女王陛下のお気に入りのレビュー・感想・評価
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エマ・ストーンの顔芸
キュートな猫顔なのに、えげつない役を嬉々として演じているのがわかってこちらまで嬉しくなる。いいぞもっとやれ、と。
つい最近までミニシアター系だった監督の作品がシネコンでかかり、ついにはアカデミー賞を争うほどまでになるという急激な温度差にクラクラする。
衣装もロケーションも本当によく、自然なライティングでまるで当時のように見えるが、少しポップなセンスが入ってくるので、古めかしい時代劇とも違う。
ありていに言うならものすごくゴージャスな昼メロという感じ。
この監督ならではの意地悪な目線が内容と思いのほか相性がよく、ゲラゲラと笑うわけではないが、要所要所でクスリとさせられる。
かといって勿体つけた先延ばしではなく、脚本の切れ味も鋭い。
レイチェル・ワイズ演じる当時のデキる女最高峰も終始格好よくて惚れた。
女性にはこれ好きな人多いだろうなあと思う。極めてデート向きではないですが…
アカデミー賞の発表時はグレン・クローズにあげればいいのに、と残念だったが、芝居のインパクトで言ったら女王を演じるオリヴィア・コールマンが上回った。
ちょっとした表現で身体の調子がだんだん悪くなる感じとかリアルに伝わってきた。
恋愛は好きになった方の負け、というよくある言葉を思い出した。
ところで「シャーロック」ファンとしては、最後の最後でマーク・ゲイティス(マイクロフト)が1カットだけ出てくるとか気が散るので勘弁してほしい。
そっちのfaborite?
びっくらこいたー、そっちのフェイバレイト?他にやることないのかー!
孤独でしかも体はあちこち痛くて引きずって思うように動けもしない、何もかもどーでも良くなってる女王が唯一心を寄せるものは、
失った子供たちの身代わりのウサギたち。
ふたりの女たちはその存在に成りたくて戦う、が、双方とも失うのだ。ふたりそして女王も。
男は添え物のような存在でこの画の中ではまるで道化。
映画そのものはあまり好きではないが、妙➰にあと引く。
皮肉交じりの愉快な映画
劇中、登場人物の心情がうまく皮肉交じりに描かれていた。ブラックユーモアたっぷりのテンポ良いコメディ。
ロブスターの監督ということで、どんなエンディングなのか期待していたが、その点では期待はずれだった。
後半のストーリー展開が淡白だった。映画の後半にも登場人物の心情表現や物語の展開に一工夫欲しかった。
ワラエル
最終的な勝者はアン女王?
女王の自分を使う幼馴染をひょっこり出てきた野心がある”従順な”女の子に蹴落とさせ、最後は立場の差を明確にする。
滑稽な3人の争いに声を出して笑いたかった。
面白さが、分からなかった。
アカデミー賞のノミネート数がすごかったのと、主演女優賞をオリヴィア・コールマンが受賞し、堅苦しくなく笑い有りの作品という触れ込みに、期待しての観賞。
でも、面白さが分からなかった。
3人の女優の演技はピカイチ!なのに、笑えない(観客の笑い声は一度も無かった!?)、気分が悪くなる、後味悪くスッキリしない。
ただ、終わったあと皆様同様「女は怖い」というのは感じました。
シェイプオブウォーターも良さが分からなかったが、レビューは高評価が多い。アカデミー賞で話題の作品等良さが分かるように、絶賛レビューを拝見して研鑽してみようと思う。
3人の名女優の対決!
アン王女とその王女に取り入ろうとする2人の女
それはそれは恐ろしく おぞましく
まさにブラックコメディ作品!
だそうで 実は私はこの監督の作品は初めてでして
監督の作品を知ったうえで観たらこれはコメディだと
わかったのでしょうが・・・
コメディと観ず うわっ!やば!こわ!って感じて
まじに終わってしまいました
しかし3人の女優陣の演技が本当に素晴らしかった
「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーン
「ナイロビの蜂」のレイチェル・ワイズ
これらの役どころから180度違う役どころを演じ
観ていて恐ろしかった
女王アンを演じたオリビア・コールマンも彼女の演技にも
恐れ入りました
女王の孤独 悲しみを見事に演じ切ってました
今度はちゃんとブラックコメディ目線でもう1度観て観たい作品です
道徳心 を問う映画
この映画は女性の戦いでも、妬みでも、ない。
生きていく上で守りたいもの、守らなければならないものが人それぞれある。
ここでは3人の女性が、道徳心を欠いてまで守りたいもの を描き、その中で3人の間に起きる衝突や変化点、選択を巧妙に描いている。
それぞれの目的はなんだったのか?
