泣くな赤鬼のレビュー・感想・評価
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☆☆☆★★ 原作を読みながら、ゴルゴの妻役に川栄李奈を想定して読ん...
☆☆☆★★
原作を読みながら、ゴルゴの妻役に川栄李奈を想定して読んでいたら。本当に本人が演じていた驚き( ˙-˙ )
原作は、中学及び高校の教師と。その教師が関わりを持った生徒との、或る種の交流を描いた6編の短編集。
「白髪のニール」(☆☆☆☆)
「ドロップスは神様の涙」(☆☆☆★★★)
「マティスのビンタ」(☆☆☆☆)
「にんじん」(☆☆☆☆)
「泣くな赤鬼」(☆☆☆★★★)
「気おつけ、礼。」(☆☆☆★★)
先生も人間だけに、人に対する好き嫌いはどうしてもある。
そんな、先生だって聖人君子ではない…と。独立した6編の話は、話により先生目線から。また別の話では、元生徒からの目線から語られる。
先生目線では、決してやってはいけない生徒に対する好き嫌い…。 定年が迫り・又は定年を迎えた今、どうしても消える事のないその【肅罪】の思いを。
逆に元生徒の目線では、どうしても消えないでいるモヤモヤした想いを確かめてみたいとゆう、いけない気持ちを…。
今回映像化されたのは。そんな6編の先生と生徒の話の中から、人生の最期が迫った先生の話は他にもあるが。唯一直接的に《死》を扱った「泣くな赤鬼」
元々が短い短編だけに。ストーリー及び赤鬼とゴルゴ2人の関係性は、原作では赤鬼自らの独白だったのだが。ゴルゴが退部に至るまでの過程をじっくりと描き、原作では登場しない赤鬼の家庭環境等も加えられていた。
それら、原作をリスペクトし映像化されてはいるが。観ていて少しだけ不満を感じたのが、ゴルゴのライバルだった和田の登場場面。
【努力は必ず報われる】を、野球を通して教えようとする赤鬼に対して。「努力したってどちらかは報われないじゃん!」…と、初めから勝負を投げてしまう性格のゴルゴ。
原作・映画共に、《努力しかない》存在として登場する和田。
(原作では登場しないのだが)映画では、その和田がゴルゴに対して一言だけ嘘を言う。
クライマックスの時に登場し、その事をゴルゴに詫びる和田。
とても良い場面ではあるのですが…。
原作自体が、先生と生徒。双方からの【罪の意識】に苦しめられていた想い…。
それらを連作短編によって描いていた。
直接のストーリーに対して関わっていない。第三者の立場にある和田が、謝罪の言葉を述べるその場面。それぞれの話に登場する先生及び生徒は。長年に渡ってその胸にしまい込み、吐露出来ずに人知れず苦しんでいた…だけに。
確かに、単独の作品として観たならば納得は行くのですが…。
原作を読んでいただけに、他の5編の各話に登場する主人公に共通する胸の痛み。それが少し薄まってしまっているのが勿体ない気がします。
本来ならば、この原作から何遍かチョイスしたオムニバス形式こそ相応しいのかな?とは思いましたが…。
因みに、個人的にもしも自分がこの原作からチョイスして撮るのならば…。
「にんじん」
「マティスのビンタ」
「白髪のニール」(この話だけは明るい話)の順でしょうか。
2019年6月16日 イオンシネマシアタス調布/スクリーン2
詰めが甘く消化不良
高校生時代のゴルゴに共感できず
一生懸命っていいね
「努力は報われる」
わたしたちは知っている
そんな精神論なんかじゃ
立ち行かないことなんて
この世の中には幾らだってあることを…
スポーツ競技を〈人生の縮図〉と
度々、比喩で用いられます。
高みを目指すために費やした時間の中で
努力・忍耐をどんなに重ねても
辛酸・苦汁をどんなに味わおうとも
強者と弱者を、勝者と敗者を
くっきり〈結果〉として分けてしまう
ときに残酷なまでに…
でも、わたしたちは知っている
結果だけがすべてではないことを…
「努力は嘘をつかない」
一生懸命向き合った時間は
何物にも代え難い経験であり
目標のために捧げた〈過程〉が
尊く、そして美しい…
でも、結果と過程は必ずしも結び付かないし
かと言って優劣をつけられるものでもない…
大事なのは「何かを成し遂げる」だけではなく
「どのように取り組むか?」が人間を作る上で
必要なことだと思う。
精神論だけでは語れない
その “ 黄金の精神 ” が
勝敗だけの結果の枠を超えて
わたしたちの胸を打つ感動を呼び
わたしたちを突き動かす衝動に変わる
…以上、わたしの思うありったけの
スポーツ論を絡めた人生観でした!
