劇場公開日 2019年11月8日

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永遠の門 ゴッホの見た未来のレビュー・感想・評価

全92件中、81~92件目を表示

2.5☆☆☆ 謎だ! 本当に謎だ! ジュリアン・シュナーベル程の、世界的...

2019年11月9日
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☆☆☆

謎だ!

本当に謎だ!

ジュリアン・シュナーベル程の、世界的にも評価の高い監督が。今、何故に学生映画の様なホラー映画の撮り方で映画を撮ったのか?全くもって謎だ!

映画は全編の多くがホラー映画によくある画面作りになっている。
画面は固定せずに手持ちで、登場人物達の周りを行ったり来たり。画面は絶えず揺れに揺れカメラ酔いしそうな程だ。

1番分かりやすいのは、ゴッホがあらゆる人物達と会話する場面だろう。
映画冒頭でのゴーギャンとの会話では。カメラは2人の会話を1台の手持ちカメラで、「撮り逃がしてなるものか」…とばかりに。長回しで2人の間を行ったり来たりと、とにかく忙しない。
元兵士との会話では。全てでは無いが、兵士が一方的に喋り。ゴッホの言葉は、画面のオフから聞こえて来る。
あれは牧師なのか?精神病院での会話は、牧師の横顔越しのアップが多い。
映画の後半での弟のテオとの会話では。2人をオーバーラップさせながらの会話で、いずれもホラー映画等でよくある演出だ。

ファーストシーンでもあり、映画終盤に再び描かれる。少女にモデルを頼む場面等は、ホラー描写にしか見えないし。ゴーギャンがアルルを去ると告げると、ゴッホが狂った様に走り出す場面等は、最早ホラー映画でしかなかったし、何よりもカメラ酔いしてしまいそうだった。
ゴッホの映画を観に来たのに。「あれ?俺、『ウトヤ島 7月22日』を観に来たのか?」と、思った程だった。いや本当にマジで!

だが不思議なモノで。ゴッホが自らの耳を切り落とした後での会話では。カメラは固定された状態になる。
(厳密には、レンズを絞っている為なのか?ゴッホの姿に対して、カメラは少しだけ寄ったり離れたりするのだけど。)
観客側の見た目では固定されている様に見えるので。この場面だけが、映画全編の中で際立って落ち着いた雰囲気が漂う。

ゴッホの芸術活動を通した苦悩を描いているだけに、ゴッホ好きならば、お馴染みなモデルとなった人物や。いかにも、「ああ、この雰囲気。この構図はゴッホだなあ〜」…と言った場面が時々映し取られるので、目が離せないのだけれど。映画終盤で、ある有名なゴッホの絵画のモデルとの会話では。ゴッホの肩越しで会話する場面があり…と。
この映画では。人と人とが会話する時に、あらゆる撮り方での会話場面が撮られている。
観ていて、言い方は悪いけれど。まるで学生映画の様に。或る意味でスキルの無い人が、習作の気持ちで映画を撮っている様にしか見えなかった。

もしも数年後に。ジュリアン・シュナーベルが、歴史に残る様なホラー映画の傑作を撮ったのならば。この映画の価値も、死後に価値が高騰する画家の絵と同様に、評価は上がるのだろうけれども。
現時点では、何故?の思いが強すぎてしまい。謎だけが残る作品と言わざるを得ないなあ〜…と。

ところで、初めてゴッホの「ヒマワリ」を見た時に。その異様な迫力に圧倒された記憶があり。何故、生前にゴッホの絵は全く売れなかったのか?が全く理解出来なかった。
作品中に、ゴッホはベラスケスやドラクロワ等の巨匠の作品を仰ぎ見る場面があり。それらの緻密で、人を惹きつける様に計算された構図の作品と比べてしまうと。ゴーギャンがゴッホに言った「君の作品は、粘土を使った彫刻だ!」の言葉は。確かにゴッホの絵は絵の具を盛り上げ、更に何度も重ね合わせていて。当時としては斬新過ぎる作品ゆえに売れなかったのかな〜と、その理由の一端を知る事が出来た。

