劇場公開日 2020年3月20日

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ナイチンゲールのレビュー・感想・評価

全52件中、1~20件目を表示

3.5暴力の歴史

2020年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

オーストラリアがイギリスの植民地であった時代の物語だ。原住民のアボリジニに対する差別や、女性差別が描かれる。主人公はアイルランド人の女性であるが、ここで歴史を押さえておく必要がある。この地域を支配していたのはイングランド人だ。アイルランド人は同じ白人であってもイングランドから差別される対象だった。主人公が囚人であることもポイントだ。オーストラリアに入植した白人の大半は、最初のころは囚人たちだった。オーストラリアは流刑地だった。主人公は女性という点で弱者であり、島流しにあった囚人としても弱者である「二重の弱者」だ。
これはそんな彼女が夫と子供を殺された復讐を果たす物語だ。道案内にアボリジニの青年を連れていく。弱者同士の連帯も描かれるが、安易な形ではない。アボリジニにとっては彼女もまた侵略者でもある。2人の奇妙な緊張関係が物語を引っ張る原動力となっている。
全編強烈な暴力が描かれる。しかし、これが人類史なのだ。どうしようもなく人類の行ってきたことだと強烈に印象づける。

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杉本穂高

4.0むごい話だが歴史の一端だ

2023年6月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

うっすらとオーストラリアでもアボリジニが迫害を受けた歴史があったとオリンピックの時に聞いたような気がした。
こういう実情だったのかと初めて知った。
アボリジニに限らず、権力に酔う輩にとって同じ白人であっても人間とは見ていない。
そんなものどもが、精霊のいる森を、善良な人々を、穢して踏みにじっていくさまは目を覆いたいものがある。
もはやあんな殺し方では手ぬるいんじゃないかと言いたいくらいだ。

夜に悲しい歌を歌うナイチンゲールは夜明けを迎え、崇高な魂を持った戦士も自分の太陽を得た。
立場は違えども同じ地球上で同じ朝日を穏やかに迎えることが、人間同士できるはずなのだとこの映画は訴えている。

映画祭では気分を害して席を立ったものも多かったと言われる問題作扱いだが、問題作などではない。
正面から、見る者へ人間としてどう生きていくべきなのかと問うてくる意欲作だ。
迫害する者、される者、中間にいてどちらも認める者、様々な道を選んでる者をこの作品の中だけで描いている。

ビリーの目を見るだけで泣けてくる。あんなにも悲しみと慈愛をたたえた瞳があるだろうか。

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こまめぞう

3.53.8 アボリジニの癒やし

2022年11月6日
PCから投稿

前半は胸糞展開が進み、後半もあまりスカッとしないレベルの復讐劇が進む。誰も彼もが報われない。植民地時代の映画。史実通りかという側面よりも、映画の演出、歴史の断片的な側面で見ると良い気もする。

全体を通してアボリジニの癒やし、そして自然の癒やしを感じた。精霊や守り神や儀式といった、昨今巷ではやっている新興宗教とは違うレベルの伝統的な信仰感にはとても癒やしと生活や文化との密着感を感じとても癒やされた。

ビリーやチャーリーおじさんがめちゃくちゃ愛らしかった。また英国側がとても悪く表現されているので、これ演じる役者も大変だなと思った。

アイルランドとアボリジニ、英国。白人と黒人。流刑人と兵隊、一般庶民、民族。あらゆる対立が複雑に絡み合っており、これは受賞しやすそうな映画だなと感じた。

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asa89

4.0流刑地タスマニアに響く慟哭の歌声

2022年8月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

美しくも残酷な復讐のバイオレンス・スリラーです。
19世紀初頭。
オーストラリアのタスマニアはイギリス兵に占領されていた。
イギリス政府は先住民族アポリジニの根絶作戦が繰り広げられていた。
早い話が、アポリジニの大虐殺作戦です。
オーストリア出身の女性監督ジェニファー・ケントは、オーストラリアの
黒歴史を、ひとりのアイルランド人女囚クレアと、アポリジの青年ビリーを
主役に、ふたりのプラトニックな愛にも似た絆を、壮大に残酷に描きます。

