女王陛下のお気に入りのレビュー・感想・評価
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裏表あるエマストーンも悪くはないが・・
裏表あるエマ・ストーンも悪くはない。
終盤、もう一度立場がひっくり返るかと予想していたがそのようなことはなかった。なんか物足りないと思うのはきっと自分だけではあるまい。
あと、最後のぼかすような描き方は好き嫌いがわかれそう。
百合版
仁義なき戦い腹黒キングダム。
陰湿なシーソーゲームは
エンドロールの中もその後も続いている。
エマストーンのオッパイは1回だけ。
あと、二回は見たかった笑
音楽の使い方やアングラエログロ加減がホドロフスキー作品のような既視感。
影響うけてるんでしょうかね〜。
とりあえず、
エマストーンは出なくてよかったんじゃないかなぁw
百合のやおい
チープに言えば中世ヨーロッパ版大奥なんだけど、もう、主要な女性が全員病んでるか打算か野心かでしか動いてなくて!!正義とか正論とか人道とか人権とかなにそれであなたは生き残れるとでも思ってるの???感がすごくてね!!先輩夫人の男装?も、エマストーンの貴婦人の装いも女王の甲冑も、普段セクシャリティとか小難しく考えてるのを全部焼け野原にする勢いで萌え上がったのですよ…!!!
顔、顔、顔
登場人物の顔、顔、顔。顔のアップの長廻しを多用する。
観るほうは精神力を消耗しながら、その顔に浮かぶ表情を読み取らなければならない。非常にしんどい映画鑑賞であった。
いずれ劣らぬ個性的な顔の女優三人だが、女王役のオリビア・コールマンの演技が白眉であった。
権力というものが一個の肉体である自らと不可分のものではないことへの焦燥や苛立ちを表わしたかと思えば、次の瞬間、自分こそが権力の源泉であることを傲慢に見せつける表情へと変わる。
女王という特別な立場にいる人間の、特殊な事情ではなく、自我を持つ全ての人間が味わう苦しみがそこには描かれている。
うさぎ
動物は檻の中にいると異常な行動をとるらしい。動物園の動物は共同行動と呼ばれる異常行動(同じ所をいったりきたりする、毛を引き抜くなどの自傷行為)をしていると何かの記事で読んだ。確かに子供の時に行った動物園の動物は、同じ所をいったりきたりしていた。
人間も同じ様に狭い世界の中にいると、頭がおかしくなるのかもしれない。アン王女の過食も情緒不安定も檻の中に閉じ込められた動物と同じ様なものだろう。アン王女だけではなく、王室の男達が揃いも揃って気色悪いのもそのせいな気がする。気色悪い者同士で檻の中にいるものだから自分達がズレている事に気がつかない。
はじめは物事を俯瞰して見ていたアビゲイルも、狭い世界にいるうちに日に日に神経が麻痺してきたに違いない。1回で6匹もの子を産む多産のうさぎはアン王女の分身であるのに、事もあろうかアビゲイルはアン王女の子うさぎを踏んでもて遊んでしまった。今までのアビゲイルだったら、そこまでの馬鹿な真似はしなかったはずだ。やはり、狭い世界の中だと大きく物事を見る事ができず、油断して馬鹿になってしまった気がする。自分も狭いコミュニティに居過ぎないように、気をつけよう。
こんな人達でも国を治める事ができたのだ。いや、異常だからこそできたのか?しかしこれは18世紀のイギリス王室の事だけではなくて、現代国家にも通じる事かもしれない。現代でもアメリカのトップも中国のトップも日本のトップも総じて頭がおかしい。人類は全く進歩なんかしていないし、トップは自分達の世界の中だけで自己完結する生き物だ。そもそも人間自体がご都合主義な生き物だ。ヨルゴス・ランディモス監督からは、そんな声が聞こえてくる。
皮肉たっぷりの王室もの
王室版大奥と言われるこの作品、まさにって感じでした。
エマ・ストーンとレイチェル・ワイズの表には出さない奥底でのいがみ合いが面白かった。あとかなり体を張っている。
