アルキメデスの大戦のレビュー・感想・評価
全534件中、421~440件目を表示
あっという間でした!
なかなか面白かった
普通
落としどころはまぁまぁ・・・・
原作既読
相変わらず重量感がない戦闘シーンに思うが・・・
映像は悪くないのだが、演出の仕方に進歩がないような。
「男たちのYAMATO」をしのぐ映像にも思えるのに。
プライベートライアンのように、とことんグロく、大和沈没の過程を堪能させてもらえれば、星5つだったか・・・
原作が劇画(漫画)だからしょうがないが、本編もやや軽い。
よくありがちな、NHKスペシャル的演出は脱却できないものか。
最初と最後は映画館で見る価値はあろうかと思うが、後はTVでもOK。
内容のわりに尺が長い。
最後、櫂がタッチしてあの出来になるのは不思議。
装甲の薄い副砲塔が主砲塔の背後にある愚は許さないだろう。
涙を流している場合ではないゾ、と。
(史実だからしょうがないのだが)
落としどころとしては、良かったように思う。
ただ、戦後の価値観で演出されているのが鼻につく(原作も同じ?)。
俳優陣は頑張ったと思うが、一部演出過多と言うべきか?
現代人のリアクションのように思えたりもする部分あり。
そもそも空母か戦艦かと言う議論が「?」。
技術(造船)屋が出てきて云々じゃなく、戦略的な話は用兵で議論すべきと思うが、今日的公共事業予算のように経済比較?
戦略がなさすぎる・・・・
海軍も空母を軽視していたわけではなく、あれこれ策を練っていたはず。また、大和は秘匿されていたので全国区的な知名度はなく、戦時中は象徴になりえない。
技術屋の話なら、とことん技術屋的話に振ってくれればいいのに、お定まりの体育会系な演出は退屈。
邦画にロクな戦争映画はないので、期待するほどのこともなし。
リアルタイムな戦闘区域にカタリナ飛行艇での救助は史実なのか?疑問に残るが、米軍はちゃんと救助しているよとする記号?
シンプルにミニマムに
結果のわかってる物語。しかも大戦時の日本なので悲劇に落ちていき、その悲劇性に涙をしてしまう。それでも、色々なアプローチから作られ続ける。そして、今後も作られて欲しい。
この作品、ともかく入り口と出口が素晴らしかった。お陰で、要所要所での言葉が劇場を後にしても身体の何処かに留まっていて、必死に何かを植え付けてくるよう。全ての出演者が何かを投げ掛けてくるようだ。個人的には、賭ケグルイさんにはもうちょいご飯食べようねと思い、家族に乾杯さんには数学的説明セリフが似合わないなぁ…と思い、少々現実に引き戻されてしまいましたが(苦笑)、主人公が最後のチョイスをするまでの流れがお見事過ぎて、良い意味でキツイ映画だったと思います。
当時の海軍にはあり得ない視点が感動を生む
原作は既に 16 巻まで発行されているコミックスだが未読である。この映画を見て、非常に興味が湧いたので原作も読んでみるつもりでいる。登場する主要人物が軍艦の設計者という非常に面白い作りになっていて、冒頭にこそ戦闘シーンがあるが、本編には全く戦闘シーンがないという驚くべき戦争映画である。工学を本業とする身から見ると、非常にワクワクするような話であった。
真珠湾攻撃の9年前に話が始まる。老朽化した戦艦金剛の代わりになる新鋭艦を製造しようとする話で、永野修身や山本五十六が提案したのは新型空母であったが、対抗する嶋田繁太郎や平山忠道が提案してきた巨大戦艦の方が見積額が低いということに疑念を感じ、本当の設計費を算出して不正を正そうとするのが発端である。実際のところ、日露戦争で奇跡的な勝利を挙げた東郷平八郎が神格化され、大艦巨砲主義の発言力が大きかったのは事実らしい。時代は戦艦から空母主力に移り、現代の米海軍の主力艦は戦艦ではなく原子力空母に移っているのは誰もが認める事実である。船舶は航空機の攻撃に滅法弱いので、戦艦同士の主砲の打ち合いで雌雄を決するという時代では既になくなっている。
