アルキメデスの大戦のレビュー・感想・評価
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怒涛のラスト20分の展開は見事
正直序盤は展開が遅いと感じる部分もありましたが、ラストの展開が本当に素晴らしく、興奮が抑えられませんでした。「史実に基づくストーリー」というのは先の展開が読めてしまうため難しいようにも感じましたが、それを逆手に取ったストーリー構成で感動しました。
戦艦大和を扱った一級のエンタメ作品です。
戦争物の映画は終戦の季節に作られる事が多いけど、その中でも戦艦大和をテーマにした作品はなんとなく別格なイメージで、原作もある程度読んでる事もあり、鑑賞しました。
で、感想はと言うと、面白い!
重厚なストーリーに今までの戦争物とは一味違った切り込み口に楽しめ、第二次大戦の日本海軍の象徴たる戦艦大和の歴史は日本人なら誰でも知る所ですが、その悲劇的な結末を知っていても、鑑賞中にグイグイと引き込まれる。
正直、ここまで面白いとは思わなかっただけに嬉しい誤算です♪
ストーリーは数学の天才、櫂直が超巨大戦艦の建造費のからくりを暴き出すと言う、原作の約3巻までのお話が軸となっていて、原作は現在も連載中な為、何処まで描かれるのかと思ってたけど、4巻以降の話を描かず、大和建造のきっかけとなる決定会議迄を中心にしてますが、これが良いです。
話は戦艦建造に当たる以上に安価な建造費のからくりを暴くと言う点に焦点を当てているのでかなり明快なストーリー。
ですが、これが個人的には大正解で、どうしても難しくなる当時の状況と政治情勢にちんぷんかんぷんにならず、約1週間程の出来事ではありますが、非常に濃密な1週間の為、ここをじっくりと描き、細部までに緊迫感を出してます。
原作もこのエピソード以降は話が大きくなり過ぎている感が否めなく、櫂直が数学の天才から、戦争を回避する英雄的な描かれ方をしているので、ちょっと肩透かしな感じがしてるので、ここだけに焦点を当てた事で登場人物に深みがあります。
キャストもかなり良い配役で菅田将暉さん演じる櫂直は数学の天才としての1面を見せながらも、ヒステリックな1面が少し未成熟な面を醸し出して、逆にそこが魅力になってて良い。
個人的に良かったのは田中役の柄本佑さんと尾崎鏡子役の浜辺美波さんと嶋田海軍少将役の橋爪功さんと平山中将役の田中泯さん。
柄本佑さん演じる田中は軍の緊迫した空気に櫂の違和感を感じた際のユーモラスさが物語のメリハリを打ち出しているし、徐々に櫂の頼れる部下となっていくのも頼もしい。
また、櫂と田中に共通するのは台詞の間合いとテンポの緩急が上手いので、終始ダレる事なく鑑賞出来ました。
浜辺美波さん演じる尾崎鏡子は令嬢としての凛とした美しさを醸し出している。
橋爪功さん演じる嶋田海軍少将は階級を盾に自分の覇権だけを守ろうとする小物感がイヤらしくて良いw
櫂直との対比が面白くて、流石名俳優さんです。
田中泯さん演じる平山造船中将は櫂と敵対しながらも、終盤には毅然とした軍人の覚悟がとても素晴らしく、戦争を回避出来ない状況に大和が礎となる未来を見越しての覚悟はこの作品の肝に感じました。
漫画原作でありながら、非常に見応えのある作品の一端はこの田中泯さん演じる平山造船中将かと思います。
戦艦大和のモノクロ写真を見ると何処か絵空事の様に感じながらも、巨大の一言では片付けられない迫力に怖さを感じ、遠い昔の話にも畏敬の念と言うか、畏怖の念を抱く感じがします。日本人にはそれだけ戦艦大和と言う存在は特別な物だと思います。
戦争映画は数多く在れど、戦艦大和を扱った作品はそんなに多くなく、また殆どが大和の乗組員を描いた作品ばかりなので、戦艦大和の建造に纏わる作品は切り口としてやはり面白いです。
難を言えば…
巨大戦艦の安く見積もられた建造費のカラクリが鶴瓶さん演じる大里社長の所でアッサリとネタバレしても、その後の決定会議では特に捻りもないのに“大里社長の台詞、そのまま言っただけやないかい!”と突っ込んだのとw、ラストに平山が見せた約20分の1の大和の模型の他に造船中の大和の迫力が見たかったなぁ。
オープニングのVFXも迫力あるし、出演者の配役も良い。開戦間近となる緊迫感と、同じ海軍内であっても、それぞれの派閥の覇権争いも見応えがあり、ラストの大和が建造され、出向するシーンも胸に迫るものがあります。
流行りの俳優が出演していると言う色眼鏡で見ずに一級の戦争映画・一級のドラマチックなエンターテイメント作品かと思います。
作中にあった平山の「日本国民は負け方を知らない国民」と言う台詞は当時なら非常に重く、意味のある台詞に思えますし、今の何処か調子に乗った日本と言う国に対してと重い意味を持ち、この国の未来を案じての警告でもあると感じました。
終戦から70年以上が経ちますが、戦争の悲劇と多くの犠牲の上に今の平和があると言うのは忘れてはいけない出来事だと思います。
過去にこういった戦争があって、大和と言う悲劇の戦艦があった。またそれらを忘れてはならない切っ掛けの一つとしながらも、小難しく考える事以上に、映画作品としての面白さを堪能出来る作品かと思います。
かなり超お勧めです!