非常に自己中心的である、まぁそういった立場の人間なのだろうが、アン女王はあまり好みになれない人物ではある。彼女自身そう思われると思っているから、周りの人たちが気に入らないのだろうな。そんな彼女の"お気に入り"になり、地位を高める2人の女が奮闘する。戦争における国の勝敗を決める議会なんて気に入られるために利用するもの。ラストは、結局女王の"立場には逆らえない"ということなのだろうか。
ランティモス監督の独特な皮肉交じりの世界観、興味深かった。
生クリームたっぷりな世界観にエマ・ストーンというスパイス
個人評価:3.9
ヨルゴス・ランティモスが作り出す独特で不思議な世界に入り込んだエマ・ストーン。ハリウッドの旬な女優にとっては、まるでアリス・イン・ワンダーランド。
たっぷりな生クリームを入れた料理のような鬼才の作り出す世界観に、エマ・ストーンという食材が入る事により、鬼才の他作品とは違い、とても人間くさいドラマチックなハーモニーとなっている。
本作でもウサギやロブスターやダチョウもアクセントとして用いられ、人間と他の動物達との対比を物語っている。
ラストのシーンでは、地位を勝ち取ったエマ・ストーンも、所詮クイーンの前ではウサギにすぎないと皮肉を感じさせる。
映像とそれに溶け込んだ音楽も素晴らしく、達人が作った作品だと嫌が応にも感じさせられる。
クイーン役やエマもすばらしかったが、レイチェル・ワイズの猛者っぷりが光る。
嫌悪もここまで突き抜ければ清々しい
見てはいけないものを
覗き見させられてる感じ
清の欠片もない
臭い立つような画面
人間の業の愚かさ
それをさらに突き詰める酷さ
家の存続も絶望的
国家の運営の重圧に加え
身体の不穏が日に日に重くなる
女王の不安と孤独が見え隠れ
ヒステリーの中に哀しみが滲む。
政治的手腕と女王の信頼を鼻にかけ
国家を我が物のように動かすサラ
無知を圧して野心を燃やし
あらゆる手を尽くすアビゲイル
すったもんだの挙げ句に
彼女たちに訪れるものが
これまた吐き気を誘うほどの胸騒ぎ
それでも生きていく…それが人間
決してウサギではない。
豪華な装飾と醜悪な人間
非常に評判が高い映画でしたが、好みではなかったのが残念。派手な化粧やダンスは、どれも過剰に感じたんですが、あれは演出?それともそう言う時代だったのでしょうか?女王のお気に入りの座を争う女通しの争いは想像通り。ラストシーン、愚かな女王の悲しみの大きさに心が塞がれました。
エンターテイメント派には・・・
オリヴィア・コールマンとイギリスものが気になるので、見に行ってみた。
女同士のドロドロが苦手な上に、映画にエンターテインメントを求めるライト派の私には、少し合わない映画だった。誰も幸せにならないし。
メインの女子は、3人とも癖がありすぎて、賢くて、したたかで、愚かしい。それなのに、なんとなく彼女たちそれぞれに寄り添うような気持ちになってしまう。それぞれを愛おしいとさえ思えてくる。
こういう風にみてる側に思わせる力を、演技力と言うのかな。
音楽もとても印象的で、すごく不安になったり気持ちを揺さぶられる。そういうのもちょっと苦手な感じだった。
おごれる者は久しからず
荘厳で豪奢な映像とは裏腹に、徹底的に描かれる人間の愚かさと醜さ。はっきり言って、観た後に爽快感や気持ちよさはありません。下品で目を背けたくなるシーンも多々あり。相手を負かし登り詰めるには手段を選ばないアビゲイルの姿が、職場の若い同僚と重なり、時代劇ながらゾッとしました。勝利と安心を手に入れた後の緩みと怠惰による報いの表現も秀逸。個性的なグラフィックと3人の女優の凄みのある演技力を含め、この表現力、見せ方こそが、各所での高評価を呼んだのか、と解釈しました。
一言で言えば、驕れる者は久しからず、が、このストーリーの要約でしょうか。女性にも痛風発症のリスクがあることと併せて、観賞後の教訓とします。
現代の悲劇詩人
今作も人間の可笑しさと悲しみを強烈な表現と緻密なイメージで観客の脳裏に焼き付ける。
物語の時代や設定が自分から遠い物だと思って笑っていると終盤にその嫌な足音がすぐそこまで来ている。
