、サンダースを引きずり下ろした。評の改ざんだけでなく、サンダースの集会の妨害や中傷など共和党でもやらないような汚い手でサンダースが自ら大統領選を下りるように画策した。そのため怒った民主党支持者たちは、本選挙で投票に行かなかった。民主党を割り、投票数を減らし共和党票を当選させたのはヒラリーだ。大型兵器産業や、ゴールデンサックスのような金融企業から多額の財政資金をもらっているのも、トランプだけでなく、ヒラリーもオバマも受け取っていたのだ。腐敗しているのは共和党だけではない。
ウェストヴァージニア州の教師たちの立ち上がりもレポートされている。ここでは学校の先生が低収入者むけのフードチケットに頼らざるを得ない。教師の生活を保障せよ、という大規模なデモでワシントンまで行進する。NO MONEY IS THE STRONGEST POWER。無一文が一番強い。何も奪われるのものない教師たちの捨身の行動。
トランプは、医療健康保険制度を葬り去り、銃規制の声に耳を貸さず、メキシコとの境に高い塀を築き、移民を拒否し、アフリカンアメリカンや先住民族や南アメリカからの移民差別を助長し、LGBT差別や女性差別を平気で行い、ジェルサレムにイスラエル大使館を置き、輸入関税を高くし、中国ソビエトを威嚇する軍事演習を繰り返している。彼の行動は、21世紀のファシズムとも言える。トランプのその姿は、ナチズムによるヒットラーの顔に重なる。アメリカの民主主義は崖っぷちに立っていて、ハンドルを握る男は常軌を逸したトランプだ。トランプは民主主義を壊し、ずっとホワイトハウスに住むことを、自分のゴールにしている、とマイケル ムアは言う。
一方で希望もある。草の根運動からうまれたサンダースの子供達だ。今回の大統領予備選で、ニューヨーク州から出馬して最年少で当選して下院議員となった29歳の、プエルトリコ出身のアレクサンドリア オカシオ コルテスだ。レストランで働きながら大学時代にもらっていた奨学金の返済をしている身だが、ボランテイアでサンダースの選挙運動を手伝った契機に政治に無関心ではいられなくなって出馬した。この人がものすごい美人だ。賢い女性は美しい。
またミシガン州から出馬して女性のイスラム教徒で下院議員に当選した、ラシダ タリーブ42歳。そして、マサチューセッツ州からアフリカンアメリカンの女性、アヤンナ プレスリー44歳。3人ともサンダースの子供達と言える。
フイルムは学校での銃乱射事件にあって、自分は生き延びたが友達を失ったエマ ゴンザレスのスピーチで終わる。銃規制に動かない政府に怒る高校生たち。自発的に集まり、共和党議員たちに全米ライフル協会からの寄付金を受け取らないと約束してください、と詰め寄るテイーンたちの姿が健気だ。
トランプを当選させたラストベルトの貧しい白人男性は、トランプが再び雇用を安定させて、アメリカドリームを復活させてくれることを願ってきたが、遅かれ早かれ彼らはトランプが貧しい階層の味方ではないことに気が付くだろう。彼はミリオンネイヤーを、ビリオンネイヤーにするだけの存在だったことに気付くことだろう。
ドキュメンタリーフイルムだが、ユーモアあり、ちゃかして笑わせるし、音響効果も良く狙っている。フリントでの軍による演習などすさまじい銃弾音で音だけで鳥肌がたつ。また、事実を並べるだけでなく誰にでもわかるように順を追っていて説明されていて、理解しやすい。インタビューも一方だけでなく双方の意見をちゃんと解りやすく編集している。
この映画が公開されたのは、大統領予備選の前だったから、当選者がまだわかっていなかった段階だったが、3人の当選した女性下院議員たちが、草の根運動のクラウドファンドで資金を集め、選挙に出る姿を捕えて、生の声を伝えている。彼女たちが必ず当選すると読んだマイケル モアの判断力は素晴らしい。