細かなシーンに散りばめられたヒントを一つ一つ摘んでいくと、3人の女性が背負った傷と求めているもの、守りたいものが見えてくる。
虎の威を借る狐
今日職場であった嫌なこと全部吹っ飛ぶくらい強烈。
おぉ、、怖い。人間て、なんてアグリー。
最終的に誰が勝ったのか?と話をしたら、友人が「女王陛下じゃない?」と。
確かに納得。周りは女王陛下をうまく手なずけていると思っていたら、実は手の上でころころ転がされていただけ。飽きたら捨てられるだけ。そう、それがまさに「女王陛下のお気に入り」。
見終わってしばらくして、自分も、サラやアビゲイルみたいなことしてないか?と省みる。「虎の威を借る狐」してないか?
やはり、人間嘘をついてはだめだし、ひとに害を与えてはだめだし、傲慢になってもだめなのだ。
そうだ、年始のおみくじにこうあったではないか。
「何事も正直にして他人を恨まず仕事大事と励みなさい」と。
凄まじい演技合戦
なんといっても女優3人の演技合戦がスゴい!
オリヴィア・コールマンがおばちゃんから少女まで表情ひとつで自在に行ったり来たりしたかと思えば、エマ・ストーンはヌードも辞さない体当たり、顔に瑕をつくったり男装したりと見せ場たっぷりのレイチェル・ワイズに至っては溜息が出るばかり…
ホントに凄い…
衣裳、美術、魚眼レンズを多用した撮影も良いし、かなり笑わせにかかる脚本も素晴らしい。
「ここで終わって良いの…?」と思わせる展開も含めて、相当な「食わせもん映画」ですね。
三人が主役で脇役のような話
それぞれが目的を持ってお互いを利用してるのに、油断する。
策を練って策に落ちるってこんなことなんだなぁと思った。
女王は孤独を拒み、サラは権力に溺れ、アビケイルは野心に取りつかれる。
一番正直なのは、女王の子供を思う心なのかな?ウサギの鳴き声に一瞬で目を覚ます。
子を思う母なら見逃さないであろう事でアビゲイルの本性を見てしまう。
でも孤独に耐えられないから手放すことができない。
不安で孤独な女王に一番共感できるのかもしれない。
2人の争いよりも女王
章のようにパートごとにタイトルがついているのは個人的に好きな作り。ハラハラしたり、ニヤニヤしたりしながら楽しむことができた。それにしても、この映画はどの立場で観たらいいのだろう。
女王のお気に入り2人が、寵愛と恩恵を独り占めしようと争う姿はたしかに大奥っぽい。スリルもあるし、2人の演技も素晴らしい。でも、個人的には2人の争いよりも女王から目が離せなかった。
精神的にも身体的にも病を抱えながら、痛風の痛みや癇癪・わがままで周りの人間を振り回していく。後半の女王の表情も、病や老いが進行したかのような変化が見られて驚く。どの姿もとてつもなく孤独感に溢れていた。
怖くて、切なくて、悲しい物語だ。
暇潰しになら
アカデミー賞の発表後で、平日午前にもかかわらず、混んでいた。
衣装や宮殿がどんなに素晴らしくても
感銘も受けないし、感動なんてするわけもなく、ラストは唖然。
時間潰しに観るなら良いか。
ドロドロとかきくけど、日本のドラマや大奥にもこういうのあるし。
個人的に得るものがなかったので酷評とならります。
感想は人それぞれということで。
パンチ抜群!
宮廷もので、女どおしの戦いで、アカデミー賞で、というと、あんまり好みでないかもしれないと思ったが、パンチ抜群、ブラックで、現代的な映画でした。見応えがあります。
女王って大変な仕事だなぁと見ていて思う。
いくら権力があるとはいえ、全くなりたいと思えないし、
周囲の誰もが、全く幸せそうではない。
こんな環境でよい政治判断ができるとも思わず。
一体なんなのだろうと思ってブラックな演出が結構きつい。
最後のシーンを見て、あぁ、もうみんなで仲良くすればもっとみんなで幸せになれたのかもしれないのになぁと。
権力がからむと信頼構築が難しい。
最後、宮廷からも国からも追い出された、サラさんが一番すがすがしそうな顔をしていた。
自分に実力があり、権力の外にいるのがいちばん幸せ、と実社会と照らし合わせて改めて思ってしまった。。。そういう意味で現代社会と似通った構図。
女性陣の演技はどれもすごい。エマストーンはこういう一癖ある役の方が輝く!
