「森七菜さん」ラストレター やきすこぶさんの映画レビュー(感想・評価)
森七菜さん
私、おっさんですが、映画を観てよく泣くんですよね。
だから、涙腺が弱い自覚はあるんです。
そして、今回気付いたのが、笑いのツボも浅い。
この映画、思っていた以上に所々に笑ってしまう場面があって、必死に堪えたんですがクスクス笑っちゃいました。
他のお客さんは静かだったので、申し訳なかったです。
さて、この映画ですが、森七菜さんの映画と言っても過言ではないんじゃないでしょうか。
森さんの印象が、そのまんま映画全体の雰囲気になっている様な。
と、偉そうに言ってみたものの、名前は知っていたのですが、ちゃんと認識したのは今作が初めてなんですけど。
それでですね、森さんの印象を具体的に考えてみました。勿論、殆ど本作の印象ですが。
ピュア、落ち着いてる、そしてとにかくカワイイ。
この映画、全体的にピュアな雰囲気が漂っているんですよね。
そして、激しい場面も無く落ち着いている。
それで、カワイイ・・・。
ん、そういう視点で振り返ってみると、この映画の中の想いってカワイイものが多い気がしてきました。
まず、過去も現在も裕里の想いって可愛いらしいんですよね。
これ、松さんが演じなかったらここまでの可愛げは出なかったかも。
それから、鏡史郎の昔の未咲への想い、今も持ち続けている彼女への想いも、可愛らしいと思えませんか。
だけど、流石に未咲の死の真相だけは重いです。
なので、この映画、もっと暗くも出来たでしょう。
ですが、重くのし掛かってくる様な作品にはしていませんでした。
多分、その大きなポイントになったのが広瀬さんの演技だと思うんです。
母の宝物を前にして、鏡史郎に対して抱いていた想いを吐き出した場面、もっと重苦しくも出来たと思うんです。
でも、広瀬さんが絶妙な演技でバランスを取って、この映画が綺麗な映画で終われる様にしたんだと思うんですよ。
あそこ、泣けるシーンだけど、暗い気持ちにならないんです。
役者さん達の演技が噛み合った、綺麗な映画だと思います。