「彼女の幻から抜け出せない」ラストレター にょむさんの映画レビュー(感想・評価)
彼女の幻から抜け出せない
乙坂鏡史郎に感情移入もしなければ共感もしないけど、ストーリーの構図として本人以外との文通が展開の主導を握るというのが面白かった
まあ差出人住所が二箇所あって筆跡も違ったらバレバレでしょうけど…
いや少なくともどっちかが偽物と気付く筈だし、そもそも乙坂は高校時代にも妹による姉のなりすまし文通に騙されてたのに、久々の同窓会では「妹さんでしょ?」と見抜いていたなんてなんかちぐはぐ感(しかも後出しジャンケン
連絡先交換した時に"ママ"と表示されて既婚者である事を知ってしかも妹だと分かっていたのにLINE?のやりとりで美咲(姉の方)だという認識で愛の告白をするとかありえないし、(仮の)住所に突然訪ねてくるとか中々サイコパスな感じもして怖かった(家庭崩壊させる気か…(^^;;
それと高校時代に妹の裕里が自分に気があった事をちゃんと知っていたのに、高校時代の裕里との想い出がかなり希薄になってるような…
とは言え、この作品は楽しめた(*^ω^*)
亡き人の足取りを追う作品はあると思うけど(パトレイバーの帆場映一など)、乙坂が追うその先が、阿藤のアパートと美咲の娘(実家)の二箇所と言うコンパクトさ
このスムーズさが作品展開の淀みをなくし、最短距離で世界観に没頭する事ができた
美咲は阿藤と結婚しても乙坂と結婚しても幸せにはなれなかったと思うんだよね
大学の時は乙坂と交際していたようだけど、どうして阿藤と付き合うようになったのとか分からなかった
原作読んでないからだろうけど…家族と疎遠になってたっぽいから、もしそうだとしたらあまり良くない意味で察せるとこもあるんだけど、死ぬほど苦しんで、自身との文通のやりとりを元にして書かれた乙坂の小説も読んでいたのに、乙坂と寄りを戻さなかったのは、阿藤の言う通りにその存在に影響がなかったからか、もしくは娘の言う通り「何度も小説を読んでました」から察するに美しい想い出にしておきたかったのか…閉塞感しかない
同じキャストが演じてるのだから当然だけど、美咲と裕里、それぞれの娘が"母の娘時代の生写し"なのはこの映画の場合、効果的
でもこういう時にパフォーマンスキャプチャー使えないかなあ(予算!
それと、神木隆之介さん(26才)が、屍人荘の殺人の時とは違う表情、喋り方、立ち振る舞いで見事に高校生役を演じていたのは吃驚した…
しかし神木隆之介さんが歳をとって福山雅治になるのはちょい繋がらないが…
(*^ω^*)