2019年11月8日 TOHOシネマズ上野/スクリーン8

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松井の天井直撃ホームラン

4.0【画家でもあるジュリアン・シュナーベル監督が新たなゴッホ像を美しいアルルの風景とともに、アーティスティックな映像で描き出す】

2019年11月8日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

 南フランス、アルルの明るい陽光と緑に溢れた風景が美しい。麦の穂の中、風を両手を拡げ、全身で受け止める印象的なシーンの姿や、ゴツゴツした岩山をキャンバスを担いで登る姿のゴッホ(ウィレム・デフォー)は従来のイメージと違って生き生きとしている。

 パリでは花開かなかったゴッホはアルルに移住し、美しい風景を次々にキャンバスに写し取っていく。
 ”花は直ぐに枯れてしまうが、私が画に書けば永遠に残る・・。”
 一方、意気投合した筈のゴーギャン(オスカー・アイザック)はゴッホの早書きを窘め、風景ではなく人物画制作に没頭する。
 この辺りで、二人に不協和音が出てくるが、この映画ではそれを映像、セリフのディテールの積み重ねで描く。

 ゴッホが徐々に狂気に病んでいく様は彼の視点と思われる映像が、画面下がぼやけている事や焦点の合わない映像などで表現される。

 ゴッホが精神を病んで収容されていた診療所の聖職者をマッツ・ミケルセンが演じる。彼とゴッホの遣り取りは青年期に牧師を目指したというゴッホの精神的な支柱が見て取れるし、彼が決して心を全て狂気に乗っ取られたわけではない事を示している。

 又、マチュー・アマルリックがガシェ医師と思われる人物としてゴッホの絵のモデルになっている姿で登場するのも、ジュリアン・シュナーベル監督ならではで、嬉しい。

 <美しい風景の中で楽しそうに絵筆を走らせるゴッホ=ウィレム・デフォーの姿が印象的な作品である。>

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NOBU

3.5ゴッホの黄色

2019年11月8日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

ウィレム・デフォーがフィンセントになりきってました。実際はもっと若いはずだけど、ゴッホがそこにいるとしか思えない。
ただ顔のアップも多く、手持ちカメラで、クラクラしました。あまり前の席で見ないほうがいいかもしれません。

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マリエル

4.5ゴッホの知識有無関わらず文句なしの映画

2019年11月8日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

絵画通ではないがゴッホは知っているし、絵も写真や本で観る程度の私でもこの映画は注目していたが、期待通りの内容。ゴッホの生涯を知る事が出来、内容もゴッホの絵へのこだわり、世間に認められないもどかしさ、ゴーギャンとの考え方の違い、小学生や先生に批判されたショックで精神科ヘ入院など物凄く中味が濃い。ゴッホ役のウイリアムデフォーの演技が完璧で、出演者の演技も文句なし。また、この映画で一番素晴らしいのは情景が適度のピアノとバイオリンで浮かぶ事と程度のセリフ。これが素晴らしかった。今年の日本の洋画上映のNO.1だと思います。おすすめです。ただ、音楽が心地よく眠ってしまう点はご注意下さい。しかし、この映画はそれでも大丈夫です。

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ナベウーロンティー

3.0すごくゴッホっぽく思えるけれど・・・

2019年11月8日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

伝記としては一風変わっていて、まさにアーティスティックという言葉がハマるような気がした。それでいて、これまで見知ったゴッホ像をそのまんま見事に表現していたように感じたし、自分の中ではすごくいい映画のような気がするのだけれど、どうも・・・
デフォーの容姿から雰囲気まで、まさしくそれ!と思わせるぐらいだったし、風景とかカメラワークを見ても、リアルなものを追求していたように思えた。しかし、フランス語の台詞があふれかえる中、それが突然英語になってしまう違和感は、自分にとっては結構致命的だった気がする。別に、忠実にその地の言葉である必要はなかったと思うし、全編英語でも問題ないように思うのだけれど。もしかしたら、日本語吹き替えがあったらその方が絵や音に集中して見ることが出来て、もっといい作品に感じるかもしれない、などと他愛もないことを思ってしまった。

