峠 最後のサムライのレビュー・感想・評価
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ごめんなさい
武士の覚悟
大政奉還により、260年余り続いた時代が終わり、世は戦乱へ。そんな中、中立の立場を取ろうとした長岡藩の河井継之助だったが、西軍への交渉が決裂し遂に・・・と言った物語。
継之助と周りの人々とのやり取りを中心に、始まってしまった闘いをちょくちょく挟みながら物語は進んで行く。
実はワタクシ、日本史はからっきしダメで、小学6年生にも普通に負ける自信があるくらい全然知らないのですw
そんなワタクシ、付け焼き刃的に予習をしつつも、楽しめるか一抹の不安を胸に鑑賞。
大まかには理解しつつも、やはり細かくはわからない部分が多く・・・
とくに前半は1つ1つのシーンが長く、やや冗長に感じてしまい・・・
しかしそれでも、役所広司さん、松たか子さんにこういう役やらせたら抜群ですね。
歴史の云々は理解しきっていなくとも、命を顧みない武士の覚悟、そしてその妻の強さがひしひしと伝わってくる。
内戦程哀しいものは無いと思いつつも、この歴史が今日の(とりあえず)平和な日本を作ってきたわけですからね。
そして何より、ワタクシも平和主義者(継之助はそれとはちょっと違うかもだけど)で、人と争うことが好きでなく、口論するくらいなら・・・と押し黙ってしまうこともしばしば。
しかし、本意ではないとはいえ、自分の求める未来を勝ち取ろうと闘うことを選んだ継之助を見て、武士ではなくとも、ワタクシもひとつ覚悟をしっかり持って生きていきたいと思えた作品だった。
戦争と平和について考えさせられるが、映画としては盛り上がりに欠ける
圧倒的な戦力を有し、戦えば必ず勝てると思っている相手に対して、いかに平和を訴えても、戦争を回避することは難しいということがよく分かる。いやがおうにも、現在のロシアとウクライナの状況がダブってくる。
平和が維持できない以上、あとは、戦うか降伏するかの二択となるが、この映画の場合、降伏して「理不尽」や「不本意」を受け入れるよりも、「名誉」や「誇り」のために戦うという道が選ばれる。しかし、映画でも描かれているように、戦争の犠牲となるのは、いつでも無力な民衆(市民たち)なのである。
果たして、戦うという選択は正しかったのか?簡単に答えを出すことはできないが、こうして、小説になったり、映画になったりして、後世に語り継がれているのは、大抵、戦うことを選び、戦場で散っていった人々である。
その点、主役の役所広司は、かつて、同じ長岡の出身で、同じように開戦に反対しながらも戦闘の指揮を執ることとなった山本五十六も演じている。役所が意識して演じたのかどうかは分からないが、河井継之助と山本五十六がダブって見えてしまったのは、私だけだろうか?
ドキュメンタリー映画に近いような・・・
原作と役者の無駄遣い感が凄い映画
原作を読んでます。
河井継之助のどこが凄いか、どう着眼点が非凡だったのか、それを握り潰した官軍が如何に愚かで後の世に悪影響があったのか(少なくとも如何に被害が甚大だったか)。原作の良さをバッサリカットしたせいで、とんでもない駄作に仕上がってます。
サムライの精神って凄いよね、日本文化は美しいよね、それらの日本の良さが失われつつある現代は嘆かわしいよね…という老齢層のニーズを凝縮しただけのような。演出も何もかも古臭い。そして全く面白くない。
確かに役者陣の芝居は凄く所作が美しいです(演出は自己満足臭が鼻につきましたが)。
画面も綺麗で日本文化の素晴らしさは分かります。
でも、肝心なドラマの根幹部分や見せ方があまりに凡庸でどうしようもない。
戦略の重要なポイントであった筈のガトリング砲も全然大したように見えない。ショボいお荷物にしか。現物はそうでも見せる角度で印象は違う筈。確かにあれで凄い被害が出たんだから。その癖、風景をたおやかに眺めるシーンには尺を取りまくる。静と動、平穏と闘争という対比が際立ってこその演出やメッセージではないのか。
娯楽作品としても歴史的な検証作品としても成り立っていない駄作。
素晴らしい演技の役所広司が気の毒だった。
現代の映画に求められるレベルに全く達してない。誰か監督に助言をする人間がいなかったのか。
こんなので良しとするから日本映画、それも時代劇が駄目になるんだと思う。
役者と原作が勿体無い作品
単なる英雄の人生ダイジェスト版みたい。 ドキュメンタリーじゃないんだから、もう一捻り欲しい。
河合継之助の生き様
どのようなリーダーだったのだろうか
予告やテレビで紹介されていたのを見て、かなり気になり鑑賞。
新潟の長岡藩という小さな藩が、新政府軍に対し、どのように戦ったのか、
そしてどのような采配をふるったのか、と期待したのだが・・・
正直、さっぱりわからなかった。
戦争にならないよう交渉したのはわかったが、尽力した感もなく。
いざ戦いになってどのように抵抗したのか、ってガトリング砲だけじゃ。。。
どのような、どれだけ優れたリーダーだったのか、
そして、最後のサムライと言われる所以もいまいちわからかった。
原作は上中下の3巻、かなりの大作。
おそらく、時間の都合上、いろいろカットされた結果なのか。
期待外れ、ちょっと残念だった。
唯一、夜な夜な沼を渡ったところだけ、ちょっとウケた。
??