最後のエマ ゴンザレスの感動的な、一生に一度ともいえるスピーチも、涙なしに聴くことができない。小気味よいテンポでトランプ政権の2年間が総括されていて、すぐれた作品に仕上がっている。
マイケル ムア、この人には暗いところを独り歩きせず、サウジアラビア大使館などには行かないで、長生きして欲しい。
監督の憂いは深い
マイケルムーアの憂いを見続けた。
びっくりすることが起きるものだ。
映画は、おそらくスナイダー知事を訴求する意図で撮り始めたが、トランプ氏が大統領になるという監督にとっては驚天動地の出来事が起きたため、急遽主題を「トランプ大統領を生んでしまったアメリカ」に切り替えたのではないだろうか。
いずれのネタも監督らしい突撃取材に精神でよい出来。さすがに多くの情報の羅列になった感は否めないが、トランプ氏だけではなく、サンダース氏をルールから外れたやり方で葬った民主党への批判も厳しい。
現在米国を追って二極化が進む(進んでしまっている)日本でも、底辺側を支援母体としようという政治家が出ず、野党総倒れ状態を見るにつけ、隣国の出来事と言っている場合でもないように思われる。
監督の憂いは深く深く、見終わった自分は疲れていました。
でも、観るべき映画かな。
権力は必ず腐敗する
本作品はイラク戦争を仕掛けたブッシュ政権を激しく批判した「華氏911」とは少しニュアンスが異なっている。必ずしも現政権の批判ばかりではないのだ。リベラルと期待されたオバマでさえ、圧力団体に屈して少数者を弾圧している。何故か。
アメリカは個人の自由と尊厳を謳う憲法を持ちながら、一方では大量破壊兵器を所持しているというジレンマの中にいる。世界の歴史は戦争の歴史である。武器を放棄すれば、戦争には勝てない。しかし武器は個人の生命や自由を脅かす。
人類に悪意が存在しなければ、武器は必要ない。悪意に対抗するために武器が必要なのだという主張は、一見正しいように見える。しかし合衆国大統領が就任式で誓う聖書には、そんなふうには書かれていない。右の頬を打たれたら左の頬を差し出せ、上着を奪う者には下着も与えよとある。ハンムラビ法典のように暴力に暴力で応えることは、いつまでも負の連鎖を生み、人間は自由にも平和にもなることが出来ないのだ。
アメリカは日本よりもずっと複雑な利権の国である。エディ・マーフィが政治家になる映画「ホワイトハウス狂騒曲」の中で、議員になったエディ・マーフィが、この政策に賛成すればこの団体から献金がもらえる、反対すればこちらの団体から献金がもらえるというブリーフィングを受けるシーンがある。政治家になった途端に誰かの利益のために働くことになることは避けられない。肝腎なのは誰のために働くかというポリシーである。政治家は常に選択し続けなければならない。世界から核兵器をなくそうとした筈のオバマは、どこで選択を変えたのだろうか。
アメリカの憲法はいざ知らず、日本国憲法第15条第2項には「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」と書かれてある。こんなことは書かなくてもわかりそうなものだが、公務員が国家権力を執行する役割を担っている以上、贈賄その他の利益供与を受ければ、必ずしも国民のためにならなくても、特定の誰かのために権力を濫用しかねないことの戒めである。権力は必ず腐敗するのだ。
政治家は選挙で選ばれた特別公務員だ。誰のために働かなければならないかは、憲法を読んだことがある人なら誰でも知っている。尤も、日本をトリモロスと叫ぶ暗愚の宰相は一文字も読んだことがないだろうから、知らない可能性が高い。
あまり大げさに取り上げられてはいないが、日本でも水道の民営化や種子法の廃止など、国民の生活に直接関わって、場合によっては身体や生命を危険に晒す恐れさえある政策が既に実施されている。日本は長いものには巻かれろ、寄らば大樹の陰という精神性だから、「お上のやること」に唯々諾々と従ってしまうところがある。