戦艦の建造費の見積もりを出すということは、使ってあるネジ1本の値段から全てを積算して総額を出し、更にそれらの工程表を書いて所要日数と人件費を合算する必要があるが、Excel が使える現代ならともかく、電卓すらなかったあの時代にそれを行うには、ゆうに1ヶ月以上を要する仕事であるはずである。それを僅か2週間でやれという。何故アルキメデスの名前が出てくるのかというと、金の比重の違いで王冠の偽物を見破ったアルキメデスにちなんだものだと思うのだが、更に考えてみれば、鉄で作った船が海上に浮く原理もまたアルキメデスのものである。
主人公は、東京帝大で数学を専攻する学生で、大財閥の娘の家庭教師をしていたが、ひょんな事で娘の父親の逆鱗に触れ、大学を退学させられる羽目に陥る。根っからの数学の天才という設定で、美しいものには数学的な裏付けがあるという信念の持ち主である。登場シーンで、芸者と扇飛ばしの遊びをして、距離と高さを計算してドンピシャで当てているが、あの計算はそれほど単純ではなく、扇の開き加減や凹凸の高さ、扇が巻き起こす気流による浮力など、不確定な要素が沢山あるので、実はほぼ計算不可能と言っていい問題なのである。
鉄の使用量と建造総額の関係を内挿的に関数化して同定するという考え方は、現在の機械学習でも行われている方法で、細かいところから積み上げるのとは逆に、結果的に入力と出力の間にどのような関係があるかというのを、既存のデータから近似式を導出して算出しようというもので、時間がない場合には極めて有効な方法である。ただ、映画で示されたカーブは非線形で、映画中で述べられていた「2階の微分方程式」などという簡単なものではなかった。あの形だと、深層学習かファジィ理論による入出力マッピングを行う必要があるのではないかと思う。仮にそうした方法を使用した場合には、極めて次数の高い式になるのは必至で、場合によっては数千から数万という次数の式になってしまうので、黒板に手書きの計算で求められるようなものでは全くないのだが、そこまでリアリティを要求する必要はないだろう。なお、ここまでの記述が理解できなくとも、鑑賞に全く問題はない。
軍規を理由に必要な設計図や物品費や人件費の資料に接することができず、苦悩して何とか活路を見出そうとする序盤からの部分も見応えがあったが、最終的な会議での話の運びには非常に引き込まれた。しかも、相手の不正を見抜くどころか、その先まで行ってしまっていた検討結果というのには度肝を抜かれる展開になっていて、見ていて非常にカタルシスの得られる話であった。更に、その後の平山との会話において、現代の観客が胸を打たれるという話の構成には深い感動を覚えた。
役者は、いずれも軍人らしさが欠けていたように思う。軍人は、昔の武将と同様に、戦場では声で指令を出さなければならないので、よく通る野太い声を訓練して身につけていたはずで、普段からそうした声で喋っていたはずである。辛うじてそれが感じられたのは、大角大臣を演じた小林克也のみで、永野修身や山本五十六までが囁くような声で喋ってしまっており、橋爪功演ずる嶋田繁太郎に至っては、耳障りな甲高い声でわめき散らすばかりというのにはうんざりさせられた。主人公はもともと軍人ではないのだからまあいいとしても、部下の田中を演じた柄本祐にはもう少し頑張って欲しかった。平山造船中将を演じた田中泯は流石だと思った。
音楽の佐藤直紀は、非常に素晴らしい曲をつけており、物語の重さを十分に感じさせるものであり、更には主人公らの感情の起伏をもよく描き出していたと思った。演出は、何と言っても冒頭の大和の戦闘シーンが素晴らしく、非常に圧倒された。BD が出たら絶対に買おうと思った。平山が語った視点は、当時のものとしてはあり得ず、現代人の視点に他ならないが、その心情は、現代人にはむしろよく伝わるものであり、エンドタイトルを見ながら、ただただ涙が流れて仕方がなかった。
(映像5+脚本5+役者4+音楽5+演出5)×4= 96 点。
エンディングは倒置法
最近MCUばかり観ていて、醤油が恋しくなって邦画鑑賞
菅田将暉の演技力は疑いようがないけど、その爽やかさゆえか、物足りなく感じることがある。が、今回は汗かき役の柄本佑がかなり効いてる。
素晴らしいボランチ役。
おかげで、主人公の天才さ、鬼気迫る集中力が際立った。
戦争映画として語ると、戦艦大和のアンチテーゼを描くこと自体に意味があると感じる。
戦艦大和が、良い、悪い、ではなく、このようなテーマが公の場で議論されることが重要だと思う。
