「ジャッキーのSF?映画」ポリス・ストーリー REBORN バラージさんの映画レビュー(感想・評価)
ジャッキーのSF?映画
邦題に「ポリス・ストーリー」と付いてるが、勝手な邦題で『ポリス・ストーリー(警察故事)』シリーズとは関係ない。一応エンディングで流れる主題歌がポリス・ストーリー・シリーズの主題歌の新バージョンではあるが、知らずに観た人は、なんだこりゃ?全然ポリス・ストーリーじゃねえじゃん!てなっただろう。まあ香港映画あるあるですけどね。
今回のジャッキー映画はなんとSF。といっても舞台は現在(序盤は2007年でメインは2020年)で、宇宙人なんかも出てこない。僕はSFにくわしくないんで知らなかったが、バイオSFとかバイオパンクと呼ばれるジャンルらしい。だが肝心なこのSF設定、特に敵の設定がもうほんとにツッコミどころ満載。細かく言い出したらキリがないが、特撮もチープでB級SFといった感じ。バカ映画と言われても仕方がない出来だ。デザイン的にもパクり満載らしく、僕もスター・ウォーズかよ!と思ったところがある。やはり香港映画というか中華圏映画はSFとは相性が悪い。
では、つまらなかったのかというと、なぜかこれが意外と面白かった。ジャッキーのアクションが全盛期に比べてすっかりおとなしめになってるのは、もうずっと前からわかってることで、そこが面白かったわけではない。じゃあ何が面白かったのか?と聞かれると自分でも答えに困るが、なんか全体的には面白かったのだ。
ジャッキーの脇を固める俳優陣も良かった。若手イケメン俳優のショウ・ルオがコメディ担当で好演してる他、女優もジャッキー映画では久々に魅力的で、娘役のオーヤン・ナナは可愛いし、上司ジャッキーを慕う部下役のエリカ・シアホウもショートカット美人でアクションも出来て、これまた2人とも好演。ジャッキーも若手を育てることを意識してるのか、自分の出番を控えめにして彼らの出番を増やしてる感じがした。ちなみにオーヤン・ナナは芸能一家に育ち、本業はチェリストで天才美少女と言われてるらしい。欧陽菲菲(オーヤン・フィーフィー)の姪だそうだ。
要するにこの映画、SFとジャッキー以外の要素が面白かったということになるだろうか。なんか身も蓋もないが、でもまあ面白けりゃそれでいいのだ。