ナイチンゲールのレビュー・感想・評価
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ビリーの物語り
19世紀初頭、白人が入植と言う名の侵略を始めた頃、タスマニアのアボリジニの人口は4,000人程と推測されており、純血のアボリジニは1,876年に絶滅。わずか70年余りで絶滅させられたのは野生動物ではなく人。この時間の短さが、先住民は人間として見ていられなかった事を証明しています。
いざ復讐となると、罪の意識に襲われて実行の覚悟が揺らぐクレア。関わり合いたくなかったはずなのに、クレアと行動を共にする間に見た事が許せず。故郷を奪い、行いを改めない悪い種を排除しなければならないと決心するビリー。生木を削っただけの槍は、保管の利かない最も原始的な武器。小型の野生動物しか狩ることができない武器だけの先住民が、銃に太刀打ちできる訳もなく。戦争って言うほどのものじゃ無かったでしょ。いずれにしても、途中からはクレアよりもアボリジニのビリーに感情移入してしまいました。
追跡劇と言うよりも、一風変わったロードムービーと言った方がしっくりくる物語は、中盤まで白人の罪を問うテンプレを感じさせる136分の長丁場。予想外の展開もチラホラで飽きません。エンタメ要素ゼロでシリアスな描写に力を入れながらも、単純な暴力的復讐劇に走らなかったところが良かったです。
ポスターにも予告にも、ビリーがもっと登場しても良いんとちゃう?
実際、復讐劇の主役は彼だったんだけどねぇ.....
あ。ポスターには、鳥の姿で登場してたわw
今も差別は消えていない
大英帝国による収奪の仕組みがアジア、アフリカに築かれた19世紀。
帝国の最果ての地であるオーストラリア、タスマニアで、自らの欲望のままに女を犯し、殺人することを厭わない悪魔のような男がいた。男の外見はりりしいイギリス軍の士官である。しかしその心は満たされず、精神は病んでいる。
男のために全てを失ったアイルランド女、クレアは男を追う。そして、先住民アボリジニの男、ビリーの助力を得て復讐を果たしたクレアは、ビリーと二人、砂浜に逃げ延びる。
クレアが歌う。水平線に日が昇る。前を向いたクレアが、歌の次のフレーズを歌おうとするところで映画は終わる。明るい要素のない物語が、明るい未来を示唆して終わる。
もしかするとクレアとビリーは、その後、幸せに暮らすことができたのかもしれない。しかし、今も差別は消えていない。
今はいい世の中
サムクラフリン。
とりあえずお前のこと嫌いになったわ...笑
嫌な奴だったなぁ。ほんと。
本編内容としては前情報のあらすじから
復讐劇だと思って観てましたけど
序盤、個人的に苦手な描写が多くキツかった。
あぁこりゃ怒り狂うわ
復讐すんだな。理由は十分。
中盤、怒り狂うクレアと案内人ビリー
ふたりの関係、信頼など徐々に芽生えていき
育っていく過程が丁寧でよかった
ただもやもやも多い
いやーやれやなにしてんねん!
おいっみたいな
終盤...。
人間ってほんと欲深く
汚いなぁ。と。
強いもの弱いもの
生まれ持ったもの築き上げたもの
失ったもの失わされたもの
黒人に対する描写も
私は知識不足だったなと
あらゆる面で考えさせられる話だった
物語の最後の行動は正解か不正解か
わからないけど
サムクラフリン
お前は欲の亡霊か
俳優ってすごいな。
ずっと観たかった作品だったので
みれて良かったけど。
もう二度と観ないだろう
そんな色々考えさせられる作品でした。
観るべき映画
壮絶過ぎて、目を当てられなかった場面が多々
でもコレが現実で
いつの時代も
戦争が残す傷跡は
国地域に関係なく
犠牲が…
今一度、観るべき映画
人間は過去から学んで
未来を切り開くべき
やっぱ人は自分さえ良ければイイのか!?
弱い者を苦しめて満足?
ホント息が詰まる苦しい悲しい映画でした
久しぶりの映画館にて!
久しぶりの映画館にて
やはりお家ては違うね。
19世紀のオーストラリアが舞台
全てを支配するイギリス軍の将校に
夫と赤ちゃんを殺された、妻が先住民族のアボリジニを道案内にする復讐劇。
しかし
先住民族に対する仕打ちも残酷だ!
今コロナと言うのは、先住民族からの
罰なのかな!