でも3人とも女とは思えないキャラクター設定で、男だったとしてもそのまま成り立つ点は、感情移入しにくく、ただただ「人間」としての描かれ方で、その点はちょっと残念。
小タイトルが途中途中ではさまるのはとてもよい仕掛けだった。どんなブラック事件が起きるのかたのしみに見れました!
「アリスの視点」で見る国家の抱える闇
秀逸な映画としか言いようのない表現です。
女優たち3人の怪演も素晴らしいが、ほとんど宮廷の中とその周囲の森だけで繰り広げられる映像の中に、自らの欲望と愛憎に素直に従う女性たちの姿とその先に国家の「闇」を凝縮して見せる監督の手腕も素晴らしい。
不思議な映像美。広角(魚眼?)レンズを低めにかまえて宮廷を撮影しているのは、指摘があったように本当に「うさぎ」や「カモ」の視点を感じます。私は最初、不思議な国のアリスを思い出しました。アリスになって宮廷に迷い込み、おとぎの国のトランプの女王(ハート)を見ているみたいです。些細なことで激昂して変化するコールマン(アン女王)の表情は少し怖いけれど、コミカルで惹きつけられました。
ドラマ映画で魚眼カメラを使用するのは、実は禁じ手だそうです。映画評論家の小野寺系氏が指摘していましたが、監督の意図は、あえてカメラが撮影していることを意識させ彼女たちの狂態に感情移入させすぎないで、「我々観客は、この異常性を真っ直ぐに認知するため……あくまで現代的な社会性を保ちながら、隠しカメラを使うように、客席から彼女たちをひっそりと観察する必要がある」とのこと。
なるほど、これは歴史喜劇ではあるけれど、今の社会にも続く国家の「闇」を直視する映画でもあります。
国民そっちのけで、自らの欲に従う権力者たち。彼らは本当に「自分の愛憎」という狭い世界しか見えていないけれど、それが国民の命運を左右する。
隣国のかつての女性大統領と友人の事件も思い出されますが、別に女性に限ったことではないです。映画の中の男性たちも十分に愚かでした。喜劇的な化粧の下の素顔は虚しい。
国家という装置が「一部の権力者=小人=の感情に左右されている」のは、今も変わらないと監督は言いたいのでしょうか。
権力者の末路ってね〜〜
TVCMの通り「イギリス版大奥」は言い得て妙!
上様が男じゃなくてバカ女王様って言うのがまた切なくも可笑しい。
女性同士のドロドロの世界だけど
「大奥」ほど、ネチっこくなくてもっと派手で爽快!
銃をぶっ放すシーンはまさに、なんと言う嫌がらせ〜〜(笑)
落ちが予想出来ない新しい映画を観たい方もおすすめだし
歴史系コスプレものが好きな方は是非!
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
もうもう達者な役者さんばかりで見所も沢山!
何より、エマ・ストーンはいつもながら頑張るね〜〜
長回しワンカットで表情を変えるあのカメレオンぶりが
今回も炸裂してます。
ライバル役のレイチェル・ワイズも女王役のオリビア・コールマンも
みんな嫌な感じが堪らないです(笑)
でもまあ〜結局
忖度政治とか、お友達政権のこの虚しさよ〜〜
どっかの「A」の付く為政者に観せたいわ
@もう一度観るなら?
「見事な衣装や調度や美術〜映画館で見る価値大です。」
The Favourite
今までに観たどの映画よりも後味が良かった!
なんだこの映画、半端じゃねえ(笑)。名前も知らないギリシャの映画監督、ヨルゴス・ランティモス。主演はオリヴィア・コールマンで、その横には、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ、ニコラス・ホルト、マーク・ゲイティスと個性派が揃う。ポスターを見た感じでは、歴史物でBBCとかがよくやるような貴族の禁断の愛、的なことをやるのかなと思ったました。個人的にそのジャンルの作品は好きなので、楽しみにしていたのですが、観てみたらびっくり!憎悪に野望が重なった、なんとも汚れたコメディではないか!!