さて本作『泣くな赤鬼』では
死期を知り人生を省みたとき
一度は野球から逃げたものの
もう一度夢を見ることを願った
元高校球児、ゴルゴと
指導方針で悩む監督、赤鬼先生との
ふたりの間で繰り広げられる
【こころのフィールド・オブ・ドリームス】
白球を追いかけ続けている限り
ヒトの夢は終わらない
悔しい。死にたくない。それがいい。
派手さはないが、じんわりと泣けてくるいい映画だった。
わだかまり
自分が死んでいくその日に何を思うのだろうか…?
未練とか…あるんだろうなぁ。
取り返しのつかない事って、実は死にさえしなけれりゃ取り返しがつくんじゃないかと思える。
作品自体は浅いわけではないけど、深くもないと思う。後悔先に立たずの一例か。
ただ、まあ、ホントに面倒くさいと思うのは時間は戻らないという事だ。
その時々に最良の選択を間違わずに行える人生などあるはずもなく、心残りも後悔もない訳がない。何をウジウジとやってるのか、と。
なんかこう…奇跡的にわだかまりを解消できたみたいな展開。
その裏には、関係者達が10数年引きずってたっていう時間があるのだけれども。
色々と同情してしまう脚本であった。
そんな中でも刮目せざるをえなかったのが、柳楽優弥だ。
なんだ、あの絶妙な距離感わ!
彼の仕草の一つ一つに遠慮とか、取り返せない時間とか、中退してから今までの想いとかギッシリ詰まってる。
なんちゅう繊細な芝居や!
自分の死に直面するっていう役所ではあるものの、台詞の裏側を明確に感じたのは彼が最初かもしれないと思う程鮮烈だった。
最期に彼が赤鬼に送ったサインは
「思いっきりやれ」って事なんじゃなかろうか…。
地味な作品ではあるけれど、本年度のアカデミー主演男優賞を柳楽氏に捧げたい。
ん?助演になんのか?
いやいや、俺的には主演やな。
ええもん観せてもろた。
脚本は好きではないけど柳楽氏は絶品だった。
その他にも指導者としての心構えとか再確認させてもらえたかなぁ。
生徒や若者たちよりも、真剣に一生懸命に、事に当たらねばと思う。
堤真一さん。どんな役柄でも上手い演技。川栄李奈さんも立派な役者さん...
後悔と再生
人は屡々「してしまったこと」を後悔しますが、それは寧ろ日常生活の中での軽い躓きに過ぎないことが多いでしょう。心の奥底から後悔し人生の桎梏となるのは、「しなかったこと」「やれなかったこと」に対しての悔恨です。
人生の黄昏年齢であればあるほど、猶更心に蟠踞する昔日への思いは暗く深いものです。
ただ人は諦観に耽るだけではありません。心をリセットしやり直すことが出来ます。たとえ年齢が幾つであったとしても・・・。
本作の主人公は長年高校野球の監督として指導に熱中し、多くの生徒と巡り合い過ぎ去っていった中に、不本意な意思疎通のすれ違いで去っていった生徒が、彼の心に蟠っていました。その生徒との偶然の再会から、改めて過去を顧み、そして現在の己を見詰め直す。
本作が根差すテーマは深遠であり崇高です。
20世紀の末頃に持て囃されたアメリカの詩人・サミュエル・ウルマンの詩「YOUTH(青春)」の一節を思い出しました。
「人間は年齢を重ねた時老いるのではない。理想をなくした時老いるのである。
歳月は人間の皮膚に皺を刻むが情熱の消失は心に皺を作る。」
「人間は信念とともに若くあり、疑念とともに老いる。
自信とともに若くあり、恐怖とともに老いる。
希望ある限り人間は若く、失望とともに老いるのである。
自然や神仏や他者から、美しさや喜び・勇気や力などを感じ取ることができる限り、その人は若いのだ。
感性を失い、心が皮肉に被われ、嘆きや悲しみに閉ざされる時、人間は真に老いるのである。」
本作のフレームワークは、重松清原作に沿って確固としていますが、ただ筋立てが茫漠として詰め切れていないために、感動が喚起しきれず、やや淡々と進行してしまったのは残念です。特に堤真一演じる主人公の現在と過去、その時々の感情の起伏と行動が、終始第三者視点で捉えられているために整然としていて静的にしか見えず、彼を突き動かす滾るような情熱と、その反動としての醒めきった諦観が伝わってこないように感じます。
「余命半年の元生徒と教師の再会-最後に分かり合えた絆の物語」というキャッチコピーから、泣かせてくれることを期待しながら、残念ですが全く泣けませんでした。その点では期待外れでしたが、これまでの人生の後悔を総括してみようと思い至る、その好機にはなってくれました。
重松清得意の先生モノだ!
