楽園(2019)のレビュー・感想・評価
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二度観ることは当分ないだろう
私の持論、「この映画は一度観ただけでは面白さは分からない」というのはただの言い訳。
ほぼ、最初見て面白いと思わなかった映画をすぐにもう一度見て面白いと思うことはない。何十年とか経てばわからないけど。
まあ、そんな映画。
最初に面白いと思えた人にはいい映画だろうし、そうじゃない人には、謎の映画。役者は頑張ってるんだろうけどね。
結局、楽園と思えば楽園になるかもしれないし、そうじゃないと気づいた時にはそうじゃなくなるんでしょ。そんなの知ってた。
合わなかった
ミステリーが解かれるに連れて、だんだんと繋がる伏線。
そしてラストで一気にこっちと繋がってたのか!
という映画ではなかったのでした。
二つ目の行方不明事件の時の地域の人が一気に行動し始めたところでリアリティが感じられず、退屈になってしまいました。
最後まで誰が犯人か分からず終わった後モヤモヤした 圧倒されるほどの...
最後まで誰が犯人か分からず終わった後モヤモヤした
圧倒されるほどの演技ではなかったが皆がそれぞれはまり役
内容より演技を見る作品ですね
犯人が誰でもいい。私は抱えて生きていく。
吉田修一は人間の内面をえぐりだして、晒すのが得意だ。ずぅと罪を背負って生きてきたような、精気のない紡を観ながらそう思う。
現実でも、世間にはじかれて犯行に至る事件は数多く、これまで映画では、陰湿な画面と煽る効果音でそんな事件事故を描いてきた。しかし紡の暮す町は、閉塞した人間関係をあざ笑うかのような、晴れやかな田園風景が広がっている。この明るく美しい風景こそが、まるで人間の心の裏表を映すかのような腐肉さ。
だけど、最近になって日本人の心が乱れてきたわけでもなく、余所者を受け入れない人心は昔から変わりがない。村八分、神隠し、江戸時代からそういうものはあった。それを吉田修一が現代的な言葉で書き換えたに過ぎない。善次郎なんて昭和の時代でいえば津山三十三人殺しを思い起こさせるし。
不審者?それはこの地域の連中みんなだろ、と思う。東京は恐いところだというが、田舎だって同じだろ?と思う。恐い世の中になったねえというが、それは昔から同じじゃね?と思う。そうやって、自分の住む世界をよく思いたいのだろうが、あんたが思ってる恐い世の中こそが、真実の世界なんだよって思う。
そしてこの手のメジャー作品を観るたびに思う。いつも同じような顔ぶれだな、と。
たしかに興行的な理由を勘ぐれば、主要キャストが大物ばかりになるのは否めない。演技力の計算の出来ない若手よりは実績をつんでる人気俳優のほうがいい。だけど、年齢的に見てもはたしてタケシが綾野剛でなければいけないのだろうか?彼がキャスティングされた時点で、すでに観客にある種の先入観が生まれる。個人的にそれは興ざめなのだ。むしろ虹郎にこそこの役をさせたらどうだったろう?と想像する。いい緊張感がうまれたんじゃないかなあ。同じことは、佐藤浩市にしても柄本明にしてもそう。そりゃ上手いけど、こちらの期待通り。言い換えれば予想を超えてくるのではないか?のハラハラ感はない。結局、片田舎の限界集落に対するステレオ的なメッセージとまるで同じだ。
楽園は生きてる場所には無い
日本の田舎、部落、過疎化地域における、昔から今なお存在する根深く決して無くならない体質問題(排他、村八分)を軸に、在日差別、障害者差別を組み込み、実に重々しいドラマだった。
宣伝でもメインとうたっている少女行方不明事件につき、確定では無いが恐らく犯人はアノ人物だろうが、この作品の重要視はそこでは無い。戦後日本人の持つ『他人事』『見て見ぬふり』『噂好き』『右に習え』『自分さえ解決、納得すれば良し』などの体質を嫌な感じであぶり出し、お前らの言う楽園、理想郷なんてある訳無いと言わんばかりの映画だった。
グリグリ来るこの映画、嫌いじゃ無い。絶望とした中、ヒロインが言う『それでも生きていく』。苦境の世の中で、楽園など無いが日々のちょっとした幸福に出会えれば.....その為に人は産まれ生きていくのだと、あらためて感じた。