どの作品であっても初めて触れるひとに思考麻痺を起こさせる劇薬作家 ヨルゴス ランティモスの決定版。
美しさと醜さが堂々と同居する歪んだ空間
ランティモス監督の前作『聖なる鹿殺し』が私は本当に生理的にダメだったので、ちょっと警戒しながら観てみたら、今回はかなり良くて勝手に安心した次第で…
じゃあ何が良かったのかと考えてみると、あくまで個人の意見だけれど、
監督の持つ技法やセンス="終始画面からはち切れそうな不穏な雰囲気を醸し出す感じ"
が、女同士の静かな闘い(しかも思ったよりドロッドロで下世話)や時代背景と融合していたからだと思う。
例えば、(撮影技法に明るくないので間違っているかもしれないが)魚眼レンズや広角レンズで捉えられた世界は、
「宮廷」というとても閉鎖的な空間を覗き見しているような客観性と背徳感を同時に感じるように思われたし、
彼女たちのいる世界の全ては、様々な意味でとても狭くて窮屈なのだと感覚的に訴えてくる効果を感じた。
画面そのものの大半はパッと見ると、時代こそ少しズレるがレンブラントの絵画のような、劇的なショットが散りばめられていてとても綺麗。
室内の調度品や衣装美粧に関しては本当に息を呑むほどの美しさ。
バロック音楽の響きもいい。不穏な雰囲気マックスになると、ずーっと同一の音をチェロかな?弦楽器が奏でていて美しくて不気味という素晴らしさ。
ゴブラン織か何かで沢山覆われた壁や、宮殿の整えられた庭や、女たちのドレスやアクセサリーのきらびやかな質感…
乗馬や狩りの際のスタイルも格好良かったし、個人的にサラさんの眼帯スタイル…めちゃくちゃ綺麗でした。目の保養。ありがとうございました。
さて、物語の中心は感情的で人生にも女王の立場にも疲れ切っているアン女王の寵愛の行く末である。
足の具合が悪いことや肥満も原因のようだけど、車椅子に乗っている女王はもはや自己の制御が利かなくなっていて、
車椅子を押す者=最初はサラ・最後はアビゲイル
によって実質支配されている哀しさや醜さを視覚的に見せている。
サラとアビゲイルのやりとりの様子は、相手には直接的というよりは遠回しな表現とか行動で表していくので、陰湿といえば陰湿。
2人が狩りをするシーンが特にもういやらしさ満点で好きだった…サラがアビゲイルをけん制するようなことを言えば、アビゲイルが撃った鳥の血がサラにかかったりとか…
あとは、最後は勝った?かのように思われたアビゲイルには、常に物理的に「落下」のイメージが付きまとっていて、どこまでもわかりやすく不穏な描写でよかったなあと。
まず登場シーンか馬車で落下だし、ハーリーに脅される所も屋外で蹴落とされるし、途中所々上り詰めていくに連れて階段を「上がったり」するんだけど、お部屋から下がるシーンが多いので必然的に降りていくシーンが多い。
きわめつけは、ラストシーンではないだろうか。立っているアン女王と、しゃがんで足を揉むアビゲイル。
足を揉む=途中からプラス女王への慰めサービス付きと解釈できると思うのだが、そう考えたらこのラストもめちゃくちゃ不穏だしスッキリしない。
アビゲイルは上り詰めたように思われるけれど、女王には立場はもちろん、物理的にも"下"に居て、下のお世話もするしかない。下世話だけれども。
かつて「梅毒持ちの兵士に体を売るくらいなら…」なんて言ってたけど、
結局前にいた売春宿とやっていることはほぼ変わらないのではないかと思うと、
果たして彼女は"上り詰めた"と言えるのか?と思ってしまう。
また、このシーンではうさぎと女王とアビゲイルのショットが重ねられるのも特筆すべき点で、
冒頭の方では女王が足の具合を悪くした晩の、女王とアビゲイルとサラの3人の様子が重ねられていたが、
ラストではうさぎに変わっている。
うさぎはアン女王の子供たちの代わりであるだけでなく、多産と繁栄の象徴としても昔から捉えられていることも踏まえると、
アン女王とアビゲイルの行く末を暗示するにはあまりにも皮肉すぎて滑稽。