役所広司の存在感はすごい
徳川慶喜の大政奉還によって、260年余りの江戸時代が終わり、越後長岡藩牧野家家臣・河井継之助は幕府側、官軍側のどちらにも属することなく、越後長岡藩の中立と独立を目指していた。しかし、官軍側への提案は却下され、戦わざるを得なくなり、負けて死んだ、という話。
河井継之助を知らない不勉強な状態で観賞したからか、全く入り込めなかった。
坂本龍馬に並ぶうんぬん、なんて予告でやってるが、特に日本をどうしようと動いた様子もなく、どこを坂本龍馬と比べてるのかもわからなかった。
役所広司の圧倒的な存在感はさすがだったが。
沼を渡って一旦は長岡城を奪い返したところがクライマックスだったかも。
田中民の竹藪で真剣を持つシーンは何だったのだろう?
イマイチだった。
芳根京子の着物姿は美しかった。
松たか子さんが 美し過ぎます。所作もですが。
「峠を越えて軍国化」と言う歴史の話
ロシアがウクライナへの一方的な武力侵攻を行っている、この時期にですよ。まぁ、何と言うタイミングで公開された事かと言うのが、まずはあります。
正直に言うと、幕末から明治維新にかけての歴史に関して、あまり詳しい知識がありません。と言うか、この時代、詳しい人多すぎですw
それでも北越戦争や小地谷談判くらいは知ってるし、岩村精一郎(後の高俊)の横柄無能な評判くらいは聞きかじり程度には知っている。要するに、戊辰戦争の中では、比較的広く知られているエピソードです。
話し合いで武力衝突を回避できる可能性はある。ただし、侵攻・討伐・懲罰を目的とする軍との話し合いなど意味をなさない、と言うのもある訳で。その、多くの事例の一つが、わが国では小地谷談判です。「多勢に無勢」の言葉通り。ガトリング一門あったところで、領土領民を守れるはずも無く。
明治維新には「たられば」多過ぎ。と言うか、「たらればを考える人多過ぎ」。なんで、ここでは、その手の話は止めときます。
いずれにしても、高齢者が大好きそうな幕末・明治維新もので司馬遼太郎です。一本の劇場用映画としては、昨年の土方歳三ネタと同程度のクオリティじゃないかと思います。お客さんの年齢層は、かなり高めだし、そういう映画でした。最後は石川さゆりさんだしねw
あ。そうだ。
この頃、欧州は日本で、誰かれなく武器を売りつけてるわけです。要するに、両軍を軍事支援しながら、ちゃっかり儲けて、あわよくば両者とも弱体化せよと。ロシアとウクライナを取り巻く状況、NATO側の軍事支援のあれこれを眺めるときに、そういう視点を持って見ると、見方が変わるかも知れません。
観る人それぞれです
歳三は剣に忠義を尽くした。継之助が尽くしたものとは?
原作は30年以上前に読んだきりなので、ほとんど覚えていません。
なので、映画だけの印象ですが、たぶん色んなものが『描き切れていない』。
開明的な発想から生まれた民を苦しめないための中立論、その論旨が理解できない官軍、徳川への恩義、主君への忠誠。相反するような戦略をどう両立させようとして、どう挫折したのか。その過程が描かれることなく、士道を貫く(ということは、すなわち、この時流の中では死ぬことを意味する)決断をしたのは、映画的には唐突感のほうが強くて、感情の動きについていくのが難しかった。
『燃えよ剣』の土方歳三が、極めてシンプルに剣に生きたのと比較すると、思想としての武士道とかサムライらしさというのは、どうしても分かりづらくなる。個人で貫くことができても、組織のリーダーとして集団としてのサムライを具現化するというのも無理があります。そもそも集団としてのサムライなんて概念が浮かばない。
この映画から分かったこと、それは河合継之助が不運だったのは、彼を容易ならざる人物であると見抜くことのできる官軍側のリーダーに出会えなかったこと。
同じ土佐でも、もし板垣退助あたりがいたらどうなっていたのか。何も変わらなかったかもしれないけれど、気になりますね。
まあ、見た目はサムライですが‼️❓
全く主人公に魅力がない
これほど主人公に魅力のない作品は珍しい。脚本に難があるのでは?この時代を描く上で思想が大きく作品に関わってくる。しかし、河井継之助には何がやりたかったのかわからない。スイスのような独立国?そうであるならそこをもっと描くべきである。脚本がブレブレな設定だから感情移入も出来ない。戦いの描き方も雑で幼稚。機関銃をあんなに押してたのに使ってるシーンが雑で、これも主人公の魅力を半減させている。
こんなに雑に時代劇を見せられるとますます時代劇を見なくなり、作れなくなる。
これは罪な作品ではないだろうか?
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