思ったよりわかりやすかった!
戦艦のストーリーで難しそうと注目していなかったけど、詳しく知らなくてもわかるし感動できると評判が高かったので。
観て正解でした!熱くなる作品でした!
実際にあった戦艦大和。大和が沈没したのは知っていました。
それだけしか知らなかったけど面白かったし想像していたよりわかりやすかった。
冒頭のVFXの迫力がすごい。
この作品は冒頭が結末だと
思います。圧巻でした。
冒頭だけバトルシーンで
そのあとは大和がどのように生まれたのかが描かれる。
戦艦映画=バチバチのバトル
だと思ったら違います。
結果より過程に着目している。
豪華俳優陣勢揃い。
天才数学者櫂直の菅田将暉さん
田中正二郎の柄本佑さんの
コンビが作品の重さを軽くしてくれる。
やりとりに笑える部分も。
櫂直が数式を書きまくるシーンはすごい!
諦めたら何もできない。
昔も今も何かに立ち向かうとき
諦めたら何もできない。
素敵な俳優さんの中で唯一の女性
尾崎鏡子の浜辺美波さん。
可愛くて癒しでした。
鏡子がいるいないでは
全然違う。
本当に観てよかったなあ。
熱くなった。明日も頑張ろうと
思えた。
ラストは泣きそうになるくらい
熱かった!この熱さ、文書から伝わるといいです。
アルキメデスの大戦、まだ映画館で
観れるのでぜひ大スクリーンで!
やるせない
美の在処 ~ 理論は論理より先立つ ~
世界からしても類を見ないほどの
超弩級戦艦たる〈 大和 〉は
我らの誇りを具現化したものであり、我らの希望
そして我らの美の、精神の象徴…
互いに国力を削り合うのが戦争と言うのであれば
実際、余力がまだある内に敗戦を宣言したほうが
利口な判断、論理かも知れない…
でも日本の尊厳を損なわずそれを行うには
新しい日本の礎となる“ よりしろ ” が
理論を成り立たせるために
大和が必要だったのかも知れない…
そんな深いテーマをさらりと提示して
なおかつ、見ごたえのある作品として
山崎 貴 監督が世に送り出した
一種変わった切り口の反戦映画
本作『アルキメデスの大戦』
「論理とは、思考による法則性、
つまり筋の通った “ やり方 ” を意味する」
「理論とは、言葉による法則性、
つまり知識体系を意味する」
と、一般的な辞書に記されていました。
【数字は嘘をつかない】として
〈論理的〉な数式を用いて
粉飾見積りの不正を導きだし、併せて造船所との
癒着を暴いた池井戸 潤的な(笑)
爽快カタルシスのあとの
【大和の存在意義】を戦後を見据えた上で
〈理論的〉に語る
心情カタルシスの、ふたつのカタルシスが
わたしの感性と感情を同時に刺激しました!
また終盤に至るまでの、男の信頼関係や
美しいものを計測、からの図面に向かう姿勢
戦争を止めようとした信念
そして美に魅せられていく感情…
それらを周到に印を踏まえた流れでみせていて
とても好印象に思いました♪
菅田将暉さん、柄本佑さん共に若いのに叙情的で
色気のある演技ができる良い演者さんですね!
そしてなによりもベテラン俳優陣の厚み!
國村隼さん、舘ひろしさん、そして田中泯さんetc.