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SH

5.0美しい世界がある

2019年11月8日
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ゴッホを本当に愛する人に観てほしい。

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フェネック

3.5ウィレム・デフォーがゴッホにしか見えない

2019年11月5日
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鑑賞方法:試写会

主演のウィレム・デフォーが、ゴッホの自画像そのもので驚きます。
映像がとても綺麗で、アルルへ移り住んでからの自然が素晴らしい。

「仕事に出かける画家」の絵が再現されていて、ゴッホが自然を描き続けた理由がなんとなくわかったような気さえしてきます。

なんとなく知っていた彼の生涯が、美しい映像と素晴らしいキャスティングで映画になっているのはゴッホ好きとしてはとてもうれしい

【感想ブログ】https://toomilog.com/gaga_gogh

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gakuember

4.0演技、映像、脚本、どれも素晴らしい

2019年11月1日
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ゴッホの自画像まんまのウィレムデフォーに驚き!
芸術家らしい何かに取り憑かれたようなオーラとその演技に鳥肌が立ちました。真摯に芸術に向き合う姿が良く描かれていて感動的。
他、ゴッホが見たであろう美しい風景とピアノ曲が印象的な、野外スケッチのシーンがとても良かったです。

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とも朕

4.0ゴッホの生まれかわりかと思うくらいそっくり!

2019年10月31日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

難しい

寝られる

ゴッホって、日本人からすごく愛されているけど、意外と彼の生い立ちって知らないかも…!

これまで、なぜ彼の人生があまり知られてこなかったのか…
その理由がなんとなく分かってしまった映画でした。

多分みた感じ、結構精神病んでるように見えてるから、人としてあまり受け入れられなかったんじゃないかしら?
周りの人から疎まれている姿が切ないけれど、彼の人生には絵があったからここまでやってこれてきたんでしょうね。

そして、彼にとって絵を描くことは、安らぎであり、心の拠り所だったのではないでしょうか。
だから、どんな絵を描こうと、絵を描いている間だけは誰にも邪魔されたくないし、口出しして欲しくもないという感じ。

人から貶されようが、石を投げつけられようが、絵に才能がないと言われようが、絵を描くことは、彼にとって必然なこと。
今自分が絵を描いていることは、神から託された運命なんだ的なことを平気出口にできるから凄い!
やっぱり天才って、周りにとやかく言われて気にするような、そんな柔な性格では務まらないのだろう。

天才って、まさにゴッホのような、絵を描くためだけに生まれたような人を言うのではないでしょうか?

それにしても、この映画の雰囲気はかなり独特…。
セリフが少ない。
常にゴッホ目線でカメラワークが、進む。
唐突な場面展開。
などなど、理解に時間を要する。

特にセリフの少なさは際立っていて、多分こうなんじゃないかな?と、常に予想を立てながら観ている感じでした。
また、カメラワークも、ゴッホの視力の悪さを表現しているのか、レンズの曇りやら歪みがあって若干見にくかった…。

これはまさに考えるな、感じるんだと言っているような雰囲気…。゚(゚´ω`゚)゚。

そして、ストーリー展開があっさりし過ぎな感じ。
ドラマチックさを求めるとまではいかないけど、起承転結がもう少しあるともっと盛り上がったかもしれません。

しかも自分で考えないと、答えが見出せないという難解な解釈を求められていく…。
観る前は、もっとセリフが多くてわかりやすいのかと思っていたけど、これは意外とマニアックで大人向けな映画。

そんな難解な作品ですが、映画の中の風景や出演されていた方々が、とても素晴らしかったことは事実!
ゴッホの描く絵の色彩の鮮やかさや、絵のモデルになった人の魅力的な姿は、観ている人の心を魅了してくれます。
まるで、絵から風景が飛び出してきたかのような、幻想的な景色に合わせて、ゆったりとした芸術的な音楽との融合。
この奇跡のようなコラボは、私の心をがっしりと掴んでくれました( ^ω^ )