個人的には『悪人』『怒り』の作品名を広告で出してんだから、オリジナル要素でも良いから、もう少し突っ込んでR15指定くらいで仕上げて欲しかった。
しかし、佐藤浩市はどんな役を演じても凄いなあ。
重厚で難解なストーリー、謎は自分で。
最後スッキリ終わらせず、考えさせる手法なのか。単なる幼女誘拐事件での警察ドラマではなかった。現代、回想シーンがめまぐるしく変わるので頭がスッキリした日じゃないと訳がわからなくなる。疑問点1。10年後に起きる新たな誘拐事件の犯人は単なる不審者で村人じゃないのか。それぞれの登場人物や高齢化した村の存続は楽園を求めていあて、闇を落とし幸せを奪っていく。最初の真犯人はおそらく佐藤浩市なのでは。一番闇が深く病んでる人間なのかもしれない。その伏線、子供が出来なかった。愛する妻の病死、マネキンに服を着せる異常性、温泉での性癖、村八分になって庭を掘り起こされた時に小さな人骨が。疑問点2,青い車で犬を捨てにきたのは佐藤浩市なのに、本人が白い車で何故か同情して拾い上げるシーンは一人芝居か?
事件に関係する重要な部分なのか?
白か青かで事件に関与したと思われる車と繋がるのか、回想シーンで幼女をつけていき最後に焼身自殺した綾野はおそらく犯人ではないような気がする。犯人扱いされゴミ屋敷に住む彼が犯人なら単純明快すぎるし、そのまんまだ。おそらく違うのだろう。佐藤浩市の闇の意味がなくなるのでは?追伸。柄本明のような人間が部落には一人くらいはいるのか?迫真に満ちた演技だ。定年後に田舎に住みたがる人はたいがい人間関係で逃げ帰るらしい。要注意ですわ。
犬は好きですか?
笑っていいのかわからなかったのですが、終盤、杉咲花ちゃんが「私、抱えて生きていく」という台詞と同時に「不審者を見かけたら110番に」という看板を抱えていたシーン。彼女が綾野剛と待ち合わせをした場所も「あいかちゃんの情報を」という看板のあるところだったのも印象的だ。気づかない人も多かったと思いますが、「待ち伏せ注意」という立て看板も印象に残ります。それを見て石川ひとみを思い出した人は全国でも10人いるかいないか・・・
罪、罰、人という3章立てになってはいますが、全体的に短編集を繋ぎ合わせたようなプロットとなっていて、ミステリーファンを納得させるほどの作品ではありませんでした。それよりもメッセージ色が非常に強く、誰かが罪を被れば解決するだの、村八分になって精神的に追い詰められてもその本人の気持ちは無視されていたり、在日やアフリカ人を犯人扱いしたりと、憤りを感じるものばかり。長野県でも閉鎖的な田舎の一角。それでも出戻りの片岡礼子は限界集落から逃げてきたとか言ってたし、もっともっと寒村が日本に存在していることを示唆していた。
少女失踪事件は一つのきっかけに過ぎず、そこから沸き起こる嫌悪に値する人間の醜さを暴露したり、田舎特有の集団心理も露呈する。こうなってくると差別やヘイトを超越した個人攻撃となり、人類が村を形成した太古からあったものだと想像せざるを得ない。また、「なんでお前だけが生きてるんだよ」という言っちゃいけない人間の奥底にある妬みの言葉。柄本父が言うと迫力もあり、痛烈な人間批判とも言えるのではないでしょうか。
序盤で新幹線の高架なんかも見え、つい北陸新幹線車両基地が水没したことを想起させられ、失踪事件では道志村キャンプ場での事件、焼身自殺では京アニの・・・と、今年のニュース映像総まとめみたいなものを感じました。犯罪、自然災害と、ある意味今年を代表する作品だったのかもしれません。役者の演技は全体的に高レベルだったので、また日本アカデミーでは話題となるでしょう。
もう一つ印象に残ったのは片岡礼子のヌードシーン。一緒に風呂に入った段階で、誘ってるようなものなのに、人口の少ない村でのことだけに、すぐに好色男と噂が立ってしまう佐藤浩市。可哀そうでした・・・。それにしても『北京原人 Who are you?』以来見た礼子さんのヌードだけに、熟女となった彼女の体の違いが確認できます(するなよ)。
大人のいじめはタチが悪い
楽園を求め集う人々、のどかな田園風景
しかしそこには抜け出せない小さなコミュニティ、狂気の集団
悪いのは犯人か?