素敵なおじさま方を拝見できる作品でした♪
19年8月5日 劇場にて鑑賞
最高でした
さすが菅田くん、主演で裏切らない映画と予想したけれど、
かなり奥も深い映画でした。
どこまでも真っ直ぐな主人公には、どんな事でも全力で楽しんでとやるこの方には本当にハマり役でした。美しいし。
見終わってずしんと感動しましたね。
今までも特攻隊なんかを映画で観てやはり、玉砕覚悟なんて無駄なことだけど命を捨てて戦う姿勢に日本人の骨太の覚悟を外国に示せた訳で。それが今だって、自分達の誇りとなってもいるし、アメリカにとっても脅威に少なからずなっている。
ただのアジアの小さな国でなく、何かあるぞと。
日本人の自分達は、先人らの命をかけた覚悟と、美しく散るという美学、その歴史の重さ。
その上にいま自分は立って生きていることまた改めて刺さりました。
戦争は殺し合いで、無駄なものと思うけれど、
でもそれを通らなければ、進んでいけなかった。
ただ、生きて、
物乞いや春を売ったり、嘘をついたりして、そうしてでもとにかく生きていくのは大切かもしれないけれど、
それって動物と同じなわけで、悲しい。もたろん殺されても悲しいけど。そう、汚いか美しいかは大事だと思う。
弱肉強食、戦争して殺し合うのも動物と同じだから、
その先の世界を見据えていくには、生きていくのに
誇りとか美学は、人間にとって必要なものなのかも。
単にナルシストというか、酔いしれ、自らを飾るだけのだけの美学でなく、
数字にはズルや嘘がないから、どこから見ても証明できる美しさ、真実はどこまでも浄らかな世界を作り出す。
最初から最後まで、柄本、角替さん親子共演もあって、見応えありました。
菅田くん、こんな重い映画でもしっかり伝えることを届けてくれます。若いのに素晴らしい。
皆さんに見てほしいなあ
漫画が原作である「空母いぶき」があまりにも共感できなかったので、また原作は漫画かと根拠もない偏見をもちながらも、数学と大和の関係に興味があり見てしまったが結局良かった。
戦艦造船の中将が、「米国と戦って勝てるわけがない」という個人的な判断のもとに、戦艦の見積もりをあえて安くして選定されるようにした・・・。こんな馬鹿者があっちこっちで勝手な判断をして日本の足を引っ張ったんだろうな。
インパール作戦でも、そりゃあ無謀な作戦であったかもしれないが、英国物質拠点にあとわずかなのに勝手に退却をする部隊がいて、結局何の成果も得られなかった。
時々あの大戦を「馬鹿な戦争をして・・・」という輩がいるが、そんな時俺は心の内で「何も知らないくせにお前こそ馬鹿者だ」と思っている。
まるで舞台を観ているかのような迫真劇
「大和」の悲しすぎる運命
冒頭の「大和」の生々しく悲惨すぎる沈没に始まり、エンディングに至るまで、緊迫感の途切れない飽きさせない作品だった。戦争の危機に若き天才数学者が挑戦するという異色の設定が効果的だ。櫂直の真っすぐさを菅田将暉が好感の持てる演技で魅せている。彼の信じられないような数学の能力、本気度、思いの正しさが彼の内外に共感を呼び不可能を可能にしていく姿は実に爽快だ。
この作品は、通俗的な言い方をすれば、「理想」と「現実」の対決がテーマである。櫂直の理想主義の戦いは、周りを巻き込んで一旦は成功したかに見えたが、結局戦争を阻止することはできなかった。軍の本質は、力を誇示することであり、最終的には戦争に勝つことである。その強大な現実の力の前には、理想はあまりに無力だと思い知らされる。映画の中では直接語られないが、政治の無力さだったり、「国民の声」という世論の愚かしさに思いを至らされる。
異色のアプローチで戦争の本質を描いた作品として記憶に残るであろう。
よかった
大阪まで行って社長の鶴瓶が会ってくれないとか、資料を見せてもらえないとか、つまらないところでドラマが展開されていてイライラする。もっと先の複雑で奇怪なところを見せてもらいたい。大和推進派の田中泯が、敢えて大和を沈ませることで国民や軍部を絶望させて終戦に持っていくと主張して、主人公も納得していたのだが、全然納得できない。もっと開戦を避ける方に全力を傾けろ。実際大和が沈んでも終戦しねえし。本気で言ってんのか。山本五十六が全然調査に協力しないし、主人公も協力を仰がないのもどうなんだ。
そうは言っても長い上映時間が割とすぐ終わったので楽しかった。戦闘場面のCGがよかった。
皮肉
戦争回避のために戦艦の建築費用の不正を暴こうとするお話。
数学の力で戦争回避できると信じて難題に挑むが、最終的にはある理由で戦艦が必要だと理解してしまい、結局は不正は暴くも建築は避けられなかった。
ただその難題に挑む過程で、主人公の数学者と軍隊に配属中の助手が成長していくのは面白かった。
敵側の思想もしっかり設定されていたし、ストーリーは面白いが、最後の戦争は避けられないくだり部分をもう少し説明があっても良かった。
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