かつては、赤鬼と恐れられた熱血先生も
いまや、ぶっち!だ!
そこに、かつてゴルゴとあだ名された生徒と
再会することに!
重松清のせんせいの中の1つ短編だ!
正しい答えなんてないよね!
ただ、そこに
僕は、いたよ!
って感じだ!
人間っていつまでも成長できる
キャスト陣が良い
意外にも高校時代の役者が良かった!
熱血監督の情熱と過ち
赤鬼がただ怖いだけではなく、芯は優しさがある教師像を体現していた。
それでも、生徒の為と思い込んでの言動の数々が、思い違いから一人の少年の青春時代を捻じ曲がっていく展開は痛々しかった。
堤真一は言うに及ばず、柳楽優弥、川栄李奈の若手俳優の演技も素晴らしかった。
よい原作、よい役者陣、よい映画
大好きな作家、重松清さんの短編集『せんせい』の中のひとつが原作。ずいぶん前に読んだのであまり記憶が明確ではなかったですが、重松さんの小説にはいつも泣かされ、電車の中で読んでいると不覚にも涙してしまうことがあるので、ある意味安心して観ることができました。まず特筆できることはベテラン堤真一さんやキムラ緑子さんは言うまでもなく柳楽優弥さん、川栄李奈さんの若手俳優たちの卓越した演技力に脱帽です。最近のCMや映画でやたら露出度が増えている二人。もちろん柳楽さんはデビュー作から華々しく、また川栄さんはAKB出身ながらこれだけ演技のできる女優さんに成長されたのは親世代の人間としてはうれしい限りです。("AKB出身ながら"はジャニーズ出身の俳優をうがった目で見る人たちを批判している立場からはするとこれも偏見かと思い、反省!(・_・;))赤鬼先生がかつての情熱を取り戻すくだりは原作を読まずとしても読める展開ではありますが、いい終わり方です。それにしても淡々とした話の流れの中要所要所でウルウルさせてもらえました。特に和田役の竜星涼さんがグランドに現れたときは想定内ではありましたが「来たか~!!」って感じで鼻水まで出てしまいました。元々の短編をうまくまとまられた良品だと思います。キセキ-あの日のソビト-の監督さんなんですね、納得。そこまで話題になっていませんがいい映画でした。くどいようですが柳楽さん、川栄さんこれからも楽しみないい役者さんたちです。早くWOWOWに入っていい映画たくさん観てより芸を磨いてほしいものです。
厳しい部活出身ならぜひ!
学生時代どうしてあんなに頑張れたのかと思うくらい部活をしていたよね。昭和の部活は体罰、パワハラなんて言葉はなかったなぁ〜と懐かしく。
この歳になって、あの頃の顧問の先生の気持ちもわかるようになって、学生時代を懐かしむ気持ちもあって、、しっかり入り込んで観れました。特に元野球部の方にはおススメです。私は軟弱卓球部でしたけど。
入り込んで観れば奥は深く主人公2人の演技力にかなり揺さぶられると思うのですが、、、表面上は淡々と説明的な表現が多いので途中寝ちゃってる人もいましたね。賛否が分かれる作品なのかな。
過去の若々しさと現在のしょぼくれ感を堤さんが素晴らしく演じ分けていて流石!と感動しました(^^)
同じ日に「ザ・ファブル」を観たので柳楽さんの役柄の違いに役者としての幅は認めるけれど、、上映時期を考えて欲しいと思いました。
ミニマムに濃縮した人生模様
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