選挙にも行かず声も上げないでいると、利権を貪ろうとする悪意の人々に国が蹂躙されることになるのは自明の理だが、かといってアメリカのように高校生の演説に熱狂する姿もまた、ハイル・ヒトラーと右手を挙げるナチスの姿を彷彿とさせて気持ちが悪い。同調圧力というのは、それがどちらの方向を向いても全体主義につながるのだ。
空気の作り方
マイケル・ムーアの作品は、いつも沢山の衝撃を与えてくれるのですが、個人的には今作が今迄の作品の中で一番衝撃的でした。
ミシガン州フリントの水道が、バリバリの新自由主義者であるスナイダー知事と友達のお金持ち連中に乗っ取られてしまった、これはある意味どの国でも起こっていることです。ただそれが新自由主義が吹き荒れた南米ではなくアメリカミシガン州だということ、水道代が高騰するだけではなく鉛が入っていてもずっと放置されていたこと、元の水道に戻すどころか「水は安全」という広告を出してしまうこと。恥ずかしながら、全てこの作品で初めて知ったことです。
私は以前、広告の講習会に参加したことがあって、その時の講義で広告業界の仕事は、「モノ」の宣伝もやるし世の中の「空気」を作り出すこともやると聞きました。世の中の「空気」を作る事を戦略PRというそうです。スナイダー知事の安全PRのシーンをみて私が思い出したのが、講義で聞いた「空気」の作り方と福島です。そういえば最近見た「ESSE」に、福島安全PRの広告が広告主東電で掲載されていたっけな。もしかすると「放射脳」とかいう言葉を作ったのもそのへんの業界だったりして。「政治の話するのタブー」とかいう、先進国ではありえない空気も戦略PR?
いやいや、東電は鼻から私の味方ではないのだけれど、私が最もきつかったのがオバマのパフォーマンスとフリントでのガチな軍事演習です。オバマが私達の味方だって思っていた事自体、広告で刷り込みされていたの??
さらに、民主党の大統領選予備選ではサンダースがいくつかの州で勝利したけど、民主党の「スーパー代議員制度(過激な候補を阻止する制度)」で阻止されたと。なんだか、都知事選の時の宇都宮さんと被らなくもない話ですが、民主党も金持ち優遇策を取らない候補は落とされるってことなんでしょうね。アメリカだけではなく我が国日本の政治もおかしいことだらけ、これっていうのも金持ち連中に仕組まれているのでしょうか⁉︎
広告や戦略PRが巷に溢れている世の中ですが、政治に対して「NO」と言う人達がこの作品には沢山登場します。そう、この作品は魔物も希望も登場するのです。私がとっても嬉しかったのは、行動する女性達や若者達がスクリーンに一杯映し出されていたことです。ここ数年のハリウッド作品で描かれている「勇ましい女性」「男性にとって都合が悪い女性」のリアルな姿が、華氏119には沢山出てきます。落ち込んでいる暇もないくらいの社会になってしまったんだから、行動することくらいしかやることはないというマイケル・ムーアのメッセージと、現実に闘っている人達から、前向きで強い気持ちを受け取りました。皆に観て欲しい作品です。
それでも日本より百倍マシなアメリカ!
ドキュメンタリーはちょっと難しそうと思ってましたが
マイケル・ムーアの作品は
思わず笑ってしまうとてもライトな入り口から
だんだんに問題の深刻さに迫ってゆく鮮やかな編集で
政治に疎い私でも充分理解できました。
トランプが大統領になってしまった!!
その瞬間、アメリカ全土が
「やってまった!!」状態で固まってる。
そこから、なぜこうなったのかを読み解く。
当時、日本のコメンテーターが全く語らなかった
(知らなかったのかもしれないけど)
実は底辺にはオバマの民主党への不信感などもあって
その上に、
テレビ等の泡沫候補いじりの悪ノリの結果であったこと。
そこから、それでも、
アメリカには新しい芽が育ちつつある!!
希望の光を最後に見せてくれている。
見応えがあります!