冒頭のシーンを、映画の後半ではく、オープニングに持ってきたことに、この映画の大きなメッセージがあるだろう。
当然、クライマックスのカタルシスを高める効果を狙ってのことだろうが、
もしかしたら、戦艦大和の結末を知らない人向けのインプットかもしれないと思うと、少し怖くもなった。
結構楽しく観れましたよ。
うーん、考えてしまいました。
夏になると戦争を題材にした映画が多く上映される意義を改めて考えさせられる作品
この作品では、戦闘シーンの映像は限られている(大迫力ですが)。が、そこで流れるテロップが後半効いてくる。
大和建造をめぐる旧日本帝国海軍内の駆け引きに若き天才数学者が巻き込まれていくストーリー展開が秀逸で引き込まれる。
そして、軍人たちから発せられる言葉の数々が現代日本で起こってしまった、もしくは進行しつつある数々の出来事を想起させ、私たちに警鐘を鳴らしている事に気付く。
エンタメ作品として上質であるからこそ、この作品は色々な見方が出来る良作である。
菅田さん、柄本さん始め熟達した役者さんたちの演技もこの作品に深みを持たせている。
特に田中泯さんの鋭い眼光、言葉の発し方には感服である。
ストーリーに引き込まれた
フィクションなのにメッセージ性が大きい!
菅田将暉の黒板芸を楽しみに、気軽に見に行ってしまったら、数学の真実をもってしても戦争の不条理にはかなわない、すごく考えさせられる良い作品でした
冒頭のVFXでは自分が戦闘機に乗っているかのような臨場感がすごい!!!
ストーリーも見せ場の黒板シーンの後にどんでん返しあって意表をつかれた。山本五十六が真珠湾攻撃をしたこと、戦艦大和はあえなく沈んだことは動かせない事実。ラストの菅田将暉の表情にこの映画のメッセージが込められいて、やっぱりいい役者だなって改めて思う。
大迫力の戦艦に感動!
「見積もりの計算をし直して、不正を暴く」
え、それだけの映画を120分間見せられるの?と最初は戸惑いましたが、次々と場面が展開し、全く飽きることなく、最後まで魅せられてしまいました…。
シリアスな雰囲気の中に紛れ込むコミカルさに笑いを誘われ。
自分の信念のためにどんな困難にも立ち向かう主人公に心打たれ。
最後の最後でのどんでん返しに意表を突かれ。
とにかく面白かったです!
何度も見返したいくらいです!
私は戦艦の知識を少しかじっているので
知っている戦艦の名前が出てくるだけでも興奮しましたし
長門と大和を大画面で見たときには鳥肌が立ちました!
昔の造船技術も、それを再現する今の映像技術も、素晴らしいですね。
少しでも気になっている方は迷わず見にいってほしいです!
日本全滅の代わりに沈む戦艦大和
菅田君は好きなタイプではないが、最後はとても複雑な感情を表現していて、良い役者だと思いました。
最初は会議で軍艦か空母かで、山本五十六は空母を進言。古い頭の幹部は軍艦。その軍艦は日本を戦争に突入させるためのシンボルなのです。ただし、とても安く予算を見積もってきたので、菅田君がその見積りを暴いて、空母に軍配があがらせるというストーリー。
そこまで持って行くため数学の天才が何もないところからギリギリの戦いが行われるのです。脇役の柄本、一輪の花のような美波の存在は宝石のようです。
しかし、力が抜けるようなどんでん返しが起こります。
平和のために、努力しても、結局、山本五十六や軍部は真珠湾攻撃に突入します。
まるで、日本はアメリカと戦争しなければならない運命が、どうやっても避けられなかったとこの映画は言っているようです。
目に見えない日本の宿命のようです。
そして、日本が滅びないための生け贄である戦艦大和の設計の重要部分は、奇しくも天才数学者の菅田君が虚偽予算の全貌を暴くために書き起こした設計図が優秀であるがゆえに、採用されたものであったのです。自分の数式で作られた戦艦大和を見つめて流す涙は悲しすぎて泣けます。
平和のための数学が戦争の道具になります。それでも、それが日本全滅の代わりに海に沈むのです。
不思議な感慨にしばらく立てませんでした。
追記
また美波が好きになりました^_^
面白い
全534件中、421~440件目を表示