犯人を育んだコミュニティか?
出る杭は打たれる
正義のために悪を作り出す
弱者をいじめ、自らを正当化する
先日観た「ジョーカー」にかぶる印象を受けました
原作を読んでいないため、ラストは少しモヤっとしましたが、面白い映画でした♪
面白かった。でも二度と見たくない。
ストーリーは面白かったし、作品の雰囲気も悪くなかったと思います。
でも何か嫌な作品で、もう二度と見たくありません。
内容は実際の出来事を参考にしていることは明白で、この荒んだ世の中へのメッセージでもあるように感じたけれど、細かな演出に全くリアリティーを感じなかったので、なんか・・・嫌でした。
楽園というタイトルに込められた思いはかなり強いと感じたし、未来への思いも感じました。共感するところも大いにありましたが、なんか・・・嫌でした。
有名どころ旬どころを寄せ集めた感は否めません。それによって作品が面白くなっていたとも思えます。でも・・・
綾野剛があの役を見事に演じていたと素直に認めますが、なんか違うというか違和感を覚えてしまって、そう、嫌だったんです。
演出とはいえ、嫌な人間が多かった印象です。分かりやすいくらいに酷い事をする演出が多かったから嫌だったのでしょうか、でも、その効果は結構絶大だったし・・・。
評価するのがなかなか難しい映画でした。でも、面白かったです。
難しい映画
サスペンスかと思いきや、人間の醜い部分を上手く表現したドロドロヒューマンドラマ。
自分が楽になるために「そうあって欲しい」と思うストーリーを集団で作り上げて1人を叩く。田舎みたいな閉塞的なコミュニティだからってわけじゃなくて、都会でもネットの世界でもよく見る光景。
「誰かがそう言ったから」「それをみんなが望んでいるから」と自分の行動や発言に責任を持たない人が多い社会へのメッセージなのかな。そして自分もそうはならないようにしたい。
この映画のメッセージ性とはずれているかもしれないが、杉咲花が最後に言った「私は背負って生きていく」という言葉が、そんな意味なのかなと思えた。
綾野剛と杉咲花の演技、最高でした。
サスペンス的に観てしまっていたが、そういう映画ではなかった。深くて...
サスペンス的に観てしまっていたが、そういう映画ではなかった。深くて、シンプルに分かりやすい作品ではなかったが、人の悪いところみたいなのが、浮き彫りになる作品だった。俳優陣良し、映像の美しさ良しだった。
凄い鬱映画
メンタルをゴッソリ削られました
ものすごく疲れました笑
CMがすごく面白そうで期待していたのですが
話の本筋がはっきりせず語りたい内容がいまいち見えないのが残念でした
あいか失踪〜たけしパートとぜんじろうパートが噛み合ってない気がするのです。あいか失踪〜たけしの話をじっくり描くだけでよかったのに…
この作品にメッセージを見出すとするならば
怪しいやつはやっぱり怪しい。田舎は閉鎖的で醜い。でしょうか。私の理解力不足もあると思いますが実際に田舎で暮らす私はちょっと酷いなと思いました
あっ!主題歌はよかったです
追記
ベルセルクという漫画のセリフを思い出しました
『逃げ出した先に
楽園なんてありゃしねえのさ
辿り着いた先そこにあるのは
やっぱり戦場だけだ』
自分の村から『ここじゃないどこか』へ連れ出してという少女に主人公が言った言葉です
辛いことから避けるように東京へ出たつむぎ
つむぎだけでなく皆が楽園を求めて出て行ったり帰ってきたりしたはずです
どこかで踏ん張ってひろの言うように楽園が築けたらいいなと思いました
がっかり😞
何を訴えたいのか、全く私には理解出来ない代物でした。
長野の景色は最高でしたが、筋が、バラバラで、監督のやりたい放題、観てる観客の事なんぞ、一切考えない姿勢が伝わって来ます。