この辺りは監督のセンスなんだろうな…
それを考えると、一度は売春宿に拾われてアビゲイルと逆転したり、最終的に宮廷から追い出されたりしても、いつもサラからは気品を感じるのは何故だろう…
女王に対してのサディスティックな一面や、公務において容赦なく人を切り捨て強引に意のままに操る面は「悪女」なのかもしれないけれど、アビゲイルと比べるとちょっと違う印象だった。
おそらく彼女の多才ぶりや、国家や女王のために働いているような面が感じられたからだと私は思う。
ラストで窓の外を見遣る視線のキリッとした美しさ、私はかなり強く焼きついたシーンだった。
後から調べたら、史実でもその後も資産運用したり、政治界を裏から支えたり、バリバリ活躍してたようなので流石生まれ持った資質が違うお方なのかも…
最後に個人的な感想を。
・カツラ姿の男性陣の見分けが割と途中までついてませんでした…ハーリーもマシャムもみんな頭もこもこやん…
というわけで、もしかしたら話を盛大に勘違いしてたら怖いな…
なんとなく議会のシーンでホイッグ党=黒髪、トーリー党=白髪のひとが多め?と思ったけど合ってます?
・章分けしてたのは意味があったのか…?タイトルも台詞をそのまま持ってきた感じだし…
章で区切りがちな監督というと、私はラース・フォン・トリアー監督のイメージが強くて、めっちゃ長丁場だしタイトルも意味深な感じだなあと思ってるので、それに比べるとなんなんだ?と思ってしまった。
・某サイトでアビゲイル=サークラ女子と書かれていて、めちゃくちゃ腑に落ちた。
この映画、英国王室という巨大国家レベルサークルをクラッシュする女の話だったんや…これあながち間違ってないと思う。
アビゲイルちゃん、「国がどうなろうとわたしには関係ない」ってはっきり言い放ってたもんなあと…
面白さがわからない(少しだけネタバレ)
なぜかあまり面白くなかった。気持ちが高ぶらないというか。どっちかというと観ていて疲れが…というのが正直なところだ。
なのでこれはレビューではなく感想文でしかない。
確かに主演、助演の三女優の演技は素晴らしいと思う。誰が主演で、誰が助演かわからない位、伯仲していた。
一ヶ所だけ引き込まれたシーンがある。
それは、アビゲイルにアン王女を寝とられた(?)事を知ったサラが動揺しながら廊下をさ迷う場面だ。ここは、もっとアップでサラの表情が観たかった。
この映画を楽しめなかった原因は、たぶん自分にこの映画の舞台背景や時代背景、又この手のジャンルの映画についての素養が備わっていないからに違いない。
そこを少しでもなんとかするために、これからこの映画を楽しめた方々の絶賛レビューをゆっくり拝見していきたいと思っている。
女優3人の演技がすごい
キャスト、衣装、セット、全てが豪華でした
ストーリーはドロドロ、それがまた面白かったです
孤独感を抱えるアン女王、その女王を操るサラ、野心だけのアビゲイルの3人の女性
最初は不運なアビゲイルを応援しながら観てましたが、途中からあまりの野心家に応援する気持ちも失せてきました
女王を操り自分の思うままに政治を動かそうとするサラの方に女王への愛情があったのではないかと思います
現実世界でも自分の耳に心地良い言葉ばかりを言う人よりたまには厳しい事を言ってくれる友達の方が信用できますもんね
とにかくアン女王の抱える孤独感が悲しすぎました
皆さんのレビューにあるよう女優3人の演技が素晴らしいですが、ホッとさせてくれるニコラス・ホルトがとっても良かったです
豪華な衣装や宮殿には眼を見張り、圧巻のオリヴィア・コールマンをはじ...
豪華な衣装や宮殿には眼を見張り、圧巻のオリヴィア・コールマンをはじめとする芸達者な出演者達の演技はとても素晴らしかった。ただストーリーの前半は面白かったのだが単調で最後はこれで終わり?という中途半端な幕切れだった。
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