で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては
日本でテレビのワイドショーだけを観ていると
トランプの酷さだけを強調した番組が多すぎて
物事の本質をちゃんと報道している番組が
ほぼ無いように感じる。
日本もアメリカと全く同じ。
いや、日本はもっと深刻だと思う。
日本にはマイケル・ムーアも居なければ
正しい報道をマスコミ自体が完全に放棄している。
この映画のアメリカの記者のように
政府に踏み込んだ質問をしようとする記者を
日本は同業者の記者同士が排除しようとする。
そして、若い新しい芽を日本は完全に踏み潰してしまった。
できるなら、
今度はマイケル・ムーアに日本を取材して貰いたい。
そうすると日本は終わってしまうかもしれないね〜〜
あんまりニュースとかに興味無い人でも
例えば今の映画やゲーム世界で描かれているのものの
元ネタってこれなんだ!と言うふうに
理解が深まってよりいろんなコンテンツが
楽しめるんじゃないかな〜〜
一つはなれた隣の席に
まるで若い頃のマイケル・ムーアみたいな
白人男性が座って観てました。
時々もれる彼のため息が
事態の深刻さと滑稽さを示しているようでした。
@もう一度観るなら?
「タイムリーな問題なので今映画館で観なければ意味が無い!」
マイケルムーアの本気
アメリカであんな事があったなんて 知らなかった…水…日本でニュースになった? 余りの恐ろしさ 日本でもプルトニウムは飲んでも安全と言った東大教授がいたが…
日本との類似 また それは世界でも 民主主義の退廃は全体主義へと 独裁政治へと動いていく。
正直言うと Queenを見に行ったら満員だったので 空いていたこっちを観たのだけれど 多くの人に見てほしいと思った。
マイケルムーアの炎は消えていない というより 彼もこのbull s**tに目覚めたと
映画の中でも言っている「呆れたら 諦めたら終わり」…
そう 心の中の炎が消えたら終わる
民主とは民が主ということ 投票は権利でも義務でもある? でも 本当はその後をよく観る事 メディアがその役割を放棄してる時は特に
「信じる」のは宗教だけで十分
オバマでもトランプでも民主主義も全体主義も「美しい国日本」も救ってくれると思ったら それはカルト
誰かの掲げた星ではなく 視るべきは自分の中の炎
この「熱」を何処に向ければいいのだろう?
俺も職場のオカシオコルテスになる!
今度の米国の中間選挙では、アレクサンドラ・オカシオコルテスやイルハン・オマール等、今までなら考えられなかった顔ぶれの候補者が、民主党の下院議員として多数当選した。オカシオコルテスの前職はレストランのウェイトレスで、米国ではタブーとされる社会主義政策による格差是正を主張している。
イルハン・オマールもケニアの難民キャンプで生まれたソマリア系移民で、米国で必死に英語を習得し、イスラム教徒女性として初めて下院議員に当選した。日本のマスコミはトランプの一挙手一投足しか伝えないが、米国社会の底流ではこの様な変化が既に起こっている。
その背景を探る映画「華氏119」を先日観てきた。映画監督はご存知マイケル・ムーア。今までも数多くの映画で米国の暗部を暴露し、それに代わる未来を提示してきた。今回の映画も、かつて「華氏911」でイラク戦争の欺瞞を追及したのと同様に、米大統領選挙でのトランプ当選のカラクリを指摘したものだ。
移民国家の米国で、なぜ外国人排斥を唱えるトランプが大統領に当選できたのか?失業地帯のラストベルト(五大湖沿岸の斜陽産業ベルト地帯)で外国人に職を奪われる白人労働者の扇動に成功した、そもそも米国の選挙制度自体が大政党や多数派有利に出来ている等、理由は色々あるが、映画が焦点を当てたのは、前大統領オバマの裏切りだ。
ブッシュ共和党政権のイラク戦争や格差拡大への批判をバネに誕生したオバマ民主党政権も、年を経る毎に次第に右傾化し、国を牛耳る大資本や軍需産業に阿る政策を取る様になった。そして、それを批判するバーニー・サンダース等の党内左派を排除する為に、予備選挙の票を改竄する事までやってのけたのだ。
このオバマの裏切りに失望した1億もの有権者が次の大統領選挙で棄権に回った為に、票数では民主党クリントン陣営の方が300万票も上回っていたにも関わらず、大きな州の大統領選挙人をより多く獲得できた共和党トランプ陣営の勝利を許してしまったのだ。