悪人とかの切れを期待して観たが、全く期待はずれでした。
ちょっとよくわからなかった
些細なことから大きなことまで事件が多すぎるので、どの事件が誰にどう影響を与えたかがわかりにくい。そして、たぶん、わかりにくい作劇なのは製作者がそうねらったからなのではないか。
2つの事件が絡み合って、人間の絶望と希望?が描かれているらしいが、いや全くわからん。
心情がきちんと理解できるのは佐藤浩市演じる善次郎だけで、ほかの主演の杉咲花演じる紡や綾野剛演じるタケシなんかは何を考えているのか何をしたかったのかついぞわからないまま終わってしまった。ヒントが少なすぎる…。あるいはヒントだとわからなかったのかもしれない。
評価わかれる
題材も内容も各演技も申し分ない。
ただ、流行りものが好きな人や、小説よまない、特定の地域の人などには酷評をうけそうな映画であった。
ただ、この映画を観て何も思えなかった人は、他の映画もつまらなくみているだろう。
ひとすじの光
吉田修一作品ならではのやり切れない虚しさと言いますか。話が進むにつれて自分の心が沈んでいくような感覚。「楽園」を築き上げるためのデストピアに虐げられる三人が選ぶそれぞれの行為にはある種の解放を目的としており、そんな中で紡(杉咲花)が取った選択は、観客にとってのひとすじの光であり、唯一の救いとなるのではないだろうか。まして、楽園(解消)を望むことがどれだけ恐ろしいことなのかを映画を通して観客は知ってしまっているはずなのにそれでもなお真犯人を知りたいと。このモヤモヤした気持ちを解消したいと望む気持ち。でもそれって五郎(柄本明)と同じなんじゃないの?って。でもそこでまた紡があの看板を投げ捨てる当たりの潔の良さ! 犯人捜しとかそういうのもういいからそれよりも……!っていうね。
彼女にとっての幼なじみの存在。心をゆるせる存在。そんな存在が他二人にない選択を生んだのだと考えます。
重い人間ドラマ
楽園 (2019)
長野の田園風景から始まるのどかな話と思いきや児童行方不明事件をきっかけに様々な人間模様を十数年にわたって描いている暗く重い人間ドラマ。
誘拐事件の犯人捜しはメインではないのでミステリーの謎解きのような
爽快感は全くないです。
古いしきたりに縛られて村八分にされる者、誘拐事件の被害者の友人として大人になっても生きていることに抵抗感を感じてる者、一生消えない傷を引きずり生きていく者たちの閉塞感。そして事件のその後を描いています。
綾野剛が悲惨で見てられないほど。
ラストも余韻とは違うモヤモヤ感が残りました。
田舎に住みたいと思ってる人は見ないほうが良いです。
怖かった
難解でした。
望遠レンズのボケを多用したキャメラワークも難解さに輪をかけているような。
「あいつが犯人だと言ってくれ!」
「誰かが犯人になれば丸く収まる!」
柄本明さんの絶叫が耳にこびりついて今も離れません。
綾野剛さん、さすが。こんな役もこなしてしまうんだ、と改めて感心。
杉咲花さん、台詞の無い表情だけの演技に引き込まれました。
佐藤浩市さん含め、オールキャスト演技派揃いのバトル合戦。みんな上手すぎて、逆に監督の意図が伝わりづらくなった気もしました。
回り回って皆。悪人
途中退席しょうかと思った。軽率過ぎる行動の連続、そんなことしたら疑われるだろう?!
全員悪人なんだもの、確かに環境が人を作るかも知れないけど、もっと救いはあると信じたい。そんなに悪いことばかりじゃないよ、一筋の光?うーん、ラストでそれは感じなかったな~。悪人、怒り、と殺した人間だけが悪い訳ではない、と訴えたいのでしょうが、暗すぎて信州がかわいそう。
全184件中、121~140件目を表示