オーストラリアの人はこの映画を観てどう感じるのだろうか
俳優さんたちは日本では知られていないメンバーであるが皆上手い。特に主演女優は素晴らしい。旦那と子どもが殺された直後の表情や表現は見ものである。世界にはまだまだ凄い女優がいるのだなと実感した。その他アクションシーンの撮影はデカプリオの『レヴェナント』を彷彿させる。ラスト近くが少しダラダラしているのを除けば映画の緊張感は持続している。このように演技、演出、撮影、音楽の使い方は一級の映画であるが、レイプシーンや殺人シーンが余りにも生々しいので、万人にお勧めできないのが残念である。
クロウタドリの導き
凌辱と殺戮を受けた女は、恨みだけを力に歩み続ける。
この映画、ただの復讐劇にあらず。
バイオレンススリラー、ロードムービー、歴史劇、異民族交流、成長譚。シンプルな本筋にいろいろな要素とドラマが絡み合い、スリリングに面白く仕上がっている。
久しぶりに心の底からキツくなる乱暴描写を観た。
クレア一家に対する暴力的支配も黒人のアボリジニたちに対する扱いも、「差別」なんて言葉では表しきれないほどに凄惨。
クレアの怒りと悲しみに身を浸し、アボリジニのビリーの叫びに耳を傾ける。
この扱いが昔当たり前のように在ったことだなんて。
将校たちが全方面に徹底して悪者でいてくれたのがまだ救いだった。憐れみなんて抱きたくもない。
人間を人間とも思わない言動の一つ一つにショックを受け、ずっと息苦しかった。
一切の慈悲も無いその所業は恐怖感を煽り、ホラー的な苦しみを味わえた。
直接的な暴力描写はそこまで多くはないものの、精神的な追い詰められ方が半端じゃない。そしてナチュラルに表れる残酷描写にもドキッとすること数回。
全編通してシリアスな映画だけど、時折フッと気を抜けるシーンがあったことが嬉しい。
ビリーとクレアの、華麗に伏線回収してみせるショートコントのようなやり取りが面白かった。
徐々に詰まっていく距離と目的の共有化、それぞれの価値観が寄り添っていく様が好き。
切なくやりきれなく、悲しく辛く怒りを抱く作品である。
しかし、たしかな希望を感じられる作品でもあった。
この映画の中で感じる負の感情は、きっと正しいものだと思う。
歴史から学び、間違いを直視して顔をしかめることで、自分の意識にも繋がる。
とても面白い映画だった。
流刑囚とアボリジニの悲劇を重層的に描く
19世期、イギリス植民地時代のオーストラリアの悲劇。
アイルランド人の流刑囚クレアは、刑期を終えても地区を統括する将校にいいようにされ、挙句に夫や子どもを殺されて、もうリベンジ必至。
しかし単なる復讐劇ではなかった。
イギリスの兵士や移民による先住民アボリジニの虐殺・虐待・レイプ、本国イギリスやアイルランドから運ばれた流刑囚たちへの非人道的な扱い。そして流刑囚たちでさえアボリジニを蔑視する人種差別。
今の日本人からすれば一大観光地であるオーストラリアの暗い歴史を提示するヘビーな逸品。
人種に関係なく、いい人も悪い人もいるという描き方は実に真っ当だった。
白人はひどいことをしてきたね
舞台はオーストラリア大陸の南にあるタスマニア。
先住民、アボリジニを虐殺して開拓してきた英国人だが、ヒロインは英国では差別の対象であるアイルランド人。その彼女がなぜ、タスマニアにいたのか、詳しい説明はない。
ただ、夫と愛児を英国人将校に殺され、さらに何度もレイプされる…。
その恨みを晴らそうと、アボリジニの青年とともに将校を負う旅に出る…。
レイプのシーンとか、狩られて木に吊るされるアボリジニの死体…とかえぐい描写があって、ちょっと心臓の弱い人にはお薦められない。
それを上回る、熱いものがあるのかというと…。
テアトルグループの株主優待券を消化するために見に行ったんだけど、見なくてもよかったな、と思う。
イマイチ
あまり気分的に良い映画ではない。何度もレイプシーンがあったり、子供を撃ったりと。
にしても目的を達するまで長い!もっとコンパクトにできんかったのかいな。おまけに主人公は無鉄砲で間が抜けた感じもあるし。脚本に、やや難ありかな。
失ったすべて。ひとつだけ
イギリス植民地時代のオーストラリアにて、極悪将校とその部下にすべてを奪われた女囚の復讐の物語。
タスマニアは、イギリスでの犯罪者の流刑地となっていた。犯罪といっても、殺人等の凶悪なものでなくとも、ちょっとした盗みで送られた者も多い。主人公のクレアもそのうちの一人。
映画序盤はとにかく目を覆いたくなるような、重すぎる不幸な展開続き。程なくして復讐の旅に出るクレアが案内人として雇ったのは、白人たちに迫害され土地を追い出された原住民のビリー。