そして、ゴッホを演じたウィレムデフォー氏の姿が完璧すぎて感動しました。
その痩せ細った姿、寂しげな瞳、絵を愛する姿などなど、ゴッホが生まれ変わって現れたかと錯覚するくらいそっくり!
彼の天才的な演技力が、この映画の世界を存分に引き出していました。

この映画はストーリーを楽しむのではない、そこに映し出される、人、物、風景などを感じとる映画なのでしょう。

素敵な作品をありがとうございました(^ ^)

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ガーコ

4.0デフォーさんゴッホが愛おしい

2019年9月26日
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鑑賞方法:映画館

デフォーさん登壇のジャパンプレミアで鑑賞。映像美が素晴らしくゴッホの絵に対する想いがとても伝わってくる作品でした。一般的に知られているストーリーですが、デフォーさんの名演技が素晴らしく、もうゴッホ役は彼しかいないです。切ない姿に何度支えてあげたいと思った事か☺️。しばらくゴッホの余韻が残ります〜。後のゴーギャンとのエピソードも素敵ですね。そして弟の存在は大きい。少しの出演でしたがマッツの神父姿もまた素敵でした。監督が2階で鑑賞されていて、ラストは拍手喝采でした👏。

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サラ

5.0人間を見る目は視野が狭く撮影されている

2019年7月27日
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鑑賞方法:DVD/BD

難しい

画家ゴッホが他界する一年前の生活を描いている。ゴーギャンとの決別は思想の違いであり、テオの献身は相変わらず周知のとおりである。この映画はゴッホの目線で撮影しているので、私自身目が回ってしまうようだった。自然を見る目はもっと視野が広く、人間を見る目は視野が狭く撮影されているので、ゴッホの見方でこの映画を見ると、かれの、人間との緊迫感や自然との一体感がわかる。
その当時は、日本の芸術は愛親しまれていて、ゴッホ自体も日本に行ってみたいという様子がよくうかがえる。

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Socialjustice

5.0至近距離に迫ったカメラが捉えるゴッホの苦悩

2019年2月21日
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鑑賞方法:映画館

 酒場で出会ったゴーギャンの勧めでアルルに移り住んだゴッホは弟テオの仕送りで細々と暮らしながら精力的に絵画にのめり込むが閉鎖的な町の中で孤立してしまう。アルルを訪れたゴーギャンとともに互いに刺激し合いながらますます創作に打ち込むゴッホだったがそんな関係も長くは続かず・・・。

 台詞がほぼ英語というところに違和感はあるものの、さすがウィレム・デフォー、迫真の演技で不遇に喘ぎ苦悩するゴッホの姿を見事に体現しています。『ファースト・マン』や『アリー スター誕生』と同じく登場人物の至近距離に迫ったカメラが捉えた表情が台詞以上に饒舌。恐らくはCGで作り込んでいるのだと思いますが、さりげなく映り込む背景がゴッホの作品群とリンクしていて何度もはっとさせられます。当然色彩も非常に豊かで、ゴッホのアトリエ"黄色い家"の壁の鮮やかさなど思わず息を呑むほど美しいです。また何気にルーブルに展示されているドラクロワやゴヤの作品も接写されているので西洋絵画が好きな方にはそれも眼福だと思います。

 映像だけでなく音響もかなり凝っていてゴッホとゴーギャンが語り合いながら散策するシーンではずっとハエや蚊がブンブン飛び交う音が聞こえてくるし、物語に寄り添う劇伴のピアノの音色も印象的。脇を固めるオスカー・アイザック、マッツ・ミケルセン、マチュー・アマルリックの名演もあって地味な物語ながら圧倒的な貫禄のある作品に仕上がっています。

エンドクレジットが始まって少し後にオマケがついているのでスクリーンでご鑑賞の際は早々に席を立たないように注意しましょう。

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よね