クレアはアイルランド出身で、些細な窃盗罪でタスマニアに流刑になりました。
囚人の身ながら夫と赤児に恵まれて幸せな日々でした。
しかしイギリス人将校のホーキング(サム・クラフリン・・・よくぞ引き受けた鬼畜将校役)の性のはけぐちとして日夜・性暴力に耐えていた。
それを知った夫がホーキンスに食って掛かると、夫と赤児はいとも簡単に殺されてしまうのだった。
復讐を誓いホーキンスの山越えを追うクレアに降りかかる苦難。
飢え寒さ、そして自然の脅威と更なる身の危険。
そして行く先々で虐殺されるアポリジニの人々。
アポリジニには生まれ育ったタスマニアが、安住とは程遠い民族浄化の大虐殺の地であり、イギリス人に怯える少数の先住民族なのだ。

血が流れます。
女はいとも簡単に犯され殺されます。
勇敢に銃を持ち復讐を誓うクレア。
生き残ったクレアは勇ましさとは裏腹に無力で身も心もズタズタ。
夫と赤児の夢を見て、死者の幻影にうなされるのです。

題名のナイチンゲールは歌の上手いクレアのあだ名です。
透き通った声が哀しみをたたえて美しくも物哀しい。
アポリジニの青年ビリーの歌声や呪文は温かい響き・・・
クレアを癒してくれます。

なぜに、不毛な殺し合いが未だに全世界で終わることがなく、人間は
かくも愚かで弱のでしょう。
クレアとビリーが《血みどろの復讐の旅路の果て》に見る
あっと声を上げるほどの荘厳な光景。

タスマニアの美しい森林や自然が、この過酷で残酷な物語を慰めてくれます。

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琥珀糖

2.0テーマがブレてしまっているような、、、

2022年4月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

なにぶん予備知識0で鑑賞したもので、イギリスとアイルランドの確執はうっすら理解している程度で、場所がタスマニアだったことは鑑賞後の検索でわかった感じでして。主人公の復讐心と先住民の迫害が交錯しやがて友情へ発展するのはよしとして、復讐を果たすのが変わってしまうのは。。。何か意味があるのか、これよし他の方のレビュー巡礼に行ってきます

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mojimizu

4.0もう一度観たくなる作品

2022年1月27日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

もう一度観たくなる作品

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ホンマサ

2.5冒頭の勢いが…

2021年12月29日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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KEI

3.0 イギリス植民地時代のオーストラリアでの話。刑期を終えても解放され...

2021年10月23日
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 イギリス植民地時代のオーストラリアでの話。刑期を終えても解放されずにイギリス軍将校に囲われていた女囚クレア。夫と子供を将校ホーキンスとその部下に殺され、復讐するためにアボリジニのビリーに道案内を頼み、別の地に旅立ったホーキンスたちを追いかける。
 ホーキンスのクソったれぶりに怒りマックス!道案内の子供まで殺してしまうクソ野郎!
あと少しのところで、クレアが殺すのを諦めてしまったけれど、あのまま殺してしまえばよかったのに。
 アボリジニや黒人に対する差別を描いていて、観ていて辛くなる。
 タイトルのナイチンゲールの意味は、、、クレアが歌う歌の歌詞に出てはくるけれど、内容とタイトルの違和感がある。

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アンディぴっと

4.0バイカリ・ガナンバル熱演❗️

2021年9月12日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

案内役ビリーがしっかり締めていました。
『凄い』の一言に尽きる作品です。
傑作でした。

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tuna

3.519世紀初頭のタスマニア

2021年9月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

19世紀初頭のタスマニア、アイルランド人の女性が主人公、残虐な軍人に夫と赤ん坊を殺される。
アボリジニの青年を道案内に雇い、軍人たちに復讐しようと追いかける。
主人公の復讐心がブレるのがドラマを複雑にしている。
タスマニアの原生林は素晴らしい。

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いやよセブン

3.5残酷な歴史

2021年9月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

全編鳴き声、喚き声、殺戮で目を覆いたくなる。

イギリス人将校の横柄さに辟易としながら、長いものに巻かれるものにも憤りを感じる。

今は差別はおかしいと堂々と言える時代。そうでない絶望的な時代に戦った2人に畏敬の念を抱いた。

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ヨギニのわたし

3.0支配欲の権化

2021年5月2日
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鑑賞方法:DVD/BD

冒頭一瞬だけ、「ん、紳士的な人?」と思ったが、とんでもなかった。というか自分が悪いと全く思っていなさそうなのが、余計にタチが悪い。むしろ「目的のためには手段を選ばないオレカッケー」とか思ってそうなのがもう、ね。
単純にギッタンギッタンにしちゃってくださいよ、と思うのは所詮他人事という感覚がこちらにあるからだろうか。
『裸足の1500マイル』ではもっと後の時代だから、ここまでではなかったように思うが、いやあれはあれでイロイロヒドイけど。下に下を作る支配構造はどこでも通用しちゃうのね…。
イギリスとの確執は知識として分かっていても、小説や映画で目にしていたアイルランド系の立ち位置や扱われ方が、初めて腑に落ちた。なんで『タイタニック』で下層の船室の音楽があれなのかとか。