この裏切りが最高に良かったです。とてもシンプルで女同士の醜い争いと、そこに細かく含まれる歴史込みのブラックコメディが最高でした!まるで源氏もお語りのちょっと変化形を見ているような、滑稽で常に笑える新しいジャンルに感激。時代設定のせいか、シェイクスピアにも通じるような喜劇は、この現代映画の業界では、極めてレアな作品だったと思います。
この作品の何がすごいって、ど正面からこの題材を扱った脚本。実際の歴史の中でも美しくは取り上げられない、権力や立場を巡った小癪な争い。そこに何のロマンティックな要素も詰め込まず、その3人の女の争いでコメディを作り上げた力量がすごい。日本にもこういうドラマとかはあると思いますが、必ず恋愛が入ってきて女性向けになりがち。しかし、この作品は女性同士の成功嫌、憎悪が殺意にまで変わるような、そういう極端ながらも自然な要素を中心として、それを武器に勝負したところが他の作品を殴り倒したところでしょう。ここまで勝負に出れるイギリスはまだまだ映画界が熱い。見ている最中はかなりゲスいところがたくさんで心が黒く染められるのですが、最後の最後にはそれが反転してとてもスッキリした後味を感じました!
この作品、プロダクションデザイン、コスチューム、撮影がガチ。実際のお城を撮影で使ったのかな。巨大な窓から差し込む太陽光とキャンドルの光をメインとした照明に、超ワイドの6mmのレンズ、ディストーションしまくりのくせ満載のショット
そこにさらに、キャラクターをフィリースルショットと、180度以上パンするショットなんて、シネマトグラファー泣かせ(笑)。どこに照明置いたらいいねん!それをさらっと解決しながら、イギリスの気品溢れるプロダクションデザインとコスチュームを思う存分に生かした美しくも、何かユーモアの溢れるフレーミング。アメリカには作れない作品ですね!
ヨーロッパを中心とした、独特の雰囲気が2時間の極上の時間を味あわせてくれます!
胸糞悪さが痛快なブラック・コメディ
コスチューム劇と言えば、美しい衣装と絢爛な美術があって、作品自体に気品があって、ストーリーも誇り高い内容を想像されるし、ましてや実在の女王陛下をモチーフにしているなら尚更だという風に思うところ。しかしこの作品はコスチューム劇が持つ「美しくて品のいい映画」というイメージを真っ向から蹴り飛ばしにかかっているかのよう。そもそも監督が「ロブスター」を撮った人であるし(「ロブスター」の面白さはまったく理解できなかったものの)、一筋縄ではいかない映画なのは半ば当然というような感じ。
冒頭のシーンからして側近サラの従妹であるアビゲイル(エマ・ストーン)が汚穢まみれで蠅がたかったような姿で登場するし、アン女王陛下もまったくもって気高い女性なんかではなく、むしろ愚鈍で分別に欠く人物として登場している。そこから描かれる物語は、野心に満ちた者たちの醜い攻防であり、とても美しいとも気高いともましてや品がいいなんて印象はどこにもない。エンドロールの実に読みにくい文字フォントに至るまで何から何まで不愉快で胸糞が悪い・・・というのに、なぜか同時に極めて痛快でもあった。欺瞞だらけの物語で嘘偽りだらけの登場人物たちが生きる姿が、人間として実に正直でまっすぐに見えてくるのだ(少なくとも自らの野心には極めて正直だ)。美しく飾り立てられた所謂「コスチューム劇」という名の映画の中で、堅苦しいアクセントで回りくどい文章を口にし、お上品に振る舞う登場人物たちの方こそよっぽど嘘っぱちではないかと思えてくる。
こういう映画を見ると、すぐに「女同士の醜い争い」みたいな言い回しを使いたがる人が出てきそうで憂鬱になるが、いやいやこの映画みたいなことは男女問わずありますとも。作中でも、ニコラス・ホルト演じる青年などちゃんと醜い野心を剥き出しにしています。多分この映画は別に「女の争い」だとか「女同士の軋轢」だとかそういうことが言いたいんじゃなく、あくまで「人間同士」の愚かな足の引っ張り合いだったり、地位や立場を求めて策謀したりする人間の醜悪さといったようなものを痛烈に風刺していて、別にそれがジェンダーと直結するものという印象は受けなかった。なんなら、女性があそこまで自分の野心に正直でいられる社会なら、寧ろとっても健全では?と思ったくらい。
この映画に関しては、とにかくオリヴィア・コールマンがもう見ているだけで痛快で最高だった。顔つきから声の出し方からセリフ回しからその存在自体がもう痛快そのもの。実際のアン女王がどういう人物だったかは知る由もないが、この映画における実に間抜けな女王を抜群の喜劇センスから独自の解釈で演じていてそれはもう素晴らしかった。ごひいきレイチェル・ワイズとエマ・ストーンのかつてない挑戦的なパフォーマンスも見事に成功していてとても良かった。
好き嫌いがくっきり分かれそうな映画だなという感じはしたけれど、私にはこの毒っ気が逆に清々しく感じられ、役者の演技にも見所が多々あったので、印象が良かった。
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