「美咲の死後、美咲を中心に語られる人々の想いの交錯模様が美しい。」ラストレター 林檎さんの映画レビュー(感想・評価)
美咲の死後、美咲を中心に語られる人々の想いの交錯模様が美しい。
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美しい、無駄がない。
小説も出たばかりの頃に読んだけど、やっぱり映像で見たい作品です。
シーン、セリフ、劇伴、芝居、どれも無駄がなくて美しい。
以下、好きなシーン。
届いた手紙を興味無さそうに受け取る義理母。姿が見えなくなるとすぐに封を切る。
バス停で姉・美咲(広瀬すず)のことを話す裕里(松たか子)と乙坂(福山雅治)のふたり、何気ないやり取りが、美咲への想いが、広がる、2人の、世界に。
高校時代の裕里(森七菜)と乙坂(神木隆之介)、川にて。
裕里が乙坂に、姉へのラブレターの書き方の指南をしているシーン。「これだけあなたがすきですよ、ってこと」を書けばいいんじゃないですか、と言う裕里だが、乙坂のことが好きなのがじんわりと伝わってくる。苦しく切ない。
高校の卒業式間近、卒業生の言葉の作文の添削を乙坂にお願いする美咲。階段で話すふたりが、初々しくていい。階段の窓からさす陽の光もとても綺麗。
裕里が働く図書館に別れを告げに来た乙坂のシーン。
「大変だと思うけど、頑張ってください。信じるものを追いかけてください。あなたは私のヒーローだから」
裕里の乙坂に対する、おそらく初恋から続くであろう気持ちがしっかりとあるんだろうなと感じられて、本当にいいセリフと芝居。
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