英語じゃないのはアイルランド語(ゲール語?)なのだろうか。
とりあえず元気な時に観ないと精神的に辛い映画だった。

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なお

3.0世話の焼ける

2021年4月12日
iPhoneアプリから投稿

過去に遡って人種問題を扱う作品はアメリカに多いが、イギリス〜オーストラリアにおける人種差別問題を日本で取り扱わうことは少ない。そういう意味では貴重な作品。奴隷ではなく先住民であることの違い。アングロサクソンとアイリッシュの違いなども、白人で一括りにしがちな日本人にとっては斬新。多文化主義で解決した訳はなく、現在にも引きずられている問題。昨年のアメリカでのBLM運動を受けて、オーストラリアでも盛り上がりを見せたと聞いている。
主人公の行動が稚拙でブレるのは、ある意味リアルかもしれないが、途中でどっちの話なのか混乱もした。

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Kj

3.5『デトロイト』のビグロー姐さんと同じく、女性監督による豪州発骨太衝撃作!

2021年2月16日
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鑑賞方法:DVD/BD

これは非常に真摯に作られた映画でして、
思わず襟を正して観たくなる、
いや必然的にそうならざるを得ない
壮絶な内容でしたね。


さすがマッドマックスが
産み出された御国というべきか、
令和の時代に突入して尚もこの復讐劇、
しかも近未来とかカーチェイスとか、
ジャンル映画的ご褒美設定もなく
1800年代の植民地時代のキョーレツな
差別描写と非人道的な行いの数々が
これでもかと…。

更にポール・カージーよろしく
[街のダニどもはオレが始末する]的な
痛快無比なリベンジアクションでもなく、
発砲・弾着エフェクトも最小限で、
敵味方関係なくひたすらに無慈悲な殺され方
なので、悲痛さが我々にも
ヒシヒシとのし掛かってくる次第。


早速同監督が撮ったホラー
『ババドック 暗闇の魔物』も観てみましたが、
なるほど、こっちも相当にキツイ。

一応超常現象ホラーの体ですが、
その実シングルマザーの抱える
やり場のない負の感情が、
ババドックとして発露しているように見えるの
で、暗闇の魔物=母親のダークサイド
という生々しさを伴っており、
やはりジャンル映画として割り切って
観られない張り詰めた空気感が今作にも
漂っておりました。

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佐武雷三

4.5序盤で…

yさん
2020年10月7日
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序盤の暴力描写でこれ無理かも…って思ったけど見ている内にぐいぐい引き込まれていきました。
出演者の演技も素晴らしく傑作でした。すごい才能…。

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y

4.0オーストラリアの黒歴史?

2020年9月28日
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鑑賞方法:映画館
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ミーノ

2.0胸糞悪い

2020年8月25日
iPhoneアプリから投稿

どうにも女、子供、特に赤ちゃんを殺すような内容は後味がよくない。
内容にテーマがあるのはわかるが、、
復讐シーンでもウジウジしてしまうのがモヤモヤしてそこは映画としてカタルシスを得たかった。
結局復讐は為されたがスカッとしない気持ちが残った。
森のシーンが多くてそのあたりも地味な流れが続いていたのも✖️
もう少し主人公が振り切ってくれたら面白くなっただろうけどなんだかなーって

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まあ映画好

4.0ナイチンゲールとブラックバード

2020年7月31日
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kossy

3.5黒人ビリー

2020年7月29日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

夫と子どもを殺されて復讐に燃える妻の話なんだけど、いざとなったら何も出来ない。
現地人のビリーに頼ってばかりのクレア。
これはビリー主役の映画?
見応えあったけど、あのあとどうなるんだろう、って気になった。
ビリーは撃たれて死んだのか?クレアは捕まって殺されたのか?
あっという間の2時間16分だった。

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りあの

4.0オーストラリア・タスマニア島で英軍がしたこと

2020年7月24日
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凄かった。良かった。英軍の豪侵略とアボリジニ虐殺、家族を奪われたアイルランド神女囚がアボリジニを案内人に復讐する。後味はタランティーノ『ジャンゴ』に似ているが、女性を主人公に生々しく衝撃的で激しい。容赦なく怒りを投げつけてくる。神秘的なタスマニアの森が悲しいほど美しい。

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kimushizu