その裏切りを象徴する事件がムーア監督の故郷ミシガン州フリントでも起こっていた。トランプが米大統領に当選する数年前に、ミシガン州では既にスナイダーというミニ・トランプみたいな人物が州知事に当選し、トランプさながらの独裁者として、富裕層を優遇し、批判勢力の組合弾圧に奔走していた。
ミシガン州知事スナイダーは水道民営化を推進し、故郷フリントの水道局を民間企業に売却。民間企業は儲け本位の経営に走り、設備のメンテナンスを怠った結果、水道水が有害な鉛で汚染されてしまった。その為、多くの市民が鉛公害で苦しめられる事になったが、知事は環境データを改竄し、この事実を隠蔽。
怒った市民は州知事を追及し、教師のストライキに合流。追い詰められた州知事は、何と政敵である前大統領オバマに救援を頼んだ。市民や組合にも影響力のあるオバマに宥め役を頼んだのだ。しかし、市民の歓呼に応え登場したオバマは、水道水の水を飲む事もなく、一方的に州の安全宣言に加担するのみだった。
まるで、昔の日本の足尾銅山鉱毒事件やイタイイタイ病事件を彷彿させる様な出来事だ。最近では福島の原発事故がこれに相当する。日本では、この様な事が起こっても、僅かばかりの補償金と引き換えに、事態の幕引きが行われて来た。当事者の刑事責任は問われず、逆に水道民営化が推し進められようとしている有様だ。
今の日本も米国と同じだ。安倍・福田・麻生のデタラメ政治、派遣村の惨状に怒った有権者が、せっかく自民党を下野させ民主党への政権交代を成し遂げながら、民主党の裏切りに幻滅し、再び自民党の安倍を政権に呼び戻してしまった。お陰で安倍はやりたい放題。モリカケに公文書改ざん、高プロ導入、消費税増税。
その挙句に、今度は水道まで民営化しようと企んでいる。電気代は別でも水道代だけは家賃に含まれている物件が多いのは何故なのか?電気やガス以上に水が人間の生存に欠かせないからじゃないか。それを企業の金儲けの道具にしてしまったら一体どうなる?
南アフリカでは1千万人が水道水を飲めなくなり汚染された川の水を飲んでコレラに感染。ボリビアでは水道料金の高騰に怒った民衆デモで政権が倒れる事態に。金儲けの為なら国民の命も水メジャーに売り渡そうとする安倍の、一体どこが保守の愛国者なのか?それでも日本ではいまだ安倍は安泰。
ところがフリントの市民や米国民は諦めなかった。如何に選挙制度が大政党や支配層に有利に歪められていようと、自分達に今何が出来るか追求する中で、市民や労働者の代表を政界に送り込む事に成功した。それが今度の選挙でのウェイトレスやソマリア難民、先住民出身の下院議員、同性愛者の州知事当選だ。
トランプみたいなトンデモが大統領に当選した直後は、米国も日本と同じだと思ったが、やはりそれでも民主主義の伝統は生きていた。マスコミはトランプ批判の矛先を緩めなかった。麻生に少し脅されただけでもう何も言えなくなる日本のマスコミとは大違いだ。
日本では未だこの様な動きは国政では見られない。しかし地方レベルでは確実に広がっている。それが相次ぐ反原発知事の誕生や、国の米軍基地押し付けを今も拒否し続ける沖縄県知事選の勝利だ。京都の大山崎町長選では立憲民主党まで抱き込まれる中でも市民派が勝利した。決して諦めてはならない。
今度の米国中間選挙で下院議員に当選したオカシオコルテスも、前職は一介のウェイトレスだった。それなのに、健康保険制度すら「アカ」と忌み嫌い、オバマケアすら拒否する国民相手に、「民主的社会主義」による格差是正を主張して堂々当選を勝ち取った。
銃乱射事件に遭遇し、トランプ政権や全米ライフル協会相手に銃規制を訴えるエマ・ゴンザレスも現役の高校生だ。俺も、国会議員は無理としても、今バイトとして働いている職場の「オカシオコルテス」ぐらいにはなれるかも知れない。どんな人間も、希望を捨ててしまったら、もうそこで終わりだ。
こんな監督日本にも欲しい
トランプ大統領の悪いところをバッサバッサと切っていくのではありませんでした。
トランプで視聴率をかせいだテレビ局、民主党時代から戦争し続けていること、空洞化した内陸、、そして希望を持ち続けてきたムーア監督自身にたいして、考え直す視点でした。
日本人は知らないような監督の出身地の水の汚染問題や、トランプ大統領がなぜそもそも大統領になろうとしたのかなど、全く知らなかった具体的エピソードが見られます。
また、銃規制抗議をする高校生たちが大活躍しますが、ほんとに力強くて頭が下がりました。
ちなみに映画の中で立候補したところだったムスリムの女性候補がちょうどこのあいだの中間選挙で勝利したので、タイムリーでとてもびっくりしました。
マイケル・ムーア初鑑賞。 事実だとしたらオバマ大統領のパフォーマン...