映画は、将校一行とクレア達の旅を交互に見せた展開がずっと続くが、女子供関係なく、当たり前のように失われていく多くの命に言葉が出ない。史実がどうかはわからないけど、少なくとも本作で登場する人物で、命で罪を償うべきものなど、将校とその部下くらいしかいないはずなのに。。
黒い鳥の場面等、意外にもファンタジックな展開もあったり、ビリーにも分け隔てなく接する白人老人の存在、それに涙するビリーの姿には、こちらもぐっときた。
クレアの失ったすべてと秤にかけることはできないけれど、個人的感情はなくとも、忌み嫌いあっていたクレアとビリーが、人種を超えて心を通わせたのはひとつの救いか。
気軽にはおススメできない、名作だった。
よかった❗
まさに人権映画。ブラック&ホワイト、国と国。弱い者が強い者に如何にして勝つか❗。自分のいちばん興味のそそる見応えある映画だった。差別と弱いもの苛めを嫌う人、集まれ~‼️手に汗を握る映画だった。後悔ナシやで。
すごかった
敵の兵隊の親分が本当に憎々しくて、心置きなく憎めるところがいい。こいつが、時折気分次第でやさしさを見せるところがすごくいやらしい。主人公がいざという時に躊躇ったり引いたりするのはリアルだった。そんなに悪くない下っ端だけ見事に殺害して、手を血に染めるのが、なんともつらい。ガイドの男がめちゃくちゃイケメンだった。
マケドニアの地理を少しでも把握して見ていればもっと面白かったように思う。
彼女のうた
イギリス軍の将校ときたら、自身の欲と保身の為に
赤ん坊だろうと子供だろうと容赦ない
キジルシ全開の悪党だ。
一見するとハンサムでジェントルマンの雰囲気だけど
ほんとああいう人って母親に愛されて育ったんだろうかと、疑問。
主人公のクレアと先住民のビリーが少しずつだが、
心を通わせていくのが唯一の救い。
しかし、あの将校はクレアに度々アクセサリーなど贈り物をしていたようだが、
カラダだけが目的ではなくほんとは彼女を好きだったのだろうか。
彼女の歌で涙してたし。
ま、だとしても許せない。
見応えのある映画でした。
鳥は歌う 自分の意思で 祖国に向けて
黒い森の中を 歩いてきた人よ
少しだけ その足を 休めておくれ
口にした名前は 聞き慣れない響き
僕にだけ その意味を 教えておくれ
黒い森を抜けた 遠い国の歌を
少しだけ その歌を 聞かせておくれ
燃える朝焼けに 染まる海に行かないか
争いの果てに 残るものを知らないか
黒い森を行く 遠い国の旅人よ
愛する誰かが もし君にもあるならば
9mm Parabellum Bullet / 黒い森の旅人 より
夫と子を奪われ陵辱された女性
住む国を奪われ差別された男性
色々あったなでは済まされない
色々のひとつひとつを
心に陰る憂いの数々を 互いに歌い合う
国の歴史は暴奪の履歴にほかならない…
わたしのオーストラリアの移民の歴史なんて
世界名作劇場の『南の虹のルーシー』ぐらいのイメージしか
持ち合わせていませんでしたが、
女性の監督がこんな題材を取り扱ったことに驚きました。
自国の歴史を題材に、辛辣な描写でメッセージ性を
込めたことを支持したい。
その対比と共に、美しい自然を背景にして
ありありと活写したところも併せて
監督の、アンビバレントな心持ちながらも
愛国心を感じました。
わたしの住まう、この小さな島国、日本。
度々海域を脅かされるも、
可能性で言えば…
とっくの昔に侵略され、為政者によって
文化が失われていても
何ら不思議ではない国だったと思うのです…
この奇跡のような幸せに感謝しなければな、と思いました。
北方領土や竹島とかも、より良い解決策が進みますよう
切に願うばかりです。
残酷な歴史
冒頭から一貫する、目をそむけ顔を覆いたくなるレベルの激しい暴力表現。
レイプ、殺人を当たり前にする、イギリス人将校に旦那と子どもを殺されたアイルランド人の女性が、復讐のため将校たちの後を追いかける話。
イギリス人将校と、部下の軍曹へは、観客とて殺意を抱くレベルの怒りに支配されそうになる。
オーストラリア制作だけあって、重要かつ忘れてはならない無法なオーストラリアの歴史(イギリスへの憎悪、または移民側の反省)を感じられる作りになっている。
せつないし、この後どうなるのか想像がつくという悲しさもあった。
19世紀のオーストラリア・タスマニア島で起こった、イギリス植民者(占領)とタスマニアン・アボリジニー(黒人原住民族)の戦争…というか、原住民への一方的虐殺と強制移住、そして種族の絶滅へ至る「ブラック・ウォー」の時代が舞台。
この時代、タスマニア以前にイギリスが植民地化していた、アイルランド(人)の囚人をタスマニアに流刑にして、イギリス人が労働力として使役していた、という基礎知識は必要。
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