思っていたよりも…
信じられるものが欲しい
政治家は、弱い立場の人の視点に立って、その意見を尊重し、後押し、夢を持てる社会を目指すのが仕事のはず。特に民主主義先進国とされるアメリカは自由と平等を変わらない理念の中ではぶれるはずもない。
しかし、マイケル・ムーアが映し出した現実はひどいものだった。右も左も、民主党も共和党も、議会も知事も大統領もみな嘘ばかり。選挙に勝つための行動が全てを優先している。
それでも民衆のデモが制度を変えた事例に触れると、少し羨ましくなった。特にみんなの団結こそが社会を変える唯一の方法に思えた。
それにしても銃規制の重要さを訴えた高校生の言葉には涙が溢れた。この映画、とても説得力が高く、日本に住む僕でも忘れてはいけない映画だと感じた。
今のアメリカと、昔の歴史を学べる。
昔、華氏911 見て、戦争の裏側に衝撃を受けました。
今回の話は、トランプ政権が生まれる前にさかのぼり、
どうして、あのような方が大統領になったのかのか、
いろいろな角度で、民主主義の崩壊と、独裁政治の
歴史を紐解いてくれます。良くも悪くも偏っていますが、
ニュースでやらないことを、色々知ることができます。
個人的に利益優先で進めたことで、起こったフリントの
水道問題は衝撃的でした。アメリカって、こういうのを
許さない正義の国と思ってたんですがね。やっぱ、お金
が絡むと、どんな人間も駄目なんすかね。政治家って、
責任から逃げる仕事なのかな👿
他人事じゃない
一つのテーマを順序だててゆっくりと進めるのではなく、いくつかの事柄をあまり整理せず流していく感じ。現在の混沌が表れているようで良かった。
夜中の街中でいきなり軍がっていうの本当なのか。イカれた国にしても、さすがにこれはすごい。そして事件自体とは別に、この事が世間に知られていないというのがさらに恐ろしい。米国国内で広く報じられていないのだから遠い他国の私達の耳に入ってくるのは難しい。報道の重要さを痛感する。
そして水問題。これはまさに今現在の日本にある危機。普通にある物がそうではなくなり、多くの国民が苦しい状態に陥る。日本もそういう国になっていく。
ものすごく大きな事だと思うが世間の大事にはなっていない。これも問題自体以上に怖い。
政府が好き勝手やっても多くが無関心の日本。報道が弱く、国民が年齢関係なく個人個人、口を開いて動き、大きなうねりになっていくという事がないこの国のほうが他国よりも未来は暗いのではないでしょうか。
今、最も見るべき一本
ドナルド・トランプが米大統領に就任した2016年。
一時的に衝撃を受けたものの、いつの間にか数々の暴言にも慣れてしまい、聞き流しがちになっていた。
しかし、その間にもアメリカは、民主主義崩壊へ歩を進めていた。その姿は明日の日本にも重なる。
映画の中では、汚染水を飲まされ続ける市民や銃の乱射の被害者たちが訴える。特に同世代である高校生らの気概には圧倒された。しがらみがない今だからこそできることもあるかもしれないと考えさせられた。
また、トランプ政権は何度もナチス政権と重ねられており、憲法に頼って安心していては当時の二の舞になってしまう。
今なら間に合う、とマイケルムーアは言う。
全て奪われてから後悔しても遅い。
民主主義崩壊を目の前にした今、最も見るべき一本!
伝えたいことは伝わる
全100件中、41~60件目を表示